《SDGs基礎》目標8「働きがいも 経済成長も」を徹底解説

#SDGs目標8#ジェンダー#人間らしい#働きがい#児童労働#労働#女性#強制労働#持続可能#生産性#経済成長#雇用 2021.02.13

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【更新日:2021年9月11日 by 森あゆみ

国際労働機関(ILO)によると、職がない失業者は世界で約1.9億人いると言われています。さらに、世界の人口の約半分は1日数百円 の安い賃金の仕事に就いています。これ以外にも、児童労働やジェンダー差別など、働き方に関する社会課題は世界中のどの国にも根深く存在しています。

先進国の中でも失業率が低いと言われている日本においても、働き方に関する社会問題は山積みです。

三大義務の1つである「勤労の義務」は日本で生きる人々が国民としての権利を享受するための最低限の義務とされていますが、いまだに勤労の義務を果たせない人もいます。

今回は世界や日本の働き方の現状について取り上げ、SDGs目標8「働きがいも経済成長も」について考えていきます。

目標8「働きがいも経済成長も」

目標8は、「包摂的かつ持続可能な経済成⻑及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する」のテーマのもと、12個のターゲットから構成されています。

目標8「働きがいも経済成長も」の内容

SDGsの目標8では、「働きがい」と「経済成長」の両立が重要視されています。経済成長ばかりを重視して働きがいが削がれてしまったり、働きがいばかりを重視して経済成長が停滞してしまえば、新たな社会問題を発生させかねません。

長期的な経済成長を継続していくためには、一人ひとりの働きがいを確保しながら、生産性を高めていく必要があります。

また、労働者の収入や健康、教育、就業機会を公平にし、著しく不利な立場に置かれる人をなくすこと、人々が適切で継続的に営める生活を送れる環境を作ることも重要だと考えられています。

働きがいとは

給料が高いからといって「働きがい」が生まれるわけではありません。従業員が職場の中で「自分が期待され、役立っている」という意識( = 自己効力感)なども「働きがい」を構成する重要な要素です。

従業員の「働きがい」を高めるためには、各自に与えられた仕事の意義や重要性についての説明するだけではなく、従業員の意見を無視することなく、会社の経営に反映するなど、さまざまな取り組みが重要です。受動的に企業のパーツとして働くのではなく、能動的に企業内での役割を提供していくことが「働きがい」の創出につながります。

一般的に、休暇、労働時間、給与、賞与額などの労働条件が良好な企業の方が働きがいが高い傾向があります。また、「働きがい」に合わせて、「働きやすさ」を高める雇用管理も必要です。困ったことがあったときにすぐに相談できる体制や福利厚生の充実なども働きやすさを高める重要な要素です。

職場での「働きがい」や「働きやすさ」を高めることで、従業員の意欲を向上させることができ、離職率の低下や会社の業績に繋がります。

「ディーセント・ワーク」とは

目標8「働きがいも経済成長も」の中で大切されている考え方として ディーセント・ワークがあります。

ディーセント・ワークとは「働きがいのある人間らしい仕事」のことを指します。

この概念は、1999年の第87回ILO総会に提出された事務局長報告において初めて用いられ、ILO(国際労働機関)の活動の主目標と位置付けられました。

この時、ファン・ソマビア事務局長の報告には「ディーセント・ワークとは、権利が保障され、十分な収入を生み出し、適切な社会的保護が与えられる生産的な仕事を意味します。それはまた、全ての人が収入を得るのに十分な仕事があることです。」と記されています。

仕事を持つことができ、その仕事は、権利、社会保障、社会対話が確保されていて、自由と平等が保障され、働く人々の生活が安定させることができるということです。

以後、ディーセント・ワークの考え方は働きがいと経済成長の基盤として考慮され、2012年に就任したガイ・ライダー事務局長も、21世紀におけるILOの役割として「ディーセント・ワーク」の推進を掲げています。

