SDGs13「気候変動に具体的な対策」で私たちにできること8選

#エネルギー#気候変動#環境#環境問題#脱炭素(カーボンニュートラル) 2022.05.26

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SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」について私たちができることはどのような取り組みがあるでしょうか。

SDGs目標13の気候変動の問題は私たちにとってとても身近であり、大雨や洪水といった災害が増えれば日々の暮らしに直結します。

そうならないためにも、今回の記事ではSDGs目標13で私たちができることについて、課題とともに紹介します。

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SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」の概要

SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」は「気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る」ための目標を指します。

NASA(米国航空宇宙局)と米海洋大気庁(NOAA)が2020年1月に発表した報告書によれば、2019年の地球の気温は観測史上2番目を記録し、2010年代はもっとも暑い10年間だと言われています。

地震、津波、台風、洪水など多くの国が気候変動の深刻な影響を目の当たりにしつつあります。
先進国、開発途上国問わず、国・企業・個人が早急に団結して行動を起こすことで、地球の平均気温上昇を産業革命以前の水準から2℃以内に抑えることができます。
反対に私たちが今すぐ対策を講じなければ、取り返しのつかない結果となる可能性があります。

SDGs13では目標達成のために以下のターゲットが設定されています。

13.1 すべての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)。及び
適応の能力を強化する。
13.2 気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む。
13.3 気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度
機能を改善する。
13.a 重要な緩和行動の実施とその実施における透明性確保に関する開発途上国のニーズに対
応するため、2020年までにあらゆる供給源から年間 1,000億ドルを共同で動員するとい
う、UNFCCC の先進締約国によるコミットメントを実施するとともに、可能な限り速や
かに資本を投入して緑の気候基金を本格始動させる。
13.b 女性や青年、地方及び社会的に疎外されたコミュニティに焦点を当てることを含め、気
候変動関連の効果的な計画策定と管理のための能力を向上するメカニズムを推進する。

▼SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」について詳しくはこちら

SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」3つの課題

温室効果ガスの排出|1880年~2014年で0.85度上昇

2014年のIPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)第5次評価報告書によると、地球の平均気温は産業革命以前の1880年と比較して0.85度も上昇しています。

このような地球温暖化は主に温室効果ガスの排出によって引き起こされます。
温室効果ガスの代表例としては、二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素などがあります。
なかでも二酸化炭素は温室効果ガスの総排出量の約76%を占めており、1975年~2018年の43年間で約2.2倍に増加しています。

二酸化炭素は、主に化石燃料を燃焼させると発生します。産業革命以降人類はより便利な生活を求めてたくさんの化石燃料を使用してきました。
また、二酸化炭素を吸収する森林が減少していることも、温室効果ガス排出量増加の追い風となっています。

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地球温暖化による気温上昇|1950年~2100年で5.7度上昇

ここまでは、これまでの地球温暖化による気温上昇を見てきました。では今後の気温上昇はどうなっていくのでしょうか。

IPCC第6次評価報告書によると、気温の将来予想について、21世紀半ばに実質二酸化炭素排出量ゼロが実現する最善のシナリオでは2021年~2040年平均の気温上昇は1.5度に達する可能性があると発表しています。一方で化石燃料依存型の発展の下で機構政策を導入しない、最大排出量のシナリオにおいては、2100年までに3.3~5.7度の昇温が予測されています。

地球温暖化が進むことで生じる問題は気温が上昇するだけではありません。地球温暖化は私たちの気候システムに長期的な変化を及ぼします。代表例を以下にまとめました。

  • 海面の上昇(高潮、砂浜・島の消失がおこる)
  • 洪水・豪雨
  • インフラ機能停止(電気供給、医療など)
  • 熱中症による健康被害
  • 食料不足(平均気温が1度上昇するごとに、穀物の終了は5%低下する)
  • 水不足
  • 干ばつ
  • 海洋生態系の損失
  • 陸上生態系の損失

