私たちの周りにはどのようなLGBTの人向けの商品があるのでしょうか。
近年LGBTへの理解が進んでおり、多くの商品が発売されています。また、LGBTの人向けの商品の市場規模は拡大しています。
今回はLGBTの人向けの商品を5つ紹介するだけでなく、LGBT商品を発売するメリットや発売方法も紹介します。
【この記事でわかること】 |
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LGBTとは-日本の現状について簡単に解説
LGBTの定義に加え、LGBTに関する日本の現状も紹介します。
LGBTとは-それぞれの頭文字について解説
LGBTとは「レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー」の4つのアルファベットの頭文字をとったものです。
それぞれ「女性の同性愛者」・「男性の同性愛者」・「男性も女性も好きになる人」・「身体的な性と性自認が違う人」といった性的マイノリティを指しています。
身体的な性とは性器などの身体的特徴に基づく性別を、性自認とは自身の性をどのように捉えるかを表した言葉です。
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日本のLGBTの割合
日本の民間団体による調査では、人口の8%〜10%前後がLGBTと言われています。つまり人口の10から13人に1人がLGBTという計算になります。
LGBTの割合を調査した団体によってその割合は違いますが、LGBTと答える人の割合は年々増加していることがわかります。
増加の理由としては、LGBTに対する理解が進み、自分がLGBTであることをカミングアウトしやすくなったことが挙げられます。
▼参考
LGBTの割合がバラつく理由【13人に1人? 100人に1人?】
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LGBT向けの商品に取り組むメリット
LGBT向けの商品を発売するメリットを2つ紹介します。
LGBT商品を売る側のメリット
1つ目に紹介するメリットはLGBT向けの商品を発売する側のメリットです。
性的マイノリティに取り組むことで社会的に良い印象を与えることができます。
例えば、化粧品会社がLGBT向けの化粧品を発売することでLGBTの当事者が商品を購入するようになり、売り上げが上がります。
それだけではなく、LGBTではない人に対して「自分の会社はマイノリティを差別しない」という印象を与えることができるのです。
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LGBT当事者が使用するメリット-選択肢の拡大
2つ目にLGBT当事者が使用するメリットを紹介します。
LGBT当事者が使用するメリットは選択肢を広げられるということです。
性自認と身体的な性に違和感を感じている人は、男性用・女性用と決められている商品を購入しにくいと感じます。
例えば、身体的な性は男性で性自認が女性のトランスジェンダーの方の場合、女性用の化粧品コーナーに入って周りからどのような目で見られるか気になってしまいます。
LGBTの人が自由に買い物できるようになるために、LGBT商品が求められています。
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LGBT向けの商品のデメリット
LGBT商品にはデメリットも存在します。
例えば、LGBTの人専用の売り場があった場合、そこに入る時に変な目で見られてしまうのではないかと心配になってしまいます。
そのため、あえてLGBTの人専用とするのではなく、性別に関係なく誰でも使用できる商品を開発することが求められます。
LGBT当事者の消費事情
LGBT当事者の消費事情や収入の傾向を紹介します。
LGBTの人がお金をかけるところ
LGBTの人がお金をかけるところについて紹介します。
例えば、身体的な性が男性で性自認が女性であるトランスジェンダーの方の場合、身体的な性自認が男性である人と比べて化粧品に使用するお金が多くなります。
また、性自認に基づいた服を購入するためにお金を費やします。
LGBTはお金持ちなのか-様々な調査結果が存在
LGBTの人の収入に関して様々な調査結果があります。
下のグラフはプラネットアウトが行った調査結果です。
プラネットアウトの調査によれば、LGBTの大半は大卒の高学歴で、セクシャルマジョリティに比べて管理職につく可能性が高いことがわかったのです。
また、平均年収も2倍以上で、高額でも自分に合ったものであれば、躊躇せず購入します。
しかし、一概にLGBTなので高収入とは言い切れません。
カナダのマギル大学が2006年に調査したところ、平均収入額は「一般男性>同性愛男性>同性愛女性>一般女性」となりました。
LGBTの収入事情はいまだに解明されていないのです。
LGBT向けの商品5選
LGBT向けの商品を5つ紹介します。
