個人でできるSDGsの取り組みと求められる3つのこと|具体例・年齢別に解説

#SDGs目標11#SDGs目標17#SDGs目標8 2021.03.31

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【更新日:2022年4月5日 by 大森令賀

近年、SDGsへの取り組みはますます活発になってきており、さまざまな企業が持続可能な社会に向けた取り組みを進めています。

そんな中で、私たち個人にできることはあるのでしょうか。なんとなくは知っていても、具体的な事例や取り組みの効果について知らない人も多いのではないでしょうか。

この記事では個人で取り組むことのできる、身近な取り組みを年代別に解説します。

日本のSDGsの達成状況はどのくらいか

個人の取り組みについて考える前に、日本の現状を紹介します。国連が2016年より毎年発表している、Sustainable Development Reportによると、2021年度の日本のSDGs達成度ランキングは世界で18位でした。

引用:Sustainable Development Report 2020

上の図は、日本の各目標ごとの達成状況を表しています。緑のアイコンが達成できている項目を表しており、黄色のアイコンが課題が残っている項目、オレンジのアイコンが重要な課題、赤のアイコンが最重要課題を意味します。

目標4「質の高い教育をみんなに」目標9「産業と技術革新の基盤を作ろう」目標16「平和と公正を全ての人に」はすでに達成されており、状態を維持していることがわかります。また、黄色のアイコンで表示されている目標も順調な向上が見られているようです。

一方で、目標5「ジェンダー平等を実現しよう」目標13「気候変動に具体的な対策を」目標14「海の豊かさを守ろう」目標15「陸の豊かさも守ろう」目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」は、最重要課題とされています。とくに目標15「陸の豊かさも守ろう」は悪化しているため、優先的に取り組むべき目標となっています。

以下の記事もあわせてご覧ください
《徹底解説》日本と世界のSDGsの達成状況|世界から見た日本の達成度とSDGs先進国の取り組み | SDGs CONNECT>>
《完全網羅》SDGsの7つの問題点|現状の課題と解決策>>

SDGsに個人で取り組むことは大切

SDGsの目標はどれも世界規模のもので、一個人が取り組んでもなかなか達成できないように思えるかもしれません。しかし、SDGsの達成には個人の取り組みが一番大切といっても過言ではありません。

たとえば、日本の部門別二酸化炭素排出量を見ると家庭部門が14.4%も占めていることがわかります。

また環境省の調査では、令和元年におけるごみ総排出量は4,274万トン(東京ドーム約115杯分)であり、1人1日当たりのごみ排出量は918グラムもあることが明らかにされています。

二酸化炭素やゴミ問題だけを見ても個人の取り組みが重要となってくることがおわかりいただけたかと思います。

目標達成に向けて個人にできるSDGsの取り組み

では具体的にどのような取り組みができるでしょうか。世代別に紹介します。

身近な取り組み事例:小学生向け

杉並区西田小学校では、環境問題の取り組みとして、ミミズコンポストによるミミズの飼育に取り組みました。5・6年生が中心となって大量のミミズの飼育に成功し、給食の残飯など、身近な廃棄物がミミズによって土に変化していく様子を観察しました。

この活動を通して、人と自然との関わり合いや生物の多様性について学ぶことができ、身近なことでゴミの削減に貢献できることも学びました。

このように人と環境の関わりだけでなく、その他のSDGsの目標について学ぶことで、1人ひとりの意識を変えていくことができ、SDGsに貢献することができます。

SDGsCONNECTでは小学生向けにSDGsをわかりやすく解説した記事を公開しています。そちらも合わせてご覧ください。
《簡単に解説!》小学生のためのSDGs|明日からできる取り組みも解説>>

SDGsを学ぶおすすめの教材はこちら。
《学生向けSDGs教材》おすすめのSDGsワークシート9選>>

身近な取り組み事例:中高生向け

SDGsコンテストをご存じでしょうか。日経SDGsフェスの取り組みの1つに高校生SDGsコンテストがあります。「SDGsで考える『変えたい』こと」をテーマにしたアイデアや解決策を全国の高校生から募集し、書類選考を通過したチームの中から審査員団で最優秀賞が決定されます。