「働きがいも経済成長も」の12のターゲット

SDGsにおけるターゲットとは「最終的な目標」に到達するために必要となる「より具体的な達成すべき目標・成果、必要な取り組み」のことを指します。

ここでは、そのターゲットを紹介します。

CHECK!!
「1-1」のように数字で示されるものは、それぞれの項目の達成目標を示しています。
「1-a」のようにアルファベットで示されるものは、実現のための方法を示しています。
8.1 各国の状況に応じて、一人当たり経済成⻑率を持続させる。特に後発開発途上国は少なくとも年率7%の成⻑率を保つ。
8.2 高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技術向上及びイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性を達成する。
8.3 生産活動や適切な雇用創出、起業、創造性及びイノベーションを支援する開発重視型の政策を促進するとともに、金融サービスへのアクセス改善などを通じて中小零細企業の設立や成⻑を奨励する。
8.4 2030年までに、世界の消費と生産における資源効率を漸進的に改善させ、先進国主導の下、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組みに従い、経済成⻑と環境悪化の分断を図る。
8.5 2030年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、ならびに同一労働同一賃金を達成する。
8.6 2020年までに、就労、就学及び職業訓練のいずれも行っていない若者の割合を大幅に減らす。
8.7 強制労働を根絶し、現代の奴隷制、人身売買を終わらせるための緊急かつ効果的な措置の実施、最悪な形態の児童労働の禁止及び撲滅を確保する。2025年までに児童兵士の募集と使用を含むあらゆる形態の児童労働を撲滅する。
8.8 移住労働者、特に女性の移住労働者や不安定な雇用状態にある労働者など、すべての労働者の権利を保護し、安全・安心な労働環境を促進する。
8.9 2030年までに、雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する。
8.10 国内の金融機関の能力を強化し、すべての人々の銀行取引、保険及び金融サービスへのアクセスを促進・拡大する。
8.a 後発開発途上国への貿易関連技術支援のための拡大統合フレムワーク(EIF)などを通じた支援を含む、開発途上国、特に後発開発途上国に対する貿易のための援助を拡大する。
8.b 2020年までに、若年雇用のための世界的戦略及び国際労働機関(ILO)の仕事に関する世界協定の実施を展開・運用化する。

世界の「働く」ことの現状と課題

世界には「働く」うえで関係する課題が数多くあります。

例えば、労働生産性の低さから引き起こされる経済成長の低迷や、失業率の増加、児童労働問題から労働市場におけるジェンダー格差など、さまざまです。

1つずつ詳しくみていきましょう。

経済成長の低迷

世界的な経済成長の低迷は、治安の低下、社会的基盤の弱化、国家間での不平等や分断、内戦などの社会のあらゆる負の連鎖の元になる可能性があるので、早急に解決されるべき問題です。

現在、経済成長の低迷の原因として労働生産性が低いことが挙げられており、その改善が経済成長への鍵だとされています。

公益財団法人日本生産性本部によると労働生産性とは、「あるモノをつくるにあたり生産諸要素がどれだけ効果的に使われたかという割合」を表しており、アウトプット(産出)をインプット(投入)で割った値が生産性となります。

生産性を上げるにはAIなどのさまざまなデジタル技術を適材適所で活用していくことが必要不可欠であり、DXにも注目が高まっています。しかし、まだ成果が出ていない面も多くあり、経済成長の低迷はしばらく続くと予想されています。

▼DXについて詳しくはこちら

国際通貨基金(IMF)の試算による2020年の世界経済成長率はマイナス3.3%でした。先進国・地域ではマイナス4.7%となっており、世界恐慌以降で最悪の数値を更新しました。

失業率の増加(若者の雇用問題)

