SDGs8「働きがいも経済成長も」現状や課題・取り組みについて解説

#SDGs目標8#ジェンダー#働きがい#女性#持続可能#経済成長 2021.02.13

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【更新日:2023年4月11日 by 田所莉沙

国際労働機関(ILO)によると、職がない失業者は世界で約1.9億人いると言われており、世界の人口の約半分は、1日数百円 の安い賃金の仕事に就いています。これ以外にも、児童労働やジェンダー差別など、働き方に関する社会課題は世界中のどの国にも根深く存在しています。

先進国の中でも失業率が低いと言われている日本でも、働き方に関する問題がたくさんあります。

今回は、世界や日本の働き方の現状について取り上げ、SDGs目標8「働きがいも経済成長も」について解説します。

【この記事で分かること】

見出し

SDGs8「働きがいも経済成長も」とは

みなさんはSDGs目標8について、どのくらいご存知でしょうか。

まずはSDGs目標8の内容や、ターゲットの詳細について解説します。

SDGs8「働きがいも経済成長も」の内容|働きがいやディーセント・ワークとは

SDGs目標8「働きがいも経済成長も」は、世界各国で経済成長を促進しつつ、すべての人が働きやすい環境を整えることを目指した目標です。

世界には、家計の収入が充分でないことが原因で小さな子どもが働いていたり、職を失ってしまう人がいたりと、労働に関連する問題が多く存在します。

労働に関するさまざまな問題を解決し、すべての人が働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を得られるようにするのが、SDGs目標8です

ディーセント・ワーク
…働きがいのある仕事のこと。人としての権利が保障されており、充分な収入が得られる仕事のこと。

SDGs8「働きがいも経済成長も」12のターゲット

SDGs目標8には、人間らしい雇用の促進を目指して、12個のターゲットが設けられています。どのターゲットにおいても、人々が安心で安全な環境のもとで働けるように設定されました

たとえば男女間で得られる給与の差をなくしたり地方で観光業を促進することで働く場を増やしたりすることを目指しています。

日本国内だけではなく、発展途上国における貿易を支援することもターゲットのひとつです。また世界規模で、若者の雇用に対する取り組みを考え、実行することも含まれます。ターゲットの詳しい内容は、次の通りです。

8.1 世界のそれぞれの国で、経済的に豊かになれるようにする
・発展途上国や遅れている国においては、毎年少なくとも年間7%の国内総生産(GDP)成長率を保てるようにする。
※国内総生産(GDP)…国内で一定期間内に生産されたお金やサービスなどの合計を表したもの。
8.2 ・商品やサービスに携わっている企業や、労働集約型の産業を中心に経済の生産性をあげる。
多様性、技術の向上、イノベーションを通じて、経済の生産性をあげる
8.3 ・働きがいのある人間らしい仕事を増やしたり、会社を始めたりと、新しいことを始めるための政策をすすめる。
・とくに中小規模の会社への設立や成長を支援する
8.4 ・2030年までに消費と生産において、世界が効率よく資源を使用できるようにしていく
・先進国が主導しながら、「持続可能な消費と生産に関する10ヵ年計画枠組」にしたがって経済成長が発展していくようにする。
8.5 2030年までに若い人たちや障害のある人たちが、働きがいのある人間らしい仕事をできるようにする
・男性も女性も同じ仕事に対しては、同じだけの給料が支払われるようにする。
8.6 ・2020年までに仕事も通学もせず、職業訓練も受けていない若い人たちの数を大きく減らす。
8.7 奴隷のように働かさせることや、人を売り買いすることを終わらせる
・むりやり働かせることを終わらせるために、効果的な取り組みを行う。
・子どもを兵士にすることを含めた児童労働を確実に禁止し、なくす。
2050年までにあらゆる形の児童労働をなくす
8.8 ・他の国に移住して働いている人や女性、仕事を続けられるか不安定な状況で働いている人を含めた、すべての人の働く権利を守る。
・すべての人が安全に安心して仕事ができる環境を整えていく。
8.9 2030年までに地方の文化や産品を広める
・働く場所を作りだす持続可能な観光業を行うために、政策をつくり、実施していく。
8.10 ・国内の金融機関の能力を強化し、すべての人たちが銀行や保険などのお金に関するサービスを使えるようにする
8.a ・拡大結合フレームワーク(EIF)などを通して、貿易のための援助を増やす。
発展途上国やとくに開発が遅れている国に対して、貿易のための援助を増やす
※拡大結合フレームワーク(EIF)…発展途上国の中でもとくに発達が遅れている国々に対して、貿易に関する支援を行う国際的な枠組みのこと。
8.b ・2020年までに若い人たちについての世界的な戦略をつくって、実行する。

