SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」|個人でできるリサイクル事例を紹介

##ごみ問題##リサイクル#SDGs#SDGs目標12 2022.02.17

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SDGsに注目が集まる今、持続可能な社会をつくっていくために、さらにリサイクルの重要性が高まっています。

今までにもゴミを減らす取り組みとして、3Rが注目され、減らすこと(リデュース:Reduce)、再利用すること(リユース:Reuse)、再生すること(リサイクル:Recycle)が実践されてきました。

今回の記事では、リサイクルの重要性に再注目しSDGsとリサイクルの関係性や、リサイクルの現状について幅広く解説していきます。

リサイクルが必要な3つの理由

①資源が限られているから

私たちは日常生活の中で、多くの資源を活用して生活しています。
特に石油などの化石燃料から作られるプラスチックは、容器や食器として使われるだけでなく、レジ袋やさまざまな部品として活用されています。

石油や石炭、天然ガスといった化石燃料は、無限に採掘可能な資源ではありません。

「エネルギー資源確認埋蔵量」によると、資源を採取できるとされる期間は石炭とウランが100年、石油、天然ガスは50年と計算されています。

資源が限られている中、今後も持続的な社会を構築するためには、無駄な廃棄を減らし、限りある資源を効率的に活用していくことが重要です。

② 燃焼時に二酸化炭素が発生するから

現在、気候変動が世界的な問題になっています。二酸化炭素などの温室効果ガスが増加することで、地球温暖化を引き起こし、異常気象などが発生し、多くの人々が被害を受けています。

ごみ1トンの焼却につき、約380kgの二酸化炭素が排出されており、このままごみが増え続けると、オゾン層の破壊による地球温暖化や異常気象の発生に繋がってしまいます。

③ごみの消費量を減らすため

ごみ総排出量は4272万トン(東京ドーム約115杯分)、1人が出す1日当たりのごみ排出量は918グラムと言われています。

また、最近は新型コロナウイルスの影響が大きく、PET(ポリエチレンテフタレート)を主原料とする不織布マスクや、手袋といったプラスチック製品の消費が増えており、自然界の中で完全に分解されることがない「プラスチックごみ」は海へ流出し汚染する危険があるとして問題視されています。

▼プラスチック問題について詳しくはこちら

リサイクルに関係するSDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」

目標12「つくる責任、つかう責任」の内容

SDGsで掲げられた17の目標のうち、リサイクルと直接的に関係する目標は12「つくる責任 つかう責任」です。
目標12「つくる責任、つかう責任」は、「生産者も消費者も、地球の環境と人々の健康を守れるよう、責任ある行動をとろう」のテーマのもと、12個のターゲットから構成されています。
そして、資源の消費とごみの発生を抑制し、持続可能な開発を推進することが掲げられています。

SDGsではそれぞれの目標にターゲットが設定されており、具体的な指標が明示されています。目標12「つくる責任 つかう責任」のターゲットのうちリサイクルに最も関係するのは12.5です。

SDGs 目標12 「つくる責任 つかう責任」
ターゲット12.5:2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。
※外務省による仮訳

重要性が増すサーキュラー・エコノミー

サーキュラー・エコノミーとは

リサイクルの重要性を考える上で重要な考え方が「サーキュラー・エコノミー」です。

サーキュラー・エコノミーとは、物が利用されている瞬間を1番価値のある状態と捉えて、物の利用時間をいかに継続させるかを重要視する考え方です。サーキュラー・エコノミーはリサイクルやリユースなどの個別の問題ではなく、リサイクルを一部に含んだ考え方全体を指しています。

リサイクルはサーキュラーエコノミーの一部でしかなく、物の利用状態をいかに継続させ、修理や再販を活用し、できるだけすぐに市場に戻せるようなビジネスモデルが求められています。

