SDGs目標4番の世界における現状は?|世界の地域ごとに解説

##教育#SDGs#SDGs目標4 2022.02.22

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2022年でSDGsの採択から7年が経ちます。
皆さんは、SDGs4「質の高い教育をみんなに」の目標が、今世界でどれ程達成できているのかご存じですか?

今回は、教育に焦点を当て、世界の現状をエリアごとに分けながら日本と比較していきます。

SDGs 目標4 「質の高い教育をみんなに」とは

SDGsの4番目の目標は、“だれもが公平に、良い教育を受けられるように、また一生に渡って学習できる機会を広めよう”というテーマのもと、10個のターゲットから構成されています。

▼SDGs4について詳しくはこちら

世界の教育の現状

では、SDGs4番の目標がどれほど達成できているのか、世界の地域ごとに紹介していきます。

アメリカの教育の現状

アメリカは黄色で塗られており、あと少しで目標が達成できる状態にあります。
SDGs全体の達成度ランキングにおけるアメリカは165カ国中18位と高い順位になっています。

アメリカの教育では主に「STEM教育」に力を入れており、この「STEM教育」とは、科学・技術・工学・数学の教育を指します。アメリカでは、理系の分野に力を入れることで、科学技術開発の競争力を向上させようという動きが大きくなっています。SDGsが掲げられた際、「STEM教育」という近代教育が注目されるようになりました。

また、多種多様な人種や民族がひとつの場所で溶け合って文化が作られてきたアメリカでは、差別撤廃のために5歳から授業で人種差別問題を扱っています。

ヨーロッパの教育の現状

ヨーロッパはほとんどの国が黄色やオレンジで塗られています。
ヨーロッパでも特にSDGs全体の達成度ランキングの順位が高いのはドイツ、ベルギー、オーストリアといったドイツ圏の国々です。
ドイツは2021年に、特に教育の分野におけるSDGsの取り組みを強化すると発表しており、18歳~24歳のうち人口に占める一般教育を受けられていない人の割合を10%以下にするために国が主体となって取り組んできました。

アジアの教育の現状

アジアは地域によって格差が大きく、東アジアの中国・日本・ベトナムは緑に塗られて目標を達成できている状態にあるのに対し、西アジアやミャンマーやパプアニューギニアは赤く塗られ、主要な課題が残っている状態となっていることが分かります。
アジアで1番SDGs全体の達成度ランキングの順位が高いのは日本です。

西アジアの目標が達成できていない理由として、武力紛争の長期化によって、学校に通えない子どもの割合が増えていることが挙げられます。
6歳~11歳の子供のうち、5人に1人が小学校に通えていません。

アフリカの教育の現状

アフリカではほとんどの地域が赤く塗られており、主要な課題が残っています。
特にサハラ以南のアフリカ地域では、3200万人の子どもが小学校に通えない状況となっており、深刻な課題が残っています。

サハラ以南のアフリカの国々は、世界平均よりも識字率が低い国が多く、特に西部・中部アフリカの識字率は男性が69%、女性が55%となっています。

学校に通えないため、十分な読み書きの教育が受けられず、このような識字率の低さになっています。

コロナ禍における世界全体におけるの教育の現状

新型コロナウイルスの影響は、SDGsにも及んでおり、教育現場への影響も甚大です。
国際連合広報センターによると、新型コロナウイルスにより教育分野の約20年分の進歩が帳消しになってしまったと言われています。

その主な理由は、
1. 臨時休校期間中の勉強時間・生活時間の格差が拡大し、学力に差ができてしまった
2. インターネットの環境が家庭ごとに異なるため、十分に満足できる環境で学習できない学生が生まれてしまった
3. 発展途上国で休校時オンラインの環境が整備できず、全く学校を開校することができない地域が生まれてしまった

ということが挙げられます。

また、2020年には、新たに1年生から8年生までの子どもの9%に当たる1億100万人が定められている最低限の読解水準を下回っており、教育を受けても本人の読解力に繋がっていないと言われています。

学校教育の終了率の改善率が悪く、初等教育の時点で15%、中等教育の時点で47%の子どもが卒業できずにドロップアウトしてしまっているのが現状です。

日本の教育の現状

①ほぼ全員が義務教育を受けられている

日本では義務教育の就学率は 20世紀の初めに 90%を超えており、現在はほぼ 100%に近い水準になっています。日本はSDGs4番の目標において高いスコアを獲得しており、目標を達成できている状態にあります。

