日本の食品ロスの取り組み-今から家庭でできる対策を徹底解説

#SDGs#サスティナブル#食品ロス 2022.11.15

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近年、問題視されている食品ロス。現在世界中で1年に13億トンもの食べることが出来る食品が廃棄されています。そのうち日本では、612万トンの廃棄が発生しています。なぜ、これほど多くの食品ロスが発生しているのでしょうか。この記事では、食品ロスの現状、そして食品ロスを削減するために現在日本で行われている取り組み、今から出来る食品ロス対策について紹介します。

世界の食品ロスの現状

はじめに、世界の食品ロスの現状を見ていきましょう。

世界の食品ロス量

FAO(国際連合食糧農業機関)の報告によると、世界中ではまだ食べられる食材が毎年約13億トン廃棄されています。これは、食糧生産量の3分の1にあたる量です。生産された食料の3分の1が食べられる食材なのに、毎年捨てられてしまっているのです。

▼参照記事
食品ロスの現状を知る:農林水産省 (maff.go.jp)

日本の食品ロス量

農林水産省によると、2020年に日本で捨てられた食品ロスの量は年間612万トンとなっています。世界中で約13億トン廃棄されているうちの約612万トンは日本の廃棄量となっています。これは1年に1人当たり、約45㎏の量を廃棄していることになります。これを1日に換算すると、約113g、つまりご飯茶碗一杯の食料を捨てていることになります。ご飯茶碗一杯という身近なものに例えるとどれだけ食品を捨ててしまっているのかが分かりますね。

▼参照記事
食品ロスの現状を知る:農林水産省 (maff.go.jp)

食品ロスへの対策

世界中で問題になっている食品ロス。各国で食品ロスを減らす動きが見られています。ここでは食品ロスに対する対策をどのように行っているのか国ごとに紹介していきます。

海外での取り組み4選

1.規格外野菜を格安で販売するサービス「Imperfect Foods」|アメリカ

アメリカにおいて食品ロス対策として行われているのは「Imperfect Foods」(インパーフェクト・フーズ)というサービスです。
これは、規格外になってしまいスーパーなどの店頭に置かれない野菜や果物を格安で販売するというものです。
はじかれた野菜や果物は形がきれいではなかったり、少し汚れている、一部が傷んでいるなどがありますがどれも食べられる食材です。
このサービスによって、規格外の野菜や果物を農家から買い取り、スーパーで売られている約30~50%割り引きされて販売をします。オンライン販売で注文をしてから自宅まで配達してくれるサービスもついています。

▼参照記事
有機食品、生鮮食品などの食料品配達 (imperfectfoods.com)

2.食品の再利用を加速させる法律を制定|イタリア

イタリアでは、2016年に食品の寄付を容易にすることを目的とした「廃棄規制法」が制定されました。それまでは、販売期間を過ぎると食品の寄付をすることができず法律違反で処罰されていました。しかし、新しい法律に変わって規制が緩くなり、寄付ができるようになりました。前より寄付手続きが簡易的になり、寄付をすればするほど「廃棄税」の支払いが少なくなるシステムに変わりました。寄付などのより良い行動を推奨することで食品ロス削減の対策を進めています。

3.アプリユーザー同士で「おすそわけ」|イギリス

イギリスで2015年にリリースされたアプリ「OLIO」は、無料で利用できるフードシェアアプリです。

自分の手元にある余った食材などを写真に撮り、アプリ内にアップロードをすると、それを見つけた人が取りにくるというアプリです。
世界中で300万人以上がこのアプリを利用して、食品ロス削減に貢献しています。
このアプリの特徴は、地域で余っている食材を共有できる点です。そのため、配送料などがいらずすぐ手に入る便利な点があります。

さらに、海外へのサービスも展開しており、イギリスをはじめ、アメリカ、シンガポール、メキシコやアルゼンチンなど63カ国でビジネスを展開しています。現在のターゲットは、英語とスペイン語圏でのビジネスの拡大なので、日本ではあまり広まっていませんが、アプリは世界中のどこからでも使えるので日本で利用することも可能です。

引用:https://olioex.com/

▼参照記事
OLIO – #1無料共有アプリ (olioex.com)

4.廃棄食材に罰金|フランス

フランスでは食品廃棄物削減に関する法律を制定し、2016年に大型スーパーマーケットで食品を廃棄することを禁止しました。
国内のスーパーを対象に賞味期限切れの食品を廃棄することを禁止し、事前に契約している慈善団体への寄付や肥料や飼料に再利用することを義務付けられ、これに違反した場合は、罰金を課すようにしました。