2021年に行われた同コンテストでは、三田国際学園高等学校(東京都)が最優秀賞に選ばれました。日本で行われている性教育が諸外国から大きく遅れているという問題意識を持ち、高校2年生に向けた性教育の授業を企画し実現しました。

この他にも、中学生でも申し込めるコンテストなど、多くのSDGsに関するコンテストが開催されています。ぜひみなさんも自ら問題意識を持って行動してみてはいかかでしょうか。

身近な取り組み事例:大学生向け

慶應義塾大学では、個々の学生がSDGsをはじめとした社会問題を知り、アクションを促すことを目的とした「キャンパスSDGs」プロジェクトが行われました。個人の行動が目標達成に影響することに注目し、ステッカーを作成して学生が集まる教室や食堂、トイレなど、キャンパスのあらゆるところに貼ることで、学生のSDGsの認知を高めることに成功しました。

他にも大学では企業と連携した取り組みが行われています。例えば、北海道大学は、「セルフヘルスケアプラットフォーム」「健康ものさし」「美味しい食・楽しい運動」「健康コミュニティ」の4つの研究開発テーマを掲げ、他大学や企業などと協力して「個々人の健康状態にあった食と運動によって、女性や子ども、高齢者にやさしい社会を実現すること」を目標に研究や開発を進めています。

大学生は、そうした研究に携わることや講義を聞くこと、学外でのボランティア活動に参加することを通して、SDGsに貢献できます。

身近な取り組み:社会人向け

個人で取り組める身近な例としては、ESG投資が挙げられます。ESG投資とは、長期的な成長が見込まれる企業を、環境(Environment)社会(Social)ガバナンス(Governance)の3つの非財政情報から考慮し、投資行動をとる取り組みのことです。

ESG投資は、世界持続可能投資連合(GSIA)によって7つに分類されています。

1.ネガティブ・スクリーニング
あらかじめ設定した環境や社会的な基準に満たない企業を投資先から排除すること。また、倫理的でないとされるギャンブルや武器、アルコール、タバコなどの製品を作る業種は「罪ある株式」と呼ばれ、これらも投資先から排除する。
2.ポジティブ・スクリーニング
社会問題や環境問題に積極的に取り組み、ESGのスコアが高い企業に投資をすること。
3.規範に基づくスクリーニング
ESGの国際基準に照らし合わせた時に、基準をクリアしない企業を投資先リストから外すという投資方法。
4.ESG統合型
投資先を選定する過程において、財務状況だけでなくESGの観点も含めて分析をする方法。
5.サステナビリティ・テーマ投資型
サステナビリティ関連の企業やプロジェクトへの投資です。特に、再生可能エネルギーや持続可能な農業に対する投資がある。
6.インパクト投資型
社会面や環境面に貢献するサービスや技術を提供する企業に対して行う投資。
7.エンゲージメント・議決権行使型
株主として、投資先企業に対しESGに関する案件を考慮に⼊れるよう積極的に促す投資方法。

ESG投資についてより詳しく知りたい方はこちら▼
《徹底解説》ESG金融とは|メリットから具体的な事例まで網羅 | SDGs CONNECT>>

目標達成に向けて求められる行動とは

個人に求められる3つの行動

SDGsを知ること

1つ目がSDGsについて「知る」ことです。

近年、SDGsの盛り上がりから、多くの企業や団体がSDGsに貢献する活動を行っています。そのためテレビやインターネットだけでなく、意識して街を歩いてみると、お店や電車の中など至る所でSDGsに関連した情報を得ることができます。その中で、少しでも興味を持ったものがあれば、積極的に調べてみるとSDGsについて楽しく学ぶことができます。