②政府が発表している教育の課題

しかし、表面化していない教育面の課題はいくつか存在しています。実際に、政府が発表している教育の課題として

○いじめ・不登校等への対応、特別支援教育の充実、ICTの活用など、諸課題への対応も必要となっている。

○ これらを踏まえ、教育委員会と大学との連携・協働により、教職生活全体を通じて学び続ける教員を継続的に支援するための一体的な改革を行う必要がある。

引用:第1章 教育の課題と今後の教育の基本的方向について

ということを挙げています。

③求められているグローバル人材

また、政府は今後の展望として、

○ グローバル化や情報化、少子高齢化など社会の急激な変化に伴い、高度化・ 複雑化する諸課題への対応が必要となっており、学校教育において、求められる人材育成像の変化への対応が必要である。

○ これに伴い、21世紀を生き抜くための力を育成するため、これからの学校は、基礎的・基本的な知識・技能の習得に加え、思考力・判断力・表現力等の育成や学習意欲の向上、多様な人間関係を結んでいく力や習慣の形成等を重視する必要がある。これらは、様々な言語活動や協働的な学習活動等を通じて効果的に育まれることに留意する必要がある。

○ 今後は、このような新たな学びを支える教員の養成と、学び続ける教員像の確立が求められている。

引用:第1章 教育の課題と今後の教育の基本的方向について

ということを挙げています。

世界の教育の現状と日本の教育の現状の比較

①日本の教育は遅れている

アメリカの大学は入試試験の一発勝負ではなく、それまでのボランティア活動や学内外における課外活動との総合点で合否が決まります。

また、日本は暗記を重視した「インプット教育」を行っているのに対し、海外は間違ってもいいからとにかく話してみることで、考えを導き出すという「アウトプット教育」を行っています。

グローバル化が進み、正解のない時代を生きていくためにも積極的に自分の意見を発信していく力を養う事が求められてきています。

②栄養価が高い日本の給食

日本では、政府が決めた栄養バランスの指導に基づいて安くて健康的な給食を食べることができます。
食育も盛んで、給食によって地産地消が行われることや、伝統的な和食を邁進するためにセミナーなどが開かれることがあります。

世界の格差を無くすためにできること|3選

①寄付や募金を行う

教育環境を改善するために活動をしている団体に寄付することも、私たちのできることの1つです。
1.日本ユニセフ協会
約190の国と地域で、子どもたちの命と健康、権利を守るために活動している公益財団法人日本ユニセフ協会は、昨年度多くの学校がコロナ禍で休校となる中、3億100万人の子どもに遠隔教育の導入や学校の安全な再開に向けた支援を行いました。

「ユニセフ・マンスリーサポート・プログラム」という月の寄付金額を自由に設定できる募金活動を行っているため、中・長期的な視点で子どもの支援事業を実施しています。また、年に4回子どもたちの状況とユニセフの活動を伝える広報誌「ユニセフ・ニュース」が寄付者に届けられるため、より活動や現状の理解を深められます。
(参考:ユニセフ公式サイト)

2. カタリバ
カタリバは、全国で子どもの教育支援活動を行っている東京都の認証を受けた認定NPO法人です。経済的理由や、親のDVや病気によって十分に勉強する機会がない子どもたちのために、放課後教室を無料で開いたり、一緒に夕食を作る活動を行っています。月額1000円から寄付が可能で、1人が1年間1000円の寄付を行うと、生徒2人に1カ月間授業ができると言われています。
(参考:カタリバ公式サイト)

②紛争をなくす

武力紛争の長期化によって、学校に通えない子どもがいる国が多く存在しています。そのためには、まず貧困や孤児を生み出す原因である紛争を無くす必要があります。

よって、紛争解決するために仲介、調停または交渉をすることや、それぞれの国が持つ武力を減らすために各国で軍縮を行うことが効果的であると言えます。

また、日本はこの先も「戦争をしない」という憲法を守っていく必要があります。

③批判的思考を培う

支援する側の私たちが格差問題を考える際に必要なのは、如何に偏見なく物事を捉えられるかという事です。

そのためには、異文化に触れ、学ぶことで自分の文化を学ぶだけでなく、その学びを通じて多角的見方で考えるという「批判的思考」を培うことが大切です。

まとめ

今回は、SDGs4「質の高い教育をみんなに」の世界と日本における現状について紹介させていただきました。
学校では集団生活が基本であり、日本人は謙虚であまり発言しないイメージを持たれがちですが、今後少子化やグローバル化に伴い、教育の在り方を再考すべきなのかもしれません。

本当の意味での質の高い教育とは何か国ごとに異なるものの、全世界の人がきちんと学校に通えるようになるにはまだまだ改善が必要です。

SDGsとは

SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称です。日本語では「持続可能な開発目標」と表されます。

2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、2016年から2030年までの15年で達成すべき17のゴールと169のターゲットで構成されています。

SDGsでは経済や環境、社会の課題が幅広く取り上げられ、持続可能な社会を築き上げるために、国連が主導してさまざまな取り組みが広がっています。

SDGs CONNECTでは、SDGsの各目標ごとに解説記事を公開しています。

▼各目標の詳細は以下の画像をクリック

▼SDGsについて詳しくはこちら

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