なぜサーキュラー・エコノミーが重要なのか

サーキュラーエコノミーが重要なのは、持続可能な社会を作るために3Rだけの取り組みだけでは足りないからです。

リサイクルでは、原材料に戻してから再利用する過程で、さらにエネルギーを必要としてしまう可能性があります。また、リサイクルの過程ではその製品を活用することができず、ビジネスの視点では、価値をうまない時間を増やしてしまうことになります。そこで、物自体の利用を長くするサーキュラー・エコノミーが注目されつつあるのです。

サーキュラー・エコノミーが注目される背景は主に3つあります。
1.環境問題が深刻化し、資源制約が大きくなった
2. IoTなどのデジタル技術の進化によって物の稼働状況が安価に分かるようになった
3. 所有することよりも、使いたい時に便利に使用したいという価値観が主流になった

サーキュラー・エコノミーを意識することで、消費者・販売者・環境全てにとってメリットがある状態を実現できると考えられています。

さらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参照ください。▼

日本のリサイクルの現状

低い日本のリサイクル率

では、日本のリサイクル率はどのようなレベルにあるのかを見ていきたいと思います。

2017年度のEU加盟国と日本のリサイクルを比較すると、29ヵ国のうち日本は下から5番目の25位となっています。
1991年の廃棄物処理法改正以来、日本はリサイクルを邁進してきましたがそれでも世界的には低いリサイクル率となっています。

この理由として、日本では生ごみをリサイクルできていないことが挙げられます。
例として、カリフォルニア州のごみの分別法と比較してみたいと思います。

・カリフォルニア州
カリフォルニア州では、家庭からごみを出す際に3つの分別をする必要があります。また、ごみは基本的に 3 つ の色別のごみ箱によって分別しています。

①緑:「COMPOST(堆肥)」:生ゴミ、紙ナプキン、紙コップ

②黒:「Trash/Landfil(埋立て)」:オムツ、プラスチック商品、ペン、

③青:「RECYCLE(リサイクル)」:ビン、缶、ペットボトル、段ボール

緑は燃やせるもの、黒はバクテリアが分解できるもの、青はリサイクルできるもの、ということになります。

・日本
自治体によって異なりますが、15~20の分別をしなければなりません。
例として、以下のような分別法があります。

可燃ゴミ 台所ごみ、紙くず、衣類など
不燃ゴミ 金属、ガラス、陶器など
資源ごみ ペットボトル、ビン、缶、新聞など
粗大ゴミ 大型家具など

一見、分別法の数だけを比較すると日本の方がリサイクル率が高そうに思えます。しかし、カリフォルニアは「生ごみ」をきちんと分別し、リサイクルしているためリサイクル率は50~60%であり、先ほどのグラフ上位国と比べてもかなりリサイクルが進んでいることがわかります。

日本のごみの約半分は生ごみであり、これらをリサイクルすることが出来れば日本のリサイクル率は飛躍的に向上すると言われていますが、未だに大きな改善には至っていないのが現実です。

その理由として、日本は自治体がごみを管理しており、個人の分別に頼ってしまっていることが挙げられます。よって、国を挙げて大胆な政策を打ち出せずにいるのです。

8割越えのプラスチックがリサイクルされている

日本では、85%のプラスチックがリサイクルされています。他の国では、欧州は約42%、米州は約21%となっており、かなり高いリサイクル率を誇っていると言えますが、これには理由があるのです。

それは、日本では「プラスチックを燃やす際に発生する熱から電気エネルギーを生み出す事」をリサイクル法の1つとして考えていることにあります。

下の表は、日本がプラスチックのリサイクルにおいてどのようなリサイクル法を用いているかを示したものです。表中の2019年の数字を見ると、サーマルリサイクルはマテリアルリサイクルの2.7倍以上、ケミカルリサイクルの19倍以上行われています。このことから、日本はほとんどサーマルリサイクルを行っていることが分かります。つまり、ただプラスチックを燃やしているだけでほとんど原材料のリサイクルはできていないのです。

