世界の食品ロス取り組み事例5選|世界の現状や個人でできることも解説

#持続可能#貧困#食品#食品ロス#飢餓 2023.06.29

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「食品ロス」とは、まだ食べられるのに廃棄されてしまう食べ物のことです。近年、大量の食べ物が捨てられています。

「食品ロス」は日本だけではなく、世界各国で発生している問題です。この問題に対して、世界ではどのような取り組みが行われているのでしょうか。

この記事では、世界の食品ロスの現状や、取り組み事例を中心に、解説していきます。

【この記事で分かること】

食品ロスとは|事業系・家庭系食品ロスについても説明

食品ロスとは、まだ食べられるのに廃棄されてしまう食べ物のことです。食べ残しや売れ残り、見た目不良などが原因で起こります。

日本における食品ロスは年間523万トン発生しています。これは毎日大型トラック1,433台分の食料を捨てていることに相当します。。1人当たりの食品ロス量は1年で約42kgです。これらの食品ロスは、事業系食品ロスと家庭系食品ロスで構成されています。

全体の排出量523万トンのうち、事業系食品ロスは279万トンで、規格外品、返品、売れ残り、食べ残しなどで占められます。また、事業系食品ロスをさらに4種類に区別することもできます。

食品製造業 125万トン
食品卸売業 13万トン
食品小売業 62万トン
外食産業 80万トン

家庭系食品ロスは244万トンで、主に食べ残し、手つかずの食品(直接廃棄)、皮の剥きすぎなど(過剰除去)などで占められます。

また、食品ロスが起きることで環境に様々な負荷がかかります。例えば可燃ごみを燃やす際に排出されるCO2は二酸化炭素量を増やします。また、燃やした際に出された灰を処理するには埋め立てをしなければいけません。このような負荷を止めるためには食品ロスを減らして持続可能な社会を作る必要があります。食品ロスはSDGs目標2「飢餓をゼロへ」、SDGs目標12「つくる責任使う責任」に当てはまるため、食品ロスをなくすことで持続可能な社会の実現につながります。

世界の食品ロスの現状|2021年の最新のランキングも説明

お皿の写真

日本のみならず世界でも食品ロスは発生しています。FAO(国際連合食糧農業機関)の報告書によると、世界の食品ロス量は13億トンで、世界の食料生産量の3分の1に当たります。対して世界では約9人に1人が栄養不足に陥っており、途上国を中心に8億人以上が十分な食料を得られていません。先進国と発展途上国の間で格差があるという問題があります。

また、将来の世界人口は増え続けるという予測があります。2021年の人口は約78.8億人ですが、2050年には今より20億人も増えて約97億人にのぼるとみられています。このままでは十分な食料を手にできず貧困に苦しむ人々が増え続けてしまうという問題もあります。

では、世界中でどの国が一番多く食品ロスを出しているのでしょうか。UNEP Food Waste Index Report 2021によると、食品ロスの発生量ランキングは以下の表のとおりです。1位は中国で、日本は14位でした。

順位 国名 家庭の食品廃棄量(トン/年)
1 中国 91,646,213
2 インド 68,760,163
3 ナイジェリア 37,941,470
4 インドネシア 20,938,252
5 アメリカ合衆国 19,359,951
6 パキスタン 15,947,645
7 ブラジル 12,578,308
8 メキシコ 11,979,364
9 バングラデシュ 10,618,233
10 エチオピア 10,327,236
11 フィリピン 9,334,477
12 エジプト 9,136,941
13 コンゴ 8,912,903
14 日本 8,159,891
15 トルコ 7,762,575
16 ベトナム 7,346,717
17 タンザニア 6,907,649
18 ドイツ 6,263,775
19 イラン 5,884,842
20 フランス 5,522,358

食品ロスが起きる原因|先進国と発展途上国の違いについても説明

野菜の写真

食品ロスが起きる原因は先進国と発展途上国で異なっており、インフラ整備問題や文化、慣習などが関わっています。

先進国で起こる食品ロス

先進国で起こる食品ロスの原因は主に5つです。順番に解説します。

  • 見た目による原因
  • 食べ残しによる原因
  • 3分の1ルールによる原因
  • 賞味期限・消費期限による原因
  • 過剰生産による原因

1つ目は見た目の悪さです。先進国では食べ物が美しく見える状態で陳列されており、外観品質基準が高く設定されています。製造上で商品が欠けてしまったり、ひびが入っていたり、大きさが基準に満たないと出荷の前段階ではじかれてしまいます。特に農作物などは天候に影響されやすく、大きさや色の規格外が原因で、多くの商品が廃棄されています。

2つ目は食べ残しです。食べきれずに残してしまったり、料理を多く作りすぎてしまうことで起こります。食べ残しを減らすために、食べきれる量だけ作ることや、冷蔵庫の中身を見直して食材をため込まないように意識しましょう。また、外食をする際は食べきれる分だけ注文してみてください。

3つ目は3分の1ルールです。3分の1ルールとは、食品の賞味期限をメーカー、小売、消費者が3分の1ずつ分け合うことです。例えば賞味期限が3か月間の場合、残り2か月までの間に商品が店頭に並び、残り1か月までの間に売り切らなければなりません。納品期限を1日でも過ぎると小売からメーカーに返品され、賞味期限が最後の3分の1を過ぎた時点で店頭から撤去または値引き、廃棄されています。

4つ目は賞味期限・消費期限です。賞味期限、は袋や容器を開けないままで「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」のことです。消費期限は、袋や容器を開けないままで「安全に食べられる期限」のことです。賞味期限は期限が切れていても個人の判断によって食べることができます。また、企業側も安全で余裕を持った期限設定にしています。商品を買う際は手前取りを意識したり、期限を把握しておくことでロスを軽減できます。