地球温暖化を阻止するために私たちは脱炭素社会(カーボンニュートラル)を目指していく必要があります。

▼脱炭素社会(カーボンニュートラル)について詳しくはこちら

気候変動による貧困層増加|2030年までに1億人以上が貧困に陥る

洪水の街の中を歩く少年

気候変動は地球温暖全体の問題ですが、特に脆弱な生活環境に置かれている貧困層には深刻な問題を引き起こします。

IDCJ(国際開発センター)によると、温暖化の影響により2030年までに新たに1億人以上が貧困に陥りかねないと報告しています。
気候変動がもたらす災害による経済損失は、年間平均1,000億ドルを超えるとも言われ、毎年約2億人の人々が被災しています。

貧困層が多い途上国の振興都市は、地球上で気候変動によるリスクが高い場所であるという事実があります。
2013年に世界銀行が発表した「温度を下げろ:極端な気象現象と地域別影響、強靭な社会構築の必要性」では気候変動が貧困増加を引き起こす調査結果を発表しています。

  • サブサハラ・アフリカでは2030年代までに、干ばつと猛暑のために、現在のトウモロコシ栽培地帯の40%で栽培ができなくなり、温暖化によりサバンナの草原が大幅に失われて田園地帯の人々の暮らしが脅かされかねない。2050年代までには、地域によりばらつきは見られるものの、栄養不良の人口の割合が現在より25-90%増加するとみられる。
  • 南アジアでは、モンスーンが地域にとって極めて重要な役割を果たしているが、その周期に変化が起これば深刻な危機がもたらされかねない。2000万人以上が被災した2010年のパキスタン大洪水のような事象が頻繁に発生する可能性がある。インドの多くの地域で極端な干ばつが増え、広範囲で食糧不足と困難を招きかねない。
  • 東南アジア全域では、気温が4℃近く上昇すれば、海面上昇、熱帯低気圧の激化、海洋生態系サービスの膨大な消失により農村部の暮らしへの影響が深刻化する。

SDGs目標13を達成することはSDGs目標1「貧困をなくそう」の達成に直結してきます。

▼SDGs目標1「貧困をなくそう」について詳しくはこちら

SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」に対して私たちができること8選

日本の取り組み

2020年10月、菅義偉総理大臣は2050年までにカーボンニュートラル(脱炭素社会)を目指すことを宣言しました。

カーボンニュートラルとは、企業や家庭が排出する温室効果ガスを削減し、削減しきれない分は森林保護などを通じて保護させ、温室効果ガスの総量をプラスマイナス0にする取り組みを指します。

この目標を達成するための具体的な取り組み例を2つ紹介します。

再エネスタート

環境省が運営するサイト「再エネスタート」では、再生可能エネルギーの利用を検討している個人、自治体、企業に役立つ情報を掲載しています。

再生可能エネルギーとは、太陽光・風力・地熱・中小水力・バイオマスといった自然由来で二酸化炭素を排出せずに活用できるエネルギーです。カーボンニュートラルの実現のためには最優先で導入していくことが必要です。

再エネスタートのサイト内では、漫画や動画を使って分かりやすく再生可能エネルギーについて説明されています。
また、個人向け、自治体向け、企業向けとそれぞれの再生可能エネルギーのメリットの説明や具体的な導入方法が紹介されており、それぞれのページにいきやすいようなサイトの仕組みになっています。

▼サイトはこちら
「再エネ スタート」はじめてみませんか 再エネ活用

環境省ローカルSDGsー地域循環共生圏づくりプラットフォーム

「環境省ローカルSDGsー地域循環共生圏づくりプラットフォーム」も環境省が運営しているサイトであり、地域循環共生圏づくりに関する情報を、個人、団体、事業者、地方公共団体等に向けて発信しています。