参照:外務省公式サイト

SDGs8が必要な理由|すべての人が適切な収入を得て、安定した生活を送れるようにするため

続いて、SDGs目標8の必要性について解説していきます。なぜSDGs目標8は、必要なのでしょうか。

世界各国では、アメリカやイギリスといった先進国では、著しく経済が成長し続けています。一方で発展途上国では、経済成長が発達しておらず、充分な収入が得られず苦しんでいる人々も存在します。また男性と女性との間で与えられる給与にも違いが現れる場合もあり、すべての人が等しく評価されているとは言えません。

すべての人が働きがいのある仕事を続けられるようにし、世界各国で経済成長を発展させていくために、SDGs目標8は定められました。SDGs目標8を達成することで、人々が正当な収入を得ることができ、それぞれの国の経済もさらに発展していきます。

SDGs8に関する世界の現状と課題

SDGs目標8を達成することで、一人ひとりが働きに相当する収入を得られ、生活が安定化するだけではなく、国の経済成長が促進されることがわかりました。

続いて、世界各国で起こっているSDGs目標8に関連した問題について、解説していきます。

経済成長率が低迷している

まず最初に挙げられる課題が、各国の経済成長率が滞っていることです。とくに新型コロナウイルスの影響を受けて2019年以降、世界各国でエネルギー危機やインフレの高騰などの問題が発生しています。また2022年に起きたウクライナ侵攻は、世界各国の経済の低迷に追い打ちをかけました。

実際にエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が報告している報告書に基づいて、世界の不確実性を表した「世界不確実性指数」では、新型コロナウイルスの流行後、著しく数値が高くなっています。2020年になるにつれて数値が小さくなっているものの、世界全体での数値は高いままです。

世界各国で経済が循環しなければ、各国々の生活水準が落ちたり、失業者が増えたりしてしまいます。すべての人が安心して働けるようにするためには、経済の成長の回復も必要不可欠です。

世界不確実性指数
…政策の影響によって、経済の先行きの不確実性を表す指標のこと。数値が大きくなるにつれて、不確実性が高いことを意味する。

失業率が増加している

世界各国で経済成長が滞ることで、失業率の増加にも影響を与えます。世界全体では失業率が5.7%となっており、満足な暮らしができていない多く人々が存在します。また失業率の高さは、国ごとに大きな差が見られます。

たとえば2021年におけるパレスチナやスーダンなどの発展途上国では、失業率が20%を超えており、南アフリカでは34%以上を占めています。一方でアメリカやイギリスなどの先進国では、10%未満という数値ではあるものの、一定数の失業者が存在しています。

失業率が高い理由としては、不十分な教育制度や技術不足などが挙げられます。また経済が悪循環な状況の場合、雇用する側の企業が人件費を減らすことで、失業者が増加してしまいます。

途上国では児童労働が慢性化している

児童労働」とは、義務教育を妨げる労働や法律で禁止されている、18歳未満の危険で有害な労働のことです。児童労働は世界各国で起きているものの、とくに発展途上国で多く問題となっています。

2021年の段階で世界には、1億6,000万人が児童労働をしているといい、世界の子どものうち10人に1人が働いていることになります。また児童労働をしている子どものうち、全体の70%は農業に従事している傾向が高いです。

また児童労働を行っている子どもの数は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響も受けています。2022年の末には、児童労働者となる子どもの数が890万人も増加すると予測されています。

「児童労働」によって子どもの教育の機会が奪われてしまい、文字の読み書きができなかったり、計算ができなかったりと、大人になってから就ける仕事が限られてしまう現状です。

ジェンダー格差が残っている

世界各国で男女平等な社会が実現しつつあるものの、一部の国や地域では、ジェンダー間で不平等な状況となっている場合もあります。男女で格差があるのは、支払われる報酬に対しても同じです。