それまでフランスでは、食品廃棄を行う際に売れ残って廃棄する商品には塩酸をかけて食べられないようにしてから廃棄するという処置がされてきました。

しかし、食品を廃棄するにも費用がかかっていたため、このような法律をつくることになりました。
食品を売る立場からも、残った商品を寄付する方が罰金を取られなくてお得ですね。寄付する方が有利になり、廃棄が減って廃棄にかかる費用も少なくなる徹底した法律です。

日本国内の取り組み4選

続いて、日本国内で食品ロス削減に取り組んでいる活動を紹介します。

1.食品のリサイクル

日本では食品ロスを削減するために、食品リサイクルが行われています。

日本は食品リサイクル法が策定されています。食品リサイクル法とは、正式名称を「食品循環資源の再利用等の促進に関する法律」といい、2000年に制定されました。食品の売れ残りや食べ残しなどの廃棄物の量を減少させ、飼料や肥料に再生利用するという取り組みです。基本方針では廃棄物の再生利用すべき量の目標を、業種別に定められています。

食品の製造、加工、卸売、小売りなどを行うメーカーは食品リサイクル法を守らなければいけません。食品ロスの量は年々減ってきてはいますが、まだまだ多いのが現状です。

▼参照記事
食品ロス・食品リサイクル:農林水産省 (maff.go.jp)

2.「てまえどり」の呼びかけ

食品を購入する際、手前に並んでいる食品から取っていますか?
「てまえどり」とは、購入してすぐに食べる場合、商品棚の手前にある商品や販売期限の迫った商品を積極的に選ぶ行動です。最近「てまえどり」の呼びかけがコンビニやスーパーで増えています。商品を手前から取ることを意識させるためにポスターやポップが飾られています。食品ロスを減らす意識は消費者である私たちも、「てまえどり」をすることで意識することができます。

引用:https://www.caa.go.jp/notice/entry/024301/

▼参照記事
小売店舗で消費者に「てまえどり」を呼びかけます | 消費者庁 (caa.go.jp)

3.食品ロス削減月間の実施

食品ロス削減月間とは、環境省と消費者庁、農林水産省が連携して食品ロスの削減に向けた取り組みを啓発している月です。令和3年の取り組みは、食品ロス削減月間の啓発ポスターの作成や、食品ロス削減に関する情報を発信しています。普段、食品ロスに関わっていない方でも、今初めて知った方でも10月30日は食品ロス削減に興味を持ってみませんか?

引用:https://www.env.go.jp/press/110038.html

▼参照記事
めざせ!食品ロス・ゼロ|[消費者庁]食品ロス削減月間 (caa.go.jp)
令和3年度食品ロス削減月間について | 報道発表資料 | 環境省 (env.go.jp)

4.フードバンク

フードバンクとは、寄付された食品を困窮している家庭に無償で食品を届ける活動のことです。フードバンクは食品ロスを減らし、困窮している人の支援も行える仕組みです。

引用:https://next-sapiens.net/sdgs/hunger/foodbankjp/

フードバンクを利用できる人は、片親世帯、高齢者世帯、障がいのある方など、生活に困っている人が中心になっています。フードバンクによっては、上記の条件に当てはまらない方でも利用可能です。

日本では、フードバンクを行っている「日本フードバンク連盟」があります。日本に信頼できるフードバンクを普及するために認証団体の管理や研究なども行っています。現在では、日本のフードバンクは2020年現在で142団体あります。

▼参照記事
公益財団法人 日本フードバンク連盟 (foodbanking.or.jp)

フードバンクのメリット

食品ロスを削減するため設けられたフードバンクはどんなメリットがあるのでしょうか。解説していきます。

廃棄コストの削減

フードバンクは余ってしまった食品を寄付することができます。
本来は食べられるのに捨ててしまう、余らせてしまう食品を回収し、生活困窮者や、高齢者世帯などに提供されます。食品を捨てることなく最後までおいしく食べることで、廃棄される食品も減ります。
食品を廃棄するのにも費用がかかっているので、廃棄食品が少なくなれば、廃棄コスト削減にも繋がります

地域のイメージアップ

困窮している人々に食品を提供することで、困窮者の生活にも余裕が生まれてきます。

さらに、地域内で食品の寄付・提供が行われることで、地域全体の助け合いが増えていきます。
地域全体で活動をすると交流が活発化し、地域のイメージアップにも繋がっていきます。

▼参照記事
フードバンク:農林水産省 (maff.go.jp)

フードバンクの課題

日本でもフードバンクが増え、食品の提供が増えていく中、注意しなければいけない点もあります。
ここではフードバンクの課題について説明していきます。

1.意図せぬトラブルが起こる可能性

フードバンクの種類によっては受け入れ可能な食品や種類があります。これをしっかり確認した上で寄付をしないと、寄付する食品の受け渡しに時間がかかってしまう可能性もあります。寄付する食品の確認はしっかり行いましょう。

