SDGs15「陸の豊かさも守ろう」現状・問題点・取り組み事例を紹介

#SDGs目標15#持続可能#環境 2021.02.12

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【更新日:2023年4月28日 by 田所莉沙

急激に都市化が進む今でも、私たちは豊かな自然からの恩恵を受けています。自然の豊かさによって、きれいな水を得たり、さまざまな食料を生産したりしています。例えば、水は私たちの日常生活に必要なだけでなく工場などでも利用され、人類共通の重要な資源になっています。

一方で、私たち人間は自然の恩恵を直接的に得ながらも、自然の豊かさを破壊し、さまざまな環境問題が指摘されています。

この記事では、SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」をテーマに国内外の陸の豊かさの現状や課題解決について解説していきます。

【この記事で分かること】

見出し

SDGs15「陸の豊かさを守ろう」とは

みなさんはSDGs目標15について、どのくらいご存知でしょうか。

まず、SDGs目標15の内容や、達成に向けて定められたターゲットについて説明します。

SDGs15「陸の豊かさを守ろう」の概要

SDGs目標15「陸の豊かさを守ろう」では、陸で生きる動植物の生態系を崩さぬよう、保護や回復を行うことが目標です。

世界では、人口増加に伴って森林が伐採されたり、地球温暖化の影響で絶滅してしまう動植物がいたりと、さまざまな問題が生じています。そのため、保護や回復に向けた取り組みだけではなく、砂漠化の抑制動植物の多様性を保つことも、SDGs目標15が定めていることです。

SDGs15「陸の豊かさを守ろう」のターゲット

SDGs目標15「陸の豊かさを守ろう」では、12個のターゲットが設けられています。どのターゲットにおいても、森林の保護・回復を通じて、より豊かな自然が増えるよう、目指しています。また、外来種によって地域特有の生態系が崩れないように、外来種対策も含められました。

実際に目標15を達成するために、世界各国で、資金の調達や森林の徹底的な管理などの取り組みが行われています。そのほかのターゲットについて、詳しくは下記の通りです。

15.1 ・2020年までに国際的な協定に基づいて、森林・湿地・山地・乾燥地など、陸の生態系と淡水地域の生態系によってもたらされる自然の恵みを守り、回復させる
・陸の生態系と淡水地域の生態系を持続可能な形で利用できるようにする。
15.2 ・2020年までにあらゆる種類の森林の管理をすすめる。
2020年までに持続可能な森林の管理を行うことで、森林の減少をなくす
・おとろえてしまった森林を回復させ、世界全体において、植林を大きく増やす。
15.3 ・2030年までに砂漠化対策を行う。
砂漠化、干ばつや洪水の影響を受けて衰えてしまった土地と土壌を回復させる
・これ以上世界各国で土地がおとろえないよう、努める。
15.4 ・2030年までに持続可能な開発に必要となる山地の生態系を守る。
山地の生態系の能力を高め、さまざまな動植物が生きられる生態系を整える
15.5 天然の生息地がおとろえないようにし、生物の多様性が損なわれないようにする
2020年までに絶滅危惧種として認定されている動植物の保護を行う
・絶滅してしまう可能性のある動植物に対し、絶滅しないための対策を実施する。
15.6 ・国際的に決められたように、遺伝資源を使って得られる利益が平等に分けられるようにする。
・遺伝資源を適切に使えるようにする。
15.7 動植物の密猟や、法律に反した取り引きをなくす
・法律に反する野生生物の製品が求められたり、売られたりすることがなくなるようにする。
15.8 ・2020年までに海外から移住してくる外来種の侵入を防ぐ。
外来種が自国の海や陸の生態系に与える影響を大きく減らす
・生態系に被害がおよばないように、優先度の高い外来種は駆除する。
15.9 2020年までに生態系や生物の多様性を守ることへの大切さを考える
・国や地方の自治体などによる計画、開発のプロセスに組み込む。
・貧困をなくすための取り組みやお金の使い方に組み込む。
15.a 生物の多様性や、生態系を守る
・生態系などを持続可能な形で利用できるようにする。
・さまざまなところから資金を集め、より多くのお金が使えるようにする。
15.b 森林の保護や植林など、持続可能な森林の管理を行う
・あらゆるところから資金を調達し、発展途上国が持続可能な森林の管理を行えるようにする。
15.c ・持続可能な形で収入が得られるように、コミュニティの能力を高める。
保護が必要な動植物に対する密猟や、法律に反する野生生物の取り引きをなくしていく
・密猟や違法な取り引きをやめるために、国際的な支援を強化する。

