名刺でSDGsをアピールする前に知るべきこと-デザインのルールやメリットを紹介

#SDGs目標17#SDGs目標8#SDGs目標9#技術#持続可能#環境 2021.08.18

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【更新日:2022年5月17日 by ナオ

企業の顔とも言われる「名刺」は、自社の思いやイメージを外部へアピールするのに最適な媒体となっています。

そのような効果を持つ名刺を使い、自社がSDGsへ取り組んでいることを示すことができます。

今回は、名刺とSDGsの関係性を解説し、実際にSDGsのロゴを名刺に印刷する場合の注意点についてまとめました。

SDGsの基本を知りたい方はこちらもご覧ください。

SDGsと名刺の関係性


多くの企業が名刺にプライバシーや環境への配慮の認定マークを掲載し、自社の信頼性を伝えようとしています。
積極的にSDGsに取り組んでいる企業であれば、名刺にSDGsのロゴを掲載することで、SDGsに取り組んでいることをアピールできます。

また、近年は紙に代替される素材が多く普及するようになり、環境負荷の低い素材を名刺に活用することも増加してきました。

例えば、LIMEXは石灰石を主原料にした複合素材で、プラスチックや紙の代替が可能です。石灰石は資源が乏しい日本でも調達可能で、水や森林の資源をほぼ使用せずに紙に代替する製品をつくることができます。

▶LIMEXについて詳しくはこちら|LIMEX(ライメックス)とは>>

名刺にSDGsを取り入れるメリット

名刺によるSDGsへの取り組みをアピールすることで、多くの人に「この会社は信頼できる」「将来性のある企業だと判断できる」といった企業のイメージアップにつながります。

SDGsに貢献する名刺素材を使用したり、名刺そのものにSDGsのロゴを表記することで、企業のステークホルダーに対して、自社が社会や環境に配慮していることを間接的に伝えられるからです。

また、名刺にSDGsのロゴを掲載することは、従業員に自社がSDGsに取り組んでいることを自覚してもらうためにもおすすめです。SDGsへの取り組みは、社会の一員として多くの企業に求められていることです。名刺を通して従業員がSDGsのロゴを掲げることで、社内理解も促進できるでしょう。

このように、名刺によるSDGsへの取り組みの発信は、社会問題や環境問題に積極的に取り組んでいるというメッセージを社内外に伝え、多様性に富んだ人材確保にもつながり、さらなる企業のイメージアップが見込めます。

SDGsロゴを名刺に印刷する場合の注意点

名刺とSDGsの関係性、そして名刺にSDGsを取り入れることで得られるメリットが理解できたかと思います。
実際に名刺にSDGsを取り入れる上ではいくつかの注意点があります。ここでは3つの注意点を解説します。

注意点1|許可が必要な場合がある

SDGsのロゴを表記したい場合には、許可が必要な場合とそうでない場合があるので注意しましょう。

許可が必要|資金調達目的・商業用途

許可が必要なケースとしては「資金調達目的」と「商業用途」があります。しかし名刺で利用する場合にはほとんど該当しません。
資金調達目的での使用とは、「SDGsを支援する活動の費用を賄うための資金の調達を意図する使用」とガイドラインに明記されています。

商業用途での使用とは、「SDGsをさらに広めるための営利主体による、または、商業的もしくは販促用商品および/もしくは製品における使用を指し、これは国連による事前許可と、適切なライセンス契約の締結によって認められることがある。」とされています。

▶ロゴ表記について詳しくはこちら|《徹底網羅》SDGsの「ロゴ」ってなに?|ロゴの誕生から使用方法の今までを徹底解説!>>

許可が不必要| 情報目的

一方許可が必要ないケースとして、「情報目的」があります。
情報目的とは、「非商業的で、資金調達を意図しない使用のことを指し、SDGsを普及させる認知が目的であれば、国連の許可を取らずに使用しても問題ありません。」とされています。

つまり名刺にSDGsのロゴを掲載する場合は、許可がいらないケースがほとんどとなります。

注意点2|ロゴやアイコンの縦横比を変えない

注意点の2つ目として、SDGsのロゴやアイコンの縦横比を変えてはいけないというルールに乗っ取る必要があります。
「ロゴ使用のためのガイドライン」によると、以下のようなロゴの改変は認められておらず、SDGsのポスター・ロゴ・アイコンおよびガイドライン | 国連広報センターからダウンロードできる正規のロゴのみが使用可能とされています。

出典:持続可能な開発目標

出典:持続可能な開発目標

名刺にSDGsのロゴを使用する場合には、名刺のサイズにあわせてロゴの形や縦横比を変えることがないように心がけましょう。

注意点3|企業ロゴとSDGsのロゴとの間に線を引く

注意点3つ目は、企業ロゴとSDGsのロゴとの間に線を引かなければいけないというルールを遵守することです。

出典:SDGsのロゴやアイコンを名刺に印刷する時の使用方法

上記のように、企業ロゴの横にSDGsのロゴを配置した名刺の場合、企業ロゴとSDGsのロゴとの間に線(100%黒色、5ポイント)を引かなければなりません。

さらに「(企業名、あるいは私たち)は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています」という文言を加えなければいけません。

