【更新日:2022年4月13日 by 智也大川】
SDGsを経営に取り入れて企業活動をする時に、自社のWebサイトやパンフレットにSDGsのロゴを使用したいと考えている人も増えてきているでしょう。
国際連合広報センターはSDGs推進のためにSDGsのロゴやアイコンポスターを作成していますが、これらを使用するにはガイドラインをきちんと確認し、使用に許可が必要なのか判断しなければなりません。
そこで今回の記事では、SDGsロゴの種類から使用方法、許可のとり方までSDGsのロゴやアイコン、カラホイールの活用方法を網羅的にご紹介します。
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見出し
SDGsロゴに秘められた意味
SDGsロゴをデザインされたのは、スウェーデン出身のクリエイティブディレクターのヤーコブ・トロールベックさんです。SDGsのロゴがカラフルな色になっているのには秘められた意味があります。
SDGsロゴのデザインが生まれた背景
SDGsロゴのデザインが生まれた背景について、デザインを考えたヤーコブ・トロールベックさんはこのロゴに関して、「SDGsの取り組みを、とにかくシンプルな言葉やデザインにする事で行動に移して欲しい」とコメントしています。
SDGsには17の目標と169のターゲットが設定されており、文字にすると非常に複雑になってしまいます。そのため行動に移すというところに重点を置き、そこをわかりやすく伝えるために非常にシンプルでわかりやすいデザインとなっています。
▼SDGsについて詳しくはこちら
・SDGsは誰が作った? 採択の経緯や目的まで解説
▼国連について詳しくはこちら
・《コラム》国連とSDGs|採択の経緯から国連の役割まで | SDGs CONNECT
SDGsのロゴの種類
SDGsを表すシンボルには、大きくわけて以下の3種類があります。
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まずは、SDGsの各シンボルを紹介します。
カラーホイール
SDGsカラーホイールは、17の目標の各カラーが施されたアイコンです。
名刺やピンバッジなどにもこのアイコンがよく使用されます。
17のゴールのアイコン
SDGsの17のゴールを示すアイコンは、目標1から17までの17個の目標を色やイラストで表しているものです。アイコンは用途にあわせて1つから、並べて複数個も使用できます。
(参考:SDG_Guidelines_AUG_2019_Final_ja.pdf (unic.or.jp))
SDGs ロゴ バージョン1


今回は説明のために掲載しましたが、本来このロゴは国連システムのみ使用できるものです。
左と上に国連のエンブレムがあしらわれています。
(出典:180119 SDGsロゴ、アイコンガイドライン ver.2(EJ) (unic.or.jp))
SDGsロゴ バージョン2

SDGsロゴ・バージョン2は、SDGsロゴのみからなり、国連エンブレムがありません。
国連システム以外の団体で使用できます。
企業や団体が、使用できるのは、このロゴです。
(参考:SDGロゴ 国連エンブレムなし (unic.or.jp))
SDGsロゴのダウンロードは国連広報センターのWebサイトで可能
SDGsのロゴは国連広報センターのWebサイトからダウンロードが可能です。また、国際連合の広報センターには、SDGsロゴや使用方法について記載してあるのでダウンロードと同時に一読してみてはいかがでしょう。
SDGsのポスター・ロゴ・アイコンおよびガイドライン | 国連広報センター
▼ダウンロードはこちら
・SDGsのポスター・ロゴ・アイコンおよびガイドライン | 国連広報センター
▼国連に関して詳しくはこちらから
・《コラム》国連とSDGs|採択の経緯から国連の役割まで | SDGs CONNECT
SDGsポスター・SDGsロゴ・SDGsカラーホイール・17のアイコンは国連のWebサイトでダウンロードできる
国連のwebサイトからSDGsのポスター・ロゴ・カラーホイール・17のアイコンがそれぞれダウンロードできます。
▼ダウンロードはこちら
・SDGsのポスター・ロゴ・アイコンおよびガイドライン | 国連広報センター
2種類のユニークなアイコンのダウンロード方法
SDGsのアイコンの中には、他と違ってユニークな種類のアイコンもあります。今回は2種類紹介させていただきます。
動く17のアイコンのダウンロード方法
こちらは17のアイコンが動く仕様になっているものです。
存在を知っている人が非常に少ないものとなっています。
これらのロゴは国連公用語である英語、フランス語、スペイン語、中国語、ロシア語、アラビア語の6言語に変わっていきます。
▼ダウンロードはこちらから
・Communications materials – United Nations Sustainable Development
17のアイコン反転カラー版のダウンロード方法
通常のSDGsアイコンと比べてカラーが反転しているアイコンもダウンロードすることができます。
▼ダウンロードはこちらから
・SDGsのアイコン(反転) | 国連広報センター
チャートでわかるSDGsのロゴ・アイコン・カラーホイールの使い方
ここではチャートに沿ってロゴ・アイコン・カラーホールの使い方について解説します。
自分の目的や使い方に当てはめて「YES・NO」で答えてみてください。