「働きがいも経済成長も」という目標が立てられた背景には世界の失業率の低下があります。

2008年に起こったリーマンショック以降、アメリカを中心に世界的な金融危機が起きています。

世界の失業率は、2018年にはわずかに改善したものの労働力人口の増加やコロナの影響もあり、2020年には6.5%と今世紀最悪の水準となっています。

失業者は毎年340万人以上にのぼると言われ、2億人以上の人が安定した仕事につけない状態が続いています。

特に失業の煽りを真っ先に受けるのは、若者世代です。

15歳から24歳の若者の失業者数は全体の35%を占めるとされ、失業率は若者が13.1%であるのに対して25歳以上の年長者の失業率は4.4%と大きな差があります。

また全世界の若者世代の61%は、仕事があったとしても非公式な部門で働いていると言われ、職を得ていても社会的に不安定な状態が続いている人が多いと言えます。

児童労働問題

幼少期、青年期は、教育やスキルアップのための訓練を受ける期間として人生において重要です。しかし、貧困や戦争などのさまざまな理由から、十分な教育を受けられずに強制的に労働をさせられてしまう子供たちも世界には多く存在しています。

脅迫や支配によって強制労働を強いられる事件は多く発生しており、ILO(国際労働機関)の推計によると、2016年には2,490万人が強制労働の被害にあったとされています。

また犯罪としてではなく、貧困な国などでは児童労働が一般的になっている場合もあります。

2016年には5~17歳の子ども10人に1人が児童労働に従事していたとされ、その中の約半数は怪我や健康被害のリスクが高い仕事をさせられていたと言われています。

ジェンダー格差

世界中で性別によらない働き方の平等性が重要視されていますが、労働市場におけるジェンダー格差は、 数多くの分野にまたがって根強く残っています。

世界の労働参加率を見ると、2017年の段階で男性が76%であるのに対し、女性は49%と大きな格差が見られます。

また北アフリカでは、女性が 2017 年に失業する労働力人口における割合が男性の約2倍で、アラブ諸国では、女性が失業する確率は男性の2倍以上、男女間の失業率格差も12ポイントを超えているなど、就業・失業どちらの面を見ても格差が感じられます。

近年では、男女格差だけでなく、労働市場におけるセクシャルマイノリティ(LGBTQ)への差別も大きな問題になっています。

▼LGBTQについて詳しくはこちら

職場で自らの性的指向をカミングアウトできなかったり、最悪のケースだと就職の際にカミングアウトするだけで不利に働くケースもあります。

SDGsの目標5でも掲げられたジェンダー平等を尊重し、雇用機会や雇用状態において性別によらない働き方ができることは、誰もが心地よく人間らしい生活をするための重要な鍵となります。そのため、社会全体でジェンダー平等に関する現状をしっかりと受け止め、解決策を探っていくことが大切です。

詳しくは SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」で解説しているので興味のある方は併せてご覧ください。

新型コロナウィルスの影響

2020年、世界中を震撼させた新型コロナウィルスは「労働」にも大きな影響を与えました。

感染拡大の影響は以下の3点で経済に打撃を与えました。

  1. 人・モノの動きの世界的な遮断
  2. 国内の経済活動抑制
  3. 国際金融市場の不安定化

感染が拡大している間に、企業の資金繰りや雇用が維持できれば終息後に景気は回復しますが、維持できなければ企業体制や雇用・所得が悪化し、終息後も経済低迷が続く可能性もあります。そのため、感染が拡大している今も、資金繰りや雇用の維持のための行政からの支援が必要不可欠となっています。

この影響はさまざまな産業に悪影響を及ぼしましたが、地域をまたいだ異動の制限や旅行の自粛に伴い、特に観光地として知られる地域への打撃は大きくありました。

世界有数のリゾート地として知られるハワイは、大打撃を受けた都市の1つです。観光客が激減し、またハワイ在住者にも在宅命令が出されていたため、ほとんどの機能がストップしました。

そのため、2020年1月まで全米最低レベルの2.7%を誇っていたハワイの失業率が大幅に上昇することになり、その失業率は9月には全米で最も高い15%、10月は14.2%で、州内の約92,000人が失業していることになります。

日本の「働く」ことの現状と課題

では、日本の「働く」ことに関する課題にはどのようなものがあるのでしょうか。

日本で特に課題とされているものは、実は世界で起きている問題と同じものばかりです。

経済成長の低迷

日本の経済衰退の最大の原因は「少子高齢化」だと言われています。

少子化が進むことにより、労働人口や消費人口が減り、経済の伸びしろが無くなるため経済成長できなくなります。また、高齢化が進むことで、医療費などの社会福祉費に、国民から徴収した税金の大半が費やされるようになり、若い世代の育成支援に税金を回せないようになります。

