SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」の現状や取り組みを徹底解説

#SDGs目標13#エネルギー#気候変動#環境#脱炭素(カーボンニュートラル) 2021.02.13

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【更新日:2022年7月17日 by ナオ

SDGs目標13は、主に近年発生している気候変動に起因するさまざまな問題への対策目標として設定されています。世界でも温暖化対策などの取り組みが加速しています。

しかしみなさんは、このSDGs目標13で、具体的にどのようなターゲットが設定され、どのような取り組みが行われているのかご存じでしょうか。

この記事ではSDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」をテーマに国内外の気候変動の現状や課題解決について徹底解説します。

SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」とは?

SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」は「気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる」ことを目的に策定された目標です。

NASA(米国航空宇宙局)と米海洋大気庁(NOAA)が2020年1月に発表した報告書によると、2019年の地球の気温は観測史上2番目を記録したと言います。
また2010年代は最も暑い10年間だと言われています。

気候変動には以下の8つのリスクが生じます。

  1. 海面上昇高潮
  2. 洪水、豪雨
  3. インフラ機能停止(電気供給、医療など)
  4. 熱中症による健康被害
  5. 食糧不足
  6. 水不足
  7. 海洋生態系の損失による漁業への打撃
  8. 陸上生態系の損失

気候変動の原因とされる温室効果ガスは1990年と比較して約50%増加しています。
例外なく世界中の国々が気候変動の影響を受けるため、各国が協力して気候変動問題に対処すべきです。

▽SDGsに関して詳しく知りたい方はこちら

SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」のターゲット

SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」のターゲットは以下のとおり構成されています。

13.1 全ての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応の能力を強化する。
13.2 気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む。
13.3 気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。
13.a 重要な緩和行動の実施とその実施における透明性確保に関する途上国のニーズに対応するため、2020年までにあらゆる供給源から年間1,000億ドルを共同で動員するという、UNFCCCの先進締約国によるコミットメントを実施するとともに、可能な限り速やかに資本を投入して緑の気候基金を本格始動させる。
13.b 後発途上国及び小島嶼途上国において、女性や青年、地方及び社会的に疎外されたコミュニティに焦点を当てることを含め、気候変動関連の効果的な計画策定と管理のための能力を向上するメカニズムを推進する。

※「1-1」のように数字で示されるものは、それぞれの項目の達成目標、「1-a」のようにアルファベットで示されるものは、実現のための方法を示しています。

なぜ気候変動が起こるのか

そもそもなぜ気候変動は起こってしまうのでしょうか?
ここでは気候変動が起こる原因について解説していきます。

地球温暖化による気候変動

気候変動が起こる大きな原因の一つに「地球温暖化」があります。
ここ数十年「地球温暖化」の言葉を耳にする機会は非常に増えています。
地球温暖化とは言葉の通り、地球の平均気温が上がっていくことです。

地球の気温が上がっていくことで、地球は甚大な被害を受けます。

例えば温暖化の大きな影響の一つとして、温暖化の影響で海水が増加し、陸地が減少することがあげられます。

地球の温度が上がることで、南極や北極にある氷や氷河が溶け、海水が増加して海面が上昇します。
その結果、キリバスやツバルなどの小さな島国は国ごと海に沈んでしまうことや、氷の上に住むホッキョクグマの生存の危機などが危惧されているのです。ではなぜ地球の気温は年々上昇しているのでしょうか。
そこには「温室効果ガス」が影響しています。

温室効果ガスとは-地球温暖化の原因

地球温暖化の原因として「温室効果ガス」があります
温室効果ガスとは、大気中に含まれる二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンガスなどからなるガスの総称です。

温室効果ガスには、太陽から放出される熱を地球に閉じ込めて、地表を温める働きがあり、この働きのおかげで地球は私たちが生活しやすい気温を保てています。
実際このガスがないと地球の気温はマイナス19℃になってしまいます。