地域循環共生圏とは、各地域が足元にある地域資源を最大限に活用しながら自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合うことにより、環境・経済・社会が統合的に循環し、地域の活力が最大限に発揮されることを目指す考え方であり、地域でのSDGsの実践(ローカルSDGs)を目指すものです。(サイトから引用)

個人向け、地域向け、企業向けとそれぞれに対して分かりやすく情報が掲載されています。例えば地域向けのページでは、これから地域循環共生圏づくりに取り組もうとする方々や推進中の方々に対して、さまざまなな情報の制度づくり、地域や企業とのつながりの場を提供し、各地での地域循環共生圏の形成を応援しています。

▼サイトはこちら
環境省ローカルSDGs -地域循環共生圏づくり プラットフォーム

「再エネスタート」、「環境省ローカルSDGsー地域循環共生圏づくりプラットフォーム」を含むほかのカーボンニュートラルの取り組みについては、環境省の「脱炭素ポータル」で見ることができます。気になる方はぜひ見てみて下さい。

▼サイトはこちら

環境省「脱炭素ポータル」

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企業の取り組み

JAL・省燃費機材への更新へ

JALグループは、CO2排出量の削減をはじめとした気候変動への対応を着実に進めていくべく、2020年6月に株主総会を開催しました。そこでは、2050年までにCO2排出量実質ゼロ(ネット・ゼロエミッション)の実現を目指すことを宣言しました。

JALグループは省燃費機材への更新を行っています。省燃費機材は省燃費かつ低騒音であり、従来機と比較してCO2排出量を15%~25%程度削減できます。2020年に実施した公募増資で調達した資金も活用し、2021年度以降も省燃費機材への更新を着実に継続していきます。

また、JALグループは運行の工夫も行っています。安全運航を大前提に、運航中の操作のタイミングや操縦の工夫によるエコ・フライトの取り組み、運航する機体の軽量化や定期的なエンジン内部の洗浄による燃費の向上など、CO2削減に向けたさまざまな工夫をしています。

キユーピー・自然冷媒機でCO2削減と脱フロン実現

キユーピーグループは気候変動の進行を受けて、サステナビリティ目標「CO2排出削減」を見直し、2024年度目標30%、および2030年度目標50%へ修正しました。

キユーピーグループでは、省エネの設備の導入と設備の運用最適化に取り組んでいます。冷凍更新において、自然冷媒機を導入することにより、CO2削減と脱フロンを実現しています。
中河原工場では、自然冷媒機を2018年に導入し、CO2削減効果を継続して検証しています。

他のキユーピーの気候変動への具体的な対策を下にまとめました。

  • キユーピー五霞工場、旬菜デリ昭島事業所での太陽光発電の導入
  • サプライチェーンにおけるCO2排出量を算出し、削減に向けた取り組みを行う
  • 重油から都市ガス・天然ガスへの燃料転換
  • 輸配送距離の短縮化・積載効率向上による輸配送効率化
  • ライオン株式会社と日本パレットレンタル株式会社との共同輸送
  • オフィス事業所の集約

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個人の取り組み

ここまでで国と企業のSDGs13の具体的な取り組みを紹介しました。しかしSDGs13を達成するには、国や企業の取り組みに任せるのではなく、ひとりひとりが意識して具体的に取り込むことが重要です。ここでは4つの視点で取り組みを紹介します。

節電のためにできること

電球

私たちの日常生活に欠かせない電気は、発電する際に多くの温室効果ガスが排出されています。全国地球温暖化防止活動センターによると、2019年度に家庭から排出された二酸化炭素のうち、電気の消費に起因する排出量が45.1%で、一番多くなっています。

電気を使いすぎることは気候変動を加速することを意味します。そのためひとりひとりが省エネを意識することが必要です。ここではエアコン、テレビ、掃除機、照明、冷蔵庫について節電方法をまとめました。