参照:外務省公式サイト

SDGs15が必要な理由|陸の豊かさを守るメリットとは

ではSDSGs目標15が達成されることで、得られるメリットとは一体何でしょうか。

私たちの暮らしは、さまざまな場面で自然からの恵みに支えられています。たとえば住まいを建てるためには土地や木材が必要ですが、森林で育った木々が伐採されて、木材が得られます。住まい以外にも、私たちが毎日食べる食品のほとんどが、自然の恩恵を受けています。また毎日着ている衣類も、コットンなどの原材料が自然環境の中で育つことで、衣服が作られます。

また私たちの暮らしは、自然によって守られています。たとえば森林は、土に根を張ることで、大雨が降っても土砂崩れや洪水を防ぐ役割を果たします。

したがって私たちの暮らしは、自然の支えがなければ成り立たないものです。SDGs目標15を達成することは、私たちの暮らしを支えることにもつながります。

関連記事:SDGs目標15の3つの課題-達成に向けた取り組みと私たちにできること-

SDGs15に関する世界の現状と問題点、原因

ここまでSDGs目標15を、達成することの重要性について、まとめていきました。

続いてSDGs目標15に関する、世界の問題や原因について、説明していきます。

人間活動による動植物の減少|絶滅スピードが加速する現状

近年は地球温暖化の促進や人口増加による森林伐採によって動植物が著しく減っています。中には、絶滅する可能性のある動植物も存在します。現在、世界中の動植物のうち42,100種類もの動植物が絶滅する危険性があり、この数は全体の約27%を占めます。

また国連が行った調査の結果、近年の動植物が絶滅するスピードが、1,000倍以上であることがわかりました。

動植物が減少してしまう原因として、地球温暖化の影響人による密猟・乱獲などが挙げられます。とくに地球温暖化によって、動植物の生息地の環境が変化することで、その地で暮らせなくなってしまう生物たちが多く存在します。

動植物の絶滅を防ぐためには、密猟・乱獲への対策を行い、地球温暖化の抑制にも取り組むことが必要です。

大規模な森林の減少|原因は畜産や農業用地の拡大

世界では、森林の面積の割合も年々減少しています。2020年には世界の森林面積は約41億ヘクタールでした。この数は、世界全体の陸面積のうち、たった31%しかありません。

1990年以降、アフリカ大陸や南アメリカ大陸、東南アジアに位置する国々が、とくに森林の割合が減っています。また森林の面積が減少している国の多くは、近年国の経済が発達しているという特徴があります。

森林の割合が減少していく原因の一つが、人口増加と食料不足による、森林の農地化・牧草地化です。とくに人口増加の勢いが収まらないインドや、パキスタンなどの国では、食料が足りていません。不足している食料を補うために、森林だった土地が農地や牧草地へと生まれ変わっています。

森林の減少を防ぐことで、地球温暖化の促進を和らげるだけではなく、動植物の絶滅にも歯止めをかけられる可能性があります。

地球温暖化や人間活動による砂漠化|過放牧や農薬の過剰使用も関係

砂漠化」とは、もともと自然豊かであった土地が乾燥し、土地が劣化することで、植物が育ちにくくなることです。現在、砂漠化が起こっている地域は世界全体の43.1%に達しました。これらの乾燥した地域には、世界の約20億人が暮らしていると想定されています。

土地が砂漠化してしまう原因は「気候的要因」と「人為的要因」の2つです。「気候的要因」には、干ばつや乾燥化などがあります。また「人為的要因」は、森林伐採や、農地を休耕しない影響で土地が荒れてしまうなど、人による活動が原因となるものです。世界各国で問題となっている「砂漠化」は、ほとんどが「人為的要因」によるものとなっています。

「砂漠化」が悪化することで、動物が暮らす場所や植物が育つ場所がなくなり、絶滅の可能性が高くなります。また土地が荒れてしまうことで、農作物が育たなくなり、食料不足にもつながります。これにより国の貧困率が悪化したり、食料を求めて争いが始まったりと、さまざまな問題が生じてしまいます。