2019年に経済協力開発機構(OECD)が発表した調査では、世界全体における男女間の平均賃金格差は、13.6%でした

中でもベルギーやイタリア、フランスなどの北欧・ヨーロッパ諸国の国々は、賃金格差が少ない傾向にあります。一方でアメリカや韓国、日本における男女間の賃金格差は、かなり大きいことがわかります。

同じ働きに対して等しい報酬が支払われなければ、すべての人が働きやすい環境であるとは言えません。男女間の賃金格差をなくしていく必要があります。

SDGs8に関する日本の現状と課題

続いて、日本におけるSDGs目標8の現状や、課題について解説していきます。

世界各国の経済成長率が低迷している

日本でも経済成長の低迷しています。発生しています。1990年代に起きたバブル崩壊後、経済は悪循環に陥り、経済成長率は大きく伸びていません。

また近年では2019年に蔓延した新型コロナウイルスの影響で、経済の低迷に拍車をかけていました。2020年の日本における経済成長率は、-4.1%であり第二次世界大戦以降、最低の数値でした。

新型コロナウイルスの感染拡大が収まったことで、2021年の経済成長率は、少しずつ改善してきました。しかし以前として、経済状況をコロナ禍以前の状態まで改善できてはいません。

近年では経済が円滑に循環されていないにもかかわらず、物価の向上が発生する「スタグフレーション」も起こっています。そのため原材料の価格が上昇し、物価が向上してしまいます。これらの悪循環をなくすために、まずはさまざまな人が働ける環境を整え、企業が適切な給与を支払うことが大切です。

多くの分野でジェンダー格差が残っている

日本では、同じ働きに対して支払われる給料が、男女の間で差がある場合があります。2021年において、男性の労働が支払われる給料のうち、同じ労働をした女性が得られる給料は、全体の75.2%に相当する給与でした。この数値は年々増加傾向にあり、2005年と比べると、5%上昇しています。

しかし世界各国と比較すると、日本のジェンダー格差は大きい現状です。ニュージーランドやノルウェー、デンマークなどの北欧諸国では、男女の賃金格差がほとんどないにもかかわらず、日本は経済開発機構(OECD)の平均値を大きく下回っています

女性の得られる報酬が少ない傾向がある原因として、管理職を担う女性が少ないことや、女性が正規雇用ではなく非正規雇用者として働いていることなどが挙げられます。今後女性のさらなる活躍を促すためには、同じ労働に対して支払われる給与を平等にすることが必要です。

新型コロナウイルスの影響で多くの店舗が閉店

2019年に発生した新型コロナウイルスによって消費が停滞し、さまざまなお店が倒産してしまいました

日本各地で営業しているお店の中でも、とくに飲食店が新型コロナウイルスの影響を受けています。東京商工リサーチが調査した結果、2020年における飲食店の倒産件数は、842件でした。この件数は、2019年と比べると5.3%増加しており、過去最高記録という結果です。

飲食店やアパレル店などのお店が廃業してしまうことで、経済も悪循環となります。またお店で勤めていた人も失業することになり、次の仕事が得られるまで、安心・安全な暮らしができなくなってしまう可能性があります。

SDGs8の問題に対する解決策3選

ここまで世界や日本における、SDGs目標8の現状や課題点について、まとめていきました。

つぎに、SDGs目標8を解決するための方法について、3つ説明していきます。

働き方改革を行う

まず企業がSDGs目標8の達成に向けてできることが、「働き方改革」を実施することです。「働き方改革」とは、労働と育児・介護を両立させられるように、働き方を多様化することです。また育児・介護との両立を目指すだけではなく、残業時間を減らすなどの長時間労働の改善も促進していきます。

企業それぞれが働き方改革を進めることで、企業は優秀な人材が集まりやすくなったり、従業員の離職者が減ったりと、さまざまなメリットがあります。

働き方改革は、企業だけではなく、従業員にもメリットがあります。たとえば働いた分に見合う報酬が得られることや、長時間労働の改善などです。

すべての人が働きやすく、かつ働きがいのある仕事ができるようにするためには、企業側からのさまざまな取り組みが必要となります。

フェアトレード商品を購入する

企業に限らず私たちが普段の生活においてできることが、フェアトレード商品を購入することです。「フェアトレード」とは、発展途上国で原材料などを生産している人々の暮らしを改善し、自立できるよう、公正な取り引きを行うことです。