具体的にどのようなものが商業用途に当たるのか?
申請はどのように出せば良いのか?
など詳しいことを解説していきます。
SDGsロゴやアイコン、カラーホイールの許可の有無・許可のとり方
許可が必要なケース①:資金調達目的
許可が必要なケースとしてまず、「資金調達目的」が挙げられます。
資金調達を目的とした使用とは、ガイドラインで「SDGsを支援する活動の費用を賄うための資金の調達を意図する使用」と明記されています。
つまりSDGsを広める活動をしたいと思っているが、活動資金がなく、それを解決するためにロゴを使用する場合です。
この場合は国連への許可が必要になり、承認されるとライセンス契約を結ぶことができます。
その後初めてSDGsロゴ・アイコン・ホイールを利用できます。
(参考:SDG_Guidelines_AUG_2019_Final_ja.pdf (unic.or.jp))
(参考:SDGsのロゴ使用のルールを理解しよう|オリジナルロゴの運用例も (ethicame.com))
許可が必要なケース②:商業用途
使用許可が必要で使用頻度が高いのがこの「商業用途」です。
国連広報センターの商業用途で使用する場合についての文言では「商業用途での使用とは、SDGsをさらに広めるための営利主体による、または、商業的もしくは販促用商品および/もしくは製品における使用を指し、これは国連による事前許可と、適切なライセンス契約の締結によって認められることがある。」とされています。
つまりSDGsロゴを使用した商品を販売するときには申請と許可が必要となります。
名刺や自社HPに使用する場合が商業目的に当たるかは議論が分かれるところですが、
「SDGs ロゴ/ホイール/アイコンは、特定の製品、サービスまたは活動に対する国連の支持を示唆する形で使用してはなりません(例えば、製品やサービスの販売促進または広告の文脈での使用など)。また、自己宣伝や個人的な財務利益の獲得を目的とする形でも使用してはなりません。」
国連HPには上のような掲載があります。
年々商業目的にロゴやアイコンを使用することへのハードルは高くなっており、基本的に申請した方が良いと言えます。
(参考:SDG_Guidelines_AUG_2019_Final_ja.pdf (unic.or.jp))
許可が不要なケース:情報目的
使用許可を取らずに使用できるのは「情報目的」である場合です。
情報目的での使用とは、主として例示的かつ非商業的で、資金調達を意図しない使用を指します。
つまり申請の必要があるかないかは、「お金が発生するか」ということに重点が置かれています。
そのためSDGsの勉強会やセミナー・講演などを無料で開催する際にチラシやポスターに使用する場合は、申請し許可を取る必要がありません。
(参考:SDG_Guidelines_AUG_2019_Final_ja.pdf (unic.or.jp))
(参考:SDGs ロゴ使用の注意点【2020年版】利用申請・許可や使い方・名刺印刷など | 名古屋・中部圏のSDGs推進を目指して (chubu-sdgs.com))
使用許可の取り方
許可を申請する場合には、アイコンやロゴをどのように使用するつもりかを具体的に示すサンプルまたは試作品に希望する用途の簡潔な記述を添え、メールで申請する必要があります。
件名をすべて大文字で「SDGLOGO/ICONREQUEST」としたメッセージを
上のメールアドレスまで提出します。
この時、申請のためのメールは件名・本文ともに、すべて英語で提出する必要があります。
(参考:200209 SDG branding FAQ(EJ) (unic.or.jp))
商業用途と情報目的を判断する方法

商業用途と情報目的の判断方法として、国際連合広報センターに掲載されているSDGsロゴ仕様に関するQ&Aの内容から見極めることができます。
特定の製品・サービス・活動に対する国連の支持を示唆する形や、自己宣伝・財務利益の獲得が目的の場合、許可なしでの使用は禁止されています。
また、もう一つの方法として上述したSDGsロゴチャートを使用することをおすすめします。
ぜひSDGsロゴを使用するときは、活用してみてください。
SDGsロゴやアイコン、カラーホイールを使用するときの注意事項・禁止されている使用法
企業や団体などの主体のロゴとSDGsのロゴやカラーホイールを並べて表示する場合
企業や団体などの主体のロゴとSDGsのロゴやカラーホイールを並べて表示する場合
「(主体名/私たち)は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています」という文言が必要になります。
しかしカラーホイールのみを使用する場合には文言は必要ありません。
また企業ロゴの横にロゴやホイールを入れる際は細かいルールがあります。

「非国連主体ロゴ」は企業ロゴのことで、SDGsのロゴやアイコンよりも目立つ必要があります。
そして、企業ロゴとSDGsロゴの間には境界線が必要になっており、この境界線の色やサイズには規定があります。
「色が100%黒色 サイズが0.5ポイント」
これ以外の境界線を使用することはできず、薄い黒など他の色の使用や線の太さの変更や点線や装飾線も使用できません。
(参考:180119 SDGsロゴ、アイコンガイドライン ver.2(EJ) (unic.or.jp))
(参考:2021年最新版|SDGs 公式ロゴ使用法 (sdgs-support.or.jp))
SDGsロゴやアイコンの改変の禁止
色の変更
完全な白黒、もしくはカラーの反転以外の色の変更は禁止されています。
また白黒に印刷する際には注意が必要です。
プリンターのグレースケール機能で白黒印刷すると規定とは外れた色合いになってしまいます。
もし白黒で印刷したい場合にはきちんと白黒に変更されている物を選ぶようにしましょう。
上のような色合いの使用は認められています。



