《必見》SDGs8 働きがいも経済成長も|達成するために今から私たちにできること

#ESG#働きがい 2021.11.17

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働き方改革や育休の取得率上昇など、近年私たちの生活の中で「働くこと」の在り方が見直される機会が増えてきました。その中には、SDGs8「働きがいも経済成長も」の考えから取り組まれたものも多くあります。

しかし、いまだに目標の全てを達成できているわけではありません。

SDGs8を達成するために私たちにできることは何か、「働くこと」が私たちとどう関わっているのかを考えていきましょう。

SDGs8「働きがいも経済成長も」とは

(出典:gooddo HP

SDGs8の目標は、「すべての人々のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワークを推進する」をテーマに12のターゲットから構成されています。

特に重要視されているのは、「働きがい」と「経済成長」の両立です。

テーマにある「ディーセント・ワーク」とは、働きがいのある人間らしい仕事のことを指します。労働者の収入や健康・教育・就業機会を公平にし、著しく不利な立場に置かれる人をなくして人々が適切で継続的に営める生活を送れる環境を作ることで、生産性を向上させ、経済成長の促進を目指しているのです。

↓SDGs8について詳しく知りたいかたはこちらから!

SDGs8達成の3つのポイント

POINT①生活環境を守り、持続可能な経済成長の土台をつくる

みなさんは、最初のポイントとして突然「生活環境」というワードが出たことに疑問を持ちませんでしたか?なぜ経済成長の為に生活環境を守らなくてはならないのでしょうか。

例を挙げて考えてみましょう。

世界には、さまざまな事情から子ども達が児童労働を行う地域が少なくありません。

5~17歳の働く子供の数は、約1億5,200万人(世界の子どもの10人に1人)とも言われています。

児童労働は土地が豊かでなかったり、過剰人口になっていたりする地域に多いのが特徴です。

そのような地域が生まれる原因は、過剰な経済成長による環境破壊・環境汚染による場合であることも少なくありません。過度な経済成長が児童労働を生み、安価な児童労働が人々の適切な雇用を奪ってしまうのです。

すなわち、技術力・生産力を向上させて持続可能な経済成長を目指すためには、適切な人材が適切な賃金で働ける機会を保証する必要があり、その土台として「生活環境」が大切になるということです。

POINT②差別のない、生産的な雇用機会

持続可能な経済成長には、不平等な雇用環境の改善が不可決だと言われています。2030年までにすべての女性と男性の完全かつ生産的な雇用を達成すべきとされていますが、特に注目すべきは若者の雇用です。

現状は未来の経済を担う若者が仕事に就けていない深刻な状況で、若者の雇用環境改善が求められています。

総務省労働局の「労働力調査」によれば、経済成長の著しい日本でも、若者の失業率は他世代に比べ高い傾向にあることがわかります。また、世界に目を向けると若年層失業率が1番高い南アフリカ共和国は55.97%もあり、その割合の高さに目を疑います。

適切な雇用機会を設け、「働きたくても働けない」人を雇用して、技術を広めることは生産性の向上に直結すると考えられています。

POINT③誰もが働きがいと十分な収入のある仕事に就く

完全雇用が達成できたとしても、その仕事に働きがいと十分な収入がなくてはディーセント・ワークは達成できません。また、良い収入=働きがいとも限らないでしょう。

働きがいを高めるためには、企業側が福利厚生の充実や従業員の労働条件を良好にすることも大切です。しかし、私たち自身が能動的に企業に貢献し、「自分が役立っている」実感を得られるよう行動すること、ワークライフバランスを保ち自身のモチベーションを維持することなども重要になってきます。

ディーセント・ワークの達成には、企業側と労働者側の両方が協力し合い、「働きやすく働きがいのある職場」を確立していくべきだということです。

(参照:SDGsの目標:8 働きがいも経済成長も|Edu town SDGs

SDGs8達成のために私たちにできること4選

SDGs8「働きがいも経済成長も」を達成するために、私たちが今からできることとは何でしょうか?ここでは日常生活のちょっとしたところからできることから、少し挑戦的なものまで、いま私たちが挑戦できることを4つ紹介します。

① 地産地消で地元を元気に!

「地産地消」とは、「地元でできた食材を地元で消費する」ことを指します。

言葉自体は聞きなれている方も多いと思いますが、地産地消と働きがいにはどのようなつながりがあるのでしょうか。消費者にとっては、新鮮でより安価な食材を手に入れられる機会ですが、生産者の視点になると少し変わってきます。

生産者にとって地産地消は、

・流通経費の節減による手取りの増加

・地域のニーズを捉えた効率的な生産

・直接販売で少量産品や規格外品の販売も可能

・対面販売による消費者との交流で評価が直接届く

など多くのメリットがあり、地産地消の過程で生産者が働きがいを感じられる機会は多いと考えられます。私たちが少し買うものを意識するだけで地元の人々の働きがいを生みだし、それだけで地元の経済発展に貢献できるのです。

② SDGsに配慮した商品を買う

SDGsに配慮した商品というと、動物由来の成分を使わないものなど自然環境に配慮した商品を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。SDGsに配慮した商品はそれだけではなく、貧困に焦点を当てた物もあります。それがフェアトレード商品です。