2019年において、日本のコーヒー消費量は、年間で約45万3千トンでした。私たちが日頃から飲んでいるコーヒーの豆を、フェアトレード商品に変えることで、発展途上国で暮らす生産者・労働者の生活改善に貢献します。

コーヒー豆だけではなく、チョコレートや衣類など、フェアトレード商品は数多く存在します。みなさんも商品を購入する際は、フェアトレード商品も手に取ってみてください。

関連記事:フェアトレードとSDGsの関係とは?-企業や個人の取り組みも解説

関連記事:フェアトレード食品を買う時のポイント3選-購入サイトや店舗も紹介

ESG投資を呼び込む

働き方改革を推進するためには、企業の取り組みだけでは促進されません。働きやすい環境をつくるために、ESG投資を行うことも大切です。「ESG」とは、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の英単語のうち、頭文字を合わせた言葉です。企業が持続可能な成長を進めるためには、この3つの観点が重要となってきています。

ESG投資を行うメリットとしては、事業に必要な資金を調達しやすくなり、企業が長期的に事業を行えるようになることです。ESGの3つを評価したうえで投資先を考慮して、投資活動を促すことで、労働環境も改善されていきます。

企業の長期的な成長だけではなく、ESG投資を通じて社会貢献できることもメリットの一つです。世界各国で問題となっている、貧困などの課題の改善の貢献につながります。

SDGs8を達成するための世界の取り組み事例2選|国と国際機関の取り組み

ここまでSDGs目標8の達成に向けた、問題の解決方法について、まとめていきました。

続いて世界各国で行われている、SDGs目標8の実現を目指した取り組みについて、紹介していきます。

国の取り組み|フィンランドの働き方改革

フィンランドでは、ほとんどの社会人が残業をせずに働いています。フィンランドの法律において、定められている労働時間は1日8時間、週40時間以内と定められており、勤務時間を守るべきと国全体で認識されています。

また新型コロナウイルスの蔓延以前から週に一度以上、在宅勤務をしている人々が約3割ほどいます。また働いている間に10分から15分の休憩を取り入れたり休憩の場をオフィス内に設置したりと、働きやすい環境を整えています。

働き方の改善だけではなく、福祉制度の改善にも力を入れています。たとえば男性の8割は、育休を取得しています。フィンランドでは、子どもが3歳になるまで育休の取得が認められています。2021年の6月には、育児・介護休業法が改定されるため、またさらに労働環境が見受けられます。

国際機関の取り組み|IMF(国際通貨基金)経済成長支援

国際通貨基金(IMF)は、世界各国で雇用の機会を生み出したり、世界の金融を安定させたりと、さまざまな政策を通じて、それぞれの国で持続可能な発展ができるように支援しています。主な事業としては、貿易の拡大と経済成長の促進繁栄を損なう政策の抑制などがあります。

そのほかにも具体的な取り組みとして、サーベイランス(政策監視)を通じた世界各国の経済成長を見守ることも行っています。

サーベイランス(政策監視)
…世界各国の経済状況を調査し、政策などを監視すること。

SDGs8を達成するための日本の取り組み事例5選|省庁や企業の取り組み

つぎに日本が取り組んでいる、SDGs目標8のための取り組みについて、まとめていきます。

厚生労働省の取り組み|すべての人が働きやすい環境づくり

厚生労働省は、国民の生活を保障・向上させ、経済の発展のために社会保障・福祉や働く環境の整備、人材の育成などに関する政策や支援を行っています。

SDGs目標8に関連した労働について、厚生労働省が行っているのが女性や労働者、障がい者など、すべての人が働きやすい環境づくりを目指しています。たとえば厚生労働省の公式サイトでは、子育て支援に特化したマザーズハローワークのホームページの紹介などをしています。

また日本で働く男性が育児休暇を取得しやすくなるように、育休を促進する「イケメンプロジェクト」の実行や、仕事と育児の両立をまとめたガイドブックの公開などにも取り組んでいます。

>>厚生労働省公式サイトはこちら

企業の取り組み 1:第一生命HD|生命保険業界初の健康診断割引

第一生命ホールディングスは、一生涯のパートナーとして「Protect and improve the well-being of all」というグループビジョンに基づいて、さまざまな国と地域で人々の暮らしのサポートを目指していきます。