出典:地球温暖化の原因と予測

しかし近年、この温室効果ガスが人間活動によって増加しているのです。
ガスが増加したことにより、地球の気温は上昇してしまい、結果として地球の気温が上がる、いわゆる「地球温暖化」の現象が起こってしまうのです。温室効果ガスと地球温暖化の関係性にはさまざまな議論が巻き起こっています。

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が2014年に発表した第5次評価報告書によると、地球の平均気温は産業革命以前の1880年比で0.85℃上昇しています。これは二酸化酸素排出量の増加が起因しているといいます。

現在、二酸化炭素の排出量は1990年比で約60%増加し、これは地球全体の森林などが吸収できる二酸化炭素量の2倍以上と言われています。
地球温暖化を抑止するために、私たちは温室効果ガスを減らす取り組みを行う必要があるのです。

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気候変動による環境問題

世界では温室効果ガスの増加によって起こる気候変動により、さまざまな環境問題が連鎖しています。ここでは世界の気候変動の現状について見ていきます。

干ばつ

温室効果ガスの増加による気候変動に伴い、多くの地域で干ばつの日数が増加しています。干ばつとは、長期間にわたって降水がほとんどないために、水不足に陥ったり、農作物が育たなくなるなどの被害を及ぼす現象を指します。

温室効果ガスの増加に伴い、強い雨が増加するとともに、弱い雨の頻度が減ることで雨がふらない日数が増え、干ばつの日数が増えると予測されています。

干ばつが増加することで、大きく分けて2つの影響があります。

水不足

干ばつが発生することで、現在以上に世界中の多くの人が必要な量の水を得られなくなると予測されています。UNICEFが2017年に発表したデータによると、約22億人もの人が安全に管理された飲み水を使用できず、このうち約1億4,400万人は、湖や河川などの未処理の地表水を使用しています。これはつまり、4人に1人が安全な水にアクセスできていないということです。

水不足を緩和することで、世界の多くの人々が安全な水にアクセスできる生活を送ることができます。

▽SDGs目標6「綺麗な水とトイレを世界中に」を詳しく知りたい方はこちら
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農作物被害

干ばつが発生することで農作物にも影響が出てきます。
長期間降水がないため土壌が乾燥し、農作物などに十分な水分が行き渡らず、農作物が育たなくなります。また、それに伴い、畜産業などにも影響が及びます。

実際、広大な大地を持つオーストラリアでは大規模な干ばつが問題になっています。
作物が育たなくなり畜産業や農業に大きなダメージを与えています。

農作物を守るためにも干ばつ対策及び温室効果ガス増加は早急に対策しなければなりません。

海面の上昇

温室効果ガスが増加することで、海面の上昇にも影響が及んでいます。2022年に気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表した「第6次評価報告書」によると、地球の平均海面は1901年と比較して約20cmも上昇しているといいます。
これは地球上の氷が融解し、海の領域が拡大した結果と言われています。
このペースのまま氷が融解すると、海面は21世紀中に最大82cm上昇するとも言われています。

現在、海抜が低いツバルやフィジー諸島などでは高潮による被害が増加しています。
潮が満ちると住宅や道路が浸水し、作物が育たない、飲料水が減少するなどの影響が出ています。

2050年にはモルディブやミクロネシアなどの島国において国内総生産(GDP)の10%以上の被害が生じるとも言われており、二酸化炭素を多く排出する先進国の責任が問われています。

また環境省によると、日本国内で海面が1m上昇するだけで砂浜の9割以上が失われると言われています。干潟が消滅することで、干潟に住む生物の生態系にも影響が生じます。

気候変動が続くと世界はどうなる?