マテリアルリサイクル 廃棄物を溶かしたりすることで原材料レベルに戻した後、再利用するリサイクルすることを指します。
ケイカルリサイクル 廃棄物に化学的な処理を施し、原料に戻した後、リサイクルすることを指します。しかし、高いコストがかかってしまうことが問題点です。
サーマルリサイクル 回収したごみを焼却し、そこで生まれた熱エネルギーを施設や発電に利用することです。これらはゴミ発電とも呼ばれます。

参考:https://lo-cabo.com/article/japan-no-plastic-no/
https://www.pwmi.or.jp/pdf/panf1.pdf
https://www.nies.go.jp/kanko/news/35/35-4/35-4-04.html

メルカリやラクマなどのサービスの増加

近年、メルカリやラクマ(楽天)をはじめとしたフリマアプリが普及し、活用する人が増加しています。スマートフォンを活用して簡単に出品できる点や、手に入りにくい商品を飼うことができる点が魅力です。

皆さんは、「フリマアプリ」を利用していますか?
近年、CMでよく見かける方も多いと思います。2012年に「Fril」というアプリが配信スタートしたのがフリマアプリの始まりです。その後、2013年に「メルカリ」が誕生し、スマホで売買ができるという手軽さから爆発的にヒットしました。

それまで普及していたオークションサイトは時に値段が高騰し、希望する値段で買えないことがありました。しかし、フリマアプリでは価格が決められているのが原則で、さらには購入者の交渉次第で値下げを行ってもらえることもあります。価格変動が起こらないというシステムは、購入者に煩わしさを感じないことが利点であると言えるでしょう。

これにより、フリマアプリを代表するメルカリは1日あたり50万点以上の商品の出品と、月間の取扱高が100億円超えにまで成長してきました。

ただ捨ててしまうのではなく、フリマアプリを通して気軽に出品できることでごみの削減に繋がります。中には、子どもの自由研究の為に一見ごみになりそうなトイレットペーパーの芯やラップの芯が売れることもあります。フリマアプリはリサイクルに大きく貢献していると言えるでしょう。

日本のリサイクル問題への取り組み事例|5選

ここでは、日本の企業がどのようなリサイクル問題への取り組みを行っているのかを紹介していきたいと思います。

①日本製紙

日本製紙は、2017年にポテトチップスやシリアルの袋に使われているプラスチックの代わりとなる紙製の包材「シールドプラス®」を発表しました。
「シールドプラス®」とは、木質素材100%から成る基材に製紙用水系塗工技術を活用したバリア塗工層を付与することで誕生した、『環境に優しいバリア素材』です。
参考:https://www.nipponpapergroup.com/products/package/thick_paper/post.html

②大塚製薬

大塚グループは、「大塚グループ プラスチックステートメント」を掲げています。
飲料用PETボトルの原料にリサイクル原料や植物由来原料を使用することにより、グローバルにおける持続可能なPET原料の割合を2030年までに50%、2050年までに100%にすることを目指しています。
参考: https://www.otsuka.com/jp/csr/environment/plastic.html

③明治製菓

明治製菓では、FSC®認証紙(責任ある管理をされた森林や、林産物の責任ある調達に対して与えられるマーク)を使用している商品の販売と、その使用拡大に向けての取り組みを行っています。その例として、「明治おいしい牛乳 900ml」「きのこの山」「たけのこの里」などが挙げられます。

また、2020年10月には、FSC認証紙の使用拡大に向けてヨーグルトやチョコレートの生産工程におけるCOC認証(加工流通過程の管理で、FM(森林管理)認証を受けた森林から産出された木材・紙製品を、適切に管理・加工していることを認証する制度)を取得しました 。

参考:https://www.meiji.com/sustainability/procurement/#procurement01

④資生堂

資生堂では、「資生堂プロフェッショナル サロンリサイクルプログラム」を行っています。

これは、テラサイクルジャパン合同会社と協働し、資生堂美容室でヘア商品や資生堂化粧品の使用済み容器をリサイクルする取り組みです。空容器を持ち込むたびに資生堂プロフェッショナル グリーンポイントが付与され、ポイントに応じ商品のサンプルが貰える仕組みです。