KIEHL’S (キールズ)-男女関係なく使用できる保湿クリーム
1つ目に紹介する商品はキールズの保湿クリームです。
キールズの保湿クリームは女性だけでなく、男性にも使いやすいクリームです。
そのため、同じクリームを使用するカップルもいます。
また、男性店員も積極的に接客しており、「男性だから」といって購入しづらく感じることはありません。
▼参考
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athletia(アスレティア)-オールジェンダーなスキンケア
2つ目に紹介する商品は、アスレティアのスキンケアグッズです。
アスレティアは『しなやかでアクティブな生き方』を美しさと考えています。
そのため、性別や年齢に捉われず、一人ひとりの美しい生き方を大切にできるようなスキンケアグッズを販売しています。
▼参考
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ニッセン-ありのままの自分でいられる下着
3つ目に紹介する商品はニッセンの下着です。
ニッセンはありのままの自分を大切にするために「as is」というプロジェクトを開催し、その一環として下着の販売を行いました。
トランスジェンダーの人の多くが自分に合う下着がないことで悩んでいます。
この悩みを解決するために、ニッセンは一人ひとりの意見を大切にして製品開発を行っています。
▼参考
トランスジェンダー(LGBT)の方の悩み・不安を解消する下着・インナー
FRAPBOIS half-オールジェンダーな服を販売
4つ目に紹介する商品はFRAPBOIS halfの服です。
FRAPBOIS halfは性別に関係なく着ることのできる服を販売しています。
少しゆったりめのデザインが多く、体型が気にならないのも特徴の1つです。
そのため、性別や体型に関係なくファッションを楽しむことができます。
▼参考
好きな服を、好きなように着よう。LGBT必見!ジェンダーレスファッションブランド5選
サンクタス戦記-LGBT向けの恋愛シミュレーションゲーム
5つ目に紹介する商品はサンクタス戦記という恋愛シミュレーションゲームです。
サンクタス戦記は主人公が仲間を集めながら冒険を進めていき、平等な権利を獲得するというゲームです。
主人公は冒険の途中で出会ったキャラクターと自由に恋愛をすることができます。つまり、性別に関係なく恋愛を進められるのです。
そのため、LGBTの人でも楽しくゲームをすることができます。
▼参考
サンクタス戦記 -GYEE-
LGBT向けの商品の販売方法-売り場の工夫
LGBT向けの商品を販売する際の売り場の工夫を紹介します。
例えば、コスメ売り場はレディースフロア、メンズフロアのように分かれています。
しかし、売り場を男女別に分けることは「自分は性的マイノリティである」ということをカミングアウトしたくないLGBTの人にとって大きな壁になります。
この問題を解決するため、スギ薬局原宿店では男性のビューティーアドバイザーが接客にあたっています。
また、マツモトキヨシの池袋Part2店ではメイクサービスのコーナーで対象を女性に限定しないメイクサービスを実施しています。
▼参考
理美容業界が新たな市場として狙う「LGBT層」 商品や売り場を工夫する各社の戦略
アライ向け商品2選
アライとは、LGBTQ +の人たちに寄り添いたいと考え、支援する人のことを指します。
アライ向けの商品を2つ紹介します。
niji-depot-レインボーカラーアクセサリー
1つ目に紹介するアライ向け商品はniji-depotのレインボーカラーアクセサリーです。
niji-depotは性的マイノリティとALLYのための日本で唯一のレインボーカラーアクセサリー専門店です。
「プライドカラー」という6色の虹色のアイテムに加え、さまざまなセクシュアリティのシンボルカラーをモチーフにしたアイテムを揃えています。
ブレスレットやネックレスなど、普段使いしやすいものを取り扱っています。
▼引用
niji-depot
レインボーアベニュー-ビジネスで使えるレインボーグッズ
2つ目に紹介するアライ向け商品はレインボーアベニューのレインボーカラーグッズです。
レインボーアベニューはビジネスで使用できるレインボーグッズを主に販売しています。
例えば、LGBT研修を受講した社員用のレインボーシールや卓上に置くレンボーフラッグを販売しています。
▼参考
レインボーアベニュー
まとめ
LGBTの人向けの商品について新しく知ったことはありましたでしょうか。
LGBT向けの化粧品や衣類だけでなく、ゲームも発売されていることを紹介しました。
しかし、「LGBT向け」として発売すると、当事者は商品を購入する際にLGBTであることをカミングアウトせざるを得なくなってしまいます。
LGBTの人の選択肢を広げるために、性別に関係なく使用できる商品が求められます。
大学では国際デザイン経営学科に所属し、解決が困難な問題をあらゆる角度から解決できるようにするため、日々勉学に努めている。