第一生命ホールディングスが持続可能な社会の実現のために定めた4つの重要課題のうち、SDGs目標8に関連しているのが、医療費などの福利厚生制度の新たなシステムの導入です。たとえば健康診断にかかる費用の一部が割引される制度や、入院時の費用を一時的に備える制度などがあります。

そのほかにも人々による歯への意識を高めるために、歯の健康度によって保険料を割引する「認知症保険toスマイル」を行うなど、すべての人が健康への意識を高める取り組みを多く行っています。健康への意識を高めつつ、働く人へのサポートに取り組んでいます。

企業の取り組み 2:イケア・ジャパン株式会社|LGBT+の人々への支援

イケア・ジャパン株式会社は、優れたデザインと機能性を兼ね備えた製品を取り扱い、多くの人々に手頃な価格で提供しています。

イケア・ジャパン株式会社が取り組んでいるサステナビリティとして、LGBT+の人々への支援があります。「国際反ホモフォビア・トランスフォビア・バイフォビアの日」に向けて、性の多様性を尊重した取り組みを行っています。

たとえばLGBT+アライになることや、性別を限定するような言葉の使用を避けることなどです。またイケア・ジャパン株式会社ではストールストッマ バッグの売上の一部を、LGBT+を支援する非営利団体に寄付活動も行っています。

関連記事:LGBTQ+とは-意味だけでなく、課題や取り組み、SDGsとの関係も紹介

関連記事:LGBTQIAの意味や読み方は?性的マイノリティの種類を一覧で紹介

企業の取り組み 3:日本郵便|女性管理者の比率を30%に向上

日本郵便は、郵便や物流事業、金融窓口事業などを行う会社です。日本郵便では100年時代の一生を支え、日本全国の地域社会の発展や活性化に貢献することで、持続可能な社会の実現を目指しています。

日本郵便が取り組んでいるサステナビリティの中で、SDGs目標8に関連しているのが、人事戦略です。日本郵便では、女性の活躍できる場面をさらに増やすために、2030年度までに女性の管理職を担う人々を増やし、比率を30%にすることを目標としています

また女性が子どもを産み、育児と仕事を両立しやすくできるように、テレワークの推進など働きやすい職場づくりにも力を入れています。

企業の取り組み 4:株式会社ファーストリテイリング(ユニクロ・GU)|社会貢献活動への投資

株式会社ファーストリテイリングは、ユニクロやGU、セオリーなどの複数のブランドを手掛ける会社です。株式会社ファーストリテイリングが事業を進めるうえで重要な、「People(人)」・「Planet(地球環境)」・「Community(地域社会)」の3つを重要なテーマと捉え、課題の解決に貢献しています。

衣類の販売を通じて取り組んでいるサステナビリティとして、世界各国への投資活動があります。株式会社ファーストリテイリングでは、2025年までに100億円規模の社会貢献活動へ投資することを目指しています。実際に日本だけではなく世界各国の支店で地域貢献活動に取り組んでおり、難民や社会的に弱い立場にある人々への支援も行っています。

そのほかにも女性が活躍できるよう要職を担う人々の増加を促したり、次世代の経営者・リーダーの育成に力を入れたりなどの取り組みも実施しています。

私たちにできること|簡単なことから始めよう

ここまで日本政府や企業が取り組んでいる事例について、まとめていきました。

では私たちが身近にできることは、一体何があるでしょうか。

まず私たちができることとして、SDGs目標8の現状について知ることです。インターネットや新聞を通じて、世界や日本の現状を理解することが大切になります。

日本や世界での問題について理解したうえで、実際に買い物に行った際にフェアトレード商品を積極的に購入したりSDGsの目標達成を目指して活動している団体に寄付をしたりなどがあります。みなさんもできることを始めてみてはいかがでしょうか。

まとめ

SDGs目標8「働きがいも経済成長も」は、世界各国で持続可能な経済成長ができる社会を目指して、目標が定められました。世界では小さい子どもが家計のために働いていたり、職を得られない人がいたりと、労働に関するさまざまな問題が生じています。

すべての人が安心・安全に、かつ働きがいのある仕事をするためには、職場での環境づくりがとても大切です。また一人ひとりの意思を尊重し、働き方の多様性を認めていくことも重要となります

私たちも実際に買い物でフェアトレード商品を買うことで、SDGs目標8の達成に貢献します。みなさんもまずは簡単なことから始めてみてください。

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