温室効果ガスが増加し続け、気候変動が加速する現在の状況が今後続いてしまうと、どのような未来が予想されるのでしょうか。

ここでは、3つの「未来」について説明します。

気候変動の影響がさらに悪化する

気候変動対策の成果が見られなければ、先ほどあげた干ばつや海面上昇など、気候変動による影響がさらに悪化してしまいます。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2022年に発表した「第6次評価報告書」では、将来の温暖化レベルに関する「気候変動リスク」の評価項目の基準が更新されました。

具体的には、前回の「第5次評価報告書」よりも低い温暖化レベルで、気候変動リスクが「高い」か「非常に高い」レベルと定義づけられることが決定しました。このことから、温暖化による気候変動の影響は、これまでの予想よりも速く、広い範囲で起きていて、予想よりもさまざまな結果をもたらしていることが分かります。

このまま温暖化が加速すると、これまで予測されていた以上に速いスピードで気候変動による甚大な影響が世界各国で発生してしまいます。

多くの命が犠牲になる

気候変動への適応が伴わず、多くの命や資産が犠牲になる可能性があります。
実際、各国で気候変動が原因で多くの命や家屋が失われていますが、特に気候変動の影響を受けやすい国では、洪水、干ばつ、暴風雨による死亡率が、影響を受けにくい国に比べて、過去10年間で約15倍にもなっています。

気候変動の影響が悪化するにつれて、気候変動へ適応するための資金繰りが追いつかなくなり、気候変動の影響を受ける国々が今後増加することで、これまで以上に多くの命が失われることになります。

地球の生態系を維持できなくなる

出典:サンゴ「白化」の中にまさかの「カラフル化」が世界各地で発見中!

気候変動が続くことで生態系にも影響が出てきます。
亜熱帯地域のサンゴは、気候変動に伴う水温上昇の影響で、白化現象が起こっています。
サンゴの白化が続くと、サンゴは栄養を受け取れず、死滅してしまいます。また、WWFが発表した2015年の報告書には、気温上昇や積雪期間の短縮によって、ユキヒョウの生存が脅かされているといいます。

ユキヒョウは森林が育たない「高山帯」を住処としています。
しかし地球温暖化の影響によって森林が育つ環境が増大し、高山帯の面積が狭くなっています。
結果として、ユキヒョウは気候変動によって住処を追われてしまっているのです。

このように、気候変動が続くことによって生態系にも大きな影響があるのです。

気候変動対策の国際的な取り組みや枠組み

ここまでで気候変動による影響の大きさや、その被害の甚大さについて理解できたかと思います。
気候変動は国際的に対策しなけらばならない問題であり、現在さまざまな形で世界各国が協力して機構変動対策に取り組んでいます。

ここではいくつかの国際的な取り組みや枠組みについて紹介します。

COP(気候変動枠組条約締約国会議)

出典:重要資料リスト | 350 Action

COP(気候変動枠組条約締約国会議)とは、地球温暖化対策に世界全体で取り組んでいくための国際的な議論の場になっています。
中でも2015年秋にパリで開催された21回目のCOPをCOP21(パリ会議)と呼んでいます。COP21では2020年以降の温暖化対策について議論され、COP3で採択された京都議定書に代わる新たな国際枠組みを決定する重要な会議でした。ここで決定された新たな枠組み(パリ協定)は世界全体の温室効果ガス排出量の削減のための方針と長期目標を設定しました。

パリ協定|地球温暖化対策のための国際的な協定

COP21にて決定されたパリ協定では、世界全体の温室効果ガスの削減目標を設定したことに加え、開発途上国や新興国にも温暖化対策の自主的な取り組みを求めました。

パリ協定では、産業革命前からの気温上昇を2℃以内にする目標を掲げた上で、1.5℃以内にする厳しい水準への努力をすると掲げられています。さらにできるだけ早く世界の温室効果ガス排出量を抑え、21世紀後半には温室効果ガスの排出量と森林などによる吸収量のバランスをとるとも明記されています。

2021年11月1日〜12日には、国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)が開催される予定で、パリ協定の運用や国際的な温室効果ガス排出量取引のルールの策定などが議論される予定です。

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)

IPCC(気候変動に関する政府間パネル:Intergovernmental Panel on Climate Change)は、人が原因となった気候変化や影響、適応、緩和方策に対して、科学的、技術的、社会経済学的な見地から評価する組織です。1988年に世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)によって設立されました。

