現在、企業でSDGsの取り組むということが、大企業では当たり前のように行われているということをご存じでしょうか。
ある調査では、従業員3000人以上の大企業の約9割以上が、SDGsに関する取り組みを行っていると解答しています。
SDGsに関する取り組みを行うことで消費者や投資家からの信頼を得ることができたり、そこからビジネスチャンスにつながることもあります。
もちろん根底にあるのは持続可能な世界を作る・世界の未来を守りたいという気持ちのもとからきていると思いますが、企業にとってSDGsへの取り組みをビジネスチャンスと捉えている企業も多いでしょう。
今回は企業ができる取り組みと実際に行われている取り組みをご紹介します。
出典:企業経営者のSDGs認知度は約9割、取り組み実施企業は6割超 『日本企業の経営課題2020』第3弾の調査結果を報告
見出し
SDGsを会社で取り組むメリット3選
まずはじめに、SDGsを会社で取り組むメリットについて紹介します。
①ビジネスチャンスとして
SDGsは全世界で達成すべき目標です。
そのため17個設定された課題を解決するために新たな取り組みをしなければなりません。この課題を解決するための取り組みは新しいビジネスチャンスとなります。
SDGs17の目標を起点にして、問題解決の為に新規事業の創造や他業種との協力など、今までは起こせなかったさまざまな働きかけを行なう企業が増加しています。
②企業のイメージアップとして
SDGsの掲げる目標はいずれも世界全体で取り組むための目標です。
SDGsに取り組む企業は社会に対して責任を果たす企業として認識され、企業イメージの向上やブランディングにも非常に効果的です。
こういった先進的な取り組みは高い企業イメージ、高いブランドイメージなどにもつながり、人材の採用でも有利になります。
③企業の社会的責任の役割として
SDGsに取り組むということはCSR活動として非常に重要な意義を持ちます。
CSRとは、企業の社会的責任のことを指し、企業のイメージを形作る大きな要素として重要視されているものです。
企業がCSRを果たすことで、ステークホルダーとの関係性も向上します。
ステークホルダーとは、企業の利害関係者を指します。
利害関係者というと金銭的な利害関係が発生する顧客や株主だと考えられがちですが、取り引きにかかわるすべての人のことを言います。
むしろ、SDGsに取り組まない企業というのは、今後サプライチェーンから外されたり、株主や地域からの信頼を得ることができなくなる可能性もあります。
SDGs達成のために会社でできること
下の図は、SDGsハンドブックUntitledの情報をもとに作成した図です。
SDGsのそれぞれの目標から、企業が取り組むことのできる目標の例をあげたものになります。
明日から会社でできる簡単な取り組み3選
①通勤は自動車以外を使用する
ガソリンを使う自家用車は環境汚染の原因になります。
歩くことで運動にもつながり、お財布にも優しいのでぜひ自転車、徒歩または公共交通機関をつかってみてください。
②マイカップやマイバックをオフィスに置く
日本はプラスチックの生産量が世界で第3位です。
1人当たりの容器包装プラスチックごみの発生量は世界で第2位になっています。
24時間営業のコンビニやスーパーがいたるところにあるため、年間のレジ袋の枚数は推定400億枚、ペットボトルの出荷量は年間227億本になります。
マイカップがあればペットボトルを買わずに済み、マイバックがあればレジ袋を買わずに買い物ができます。
現在世界では、プラスチックごみが海を汚染し、海洋生物たちに危険をもたらしています。
このような現状を解決するためにも、マイカップやマイバックをオフィスにおいてみてください。
③使っていない電化製品のコンセントは抜く
オフィスでは一般的に48%が空調、24%が照明、16%がOA機器となり、この3つが全体の消費電力の約9割弱を占めています。
空調を使わない季節の時は、空調のコンセントを抜いたり、外出している社員のパソコンは電源を落としたり、普段使わないOA機器はコンセントを抜くなどの工夫が必要です。
実際にSDGsの推進に取り組む企業の事例3選
①象印マホービン|まちに、給茶スポットを
象印はサステナブルな未来に向け、繰り返し使えるマイボトルのある暮らしを提案しています。
マイボトルを持参しているユーザーが街中でおいしいドリンクを入れてもらえるスポットを提供するサービスを2006年から展開しています。お茶のセレクトショップやカフェなど全国各地に設けられた「給茶スポット」の加盟店に持っていくと各店舗こだわりのコーヒーや紅茶、本格的な日本茶を入れてもらえます。
出典元:https://www.zojirushi.co.jp/cafe/action/
②株式会社あさくま|レッドカップキャンペーン
ステーキレストラン経営などを手がけるあさくまは、国連世界食糧計画(WFP)とそれを支援する認定NPO法人である国連WFP協会による、貧困地域の子供たちへの学校給食支援サービスするレッドカップキャンペーンの賛同企業です。
国連WFPが給食の容器として使っている赤いカップをモチーフにしたレッドカップキャンペーンのマークがついた寄付付き商品を注文すると、売上の一部が支援への寄付になる仕組みです。
出典元:https://www.asakuma.co.jp/sdgs.html
③KOSE|海洋プラスチックごみをリサイクルした再生樹脂を使用
KOSEはイオンスタイル上尾やプラスチックごみ回収などを手がけるテラサイクルジャパン合同会社とともに、海洋プラスチックごみの再生樹脂を使った買い物かごを制作しました。
KOSEを代表するサステナビリティ推進活動「雪肌精SAVE the BLUEプロジェクト」をけん引することでも知られるスキンケアブランド・雪肌精のロゴ入りで、イオンスタイル上尾で使用されています。
雪肌精は環境に配慮した素材の導入など商品設計の随所にも、SDGsの理念に通じるポリシーが導入されているブランドです。買い物かごを通して、ショッピングセンター利用者にプラスチックごみ削減の重要性に気づいてもらえるよう働きかけをしています。
出典元:https://www.kose.co.jp/company/ja/content/uploads/2021/01/20210108.pdf
最後に
今回はSDGsの取り組みで企業がすぐにできることや現在行われている取り組みについて紹介しました。
今回紹介した、すぐにできる会社でのSDGsの取り組みというのは、一人ひとりが意識すればすぐにできることがほとんどなので皆さんも意識して行ってみてください。
小さな取り組みがいずれ大きなものとなってSDGsの目標達成に繋がり、地球の未来を守ることができます。
SDGsとは
SDGsは「<strong>Sustainable Development Goals」の略称</strong>です。日本語では「持続可能な開発目標」と表されます。
2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、<strong>2016年から2030年までの15年で達成すべき17のゴールと169のターゲットで構成</strong>されています。
SDGsでは経済や環境、社会の課題が幅広く取り上げられ、持続可能な社会を築き上げるために、国連が主導してさまざまな取り組みが広がっています。
SDGs CONNECTでは、SDGsの各目標ごとに解説記事を公開しています。
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