SDGs14「海の豊かさを守ろう」問題点、取り組み事例、できることを解説

#SDGs目標14#技術#持続可能#環境 2021.02.12

この記事をSNSでシェア!

 

【更新日:2024年1月15日 by 田所莉沙

SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」は、海や川に暮らす動植物を守り、豊かな環境を保つために定められました。

近年とくに注目されているのが、海に漂うプラスチックごみです。プラスチックごみを間違えて飲み込んでしまい、命を落としてしまう生き物がたくさん存在します。

この記事では、SDGs目標14の内容や世界各国の問題などを解説していきます。また私たちができる取り組みについても、紹介していきます。

【この記事で分かること】※クリックするとジャンプします。

 

見出し

SDGs14「海の豊かさを守ろう」とは

まずはSDGs目標14の概要や、ターゲットについて、説明していきます。

SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」の意味と内容

SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」は、川や海で暮らす生き物たちやその周辺の資源を守るために定められた目標です。

近年ではとくにプラスチックごみが海に漂い、間違えて飲み込んでしまったり、魚が生きていけなかったりと、海で暮らす生き物たちに悪影響を与えています。また海の水が酸性化することで、サンゴやカニなどの生き物が繁殖できないなどの問題が生じています。

海や川で暮らす生き物たちの生態系を維持しながら、私たちも海や川からの恩恵を得るためには、海や川の環境を守っていくことが必要不可欠です。

SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」のターゲット

SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」は、海や川の生態系を保ち、多様性を維持するために10個のターゲットが設けられました

たとえばターゲット14.1では、ごみの量を減らすことで、海や川への影響を減らすことを目指しています。またターゲット14.4では、漁業に関する規制を行い、違反行為を禁止する取り組みを通じて、海や川の多様性を保つことを目指しています。

そのほかにも海や川の生態系を守るために、多くの目標が存在します。SDGs目標14のターゲットについて、詳しくは下記の表をご覧ください。

14.1 ・2025年までに海や川に流れるゴミをなくし、ゴミの量を大きく減らす。
・海や川に含まれる栄養が必要以上に増えないようにする。
14.2 ・2020年までに海や川で暮らす動植物の生態系に悪影響を与えないようにする。
・海や川の生態系が回復するような政策を実施する。
14.3 ・海水が酸性化しないよう、被害を最小限にとどめるような政策を実施する。
14.4 ・2020年までに漁業に関する規制を行う。
・過剰漁業や違法行為を禁止し、持続可能な漁業が行えるようにする。
14.5 ・2020年までに国内の法律や国際的なルールに従って、沿岸地域や海域を保全する。
14.6 ・2020年までに発展途上国や後発開発途上国に向けて、過剰漁業などを禁止する。
・過剰漁業につながるような補助金制度を撤廃する。
14.7 ・2030年までに小島嶼開発途上国や、後発開発途上国が持続可能な海洋資源を通じて、利益を得られるようにする。
14.a ・海や川の状態を、よい状態に保つ。
・小島嶼開発途上国や後発開発途上国が発展しながら、海や川の生態系を保てるよう、知識や技術を提供していく。
14.b ・小規模で漁業を行う人々に対して、海洋資源やその市場を利用できるようにする。
14.c ・海や川、海洋資源を持続可能なものとするために、国際的なルールを定め、保全活動を行う。

参照:外務省公式サイト

SDGs14に関する現状と問題点6つ|問題の原因とは

次にSDGs目標14の6つの問題を説明していきます。

大量のプラスチックごみによって海が汚染されている

現在、海洋汚染の一因となっているのが大量のプラスチックごみです。世界各地で排出されるプラスチック廃棄物の一部が、不適切な廃棄処理や放置により海に流れ込んでいます。

2019年に海に排出されているプラスチックごみは、3億5,300万トンでした。海に漂うごみの量は、今後も増加すると見込まれており、2060年には10億万トンを上回る想定です。

プラスチックゴミは分解されにくいため、適切に処理されなければ海に漂い続け、さまざまな環境問題を引き起こしていきます。これらの問題を解決するためには、より多くのプラスチックごみを海へ流さないよう、適切に処理したり、使用量を減らしていく必要があります。

都市開発や気候変動などで海洋生物の生息地が破壊されている

海や川の生態系は、都市開発気候変動による影響も大きく受けています。

たとえば都市開発による沿岸地域の埋め立ては、マングローブやサンゴ礁などの生態系を破壊する問題となっています。また気候変動による海水温の上昇や酸性化は、海や川の生き物に深刻な影響を及ぼします。この結果多くの生き物が生息地を失い、生態系のバランスが崩れてしまいます。

今後海や川の生息地を保つためには、気候変動を促進しないための取り組みなどを行うことが必要です。

一部の魚の過剰な漁獲により海の生態系が崩れている

過剰な漁業も、SDGs目標14における問題の一つです。とくに制限を設けずに漁獲が行われることで、どんどん魚の種類が減少し、海や川などの生態系が崩れています

日本において、2021年の漁業関係の法令違反は、1,361件もありました。また密漁も増加傾向にあり、深刻な問題となっています。

海や川の生態系を考慮せず漁業を行ってしまうと、魚は繁殖できず減る一方となってしまいます。必要以上に漁業を行わず、海や川の生態系を保つためには、漁業をする際に適切な量で漁獲することが大切となります。また過剰な漁業が発生しないよう、管理することも重要です。