▶ロゴ使用の許可の取り方など、詳しくはこちら|《徹底網羅》SDGsの「ロゴ」ってなに?|ロゴの誕生から使用方法の今までを徹底解説!>>

SDGsの取り組みをアピールする方法4選

名刺にSDGsを取り入れることで社内外へのアピールにつながることが分かったと思います。
名刺以外でも、 SDGsの取り組みをアピールする方法があるので紹介します。

1.企業のホームページに掲載する

近年では、多くの企業でSDGsの取り組み特設サイトを開いています。
誰でも簡単にアクセスできる企業のホームページでSDGsの取り組みをアップすることで、より多くの人に自社のSDGsの取り組みを認知してもらうことができます。

取引先などはもちろん、就職活動中の学生など外部へのアピールにはまさに最適です。

2.SDGsバッジをつける

皆さんは「SDGsバッジ」を知っていますか?

SDGsバッジとは、SDGsのロゴにあるカラーホイールが取り入れられたカラフルな丸型のバッジのことです。近年、街中でもスーツのジャケットなどにSDGsバッジを付けている人を多く見かけるようになりました。

SDGsバッジをつけていることで、取引先などに自社がSDGsに取り組んでいることを認知してもらうことができます。

▶SDGsバッジについて詳しくはこちら|SDGsバッジの種類、購入方法、注意点まで完全網羅>>

3.表彰制度に応募する

SDGsの取り組みを評価する表彰制度に応募することも自社のSDGsの取り組みをアピールする機会になります。
表彰制度の中でも、外務省が取り組む「ジャパンSDGsアワード」は注目度も高くなっています。

選考委員会のメンバーはNGOやNPO、有識者、民間セクター、国際機関などの関係者が集まるSDGs推進円卓会議の構成員から成り立っているため、自社のSDGsの取り組みをアピールするだけでなく、自社の取り組みが「SDGsウォッシュ」ではないことを確認できる場でもあります。

▶SDGsウォッシュについて詳しくはこちら|《徹底解説》SDGsウォッシュとは?3つの事例や気をつけるべきポイントを紹介>>

第三者からの評価を受けることで、外部へのアピールはもちろん、従業員の意識も高まります。
興味のある方はぜひエントリーしてください。

▶ジャパンSDGsアワードについて詳しくはこちら|《完全網羅》ジャパンSDGsアワード|全受賞団体の概要から申込み方法まで徹底網羅>>

4.国際団体に加盟する

国際団体に加盟することも、SDGsの取り組みを外部へアピールすることへつながります。

SDGsは全世界の共通目標であり、特に気候変動などの対策に関しては各国が連携し、力を合わせて取り組むことが不可欠です。全世界の企業が加盟している国際団体に名を連ねることで、SDGs達成に近づくだけでなく、自社がSDGsへ取り組む姿勢を国内だけではなく、全世界にも示せるのです。

具体的な国際団体として「RE100」があげられます。
RE100は環境保護を目的に活動する非営利団体の「The Climate Group(クライメイト・グループ)」が2014年に発足した国際イニシアチブです。
事業運営に要する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げています。

出典:RE100

RE100の加盟条件としては
1.再生可能エネルギー100%の事業運営に向けた宣言
2.RE100事務局への報告書提出
の2点です。

条件を満たした企業が参加できるため、信頼性もあり、企業にとってもステークホルダーなどに対してプラスのイメージがつきます

このような国際団体に加盟することで、企業のSDGsへの取り組みを広くアピールできます。

名刺でSDGsに貢献-SDGsに配慮した名刺を紹介

名刺にSDGsのロゴを掲載する以外にも、紙に代替する環境負荷の低い素材を名刺に活用することもSDGsの取り組みを体現してアピールできます。
環境負荷の低い素材で作成された名刺を「サステナブルペーパー名刺」といいます。

収穫期に廃棄されていたバナナの茎の繊維を用いてつくられた「バナナペーパー」や、琵琶湖のヨシを原料とした「レイクパピルス」など、サステナブルペーパーにも数多くの種類があります。

名刺で取り組みを体現することでより説得力も増し、さらなる外部へのアピールにつながるでしょう。

まとめ

社会の中で企業の責任がもとめられ、SDGsに取り組む企業も増加する今、名刺のような些細な箇所で、しっかりとアピールし、社会の一員であるとアピールしていくことが重要です。
一方で、SDGsに取り組んでいると掲げながら、実態が伴っていないSDGsウォッシュと呼ばれる状態に陥ってはいけません。

SDGsを自社に落とし込み、現実的に取り組んだうえで、名刺でSDGsのロゴを活用してみてください。

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