そしてこの「少子化問題」には労働が密接に関わっています。

失業や非正規雇用など経済的に不安定で、不安があるために結婚や出産に踏み切れない若い世代が多く、そのため晩婚化・未婚率が上昇するのです。

つまり、経済を良くするには少子化を解決するべきだが、経済が低迷していると少子化が解決できないというジレンマが生まれているのです。

失業率の増加

日本でも失業率は大きな問題になっています。

2008年秋以降、有効求人倍率は大幅に低下し、2009年には0.42倍と過去最低になりました。

また2020年の年平均の完全失業率は2.8%で、グラフで見ると多少改善しているように見えますが、前年にリーマン・ショックがあった2009年のデータを見ても、これほどまでに失業率が悪化したのは11年ぶりのことです。

ジェンダー格差

日本はGGI(Gender Gap Index:ジェンダーギャップ指数)ランキングで153か国中121位になるなど、ジェンダー問題について課題が多く、働きがいを追求する上で障壁になっています。

この問題もSDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」で詳しく解説をしているので興味のある方はご覧ください。

2020年厚生労働省は、国の事業として初めて職場のLGBTに関する実態を調査しました。

その調査ではLGB(同性愛、両性愛者)の約4割、トランスジェンダーの約5割が職場で悩みを抱えていることが分かりました。以下参照。

出典:000761312.pdf

主な内容としては「プライベートの話をしづらい」「異性愛者としてふるまわなければならない」「自認する性別と異なる性別でふるまわなければならない」などの回答がありました。

性的マイノリティは雇用の現場で不利益を被りやすいという調査結果も出ています。実際に「職場にLGBTがいると思うか」という質問に対し、「いない」又は「分からない」と答えた人が約7割に登のぼりました。

それほどまでに日本は性的マイノリティへの関心が薄く、寛容ではありません。

また、女性の活躍機会においても日本はまだまだ改善の余地があります。

▼LGBTQについて詳しくはこちら

国際労働機関(ILO)によると、世界の管理職に就く女性の割合は平均27.1%であったのに対し、日本はわずか12%でした。

能力があっても昇進できず、男性の方が優先されてしまうなど男女平等の実現にはまだ多くの課題が残されています。

新型コロナウィルスの影響

世界中で大きな影響を与えた新型コロナウィルスですが、当然日本にも大きな被害をもたらしました。

2020年1~11月までの飲食店の倒産数は732件以上で過去最多となりました。

大人数での宴会が自粛になったことで、飲食店の多くが苦しい状況に置かれ、特に営業自粛の煽りを受けて多くの居酒屋が閉店を余儀なくされました。

国内に487店舗を展開していた大手居酒屋チェーンのワタミは、「三代目鳥メロ」や「ミライザカ」を中心に2020年内に約65店舗を閉店しました。

一時休業の影響により、ワタミの国内外食事業における既存店売上高が、4月は前年同月比で92.5%減、5月も同92.8%減と10分の1以下に落ち込んだことが原因です。

閉店に追い込まれた店舗も多いですが、一方で自粛で一時休業しながらも営業を継続している店舗も多くあります。

目標8の課題解決のためにできること

では、上述のさまざまな課題を解決するためには何ができるでしょうか。

「働き方改革」や、フェアトレード商品の購入、さらにESG投資など意外にもできることはたくさんあります。

働き方改革

働き方改革とは、今ある労働環境をより働きやすいものに改善していくことですが、首相官邸のWEBサイトには以下のように書かれています。

働き方改革は、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジ。多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組んでいきます。

一億総活躍社会とは、人口1億人誰もが活躍できる社会のことです。こう見ると働き方改革は非常に総括的なものであることがわかります。

女性や外国人障害者も含むあらゆる人に活躍する機会を提供し、イノベーションにつなげる「ダイバーシティ経営」や、最近増えてきているテレワークなど、さまざまな取り組みが働き方改革の一貫と言えるでしょう。