IPCCは、以下の3つの作業部会と温室効果ガス目録に関するタスクフォースによって構成されています。

第1作業部会
→気候システム及び気候変化の自然科学的根拠についての評価第2作業部会
→気候変化に対する社会経済及び自然システムの脆弱性、気候変化がもたらす好影響・悪影響、並びに気候変化への適応のオプションについての評価第3作業部会
→温室効果ガスの排出削減など気候変化の緩和のオプションについての評価温室効果ガス目録に関するタスクフォース
→温室効果ガスの国別排出目録作成手法の策定、普及および改定

【引用:気象庁】

IPCCは数年おきに地球温暖化に関する評価報告書を発行しており、最新版である「IPCC第6次評価報告書」は2022年に発行されています。

気候変動対策に向けた日本の動き

気候変動対策として、日本も多くの取り組みを行っています。
ここでは日本国内で取り組まれている活動を紹介します。

脱炭素社会への1歩

2020年10月、菅義偉総理大臣は2050年までに温室効果ガスの排出を全体でゼロ(カーボンニュートラル)を目指すと宣言しました。

カーボンニュートラルとは、企業や家庭が排出する温室効果ガスを削減し、削減しきれない分は森林保護などを通じて吸収させ、温室効果ガスの総量をプラスマイナス0にする取り組みを指します。

産業革命以来、環境を犠牲にビジネスを産業を拡大してきた日本ですが、今後は産業構造を変革し、経済と環境の好循環を生み出していくことが重要です。

出典:2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略を策定しました

2020年12月には、経済産業省が「2050年 カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を発表し、自動車産業や土木インフラ産業など、14の産業分野で目標を掲げています。政府主体で気候変動の対策方針を策定することで、企業や団体も動きやすくなり、日本全体で脱炭素への取り組みが盛んになると期待ができます。

▽カーボンニュートラルについて詳しく知りたい方はこちら
▶関連記事|カーボンニュートラルの実現に向けた日本の現状と取り組み9選を徹底解説

RE100への参加

出典:RE100

「RE100」とは企業が自らの事業の使用電力を100%再生エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアティブです。2021年2月現在2080社以上が参画するうち、日本企業は65社以上が参加しています。

イオングループや、セブン&アイHDが参加するほか、2022年2月には資生堂も参画を発表しています。

脱炭素社会(カーボンニュートラル)への注目の高まりにより、世界では再生可能エネルギーの争奪戦が厳しくなっています。三菱商事は子会社の電力会社エネコを通じて再生エネルギーを提供し、2021年2月8日には米アマゾン・ドット・コムに再生エネルギーを供給すると発表しています。

再生エネルギーを特定の企業に供給する契約は「コーポレートPRA」と呼ばれ、2020年時点で過去3年間で約4倍に膨らんでおり、再生エネルギーを活用する流れが急加速しています。

特に国内では、政府の動きに迎合する形で多くの企業が脱炭素に踏み切っています。

企業にできる気候変動対策への取り組み 3選

気候変動を解決するためには企業の取り組みも必要不可欠です。
ここでは企業ができる気候変動対策の取り組みを3つ紹介します。

再生可能エネルギーやJ-クレジットの活用

企業では電気など多くのエネルギーを消費し、多くの二酸化炭素を排出しています。

そこで企業で使われるエネルギーを再生可能エネルギーに代替することで、排出される二酸化炭素量を大幅に削減することができます。

また、「J-クレジット」という制度を取り入れることも、企業にできる取り組みの一つです。

出典:J-クレジット制度(METI/経済産業省)

「J-クレジット」は、温室効果ガスの排出削減量や吸収量をクレジットとして国が認証する制度のことです。
創出されたクレジットを活用することにより、低炭素投資を促進し、日本の温室効果ガス排出削減量の拡大につなげることを目的としています。再生可能エネルギーに代替するなど、大規模な取り組みができない中小企業などはぜひJ-クレジットを取り入れてみてください。

