【完全網羅】SDGsの問題点|現状の課題と解決策

2021.04.26

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SDGsは、持続可能な社会を創り上げるために欠かせない目標です。近年、SDGsの認知度は徐々に高まり、SDGsを取り入れている企業の割合も増加傾向にあります。

SDGsは、私たちをより良い社会へ導く行動指針となっている一方、SDGsに取り組む際に気をつけるべき点もあります。また、SDGs自体に違和感を感じている人は少なからずいると思います。

ここでは、SDGsに潜む問題点を列挙し、私たちがどのように注意を払うべきかを徹底解説していきます。

SDGsとは

SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称です。日本語では「持続可能な開発目標」と表されます。

2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、2016年から2030年までの15年で達成すべき17のゴールと169のターゲットで構成されています。

SDGsでは経済や環境、社会の課題が幅広く取り上げられ、持続可能な社会を築き上げるために、国連が主導してさまざまな取り組みが広がっています。

SDGs CONNECTでは、SDGsの各目標ごとに解説記事を公開しています。

▼各目標の詳細は以下の画像をクリック

▼SDGsについて詳しくはこちら

社会のSDGsの問題点

ここでは、SDGs自体の問題点を解説していきます。

ゴールのテーマが壮大すぎる

SDGsには「すべて」「ゼロ」という言葉を使って掲げられた目標があります。

これらの「すべて」「ゼロ」という状況が実現できたら素晴らしいですが、現実的に実現が困難であると考えられます。このように実現不可能な目標を掲げてしまうことで、SDGsの目標は、理想を掲げただけで終わってしまうおそれがあります。

また大きな目標を掲げている一方で、そもそも17個の目標だけで全ての社会問題をカバーしているのか疑問視する声もあります。

そこで、SDGsの18個目のゴールを独自で考え、公表している企業や団体があります。例えば、オランダのSPACE FOR ALLという団体は、宇宙に関する目標を18個目の目標として掲げています。宇宙開発が進んでいるいま、宇宙の地球や人類への影響を挙げ、今後の宇宙の在り方や重要性に着目しています。

参考:More information – SDG 18 – SPACE FOR ALL

他に考えられる18個目の目標の一例として以下が挙げられます。

・生まれる権利と死ぬ権利

関暁夫氏の本で紹介されていた目標です。これは、デザイナーベイビーが誕生したり、医療技術の進歩で寿命があまりに長くなってしまう未来が予想されることから、人間としての権利を守るために目標18の候補として考えられます。

・動物に優しい社会

→動物の殺処分の仕方、家畜の管理方法、ペットの保護などと、命ある動物の権利を守るために重要視されるべき課題でしょう。

・世界から兵器を撤廃しよう

→戦争の起きない世界の実現や、未だ紛争地域に散在する地雷の撤去などが挙げられます。

・人工知能と人間が共存する社会

→人工知能やロボットの開発が進んでいく中、それらが人類に悪影響を及ぼすと懸念する声もあります。人々の生活をより良いものにするための道具として人工知能やロボットが位置付けられるような研究開発が大事なのではないでしょうか。

・スポーツで世界平和を

→スポーツを通して世界中の人々の健康寿命を伸ばしたり、非言語であるスポーツで世界に一体感をもたらすことが期待されています。

このように何通りも考えられる18個目の目標、みなさんなら何を目標に掲げますか?

1人だけで解決できる問題ではない

SDGsは1人で解決できる目標ではありません。どんな起業家も活動家も一人では社会をよくすることは困難です。事業を成功させたり、社会課題を広めて取り組んでいくには、その周りの環境や人々を巻き込み、コミュニティを創っていく必要があります。

数値指標は本当に妥当か

SDGsの各目標の中には、いくつかのターゲットがあります。ターゲットには具体的な数値指標が定められていますが、この数値が指標として妥当かが疑問視されています。

例えば、目標1では、ターゲット1.1に「2030年までに、現在1日$1.25未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる」と定められています。ここでは、$1.25未満で暮らす人=極貧状況にある人としていますが、$1.26で暮らす人々は「極貧」に入らず、支援の対象から外れてしまうのではないか懸念されます。