私たちも、無理な仕事は控え、ワークライフバランスを意識した働き方をすることで、労働環境の改善に貢献できます。

フェアトレード商品の購入

フェアトレードとは公平な貿易のことで、発展途上国で作られた商品を適正な価格で取引する取り組みです。

フェアトレード商品を購入することで、発展途上国の人でも安定した収入を得ることができ、結果として商品の質が向上するなど、好循環を生み出すことができます。

発展途上国では技術の発達が遅れ、労働環境があまり良くない場合が多く、フェアトレードはそんな彼らの労働環境の改善にもつながります。

ESG投資

ESGとは、「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の略で、この3つの観点を重視した経営を行っていくことが重視されるようになっています。

このESGに配慮しているかで企業を評価し、評価の高い企業に投資することをESG投資といいます。

ESGに配慮している企業は、将来性や持続性が高く、ここに投資することで長期的な資産運用をすることができます。それだけでなく、環境や社会、企業統治に配慮している会社に投資することは、SDGs達成を後押しすることにもつながります。

働き方改革に力を入れている企業に投資をすることで、更なる労働環境の改善が見込めるというわけです。

ESGについては詳しくはこちらの記事で解説しています。

世界の目標8「働きがいも経済成長も」の取り組み

では、世界では 目標8「働きがいも経済成長も」に関連して、具体的にどのような取り組みが行われているのでしょうか。

国の取り組み|フィンランドの働き方改革

フィンランドは働き方改革の最先端の国と言われています。

フィンランドは、1人あたりのGDPは日本人の約1.25倍にもなるのに対し、ほとんど残業はなく、有給休暇は完全消化、夏休みを1カ月という生産性とライフワークバランスを両立した国だといえます。

またマクロ経済の安定・制度で世界1位を獲得しており、その一方で世界幸福度ランキングは常に上位を占めています。

その要因として国民全体で「1日8時間、週40時間以内の勤務時間は守られるべき」という意識がはっきりしていることが考えられます。

また休憩を効率良く働くためのリフレッシュタイムとして位置付けており、「タウコユンパ」「コーヒー休憩」を設置している企業も多く見られます。

「タウコユンパ」とは、休憩(タウコ)、エクササイズ(ユンパ)を意味しており、休憩時間にエクササイズ講師を招き、体を動かしてリフレッシュする時間としての休憩時間の導入をする企業が増えています

また「コーヒー休憩」に関しては法律でも労働者の権利と認められています。

トラック運転手は8時間の勤務時間中に2回のコーヒー休憩が、製紙業界では1日に2回、10分ずつのコーヒー休憩の取得が可能で、この休憩を取ることでリフレッシュされ仕事ミスが減るというデータもあります。

国際機関の取り組み|IMF(国際通貨基金)経済成長支援

IMF(国際通貨基金)は、さまざまな国が加盟し出資している国際的な機関で、通貨や為替の安定化を目指している組織です。

1944年にアメリカで開かれた国連「金融・財政会議」のブレトン・ウッズ協定により設立が提案され、1945年に設立されました。

この組織の主な活動としては、安定性の促進、危機に対する脆弱性の軽減、持続的な経済成長と生活水準の向上を促す経済政策や金融政策について加盟国にアドバイスするというものです。

経済の安定性を促進とは、部分的に経済危機や金融危機を回避し、経済活動の激しい変動や高インフレ、外国為替や金融市場の過剰なボラティリティを避けるというものです。

具体的には、サーベイランス(政策監視)、技術支援、融資なども行っており、世界の経済成長を助ける組織だといえます。

日本の事例

日本の労働問題として、ブラック企業の存在や過労死の問題が挙げられます。

この課題の解決のため、働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを国全体として目指しています。

厚生労働省の取り組み

日本でも働き方改革は推進すべ課題の1つとして位置付けられています。

厚生労働省では働き方改革を推進するための関係法律を整備し、労働者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革を総合的に推進しています。法律の軸となっているのが「長時間労働の是正」「柔軟な働き方がしやすい環境整備」「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保」です。