海洋中の二酸化炭素が増え、海水が酸性化している

海洋酸性化」とは、大量の二酸化炭素が海に溶け込むことで、もともとアルカリ性である海水が、酸性に近づいていくことです。海が酸性になることで、サンゴ礁やホタテなどの貝類、エビなどの甲殻類の生き物の成長や繁殖に悪影響を与えてしまいます。

海の酸性化は、二酸化炭素が排出されればされるほど、悪化していきます。海水が酸性化しないようにするためには、海水がアルカリ性に戻せるよう、二酸化炭素の排出量を減らすことが必要です。

地球温暖化により海の温度が上がっている

地球温暖化」は、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量が増加したことが原因で、生じている問題です。地球温暖化は気温が上昇するだけではなく、海の温度も上昇させています。気象庁の調査の結果、2022年までの100年間にかけて、1.24℃も上昇しているとわかりました。

海水の温度が上昇すると、北極や南極の氷河が溶け、海の水位も上昇してしまいます。また冷たい海水で暮らす魚たちが生活できなくなり、生態系が変化する恐れもあります。

海の温度を上げないようにするためには、地球温暖化を抑制するための取り組みを積極的に行うことが必要不可欠です。また日頃から二酸化炭素を排出しないよう、私たちも心がけることが求められます。

サンゴ礁が絶滅の危機に直面している

海で暮らす生き物の中で、大きく影響を受けている一つが、サンゴ礁です。サンゴ礁は、熱帯や亜熱帯地域の綺麗な海に形成されます。しかし近年では、海が汚染されてしまったり、海水の温度が高まったりと、サンゴ礁が生存しにくい環境になりつつあります。

また「白化現象」という現象も問題となっています。「白化現象」とは、海水温の上昇によりサンゴが白くなり栄養失調を引き起こし、最終的に死んでしまう現象のことです。サンゴ礁は多くの海洋生物の生息地であるため、死んでしまうと多くの生物も暮らす場所を失ってしまいます。

これ以上サンゴ礁を失わないようにするためには、サンゴ礁周辺の海を適切に管理し、サンゴ礁にとって適切な環境を整えることが必要です。

海の豊かさを守るために私たちにできること4選|小学生・中学生もできる個人の取り組み

続いてSDGs目標14を達成するために、私たちができることについて、紹介していきます。

生活の中でプラスチックの使用を減らす

私たちができることとしてまず挙げられるのが、プラスチックごみの量を減らすことです。

私たちの身の回りには、多くのところでプラスチックが使用されています。ペットボトルやプラスチックを使わないようにすることで、海に漂うごみの量を減らせます。また買い物に行く際にエコバックを持参することで、プラスチックバックの使用量も減らすことが可能です。

そのほかにも毎日ペットボトルを買うのではなく水筒を持ち歩いたりマイストローを使用したり、できることに取り組んでみましょう。

サステナブルな魚介類を選ぶ

買い物に行く際に認証を得た魚介類を購入することも、私たちができる取り組みの一つです。認証マークを得た魚介類は、海や川の生態系に配慮して漁業や養殖を行ったものを表しています。認証マークには、MSC認証ASC認証などがあるため、ぜひ参考にしてみてください。

また旬の魚を食べることもおすすめです。旬の魚は生態系に負荷をかけずに捕獲でき、新鮮で美味しいというメリットもあります。買い物に行くときは、ぜひ調べてみてください。

MSC認証
…水産資源や環境を考慮して、適切に管理された漁業を表す認証のこと。
ASC認証
…環境と社会への影響を最小限にとどめて、養殖を行っている水産物を表す認証のこと。

ビーチクリーンや環境保護団体へのボランティア参加、寄付などに参加する

ビーチクリーン」とは、海岸でごみを拾う活動のことです。海に漂うゴミの中でもプラスチックごみは、海岸に多く流れ着いており、大量のゴミが発生しています。海や川の生態系を保つためには、「ビーチクリーン」などのボランティア活動に参加したり寄付活動に貢献したりなどの取り組みが必要です。

たとえば神奈川県では、ビーチクリーンの活動を行うため、ボランティアを募集しています。公式サイトで詳しい詳細が記載されているため、興味のある方はぜひ一度調べてみてください。

そのほかにも寄付活動は、さまざまな団体が取り組んでいます。簡単に寄付できるものも存在するため、ぜひ積極的に行ってみてください。

>>かながわ海岸美化財団公式サイトはこちら

海洋生態系の観察・保護に取り組むエコツーリズムに参加する

エコツーリズム」とは、その地域の自然環境や歴史、文化などを大切にしながら観光客に伝えていくことです。日本では2008年からエコツーリズム推進法が施行されており、「エコツーリズム」もSDGs目標14の達成に貢献する取り組みです。