実際に寄付する場合、寄付の方法やルールを把握して守ることも大切です。フードバンクでは、賞味期限が切れた食品や開封済みの食品は受け取ってもらえません。利用するフードバンクのルールをしっかり確認しましょう。

2.設備が足りない

フードバンクの普及は増えてきていますが、一方でインフラ設備や人材が足りていないという課題点もあります。日本ではフードバンクへの資金不足が問題になっています。

そのため、設備や人材不足も起こっています。資金不足の主な原因は、寄付活動の少なさと、公的支援の無さです。以前よりも食品ロス解決のための活動は増えてきましたが、寄付が少なかったり金銭的に援助が少なければ、活動を満足にすることもできません。
フードバンクを利用したい人はたくさんいますが、問題点があることで活動が上手くいかない事もあります。

各県の食品ロス対策

ここでは各県ごとの食品ロス対策について説明していきます。

フードバンクの設置|埼玉県

埼玉県では、食品ロス削減のために普段から出来るごみの減らし方、無駄なく食べる方法などを呼びかけています。そして、主に埼玉県内で活動しているフードバンクの掲載もあります。埼玉県の各地域や企業全体が食品ロスに積極的に取り組んでもらうためにフードバンクに寄付する良い効果を呼び掛けています。

▼参照記事
フードバンクについて – 埼玉県 (saitama.lg.jp)

食品ロス対策指導|岩手県

食品ロス対策について詳しく書かれています。普段気を付けること、賞味期限消費期限について、生ごみの処理のポイントなどが掲載されています。食品の廃棄を減らすためのリメイクレシピの掲載もあります。レシピを参考にして食材の廃棄をさらに減らせます。

▼参照記事
岩手県 – 減らそう!食品ロス(食品ロス削減対策) (pref.iwate.jp)

指導教材の掲載|静岡県

食品ロス削減の取り組みについて掲載されています。一般向けの食品ロス削減啓発のポスターや、小学校向け指導教材などが掲載されています。食品ロスの問題点や原因、解決方法が細かく掲載されています。静岡県では、外食時の食べきりキャンペーンの呼びかけを実施しています。興味を持って自分から呼びかけることも大切ですね。

▼参照記事
静岡県/食品ロス削減の取組 (pref.shizuoka.jp)

今日からできる食品ロス対策4選

食品ロスの活動や取り組みを紹介しましたが、少し興味を持って始めてみようと思っている方に今日からできる食品ロス対策を紹介します。

1.必要なものだけ買う

食品ロスを減らすために、まず自分で食べきれる分だけ、必要な分だけ食品を買うようにしましょう。スーパーに行くと、安い商品が目につきがちですが安いからと言って買いすぎては、余らせてしまう可能性があります。

「今日必要な分だけ」「今週必要な分だけ」をメモして買いに行くと、余分に商品を買うことを防ぎます。

2.賞味期限と消費期限を確認する

冷蔵庫に入れていたら、いつの間にか賞味期限や消費期限を過ぎてしまって仕方なく捨ててしまうことありませんか?商品を購入する際も賞味期限と消費期限を確認することは重要です。
〇日の間に食べきる、と決めて料理を作ると期限を過ぎてしまうことも少なくなります。

3.余った食材をリメイク

どうしても料理を食べきれなかった場合、時間が経ってから食べるとどうしても味が落ちてしまいがちです。そんな時は、残ったものを別の料理にリメイクするのがおすすめです。
同じ料理ではなく別の料理を食べることで、飽きることなく温かい料理を美味しく食べきることができます。

4.冷蔵庫にあるもので調理をする

冷蔵庫や冷凍庫に使っていない食材、余っている食材はありませんか?量が中途半端だから作るのが難しい、そう思っているうちに傷んでしまい食べられなくなった経験はありませんか?

使いきれなくて余った食材は、かしこくつかって美味しい料理に変身させましょう。冷蔵庫にあるものでつくることで、余分に買い足すことも減り、食品ロスを防ぐことに繋がります。

▼参照記事
冷蔵庫の整理に◎あるもので作れる万能レシピ|【味の素パーク】たべる楽しさを、もっと。 (ajinomoto.co.jp)

まとめ

日本で行われている食品ロス対策を紹介しました。

世界中で食品ロス対策が増えてきています。しかし、1人1人の意識も大切です。そのためには、身近なことから挑戦していくことが大切です。

食品ロスの少ない持続可能な社会になっていくことを期待します。

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