「砂漠化」は、動植物の生態系に悪影響を与えるだけではなく、私たちの生活にも大きな影響を与えます。貧困などのような社会的な問題を解決するためにも、「砂漠化」の抑制は重要です。

SDGs15に関する日本の現状と問題点、原因

つぎに日本国内で発生している、SDGs目標15に関連した問題や、原因について説明していきます。

人工林の放置|大きな原因は林業の衰退

第二次世界大戦後、日本では森林が著しく伐採されたことで山地が荒廃していました。その後、高度経済成長期に木材の需要が増大したことで、国内でスギとヒノキが造林されていきました。現在日本の国土面積のうち約7割が森林です。そのうち人工林の面積は、森林全体の約4割を占めます。

しかし人工的に作りだされた森林は、枝打ちや下刈りなどきちんとした手入れが行われなくなると、土がやせていったり、根が雨水を吸いきれなくなったりする問題を生じさせます。

近年では林業に従事する人が減少したため、管理が行き届かなくなっている状態です。また安い資材が海外から輸入されることで国産の木材の需要が減り、手つかずの人工林が増加しています。

多くの外来種の流入|生態系の崩壊

外来種」とは、人間によって本来の生息地とは異なる場所に運ばれ、新たな土地で暮らすことになった動植物のことです。身近な外来種の動植物として、アメリカザリガニや、シロツメクサなどが挙げられます。

「外来種」の中には、ある動植物を食べてしまったり、人に害を与えたりと、従来から続いているその土地の生態系を崩壊させてしまう可能性があります。また近い種族の動植物同士で交配が起こり、本来とは別の種類の動植物が生まれてしまう場合もあります。

生態系へ悪影響をもたらさないよう、「外来種」を運ばず、増やさないように取り組みを行うことが必要です。

耕作放棄地の拡大|作物が育てられなくなった土地を長期間放置する問題

耕作放棄地」とは、耕作したことがある土地で過去一年以上栽培をせず、手付かずの状態である土地のことを言います。「耕作放棄地」は政府ではなく、農家の人々が独断の判断で栽培するかどうかを決めます。そのため農家による判断によって耕作放棄地となっている場合があります。

「耕作放棄地」が増加していく原因として、農業に携わる人々の減少や、高齢化などが挙げられます。耕作放棄地が増加すると、日本国内で生産される農作物の量が減少するため、食料不足や自給率の低下につながります。

そのほかにも農地を放置することで害虫が増加したり、野生動物がエサを求めにきたりと、さまざまな問題が生じます。

里山の荒廃|動植物の消失や野生動物の侵入も問題

里山」とは、私たちが暮らす都市や村の近くにある山のふもとのことであり、農業や果樹園などさまざまな用途のある地域のことです。日本にも里山は多くの場所に存在し、日本国度のうち約4割を占めると言われています。また日本各地にある里山のほとんどは、首都圏外にあります。

近年では「里山」の荒廃も問題の一つです。第二次世界大戦後に起きた高度経済成長とともに、薪炭や草などが燃料として利用されなくなり、林業が停滞していきました。さらに高収入な仕事先を求めて若者が都市部へと移住することで里山周辺の地域が過疎化し、後継者不足となりました。

里山の管理が不十分となり、ごみの不法投棄が発生したり動植物の生態系が崩壊したりする問題が発生します。里山がこれ以上荒廃しないようにするためには、里山の管理を徹底し、地域の人々や企業と協力して取り組みを行うことが大切です。

SDGs15に関する世界の取り組み事例3選|企業・NPO・NGOの取り組み

続いて、SDGs目標15を達成するために世界が取り組んでいる政策について、紹介していきます。

関連記事:SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」の取り組み内容とは?-取り組み事例5選を紹介

関連記事:SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」|世界の取り組み事例5選

DARWIN200 グローバル航海|世界各国の自然保護活動家とともに活動

DARWIN200 Global Voyage」とは、世界各国の自然を保護するために、若手の環境保護活動家の育成を行うプロジェクトです。このプロジェクトの立ち上げに影響しているのが、19世紀に活躍した科学者のチャールス・ダーウィンです。選ばれた若手の環境保護活動家は、「ダーウィンリーダー」として、世界をよりよいものにするため、さまざまなトレーニングプログラムを行います。