また、ターゲットに定められている数値指標を達成することで課題解決としてしまうことは、本当に課題を解決したと言えるのでしょうか。うわべの数値だけを達成しようとせず、現状やその裏にある背景をも着目することが求められます。

ターゲットの言葉の定義は捉える人によって異なる

地域や文化、国民性によって言葉の認識のすれ違いが起きやすいことも、SDGsに取り組むにあたっての問題点です。例えば、目標6にある「安全な水」の定義は、地域によって異なります。そのため、一つの対策が全ての地域に当てはまらないので、独自に対策を考える必要が出てきます。

しかし、情報デバイドに陥っている開発途上国では、技術や情報が足りなかったりで適切な解決方法を見出せず、課題のアプローチに時間がかかってしまいます。何をもって課題解決とするのかの定義も異なるため、密接に関わることができなければ、他が解決に介入することも難しい状況にあります。

取り組むのは有志

SDGsは、国連が掲げた地球規模で解決に取り組まなければいけない目標です。一方で、SDGsに取り組まなくても罰せられるわけではないため、完全に有志であることが問題として挙げられます。SDGsを認知し、解決の必要性を感じている人しか取り組まなかったり、取り組む余力のある人しか取り組めない現状があります。上記で挙げたように、貧困や情報格差がある開発途上国の人々は十分に取り組めません。彼らの置かれている状況の改善が急がれるものの、当本人が何もできない状況が生まれてしまっています。そのため、先進国が開発途上国の状況を把握し対策を考え実行しているというようにも捉えることができます。格差を縮めるのも一つの課題としてあるのにも関わらず、格差を理由として結局はピラミッドの上層、つまり先進国が主導権を握ってしまっています。

企業のSDGsの問題点

企業がSDGsに取り組む際に気をつけるべき点について解説します。

SDGsウォッシュの可能性

多くの企業がSDGsに取り組んでいる中、「周りの企業がやっているからうちもやろう」という流れでSDGsを取り入れる企業も出てきます。SDGsが社会貢献と結びついていると考え、SDGsに取り組む企業は「良いこと」をしているという肩書き欲しさにSDGsを取り入れる企業も少なからず存在します。

「SDGs」という響きの良い言葉を使って売名行為をしたり、SDGsを表面上で行なっていると公言する中で実際のビジネスではSDGsを実践していない状況のことを、SDGsウォッシュと言います。SDGsの一つの目標を達成しようと、他の目標の達成に悪影響を及ぼしている状態にも同様の言葉が使われます。

例えば、ユニクロを運営するファーストリテイリングでは、中国の2つの下請け工場で長時間労働かつ低賃金での労働を強いられている状況が、2014年の調査で明らかになりました。作業場は異常なほど高温となり、有害なガスや異臭の漂う状況で換気設備の整っていない劣悪な労働環境で従業員を働かせることは、労働者の権利侵害に当たります。

人件費を安く抑えることで高品質かつお手頃価格での製品販売が実現します。しかしその裏で、労働者に正当に給料が支払われなかったり、健康に悪影響を及ぼすような環境で働かされていることが明らかになったことで、ファストファッションの闇が見えました。

参考:ユニクロ、中国の下請け工場での過酷な労働環境が明らかに:国際NGOが調査報告で指摘

▼詳しくはこちら

自社の事業でSDGsにコミットできない

SDGsウォッシュに陥ってしまう原因として、自分の会社の事業と合わないのに無理やりSDGsを取り入れてしまうことが挙げられます。

ビジネスプランや事業と沿わない分野まで取り組もうとしてしまい、本業がおろそかになったり、本業からずれてしまう恐れがあります。

目標17で開発途上国の資金不足が課題として挙げられていることもあり、SDGsにおいて資金の有無が目標解決の度合いを左右します。そのため、日本においても資金の少ない企業が取り組みづらいことも問題となっています。