エアコン
設定温度を適切に保ちましょう。極端に高い温度や低い温度にすると消費電力が大きくなります。温度を1度変えるだけで、消費電力は10~13%変動します。
また、フィルター掃除を週に2回を目安に掃除することも有効です。フィルターにほこりがたまると、エアコンの能力が落ち、電力消費が大きくなってしまいます。
タイマー機能も活用して使用時間を減らしましょう。

テレビ
1日1時間見る時間を減らしましょう。また明るさ調節しましょう。画面が明るすぎると、その分余計な電力を消費してしまいます。

掃除機
掃除機も使用時間が短くなるように工夫しましょう。そのためには掃除機をかける前に部屋を片づけたり、雑巾やクイックルワイパーを活用していくことが重要です。

照明
LED電球を使いましょう。LED電球は白熱電球に比べて消費電力が少ないです。また、照明はこまめに消しましょう。例えば蛍光ランプの点灯時間を1日1時間短縮した場合、年間で4.38kWh節電、1.8kg-CO2削減となり、また約100円の節約にもなります。

冷蔵庫
設定温度を調節し、無駄に開け閉めしないようにしましょう。そのためには必要なものをまとめて出したり、整理整頓してすぐ取り出せるようにして置くことが重要です。冷蔵庫の扉を無駄に開閉したり、長時間開けると冷気が逃げてしまい、再び冷蔵庫内を冷やすのに余計に電力を消費してしまいます。

節水のためにできること

蛇口から水が滴る様子

節電だけでなく、節水にも取り組みましょう。
私たちのもとに水が届くまでの間には多くのエネルギーが使われます。そのため、節水も具体的な気候変動対策になります。

節水のためにできることを下にまとめました。

  • お風呂ではこまめにシャワーをとめる
  • 節水シャワーヘッドに変える
  • 歯磨き中など蛇口をとめて水を出しっぱなしにしない
  • できるだけまとめて洗濯する
  • お風呂の残り湯を洗濯に使う
  • 節水トイレに変える

外出時にできること

自転車を漕いでいる様子

できるだけ乗用車を使用せず、交通機関や徒歩を活用して移動しましょう。

例えば鉄道を乗用車と比べた場合、エネルギー消費量は約6%、CO2排出量は約5%であり、わずかなエネルギーやCO2排出で動いています。単位輸送量に換算すると、鉄道は車よりCO2排出量が6分の1となります。つまり鉄道は他の車や航空機よりもエネルギー効率にすぐれ、地球にやさしい乗り物といえます。

また、当たり前ですが、徒歩や自転車はCO2排出量がゼロです。体を動かすことで健康増進にもつながります。

しかし、乗用車はレジャーや通勤に欠かせないものであり、完全に使用せずに生活することは難しいかもしれません。乗用車を使用する際には、アイドリングストップを意識してみましょう。

アイドリングストップとは停車時にエンジンを停止することです。こまめに行うことで温室効果ガス排出量と燃料を抑えることができます。

買い物の時にできること

マイバックを持ち歩いている様子

プラスチック製品の購入を減らしましょう。
プラスチック製品は製造するときだけでなく、ゴミとして焼却するときもCO2が排出されてしまいます。

買い物するときはマイバックを持っていきましょう。また、洗剤やシャンプー、柔軟剤購入時には詰め替え製品を選び、できるだけプラスチックゴミが出ないように気を付けることが重要です。

▼関連記事
《徹底網羅》個人でできるSDGsの取り組みと求められる3つのこと|具体例・年齢別に解説
《意外と知らない》日常生活でできるSDGs|具体的な取り組み~日常生活編~

参照:地球温暖化防止のためにできること|身近な対策から取り組もう

まとめ

私たちの地球をまもるために気候変動にいち早く具体的な対策をする必要があります。

国、地域、企業もさまざまな取り組みをしていますが、SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」を達成するにはひとりひとりの対策も必須です。

今回紹介した個人でできる気候変動対策はどれも日常生活で少し意識を変えればできることです。ひとりひとりのちょっとした行動が持続可能な社会の実現につながります。

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