5つ目は過剰生産です。需要量と供給量が合わず、過剰生産になることでロスが生まれます。また、農作物は生産量を予測することが難しく、消費期限も早いため供給量を合わせることが難しいという問題もあります。

発展途上国で起こる食品ロス

発展途上国で起こる食品ロスの原因は、技術不足やインフラ整備が未発達であることが挙げられます。例えば技術が不足していると収穫が出来なかったり、規格外の商品が増えたりして食品ロスが発生しているのです。また、インフラ整備が未発達であるために商品がすぐに届かなかったり、電気が使えず腐ってしまうという問題があります。

これらの課題は原因がはっきりしており設備を整えることで、食品ロスを大幅に減らすことが期待できます。

食品ロス世界ランキング1位中国の現状と問題

パンダの写真

食品ロス世界ランキング1位は中国です。中国の食品ロス廃棄量は年間9,165万トンにものぼります。また、ゴミの排出量も年間約6億トンとなっており、政府が取り組む主要な課題の1つになっています。

これには複数の原因があります。例えば文化の問題です。中国は客人をもてなす際に食べきれないほどの料理を出す風習があります。また、食べ残しをするのが礼儀だとする風習もあります。若者を中心にこの風習は変わりつつありますが、冠婚葬祭などでは大量の食べ残しが生まれています。

世界の食品ロス削減に向けた取り組み事例5選

世界の食品ロス削減に向けた取組事例を5つ紹介します。

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企業の食品ロス削減への取り組み10選-食品ロスの現状や原因も解説

食品ロスの解決策15選-企業・家庭・学校での取り組みを徹底解説

中国|反食品浪費法

出店の写真

中国では2021年に「反食品浪費法」が可決されました。この法律は食品ロスを削減するために、飲食店が料理を大量に残した客に処分費用を請求できるようにしたものです。また、飲食店側が客に大量に注文するよう誘導した場合には、最高 1 万元(約 17 万円)の罰金を科すことができます。

ほかにも大食い動画を作成したメディアに対し、最高 10 万元(約 170 万円)の罰金を科しています。中国版Tiktokアプリ「抖音(ドウイン)」では、大食いに関する動画の投稿が禁止されています。

フランス|食品廃棄禁止法

スーパーの写真

フランスでは「食品廃棄禁止法」が制定されています。これは売り場面積が400㎡以上の敷地面積を持つスーパーに対して、賞味期限が切れた食品の廃棄を禁じる法律です。世界で初めて制定されました。

余った食品はチャリティー団体やボランティア組織などへ寄付するよう義務付けられており、破った場合は最高で75000ユーロ(約1000万円)の罰金、もしくは最大2年間の禁固刑を課せられます。

アメリカ|シェアテーブル

アメリカではシェアテーブルという取り組みが行われています。シェアテーブルとは学校の給食で苦手なものがある場合、シェアテーブルに置くことでほかの生徒が手にできる仕組みです。食べ残しが減ることで食品ロス削減につながります。

イギリス|OLIOアプリ

Olioのおすすめ画像1

引用:Googleplay

イギリスにはOLIOという食品シェアアプリがあります。このOLIOの仕組みは、ユーザーが食品の写真を撮り、説明文と指定の待ち合わせ場所を書いてアプリ上にアップロードします。そして近隣住民がその食品をほしいと思う場合は投稿主に通知を出します。最後に投稿主と近隣住民がマッチングし、指定の場所に受け取りに行くことで食品を受け渡すことができます。このサービスの登場で食品ロスを削減するだけでなく、地域のコミュニティ向上にも役立っています。

オーストラリア|「Use It Up」テープ

オーストラリアには「Use It Up」という食品に貼るテープがあります。テープには「Use up」「Eat me up」「Pick me」「Cook me」など様々なメッセージが書かれており、この言葉によって消費する順位を明確にすることができます。このテープを使用した家庭では、果物、野菜、乳製品、肉などの生鮮食品廃棄物が 40% 削減されました。

食品ロスをなくすために個人でできること

食品ロスをなくすために個人でできる取り組みを3つ紹介します。

▼関連記事

家庭でできる食品ロス対策8選‐今からできる食品ロス削減解説

買い物でできること

買い物でできる取り組みには、

  • 買いすぎない
  • 冷蔵庫の中身を確認する
  • 賞味期限・消費期限を確認する
  • 買うもの・足りないものをメモしてから買う
  • 商品を前から取る
  • ディスカウントストアで買う

などが挙げられます。必要なものを見極めて買ったり、食品ロスに貢献できる店で買ったり、冷蔵庫を整理してみましょう。

料理するときにできること

料理をするときにできる取り組みには、

  • 作りすぎない
  • 適切な保存をする
  • 食べられるのに捨てる部分を減らす
  • 開封したらすぐに使い切る

などが挙げられます。食べきれる分だけ作るようにしたり、新鮮なうちに冷凍したり、ジャガイモやニンジンなど皮も食べられる部分は調理してみてください。

外食時にできること

外食の時にできる取り組みには、

  • 注文しすぎない
  • 食べ残さない
  • 食品ロス削減に取り組む店を選ぶ
  • 宴会開始30分は食事を楽しむ
  • お開き10分前は食事に集中する

などが挙げられます。食べられる分だけ注文したり、大人数の食事の場合でも開始と終盤は食事に集中して食べきるようにしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は世界の食品ロスについて取り上げました。世界中で食品ロスは問題視されており、さまざまな取り組みが実施されています。

また、家庭から出る食品ロス量は全体の半分近くを占めるため、1人1人の取り組みがとても大切です。今日からできる小さな取り組みから始めてみるのもおすすめです。

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