さらに、企業がSDGsに十分にコミットできない理由の一つに、従業員がSDGsをコスト・負担として捉えていることが考えられます。企業でSDGsに取り組むにあたって、役員など重要なポジションの人たちのみで策が練られてしまうと、他の従業員と認識の差が生まれてしまいます。周りの意識も合わせて取り組まなければならないSDGsを会社で取り入れるにあたって、会社内のコミュニケーションが大事となってきます。

問題の解決策

これまでSDGsの問題点を見てきました。これらの問題点を踏まえて私たちが気をつけるべきことを解説します。

コミュニティごとや各個人で目標を噛み砕く

SDGsの目標は、地球市民全員に当てはまり、みなが解決に向けて取り組まなければなりません。しかし現状は、一人ひとり異なる状況に置かれており、スタート地点がバラバラです。そのため、目標やターゲットに書かれている指標を自分の状況と照らし合わせて解釈することが大切です。グローバルスタンダードに合わせることも大事ですが、まずは自分の今いる状況を良い方向へ持っていくための努力をしましょう。

また、同業種でも企業によって社風やビジネスプランが異なることを頭に置きましょう。そのため、自社以外の企業の取り組み方法を真似せず、参考程度にみることが大事です。そして自社であれば何ができるか、本業をより良く成長させるためにはどうSDGsを取り入れるか考えて実行していきましょう。

SDGsの背景を深く知ってから取り組む

世間でSDGsが広まっている中、流行に乗る感覚で取り組むのではなく、問題意識を持って取り組むことに気をつけなければなりません。

企業でやはり一番問題となりやすいのが、SDGsウォッシュです。SDGsウォッシュに気をつけるためには、どのようにビジネスプランにSDGsを組み込むかなど取り組み方法を十分に考え、取り組み成果を社外に公開しましょう。取り組んでいる実績を公にすることで、世間からの信頼の確保や投資家へのアピールにつながります。また、役員だけでなく従業員一人ひとりがSDGsを理解し、同じ想いで取り組めるようOKRに沿って役割分担したり、社内コミュニケーションも円滑にしていく必要があります。

また、SDGsの目標の根本的な原因を取り除くことを目指すことも重要です。SDGsに掲げられた目標がなぜ起きているのか、その根源にアプローチすることで永久的な課題解決が可能になるでしょう。

目先の利益ではなく「未来への投資」

SDGsに掲げられている目標は、短期間で解決できる問題ではありません。そのため、未来への投資だという意識を持ち、長期目線で取り組みを計画することが求められます。

10年後20年後の未来を想像し、自分はどのような世界に住みたいか、どのように社会に貢献したいか、今一度考えてみましょう。自分が目指す将来像を描くことでより具体化された取り組みが思いつくはずです。長い先の将来を考えるのは難しいかもしれません。しかし、将来ありたい姿を想像して、逆算しながらその都度やるべきことを考えていくことが、SDGsに取り組むにあたって最も重要だと感じます。

SDGsの理解度を高める

SDGsに取り掛かる際にそもそも問題となっているのが、SDGs自体の認知度の低さです。認知度が低いから特定の人しか取り組まなかったり、認知していても理解している人が少ないからうわべだけで取り組んでしまうのではないでしょうか。

認知度だけでなく理解度を高めるためには、国や自治体を挙げてのプロジェクトやセミナー、メディアでのSDGs関連情報の放映、次世代を担う若者をターゲットとした学校でのSDGs教育など、多くの対策が考えられます。

SDGsは一人で解決できる問題ではありません。また、SDGsが法律で定められているわけではないので、取り組むのは完全に有志です。

一人だけで解決はできなくても、行動を起こす意義はあります。一人ひとりの行動がその周りの多くの人々に影響を与えることができます。多くの人の心に響くようアプローチすることで、一人ひとりの意識改革・行動改革へとつながるでしょう。

さいごに

SDGsに潜む問題点に共感した人もいると思います。

このように問題点が数々あるものの、SDGsはこれからの世界を形成していく上でとても大切な道しるべです。

SDGsの問題点を理解した上で、SDGsへの取り組み方を考えていきましょう。

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