フェアトレードとは、発展途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することを通じ、立場の弱い途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す運動のことです。

”SDGs8達成”のPOINT①で言ったように、持続可能な経済成長の土台には生活環境の確保、すなわち貧困の解決が必要です。フェアトレード商品を積極的に購入すれば、私たちも貧困地域の働き方によい影響を与えるきっかけをつくることができます。

SDGs配慮商品について詳しくはこちら▼

③ 残業ゼロと休暇の取得

日本では、雇用主に対して、1日8時間・週40時間を超える労働を原則としてさせないよう法定労働時間が定められています。

しかし、日本労働組合総連合によれば、日本人の1か月サービス残業の平均時間は16.7時間という結果が出ており、世界からも「日本人は働きすぎ」という評価をされることがあります。長時間のサービス残業はワークライフバランスを崩し、疲労が溜まれば生産性も低下してしまいます。

質の高い働きがいを得られる仕事のためには常にワークライフバランスを意識し、自身のパフォーマンスを発揮できる労働時間を把握してサービス残業を減らすこと、有給休暇などをしっかりと活用して息抜きをすることが大切です。

④ ESG投資に挑戦

ESG投資とは、財務情報だけでなく、環境(environment)・社会(social)・ガバナンス(governance)を考慮した投資のことです。

ESG投資の対象となるのは、温暖化防止や省エネ化等の環境負荷の軽減、外国人社員の雇用、女性社員の幹部登用、働きやすい職場環境の整備などに積極的に取り組む企業です。

このような企業に投資をするということは、労働者の働きやすい環境を提供する企業の成長を手助けすることに直結します。ESGに取り組む企業には長期的に見て成長が見込める企業も多いので、投資にチャレンジしたい!という方はぜひ「ESG投資」に注目してみてください。

ESGについて詳しくはこちら▼

みんなで考える「働くこと」と世界の関係

ここまでSDGs8「働きがいも、経済成長も」の達成のためのポイントや身近にできることを紹介してきました。SDGs8は「働くこと」に注目した目標であり、大人が意識していくべきものであることは明白です。

しかし、これからの未来を担う人材は現在のこども達です。子どもからみた「働くこと」には大人とは違った目線があるかもしれません。

大人にとって、子どもにとって「働く」とは何かを今一度見直してみましょう。

大人目線で考える「働くこと」

この記事を見てくださっている方々には、すでにお仕事やアルバイトに従事しているという人もいるでしょう。大人にとって「働くこと」は生活に欠かせない活動のひとつです。

「働くこと」の基本的な軸には”生活のための収入を得る”ことがあります。

自立した生活には、自力で収入を得る力は必須であり、貯蓄をして将来への不安を解消する手段にもなりえます。また、経験を積むことで社会的ステータスを向上させたり、仕事を通した自己成長や社会貢献を実感したりすることで、生活のモチベーションアップや働きがいを得ることもできるでしょう。

大人にとって「働くこと」は社会とのつながりであり、自身の生活向上を目指す手段であるとも言えそうです。

子ども目線で考える「働くこと」

では、子どもにとって「働くこと」とはどのようなことでしょうか。

皆さんが小さい頃はどのようなイメージを抱いていましたか?

多くの方は”将来の夢”を想像して、自分の好きなことや得意なことを職業にしたいと考えていたかと思います。子どもにとって「働くこと」は自分らしく生きること、楽しいと思うことに取り組むことと認識されています。

しかし、子供が成長する中でお金は”もらえるもの”ではなく”稼ぐもの”だと気づいていきます。そうすると子どもたちは「好きなこと」と「生活を守るための収入・環境」を両立をしなくてはならないと考えるようになります。

ここまで見ると、大人目線では「生活」に焦点が集まる傾向にあり、子どもの目線では大人が見失いがちなやりがいが重視されることがわかります。両者の考え方の軸は少し違いますが、SDGs8で目指すディーセント・ワークの実現にはどちらの視点もとても大切です。

子どもの発想を尊重しつつ、大人が知る「働くこと」の大変さ・担うことになる役割についてをしっかりと伝えることが、次世代の働き手を育てる大人の使命とも言えるでしょう。

おわりに

今回は、SDGs8を達成するために私たちにできることは何か、「働くこと」が私たちとどう関わっているのかを考えてみました。

社会で生活する上で、私たちが「働くこと」は不可欠なことです。だからこそ、より充実した環境や働きがいを得るために、SDGs8に取り組んでいかなければなりません。

この記事が、皆様が「働くこと」を見つめなおし、より豊かな生活を送るための足がかりとなれば幸いです。

SDGsとは

SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称です。日本語では「持続可能な開発目標」と表されます。

2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、2016年から2030年までの15年で達成すべき17のゴールと169のターゲットで構成されています。

SDGsでは経済や環境、社会の課題が幅広く取り上げられ、持続可能な社会を築き上げるために、国連が主導してさまざまな取り組みが広がっています。

SDGs CONNECTでは、SDGsの各目標ごとに解説記事を公開しています。

▼各目標の詳細は以下の画像をクリック

▼SDGsについて詳しくはこちら

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