参考:https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000003044

資生堂の取り組みをより詳しく知りたい方はこちら▼

⑤JR東海

JR.東海では、きっぷを削減しチャージ式のICカードを邁進する取り組みをはじめとし、使用済みのきっぷ類をトイレットペーパーなどの原料としてリサイクルする取り組み、乗車券・制服類・車両のリサイクルなどに取り組んでいます。

また、リサイクル技術の開発を進めており、新幹線車両に使用されていたアルミから付着物を取り除いて、高純度のアルミ合金のみを抽出する手法を開発し、アルミのマテリアルリサイクルを実現しました。

参考:https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000041013.pdf

海外のリサイクル問題への取り組み事例|5選

①アクセンチュア

アクセンチュアは、持続可能な成長の促進に向けた取り組みを行っており、従業員1人あたりのCO2排出量の52%削減に成功しています。アクセンチュアの最優先事項の中には、電子廃棄物と水の管理を含む、再利用とリサイクルの取り組みがあります。

アクセンチュアのインタビュー記事はこちら▼

②インテル

社会環境への影響の最小化に継続的に取り組んでいます。2008年以来、事業で発生する廃棄物全体の75%以上をリサイクルしており、従業員の報酬の一部を固形廃棄物のリサイクル指標に関連付けました。

また、埋め立て地への有害廃棄物をゼロにし、非有害廃棄物のリサイクル率を90%にすることを掲げています。

③エスティーローダー

エスティ―ローダーの地球環境安全(EAS)チームは、廃棄物を最小限に抑えた確かな実績があり、回収率と転換率を改善するための新しい方法を引き続き模索しています。

2003年以来、エスティローダー社が所有する23の製造および流通施設は、廃棄物を埋め立て地に送っていません。リサイクルできない廃棄物はすべて焼却され、エネルギーに変換しているのです。同社の工業用地では、2016年に88.5%のリサイクル率を達成しています。

④ブリタ

ホーズとテラサイクルと協力して、使用済みのウォーターボトルとフィルターを今までよりも簡単にリサイクルできるようにしています。

顧客は5ポンドの古いブリタ製品を集めて箱に詰め、無料の配送ラベルを印刷し、安全なリサイクルのためにテラサイクルに郵送します。送られたブリタ製品は、屋外席やじょうろなどの新しいプラスチック製品にリサイクルされます。

⑤リーバイス

Cottonと提携し、摩耗した廃棄されたブルージーンズをリサイクルする取り組みを行っています。ブルージーンズを捨てないようにするために、リーバイスの店舗にはデニムを入れることができるリサイクルボックスが備わっています。リサイクルジーンズは、ほとんどが建物の断熱材に使用される材料になります。

さらに、リーバイスではデニムを持ち込んでリサイクルすると、1つのアイテムが20%オフになるクーポンを配布しています。

まとめ

今回は、今日本が抱えているリサイクルの問題と、企業が取り組んでいる事例について紹介しました。
私たちが積極的にリサイクルを行うことで、地球の環境悪化を遅らせることが出来ます。

未来の子供たちの生きる社会をより良くするために、身の回りの物から少しずつリサイクル活動に取り組んで行くことが大切です。

SDGsCONNECTはSDGsに特化したメディアです。様々なトピックスが取り上げられており、新たな発見があるかもしれませんので、是非読んでみてください!

SDGsとは

SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称です。日本語では「持続可能な開発目標」と表されます。

2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、2016年から2030年までの15年で達成すべき17のゴールと169のターゲットで構成されています。

SDGsでは経済や環境、社会の課題が幅広く取り上げられ、持続可能な社会を築き上げるために、国連が主導してさまざまな取り組みが広がっています。

SDGs CONNECTでは、SDGsの各目標ごとに解説記事を公開しています。

▼各目標の詳細は以下の画像をクリック

▼SDGsについて詳しくはこちら

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