《徹底解説》SDGsの背景|当時の国際動向から策定プロセスまで完全網羅

#持続可能#環境#経済成長#開発途上国 2021.10.26

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【更新日:2021年11月3日 by 森あゆみ

2020年12月、全国の5000人を対象に行ったSDGs認知度調査では、「SDGsという言葉を聞いたことがあるか」という問いに「ある」と回答したのは全体で45.6%に上り、国民の約2人に1人がSDGsという言葉を聞いたことがあるという結果になりました。

徐々に認知度が上がっているSDGsですが、SDGsの背景まで知っている人は少ないのではないでしょうか。

今回はSDGsがどのような経緯で策定されたのかを解説します。

SDGs策定の背景

SDGsの前身であるMDGs

SDGsの前身としてMDGsというものが存在していました。

MDGsは「Millennium Development Goals」の略で、ミレニアム開発目標と呼ばれるものです。

MDGsとは、2000年9月にニューヨークで開催された国連ミレニアム・サミットで採択された国連ミレニアム宣言を基にまとめられたものであり、2015年までに達成すべき開発目標として8つの目標、21のターゲット、60の指標とともに掲げられていました。

8つの目標は以下の通りです。

目標を見ると分かる通り、MDGsは主に開発途上国を中心に掲げられた目標です。

達成期限となる2015年までに貧困率が半分以下に減少するなど一定の成果をあげると同時に、男女間の不平等などの問題を残すなどの結果となりました。

SDGsはここで紹介したMDGsの後継となる開発目標です。

▼MDGsについて詳しくはこちら

課題は先進国でも目立つように

先述した通りMDGsは主に開発途上国を中心に掲げられた目標です。

一方SDGsでは、先進国を含めたすべての国を対象とした目標を掲げており、そこがMDGsとの大きな違いです。

対象地域の変更に伴い目標が8つから17に、ターゲットが21項目から169項目へと大幅に増えたのも特徴です。

またMDGsでは国連や政府が取り組み主体だったのに対し、SDGsでは国や自治体だけではなく、民間企業や個人単位も取り組み主体としてこれらの目標に取り組むことが推奨されているのも特徴です。

SDGsでは「誰一人取り残さない」という精神のもと、発展途上国だけでなく先進国の課題も解決することを目的としている持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のため、目標なのです。

SDGsが策定されたプロセス

MDGsの達成期限を2015年に迎える中、新たな目標案を立てる必要がありました。

そのため2012年、リオデジャネイロで開催されたリオ+20で、持続可能な開発に向けた議論が始まりました。

その後、2014年7月22日に国連総会のオープン・ワーキング・グループが持続可能な開発目標を提案し、最終的に2015年に国連持続可能な開発サミットが開催され、150を超える加盟国首脳の参加のもと、その成果文書として、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ(000101402.pdf (mofa.go.jp))」が採択されました。

このアジェンダは、宣言をかかげるとともに、MDGsの後継として、17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(SDGs)」を設定しました。

SDGsの17の目標の背景

SDGsの17の目標はそれぞれ環境・社会・経済の軸で掲げられています。

これら3つの観点からSDGsの背景を見ていきます。

環境問題

環境問題の軸で掲げられた目標は「6 安全な水とトイレを世界中に」「13 気候変動に具体的な対策を」「14 海の豊かさを守ろう」「15 陸の豊かさも守ろう」の4つです。

IEAの調査によると世界の二酸化炭素排出量は2006年約280億トンだったのに対し、2018年には約335億トンと言われています。この12年間で55億トンの二酸化炭素が増加しているのです。

また水不足に関しても、経済協力開発機構(OECD)の調査では、2050年には深刻な水不足に見舞われる河川流域の人口は、世界人口の40%以上である39 億人となる可能性もあると予想されています。

そのような状況下よりかねてより地球温暖化や海洋汚染などの環境問題に対して世界全体で取り組んできました。

これら4つの目標はそんな環境問題に対してのSDGsとして掲げる目標です。

社会問題

社会問題の軸で掲げられた目標は「1 貧困をなくそう」「2 飢餓をゼロに」「3 すべての人に健康と福祉を」「4 質の高い教育をみんなに」「5 ジェンダー平等を実現しよう」「7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「11 住み続けられるまちづくりを」「16 平和と公正をすべての人に」の8つです。

MDGsの達成期限である2015年時点で最貧困層家庭の子どもは、最富裕層家庭の子どもに比べて4倍の確率で学校に通っておらず、最貧困層と最富裕層、また都市部と農村部の格差が問題でした。

また女性は、就業機会、資産、公私の意思決定においてジェンダー差別の直面により、国会議員に占める女性の割合は5人に1人にとどまっています。

そのような状況を打破するために社会問題の観点からSDGsとして8つの目標を掲げました。

経済問題

経済問題の軸で掲げられた目標は「8 働きがいも経済成長も」「9 産業と技術革新の基盤をつくろう」「10 人や国の不平等をなくそう」「12 つくる責任つかう責任」の4つです。

悲しいことに、開発途上国では未だに強制労働や奴隷制、人身取引などが行われています。

経済問題の観点では生産性の向上と技術革新による、持続的な経済成長などを促進するだけでなく、上記のような問題を根絶するための対策も必須です。

そのためにも技術革新からなる新たな雇用機会の提供などが必要であり、そのような経済問題を解消すべく掲げられたのが以上4つの目標です。

SDGsとは

SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称です。日本語では「持続可能な開発目標」と表されます。

2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、2016年から2030年までの15年で達成すべき17のゴールと169のターゲットで構成されています。

SDGsでは経済や環境、社会の課題が幅広く取り上げられ、持続可能な社会を築き上げるために、国連が主導してさまざまな取り組みが広がっています。

SDGs CONNECTでは、SDGsの各目標ごとに解説記事を公開しています。

▼各目標の詳細は以下の画像をクリック

▼SDGsについて詳しくはこちら

まとめ

今回はSDGsの背景について見ていきました。

SDGsに限らず「目標」というものは、ただのゴールとして見てしまいがちで、本質である目標の意味や意義を知らなかったり、忘れてしまうことも多いです。

SDGsの背景を知ることで、17の目標をただのゴールとして見るのではなく、「なぜこの目標を達成しなければならないのか」というSDGsの意義を見出せるのではないでしょうか。

「なぜ」の部分を今一度よく考えて、より一層SDGsへの理解が深めてみてください。

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