▽再生可能エネルギーについて詳しく知りたい方はこちら
▶関連記事|《徹底解説》今、注目を集める再生可能エネルギーとは|SDGsとの関係性も解説

物流の見直しや働き方改革の推進

日本国内のCO2総排出量のうち、約18.5%が自動車や船舶などの運輸部門が占めています。

物流によるCO2排出量は莫大であるため、企業として対策を講じる必要性があります。

例えば、トラックなど自動車で行われている貨物輸送を、環境負荷の小さい鉄道やフェリーなどの船舶へと転換をすることや、同じ納品先に配送をする際は、荷主を問わず1台のトラックを共同して配送し、1度の運搬量を多くすることで、効率的な配送をする共同配送という形もあります。

また、従業員の働き方も、テレワークやマイカー通勤自粛日を作るなどすることで、気候変動対策に取り組むことができます。

ESG投資やグリーンボンドを通じた資金活用

ESG投資やグリーンボンドを通じて資金を活用することも気候変動対策の取り組みの一つです。
グリーンボンドとは企業や地方自治体などが、グリーンプロジェクトと呼ばれる環境改善効果のあるプロジェクトに必要な資金を調達するために発行する債券のことを指します。

グリーンボンドを発行することで、企業が気候変動対策に取り組めるだけではなく、ステークホルダーへのアピールにもつながります。

またESG投資も同じようにステークホルダーへのアピールができます。

従来のように収益性だけを重視するのではなく、E(Environment)S(Social)G(Governance)など幅広い観点で企業を評価することで投資を受けることができます。

ESG投資が注目されるに従い、環境問題に取り組む企業も増えており、自社のページで再生可能エネルギーの使用などを積極的にアピールする企業も増えています。

ESGへの注目の高まりの中、気候に関連する財務情報を積極的に開示する動きも高まっています。

▽ESGについて詳しく知りたい方はこちら
▶関連記事|ESG投資の種類を徹底解説ー適当な銘柄の選定へー
▶関連記事|ESGランキングからみる企業の取り組み 6選

国内企業の気候変動対策の取り組み事例 3選

近年ESGやCSRといった観点から、多くの企業で気候変動対策の取り組みが行われています。
今回は気候変動対策に取り組んでいる企業を3選紹介します。

株式会社リコー|いち早くRE100に加盟

出典:リコー

デジタル複合機やプリンタなどのオフィス向けのソリューションを提供する株式会社リコーは、日本で初めてRE100に加盟した企業で、気候変動対策に取り組む先進的な企業です。

中期経営計画でサスティナビリティメッセージ「Driving Sustainability for Our Future」を掲げ、社会課題に広く目を向け、新しい市場や提供価値を生み出し、社会の発展と同社のビジネスの成長を同時に実現することを目指しています。

リコーはRE100への参加理由として以下の点を掲げています。

再生エネルギーの積極活用姿勢をグローバルに示すことで社内の意識を向上させる
推進中のエネルギー関連ビジネス展開の後押しを図る
ESG投資、各種企業評価での評価向上

また、同社はSDGs目標7「エネルギーをみんなに」、目標12「つくる責任 つかう責任」、目標13「気候変動に具体的な対策を」の3つの目標のために脱炭素社会に取り組むとしており以下の環境目標を公表しています。

環境目標(温暖化分野)

  • スコープ1、2(自社オペレーション)は、2050年ゼロ、2030年30%削減
  • 使用電⼒を2050年までに100%、2030年までに少なくとも30%、再生可能エネルギーで賄う
  • スコープ3(調達・使用・輸送)の目標は2030年15%削減

全日空(ANA)|航空燃料によるCO2削減へ

出典:ANAグループについて

日本国内のCO2総排出量のうち、約5%を国内航空が占めています。

航空事業を中心としたエアライングループANAグループは、積極的に環境保全活動を進めている企業の1つです。同社は航空燃料によるCO2排出削減を目指し、省エネ機材への切り替えや燃料雪原対策、バイオジェット燃料の導入準備などさまざまな施策に取り組んでいます。