知ると言っても、必ずしも小難しい文献などを読まなければならないというわけではありません。まずは自分の興味が湧くところから始めてみましょう。

購買行動を変えること

2つ目が日頃購入しているものをSDGsに配慮したものに「変える」ということです。

環境に優しい製品を使用したり、劣悪な労働環境で作られているものは購入しないなど、消費者側から行動を変えることは、消費者として「持続可能な選択をする」という積極的な意思表示と言えます。この消費者行動の変化による意思表示が、消費者も生産者と一緒に持続可能な社会を作るための重要なアクションなのです。個人でもできる行動の具体的な例としては、フェアトレードの商品やリサイクル品などを購入することです。もしかしたら、あなたがいつも行っているカフェや服屋さんにもSDGsに配慮した商品があるかもしれません。ぜひ探してみてください。

SDGsの考えを伝えること

3つ目がSDGsに対する考え方を「伝える」ということです。

「伝える」と聞くと、活動家のように街頭で演説をするようなイメージが浮かぶかもしれませんが、伝えることはそれだけではありません。みなさんにできる行動として1番手軽にできるのは、環境や、世界中の社会問題に対する意見を友人や家族と話し合うということです。自分の意見や相手の意見を互いに共有し合うことで、SDGs達成のためにより良い選択が必ず生まれます。小さな意見の交換からも、持続可能な社会への一歩は進んでいるのです。

企業に求められる3つの行動

SDGsに貢献するために、企業に求められる行動は主に3つあります。

社会的責任を持つこと

1つ目が「社会的責任を持つ」ことです。企業は個人と比べて社会的な影響力が大きい分、社会的責任を持つ必要があります。もちろん企業は営利目的のため、利潤を上げて成長し続けなければならないという本来の目的がありますが、そのためには社会的責任を果たさずに何をやっても構わないという態度では、社会に認められません。また、社会的責任を持ち、地域社会に貢献したり、社会問題解決のためのソリューションを生み出すことで、持続可能な社会を推進できるため、短期的な利潤より長期的な利潤を企業にもたらすことができます。企業の業績向上と社会的責任どちらもの要素を持ち合わせることは、現代の企業成長において必要不可欠となっています。

一見SDGs達成に向けた取り組みをしているようでも、他の課題に負の影響を与えてしまうことがあります。例えば、倫理的かつ持続可能な製品やサービスの積極的な調達を表す「責任ある調達」を行ったとしても、その資源の利用に関して問題があれば、それはSDGsに貢献しているとは言えません。このようにSDGsへの取り組みを行っているようで、その実態が伴っていないビジネスを「SDGsウォッシュ」と言います。社会的責任を果たす上でも、SDGsウォッシュは避けなければいけません。
《徹底解説》SDGsウォッシュとは?企業が気をつけるべき事項を事例とともに紹介>>

事業の環境負荷を考える

2つ目が「事業の環境負荷」を考えるということです。企業は事業が拡大すればするほど、電気やガスなどのエネルギー、水や木材などの資源が大量に必要となってきます。そのため、環境への負荷を考えずに活動してしまうと、産業革命の時代のように環境破壊が急速に進行してしまいます。企業や経済が環境と共に成長し続けていくためにも、持続可能な社会に向けて環境への配慮を心がける必要があるでしょう。

社内の環境に配慮する

3つ目が「社内の環境」に配慮するということです。持続可能な社会と聞くと、一般には森林破壊や地球温暖化などの問題が想起されると思いますが、SDGsではジェンダー格差や働きがいなどの個人に焦点を当てた問題も取り上げられています。あらゆる人々が快適な暮らしを送れるように、企業という大きい単位での活動だけでなく、働く一人ひとりにも焦点を当てていく姿勢が求められています。

企業がSDGsに取り組む理由・メリットはこちら▼
企業がSDGsに取り組む4つのメリットを徹底解説|日本企業の取り組みやデメリットも | SDGs CONNECT>>
スタートアップ企業の取組事例などはこちら▼
《徹底解説》スタートアップ企業とSDGs|スタートアップ企業がSDGsに取り組む意義 | SDGs CONNECT>>

