「SDGs認定制度」というSDGsへの取り組みを計る指標として用いられることがある制度はご存知でしょうか。
公的に行っている機関や県単位で実施しているところは少ないですが、非公式の団体が企業に対して認定を行っている所もあります。
今回は、SDGsの認定制度について紹介していきます。
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SDGsの認定とは
手続きの流れ
認定に際し、ほとんどの団体は書類を提出する必要があります。
ここでは、さいたま市の認定の流れを例に挙げてご紹介します。
【ステップ1】自社のSDGs取り組み状況の自己診断 SDGsのチェックリストを活用し、自社のSDGs取り組み状況を自己診断する |
【ステップ2】自社のSDGsの取り組みに係る目標設定 チャレンジSDGsのチェックシートを活用して自社のSDGsの取り組み目標を設定し、達成状況を確認した上で自己評価を行う |
【ステップ3】審査会による認証審査 チェックリストの自己診断結果を含む所定の書類を市に提出後、市の附属機関である「さいたま市SDGs企業認証審査会」にて審査を行う |
【ステップ4】審査結果通知など 市から申請企業宛てに、審査結果を個別通知され、認証式にて認証書が授与される |
参考:https://www.city.saitama.jp/005/002/010/013/p080038.html
認定する内容
次に、手続きに必要なチェックリストの詳しい内容について紹介していきます。
「SDGsチェックリストとは」
企業が、日々の経営活動や経営課題がSDGsの達成に繋がっているという気づきを得るとともに、企業の自律的なSDGsの取り組みを後押しすることを目的に作成したもの。
チェックリストは、「マストSDGs」「ベーシックSDGs」「チャレンジ SDGs」の3階層から構成され、チェック項目形式又は記入シート形式であり、内容は以下のようになっています。
1.「マストSDGs」 企業活動を行う上での必須項目を列挙 |
2.「ベーシックSDGs」 どの企業でも実践できるSDGsの取り組みを列挙 |
3.「チャレンジ SDGs」 企業が独自に掲げるSDGs目標を記載 |
「SDGsチェックリストの特徴と利点」
・現状の自社におけるSDGsの取り組み状況の確認及び把握から、今後のSDGs取り組み目標の設定まで、網羅的に実施できる。
・SDGsにこれから取り組む企業から、SDGsの取り組みをさらに推進したい企業まで、教科書的に活用できる。
・無償公開により、どのような企業でも手軽に活用することができる。
認定する際の注意点
SDGsの認定をしている公的な機関は、日本では未だに少ないのが現状です。
これまで、財務省はSDGsの取り組みをしている企業の一覧を掲載してきましたが、2022年3月には掲載を終了してしまう予定です。
よって、現在認定をしている団体の中でも、非公的機関が認定をしている場合は、その信憑性や認定の指標に注意することが必要です。
SDGsの認定の際に年会費がかかる団体も存在するため、しっかりと要件を確認してから申し込むことが必要です。
SDGsの認定を受ける3つのメリット
①企業PRに繋がる
市の認定を受けた場合、市のホームページやSNSで認定を受けた企業が紹介されることがあります。
その他にも、市が出展する展示会・イベントにおける企業紹介も行われており、地域に向けた企業広告に繋がります。
②SDGs経営に対する支援を受けられる
公的ではない団体も含めて、認証企業からの要望に応じてSDGs経営に資する専門家派遣やビジネスマッチングによる個社別の課題解決支援をしている団体が存在します。
SDGsの取り組みを長期的に続けていくにあたり、専門家からサポートを受けられることは大きな企業のメリットに繋がります。
③金融支援
一部の県からは、認定を受けている企業に対して「さいたま市SDGs企業支援資金融資」を使える権利を配布しています。
これは、低金利な認証企業向けの制度融資で、特に中小企業にとっては大きなメリットです。
SDGs認定を公的に行なっている市町村
①埼玉県さいたま市
さいたま市のSDGs企業認証制度は、「SDGsの理念を尊重し、経済・社会・環境の3つの分野を意識した経営活動を推進する市内企業を、本市が認証し、継続的に支援する」という制度です。
大々的に行われており、県の認定制度の中でも代表的なものの1つとして挙げられます。
②愛知県
愛知県は、SDGsの達成に向けて取り組む企業・団体などを登録し、企業などの取り組みを「見える化」することで、SDGsに関する具体的な取り組みを促進することを目的とした制度を行っています。
認定の要件は以下の3つと、比較的優しい認定方法をとっています。
1.経済・社会・環境の3側面すべてに関わる取り組みを実施していること |
2.実施している取り組みについて、具体的な目標を設定し、SDGsのゴールと紐付けていること |
3.SDGsの取り組みを自社のホームページや会社案内などで発信していること |
③長野県
長野県では、経済団体・金融機関・大学等支援機関と連携して、「環境」「社会」「経済」の3側面を踏まえ、企業などが経営戦略としてSDGsを活用することを支援する制度が創設されました。
こちらは企業がSDGsと企業活動との関連について「気付き」を得ることを目的としており、企業に対しオリジナルの登録マークの提供やHPなどによる公表を通して応援しています。
まとめ
社会課題と企業のビジネスを結びつけることは難しいと言われていますが、包摂的で公平な社会を生み出していくには企業が積極的に動いていく必要があります。
つまり、認定のために企業がチェックシートなどを用いて活動していくことこそが、最終的にSDGsの貢献につながっていくのです。
この記事を読んで気になった方は、自分の住んでいる場所ではどんな企業の認定方法が行われているのかぜひ調べてみてください!
SDGsとは
SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称です。日本語では「持続可能な開発目標」と言います。
2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、2016年から2030年までの15年で達成すべき17のゴールと169のターゲットで構成されています。
SDGsでは経済や環境、社会の課題が幅広く取り上げられ、持続可能な社会を築き上げるために、国連が主導してさまざまな取り組みが広がっています。
SDGs CONNECTでは、SDGsの各目標ごとに解説記事を公開しています。
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大学では西洋史を勉強しています。趣味はトマトの食べ比べ。高校時代から触れてきたSDGsについて、自分自身でも学びながら発信していきます!