私たちが実際に旅行に出かけた際にエコツーリズムに参加することで、SDGs目標14の実現だけではなく、その地域の活性化にも貢献します。さらに実際に現地が直面している問題を認識でき、問題に対する意識も高められます。

エコツーリズムには、さまざまな取り組みがあります。旅行に行く際は一度調べてみてください。

SDGs14を達成するための日本企業の取り組み事例3選

つぎにSDGs目標14を達成するために、日本の企業が行っている取り組みについて、紹介していきます。

商船三井|Ocean180 プロジェクト

商船三井は、さまざまな物資や製品などを輸送している会社です。SDGs目標14の達成に向けた取り組みとしては「Ocean180 プロジェクト」を行っています。このプロジェクトでは、海や川の環境を保全することを目指しており、琉球大学が中心となって取り組みを実施しています。

また2020年に生じたWAKASHIOの油濁事故の後、モーリシャス共和国にて自然環境の回復や保全に向けた活動も行っています。現在はプロジェクトを実施するために2つの基金を設立し、さまざまな支援のもとで、活動を続けています。

すかいらーくホールディングス|プラスチック製品の廃止

すかいらーくホールディングスは、ファミリーレストランや惣菜専門店など、さまざまな店舗を運営している会社です。SDGs目標14を達成するために行っている取り組みとして、プラスチック製品の廃止があります。廃止している製品として、ストローや使い切りのフォーク・スプーンなどです。

そのほかにも持続可能な魚介類の調達を目指して「すかいらーく持続可能な魚介類調達基準」を設け、MSC認証やASC認証を取得した魚介類を積極的に調達しています。

ニッスイ|SeaBOSへの賛同

ニッスイは、冷凍食品や缶詰製品も取り扱う食品メーカーです。製品を取り扱う中で魚介類も多く活用しており、さまざまな取り組みを行っています。たとえばSeaBOSに賛同し、世界各国の企業とともに水産事業の課題を解決しています。

また国内の養殖事業にも力を入れており、適切な管理や環境づくりを行っています。また養殖時に逃亡してしまう魚がいなくなるよう、設備も徹底して行っています。

SDGs14を達成するための世界の取り組み事例3選|企業や団体の取り組み

続いて世界各国で行われている、SDGs14の実現に向けた取り組みについて、紹介していきます。

The Ocean Cleanup|System 001/B

The Ocean Cleanup」とは、海のプラスチックごみを除去するために活動を行っている非営利団体です。オランダを拠点としており、海に漂うプラスチックごみに関する問題の解決を目指しています。

この団体が主に力を入れている取り組みが、「System 001/B」の活用です。「System001/B」は、自然の海流と風を利用した動きで海面のプラスチックごみを集めます。現在は新しいシステムへ移行し、海をさらにきれいにするため、検証を行いながら清掃を行っていきます。

スターバックスコーヒー|ごみ排出量の削減

スターバックスコーヒーは、世界各国で店舗を展開している会社です。商品を販売する際に多くのプラスチックごみを排出していたスターバックスコーヒーでは、少しでもゴミの排出を減らすために、紙ストローを導入しました

また2023年にはキーホルダーとして手軽に持ち歩ける、何度でも使えるストローを発売しました。そのほかにも使い捨て商品を減らすことを目指し、さまざまな商品の販売を行っています。

アディダス|Run for the Oceans

靴や衣類などの商品を取り扱うアディダスでは、海洋プラスチックをリサイクルし、スニーカーを製造するための材料として活用しています。

また「Run for the Oceans」というイベントを定期的に開催しています。このイベントでは、走りながら沿岸沿いのプラスチックゴミを集めます。2022年度には7億7,000万以上ものプラスチックごみを回収しました。

関連記事:《SDGs事例集》スポーツを通して世界を変える|アディダス

まとめ

SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」は、海や川で暮らす生き物たちの生態系を守るために定められた目標です。近年、プラスチックごみが海に漂ったり、絶滅の危機に陥ったりと、さまざまな問題に直面しています。

企業や政府においても、海の豊かさを保つために取り組みを実施しています。とくにプラスチックごみを活用したリサイクル活動は、広く行われています。また使い捨て商品を減らすため、くり返し使える製品の販売や導入にも取り組んでいます。

また川や海の生態系を壊さないようにするためには、私たちも生活する中で取り組みを行っていくことが必要です。たとえばプラスチック製品の使用量を減らすことや、MSC認証マークの魚介類を購入することです。みなさんも積極的に取り組んでみましょう。

この記事をSNSでシェア!

  • ランキング

    《実は存在した?》SDGs18番目のゴールの噂|都市伝説と実際のゴール

    新着記事

    アシックスの新しいランニングシューズNIMBUS MIRAI(ニンバスミライ)

    SDGsの基礎知識

    食品ロスとは?原因や日本と世界の現状、家庭でできる対策を紹介

    もっとみる

    おすすめ

    食品ロスとは?原因や日本と世界の現状、家庭でできる対策を紹介

    《徹底解説》今、注目を集める再生可能エネルギーとは|SDGsとの関係性も解説