まず、長時間労働の是正については、時間外労働の上限について、月45時間、年360時間を原則とし、臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働 含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)を限度に設定しています。事業主は労働者の健康を確保するために、労働者の状況を省令で定める方法によって把握しなければならないことになっています。

また、柔軟な働き方としてテレワークの推進やフレックスタイムの導入などを推進し、個人に合わせた環境での労働のための制度を整えています。

雇用形態に関わらない公正な待遇の確保では、正規雇用者出会っても非正規雇用者であっても不合理な待遇をしてはならず、公正な労働環境の提供と賃金の支給を求めています。事業者はガイドラインの整備や、労働者に対する待遇に関する説明義務などがあり、それらを取り締まるための法律の整備がなされています。

働き方改革に関する法律を整備し、施行することは、人々の働き方を総合的かる継続的にモニタリングすることにつながるため、人々の意識改革の基本方針として大変重要です。

企業の取り組み 1:第一生命HD

第一生命HDは2021年4月から約1万5000人の職員を対象に副業を解禁します。

大手生命保険会社で社外での副業を解禁するのは第一生命HDが初めてです。

副業とは言っても制限もあり、他の企業で働くことは禁止で、勤務時間外にフリーランスとして働いたり起業することを認めるものです。

これはITエンジニアや金融知識を生かしたセミナー講師といった職種を想定していたもので、社員のスキルアップも期待しています。

企業の取り組み 2:イケア・ジャパン株式会社

イケア・ジャパン株式会社では、2014年9月から全ての従業員に「同一労働・同一賃金」を適用し、「正社員」の待遇を保障する画期的な人事制度を導入しています。

この人事制度では「ライフパズル」という考え方を大切にしており、「すべての雇用者の正社員化」にすることで男女を問わず、キャリアの途中で子供を育てたり、介護をしたり、あるいは勉強をしに学校へ戻ったりという選択を可能にしました。

企業の取り組み 3:日本郵便

日本郵便は多様な価値観を理解し受容するため、社内でダイバーシティ情報誌や、ハンドブックを配布しています。これは、ダイバーシティ推進そのものに関する理解促進や関連する各種制度について理解を深めることで、全ての人が働きやすい職場にすることに貢献しています。

また女性活躍も推進しており、女性社員が安心して育児休暇をとり、円滑に職場復帰するための「職場復帰プログラム」や、女性社員の課題解決を助けやりがいを見つけるための「全国女性渉外営業社員営業会議」などの制度も整っています。

バイクを使う女性社員の日焼け防止のためにヘルメットの設計を変更したこともあり、女性の些細な悩みでも解決できる体制が整っています。

この他にも障害者雇用や労働時間削減、さらに従業員の健康保持などにも積極的に取り組んでおり、SDGsに貢献しています。

企業の取り組み 4:株式会社ファーストリテイリング(ユニクロ・GU)

株式会社ファーストリテイリングは、「多様性を尊重し、安全な職場環境をつくる」をモットーにSDGsの目標8に取り組んでいます。

「Women’sダイレクトミーティング」で、日本のユニクロ店舗で働く女性店長と経営層の対話の場を設けたり、「子育て女性店長会」などの制度でジェンダーキャップの解消に努めています。

「地域正社員制度」では、転勤などが難しい従業員が希望の勤務地で働き続けることができ、その他にも「ファミリーデー」や18時のオフィス消灯徹底化のおかげで、ワークライフバランスに配慮した環境も整備されています。

また、障害者の雇用は1店舗1名の水準をほぼ達成しているなど、障害者雇用にも力を入れています。

まとめ

「労働」は、私たちの身近な存在です。

経済が低迷していては豊かな暮らしはできませんし、だからといって労働環境をないがしろにしていては幸せな生活は送れません。

より良い社会とは、経済的な豊かさと心の豊かさが伴って初めて生まれます。

誰もが働くことを楽しみにできるような社会を目指して、身近なところから変革をしていくことが大切です。

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