選ばれた若手の環境保護活動家は、かつてチャールズ・ダーウィンが調査した動物や植物の個体数について調査し、絶滅の可能性など脅威度を確認します。調査を通じて現在の動植物における保護対策が十分であるかを判断し、保護活動の改善をしています。

このプロジェクトでダーウィンリーダーは、自然保護における調査能力や、保護活動に向けた戦略の視野が広がります。これらの経験を活かし、ダーウィンリーダーがそれぞれの母国で、各国の環境保護に取り組む原動力として活躍させることが、「DARWIN200 Global Village」の目指す目標です。

>>DARWIN200公式サイトはこちら

世界自然保護基金(WWF)|野生生物の保全活動

世界自然保護基金(WWF)は、世界100か国以上で活動している環境保全団体であり、1961年にスイスで設立されました。世界各国で動植物の多様性が失われていることから、多様性の豊かさの回復や地球温暖化の防止、脱炭素社会の実現などを目指しています。

世界自然保護基金(WWF)は持続可能な社会の実現に向けて、4つの活動テーマを設けています。その一つが「野生生物を守る」です。さまざまな動植物が自然の中で暮らしているにもかかわらず、人によって過剰に捕獲されることで、絶滅の危険性に直面しています。絶滅危惧に陥る可能性のある動植物を少しでも減らすために、世界自然保護基金は動植物に関するパトロール活動を支援したり野生動物の保護活動を行ったりしています。

そのほかにも国際自然保護連合(IUCN)と共同して、野生生物の国際取り引きを監視し、流通状況を調べる「トラフィック・ネットワーク」を設立しました。これにより野生生物の過剰な取り引きや、密猟・密輸を防いでいます。さらに、地域の生態系のバランスが崩れないよう、生態系の保全活動にも取り組んでいます。

国際連合開発計画(UNDP)|グリーン・コモディティ・プログラム

国際連合開発計画(UNDP)は、貧困をなくしたり不平等をなくしたりと、持続可能な社会を実現するためにさまざまな政策を支援する、国際連合の機関です。世界各国の政府や非政府組織(NGO)、企業などと協力しながら、さまざまな活動に取り組んでいます。

SDGs目標15に関連している取り組みが、「グリーン・コモディティ・プログラム」の実施です。このプログラムでは、農村の開発や、生物の多様性の維持を目指した農業方法への転換など、持続可能な農業の促進を行っています。とくに労働環境が問題となっているコーヒーやココア、牛肉などの生産過程の改善に力を入れていきます。

SDGs15に関する日本の取り組み事例3選|政府・自治体の取り組み

続いて、日本政府や自治体が取り組んでいる、SDGs目標15の達成に向けた取り組みについて、説明していきます。

五ふしの草|奈良県・大阪府近郊

五ふしの草」は、稲穂農民を意味する言葉です。奈良県や大阪府近郊で農業を営んでいる有機農家たちが、持続可能な農業を行うために小さな団体として設立されました。農作物の生産から各家庭に届くまでの流れにおいて、環境に優しく、かつ安心で安全な野菜をつくることを目指します。

SDGs目標15と関連した取り組みが、栽培した有機作物の販売です。毎月の最終日曜日に奈良県・奈良駅前の広場にて、朝市(ファーマーズ・マーケット)が行われています。

朝市のほかにも環境問題や社会問題を、有機農業の映画を通じて理解してもらうために、2019年の11月・12月には映画祭を開催しました。

低炭素なまちづくり|北海道 札幌市

北海道札幌市は、2018年6月にSDGs未来都市として選ばれ、さまざまな取組を行っています。とくに温室効果ガスの排出量を削減することに力を注いでいます。その結果2021年1月には、日本全国の自治体で初めて環境性能評価システムである「LEED」において最高評価を取得しました。

SDGs目標15の達成に貢献する取り組みが、低炭素社会の実現です。札幌市では建物内やまち全体で消費するエネルギー量を削減し、排出される二酸化炭素の量を減らすことを目指しています。2050年までに都心部から排出される二酸化炭素排出量を、2012年度と比較して80%削減することが目標です。

そのほかにも郊外や近隣のまちや村と連携し、再生可能エネルギー由来の電力を供給する施設を設立しています。この施設を通じて、積雪時にも対応できるように取り組んでいます。