ナマケモノにもできるアクション・ガイド

SDGsでは「貧困をなくそう」「クリーンな社会を作ろう」など目標が壮大です。どうにも自分は何をすればいいかわからない、という人に向けて作られたアクション・ガイドがあります。それが国際連合広報センターで紹介されている「ナマケモノにもできるアクション・ガイド」です。

レベル1:ソファに寝たままできること

  • 電気を節約しよう!使っていない電子機器は電源をオフに!
  • 印刷はできるだけしないでモバイルやオンラインで対応しよう!
  • いいね!するだけじゃなく、シェアしよう!女性の権利や環境問題はみんなで考えよう!
  • ハッシュタグ#globalgoalsを使って、SDGsを達成するために何をしているか発信しよう
  • オンラインでのいじめを報告しよう!
  • オンラインで検索して、SDGsに貢献している企業などの情報を集めよう!

レベル2:家にいてもできること

  • ドライヤーや乾燥機を使わずに、自然乾燥させよう!
  • お風呂は短時間のシャワーに切り替えよう!食器のすすぎもやめて節水しよう!
  • 肉や魚を控えめに食べよう!
  • 鮮魚品や残り物を食べきれない時は冷凍保存しよう!
  • ゴミの分別やリサイクルで環境への負荷を減らそう!
  • エアコンの過剰な温度設定は控えて!窓や隙間を塞いでエネルギー効率を高めよう!
  • ソーラーパネルを取り付けよう!
  • できるだけ簡易包装のものを購入しよう!

レベル3:家の外でできること

  • 買い物はできるだけ地元で!地域の企業を支援すれば雇用も守られるし、物品の運賃も必要なくなる。
  • 訳あり品を積極的に買って、廃棄を減らそう!
  • サステナブル・シーフードを買ったり、外食先でも食べるようにしよう!
  • マイボトル、マイ箸、エコバックを持ち歩き、不要な容器を使わないようにしましょう。
  • ビンテージものを買おう!新品はいつも良いとは限らない!
  • 使わないものは寄付するなどしてリユースしよう!
  • 国や地方自治体のリーダーを選ぶ権利を上手に使おう!

レベル4:職場でできること

  • 職場のみんなが医療サービスを受けるなどの労働者の権利を得られているか確認しよう!
  • 若者の相談相手になろう!また女性の賃金格差をなくすよう声を上げよう!
  • 社内の冷暖房は省エネ型にしよう!
  • 職場で差別があったらどんなものであれ声をあげよう!
  • 通勤は自転車、徒歩または公共交通機関で。
  • 職場で日々使われているものがリサイクル可能か見つめ直そう!
  • 職場で環境に配慮する週間キャンペーンを行おう!
  • 労働にまつわる権利について知ろう!

(参考:UNIC, ナマケモノにもできるアクション・ガイド)※一部要約

まとめ

SDGsへの貢献に向けた取り組みについてご理解いただけたでしょうか?どんなに小さな取り組みでも、持続可能な未来に向けて貢献できていることは確かです。まずはSDGsについて知ることから始めてみましょう。SDGs CONNECTではSDGsにまつわる情報を日々発信しているので、興味があれば是非ご覧ください。

SDGsの基本を理解しよう

SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称です。日本語では「持続可能な開発目標」と表されます。2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、2016年から2030年までの15年で達成すべき17のゴールと169のターゲットで構成されています。簡単に言えば、持続可能な社会を作るための目標です。
SDGsでは経済や環境、社会の課題が幅広く取り上げられ、持続可能な社会を築き上げるために、国連が主導してさまざまな取り組みが広がっています。

SDGs CONNECTでは、SDGsの各目標ごとに解説記事を公開しています。

▼各目標の詳細は以下の画像をクリック

▼SDGsについて詳しくはこちら

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