ANAグループは、CO2排出量削減の取り組みとして以下の4つの柱を掲げています。

  • オペレーション上の改善
  • 航空機の技術革新
  • SAF(持続可能な航空燃料)導入に向けた取り組み
  • 排出権取引制度の活用

航空事業を牽引するANAが積極的に気候変動対策に取り組むことで、国内外に向けて気候変動対策の重要さをアピールすることにもつながっています。

オリックスグループ|金融や再エネ発電を通じて多角的に事業を展開

出典:オリックスグループ

国内最大手のリース企業であるオリックスグループは、世界的な環境・エネルギー問題に対して、太陽光発電をはじめとした各種再生エネルギー発電、省エネ事業に積極的に取り組んでいます。

同社が掲げる事業を通じた社会貢献の8つの柱のうち、「エネルギーの効率的な利用と供給」「脱炭素社会への移行」と2つが環境問題に関連しています。

オリックスグループの特徴は事業活動を通じて社会に貢献していることで、脱炭素社会への移行に向け、太陽光やバイオマス、地熱、風力などの再生可能エネルギーの普及に取り組み、世界各国で進む脱炭素社会への移行に貢献しています。

オリックスグループの取り組みの中でも国内最大規模の太陽光発電事業が注目されています。自治体や企業の遊休地を賃借し、設備容量1,000kW以上の大規模な太陽光発電所を建設し、運営しています。

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私たちにできる気候変動対策 3選

最後に私たちにできる気候変動対策について紹介します。

省エネ対策

省エネ対策は私たちが気軽に、そして簡単にできる気候変動対策の一つです。

エアコンの設定温度を1℃変えるだけでも、消費電力は10%〜13%変動すると言われています。

また、テレビや照明など、使用していないときは電源を切るなどこまめな行動も省エネにつながります。

なにをしたらいいか分からないという人は、まずはこのような小さな行動から始めてみてください。

節水

節水も私たち個人でできる、気候変動対策の一つになります。

私たちが普段使用している水は、使用するまでに多くのエネルギーが消費されています。水の消費量を減らすことで、エネルギー量を削減することができるのです。

具体的な節水方法としては、「お風呂ではシャワーの水をこまめに止める」や「できるだけまとめて洗濯する」などがあげられます。

節水によってエネルギー削減だけではなく家計の負担も減るので、ぜひ普段の行動から意識してみてください。

アイドリングストップ

国内のCO2総排出量は自動車が最も高い割合を占めています。

現在主流の多くの車種は、ガソリンなどを使って化石燃料を消費し、加えて温室効果ガスを排出しています。

近年ではエコカーと呼ばれる車種も登場していますが、値段が高いモノも多くまだまだ世間で普及していません。

そこでガソリン車を使用している方にもできる気候変動対策は「アイドリングストップ」です。

アイドリングストップとは、停車時にエンジンを停止することです。
こまめにアイドリングストップを行うことで、温室効果ガスの排出量が抑えられます。

また、車を使用せずに公共交通機関や自転車、徒歩などで移動することもおすすめです。

移動手段一つでも、意識を少し変えることが重要です。
ぜひ積極的に取り組んでみてください。

▽その他に個人で取り組める気候変動対策について詳しく知りたい方はこちら
▶関連記事|SDGs13「気候変動に具体的な対策」で私たちにできること8選
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さいごに

SDGsの目標13で掲げられている気候変動への具体的な対策は、国や行政、企業などの枠組みにとらわれずあらゆるステークホルダーが協力して実現すべき重要なものになっています。
記事内でも紹介したとおり、金融分野でのサポートが拡大している他、大手企業では自社のサスティナビリティページに環境配慮の取り組みを記載するケースが増えてきました。

SDGsは、それぞれの目標が個別に達成されるものではないため、それぞれの目標の枠組みを超えていくことが重要です。目標13においても、気候変動の影響は貧困問題や、水問題などさまざまなSDGsの目標と相関しています。

近年では国際社会を通して環境問題への取り組みが加速しており、ぜひニュースで重点的にチェックしてみてください。

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