SDGs未来都市
…内閣府が選定する、SDGsの達成に向けて取り組みを推進している都市のこと。
LEED
…Leadership in Energy and Environmental Designの略称のこと。国際的に最も認知されている環境性能評価システムであり、6つのカテゴリに分けられている。

さすてな京都 環境学習プログラム|京都府

さすてな京都」とは、京都市南部クリーンセンター環境学習施設のことです。この施設では、ごみ処理施設そのものであり、焼却炉やバイオガス化施設など、さまざまな施設が見学できます。

「さすてな京都」がSDGs目標15の達成に向けて取り組んでいることが、環境学習プログラムの実施です。子どもから事業者、修学旅行生などさまざまな人を対象に、ごみの減量や生物の多様性、再生可能エネルギーなど環境に関連した工場見学などを行っています。

「さすてな京都」では土曜日・日曜日を中心に、体験型のプログラムも実施しています。端材を活用した作品作りや、発酵に関する実験などのプログラムがあるため、小さな子どもも楽しみながら体験ができます。

>>さすてな京都公式サイトはこちら

SDGs15に関する企業の取り組み事例2選

つぎに日本企業が実施している、SDGs目標15の実現に向けた取り組みについて、紹介していきます。

Daiwa Sakura Aid|大和ハウス工業株式会社

大和ハウス工業株式会社は、商業施設や戸建住宅など、建築を事業とする企業です。あらゆる人々と心をつなぎ、自然と共生するまちづくりを目指して、さまざまな取り組みを行っています。

SDGs目標15と関連した取り組みが、「Daiwa Sakura Aid」です。「共に創る。共に生きる。」という精神のもと、桜にまつわる歴史や文化、芸術や生活を守りつつ、後世へ伝えていくための取り組みを実施していきます。たとえば、吉野山桜の保全活動があります。公益財団法人吉野山保勝会と共同で吉野山で、シロヤマザクラを種から育てています。

桜の保全活動以外にも、森林の保全活動生物の多様性を考慮したまちづくりなど、自然を尊重し、保全する取り組みを行っています。

RE. UNIQLO|ファーストリテイリング

UNIQLOがSDGs目標15の実現に向けて取り組んでいるのが、服のリサイクル・リユースです。この活動は「RE. UNIQLO」と呼ばれており、UNIQLOが提供している全商品をリサイクル・リユースしています。たとえばリサイクル・リユースされた衣類は、難民の人々へ衣料支援として使われたり、二酸化炭素排出量の削減に向けた新たな燃料として活用されたりしています。

リサイクル・リユースを行うための衣類は、UNIQLOの店舗に設置されているRE. UNIQLO回収ボックスに回収されます。回収されるのはUNIQLOだけではなく、GUやプラステなどのブランドも対象です。みなさんも着なくなった服や、着れなくなった服があれば、ぜひこの活動に貢献してみてください。

SDGs15を達成するために私たちにできること|個人の取り組み

ここまで日本企業が行っている、SDGs目標15の達成に向けた取り組みについて、まとめていきました。では私たちができる、身近な取り組みとは何でしょうか。

日本では、森林の減少や、動植物が絶滅の危機に陥っているなど、さまざまな問題が生じています。自然を守り、生態系を崩壊させないようにするためには、地域団体などが取り組んでいる植林活動森づくりの活動に、積極的に参加することが大切です。

植林活動以外にも、資源を無駄にしないような取り組みを行うことも、SDGs目標15の実現につながります。たとえば買い物でプラスチック袋を使わないことや、使わなくなったものを寄付することなどが挙げられます。

そのほかにも私たちができることはたくさんあります。まずは身近にできることから始めてみてください。

まとめ

SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」では、森林の減少や動植物の絶滅を防ぐなど、自然の保護や回復を目指して定められた目標です。私たちの生活は、自然の恵みによって成り立っており、自然が崩壊すれば資源不足や食料不足などにより、私たちの生活も困難となります。

世界各国では森林の面積が減少していたり、動植物の暮らす場所がなくなることで絶滅の危険があったりと、さまざまな問題が生じています。日本では、手つかずの人工林があることも問題の一つです。

企業や政府・自治体の取り組みだけではなく、私たちにも日常の中でできることがあります。たとえば資源の無駄遣いをやめたり植林活動に参加したりなどです。みなさんも簡単にできることから始めてみてはいかがでしょうか。

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