(参考:180119 SDGsロゴ、アイコンガイドライン ver.2(EJ) (unic.or.jp))
(参考:SDGsのアイコン(白黒) | 国連広報センター (unic.or.jp))
形の変更
比率を変える、影を付ける、トリミングするなど形の変更は一切禁じられています。
以下は全て国連で禁じられている使用法です。



(出典:SDG_Guidelines_AUG_2019_Final_ja.pdf (unic.or.jp))
(参考:180119 SDGsロゴ、アイコンガイドライン ver.2(EJ) (unic.or.jp))
SDGsロゴとアイコンを使用できる期間
SDGsロゴと17のアイコンの使用期間は2030年12月31日までと決められています。
国連が一般的または特定的な通知により別途連絡しない限り、カラーホイールを含むSDGsロゴと17のアイコンは、2016年1月1日から2030年12月31日まで使用可能です。
(参考:180119 SDGsロゴ、アイコンガイドライン ver.2(EJ) (unic.or.jp))
独自のシンボルロゴ作成|カラーリングは使用可能
オリジナルロゴとは
SDGsの17の目標のカラーリングを利用して、独自のシンボルロゴを作成することは許可されており、実際に制作している団体も多くあります。
特に多いのが「自治体」のオリジナルロゴです。
市によってはロゴを公募したり、投票を市民に任せたり、と市が一体となって制作している場合もあります。
使用している自治体① 富山県富山市

内閣府は、SDGsの達成について、優れた取り組みを提案する自治体の29都市を「SDGs未来都市」、特に先導的な取組の10事業を「自治体SDGsモデル事業」として選定しています。富山市は、2018年6月15日に「SDGs未来都市」「自治体SDGsモデル事業」の両方に選ばれました。
そんなSDGsの推進に力を入れている富山市ですが、オリジナルロゴを設置しています。
富山市の地形を立山連峰から豊かな水が流れる地勢をイメージし、線色にはSDGsの目標カラーである17色を使い、地域課題を迅速に解決し、持続可能な未来に向かって発展していく様子を表現したロゴになっています。
(参考:SDGs未来都市 とやま (toyama.lg.jp))
(参考:ロゴマーク「SDGs未来都市 TOYAMA」の活用方法|SDGs未来都市 とやま)
使用している自治体② 埼玉県春日部市



2020年7月、春日部市はSDGs未来都市になりました。
それを受けて、オリジナルロゴを作成しました。
このロゴマークは、市の伝統工芸品「麦わら帽子」をモチーフとし、春日部市に関わる1人ひとりの笑顔をイメージしたデザインになっています。
また、3つの表情パターンが用意されているため、選ぶ人も見る人も楽しみながら使用することができる仕組みになっています。
(参考:春日部市のオリジナルSDGsロゴマークを活用しませんか/春日部市公式ホームページ (kasukabe.lg.jp))
使用している自治体③ 群馬県富岡市
SDGsにより関心を持ってもらうことを目的に、43件の応募の中から市内中学生、高校生による投票を実施し、最も多く投票があったオリジナルロゴマークです。
市のシンボルである富岡製糸場のフランス積み及び市の形をイメージしたデザインになっています。

(参考:SDGs(持続可能な開発目標)のオリジナルロゴマークについて | 富岡市 (tomioka.lg.jp))
SDGsロゴの使用機会3選を紹介
SDGsロゴを使用したバッジ
SDGsロゴの使用機会としてSDGsロゴのバッジというものがあります。
このバッジを着用することでSDGsについて関心があるということを示すツールとして使用することができます。
また、購入方法に関しては、主に2つあります。
①国連機関から購入すること
②日本の製造会社から購入すること
二つの方法で違いが出てくるので以下の記事を参考にしてみてください。
▼詳しくはこちらから
・SDGsバッジの種類、購入方法、注意点まで完全網羅
SDGsステッカー
SDGsロゴの使用機会としてSDGsロゴがデザインされたステッカーも存在します。
ステッカーの種類としては
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この4種類となっています。
▼名刺にSDGsロゴを掲載する方法についてはこちら
・《徹底解説》名刺にSDGsロゴを掲載する方法|メリットやルールを紹介
▼使用用途や購入方法に関して詳しくはこちら
・《必見》SDGsステッカーの使用事例や購入方法|SDGsのロゴをつける意味と効果まで解説
SDGsパンフレット
SDGsの使用機会としてSDGsに関するパンフレットも存在します。
日本政府や企業、自治体などさまざまな箇所から出されています。
▼SDGsに関するパンフレットの詳しい事例はこちら
・SDGsに関するパンフレット|政府・企業・自治体の特色あるパンフレットを紹介
まとめ|SDGsロゴをつかって社会に広めよう
今回紹介したようにSDGsロゴの使用用途については細かいルールが存在しますが、比較的簡単に使用することができます。
皆さんが使用することで、SDGsロゴという存在を広めることができます。日常生活でも会社の業務でもぜひ使用してみてください。