【更新日:2022年1月25日 by user】
SDGsと聞くと「難しい」「親近感が湧かない」と感じる方も多いのではないでしょうか。
SDGsをより身近に感じてもらうために、楽しく簡単にSDGsについて学び、実践できるゲームがあります。
今回は、数あるゲームの中でも「携帯アプリ」「カードゲーム」「すごろく」の3種類のおすすめ8選を紹介していきます。
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気軽に始められる SDGsを学べるアプリ 3選
今回紹介するアプリはこちらです。
名称 | 対応機種 | 価格 | 対象 | プレイ人数 | 関連リンク |
THE SDGs アクションカードゲーム X | Android | 無料 | 10歳以上 | 3~4人 | Google Play |
ひよこ社長のまちづくり | ios,Android | 無料 | 12歳以上 | 1人 | ひよこ社長のまちづくり【公式】 |
ピリカ | ios,Android | 無料 | 全て | 1人 | ピリカHP |
「THE SDGs アクションカードゲーム X(クロス)」|「リソースカード」を使って社会課題を解決
「THE SDGs アクションカードゲーム X(クロス)」は、金沢工業大学の学生プロジェクト「SDGs Global Youth Innovators」が株式会社リバースプロジェクトと共同で開発した、SDGsの達成に向けたアイデア創出カードゲームが元になっています。
このゲームは解決策を提案する「リソースカード」を使い、「トレードオフカード」が提示する問題を解決していくゲームです。「トレードオフカード」とは SDGsの17個の各ゴールにおけるトレードオフの問題がイラストで描かれているものです。トレードオフとは、一方を達成しようとすると,他方の目標達成を犠牲にしなければならないというジレンマの関係を指し、例えば、AIの導入で生産性が上がると同時に失業につながるといった状況などを指します。「リソースカード」は問題解決のために活用できる技術や製品、サービスなどのリソースが描かれています。
遊び方は「ビギナー版」と「アドバンス版」」の2種類が用意されており、初心者からより詳しく学びたい人まで幅広い層が楽しめます。Androidのみですが、ぜひプレイしてみてください。
ダウンロードはこちら(参考:カードゲームでSDGsの「トレードオフ」を体験 – オルタナ (alterna.co.jp)
「ひよこ社長のまちづくり」|投資で街の発展に貢献!
「ひよこ社長のまちづくり」では、投資で街の発展に寄与することが体感でき、投資をすることの意義を、ゲームを通じて疑似体験できるアプリです。2020年に大和証券グループのCONNECTとアピリッツが協業し開発されたゲームで、デジタル・ネイティブ世代が投資を身近に感じられるようなサービスを目指しています。
このゲームを通して、変化や投資先の企業が直面する社会的課題をゲームのストーリーに沿って知ることができるので、具体的にSDGsを意識した企業活動について学ぶことができます。
最近では、SDGs投資やESG投資など持続可能な社会に向けた取り組みを行なっている企業に対する支援が顕著になってきているため、このようなアプリで投資に対する理解を深めるのもいいのではないでしょうか。
ダウンロードはこちら「ピリカ」|ゴミを拾うと感謝されるアプリ
「ピリカ」はゲームというよりか、「ごみ拾いをした写真を共有し、『ありがとう』ボタンを押してもらう」というSNSで、楽しくごみ拾いをすることができるアプリです。
ごみ問題はSDGsの中でも目標11「住み続けられるまちづくりを」や目標12「つくる責任つかう責任」に関係しており、私たちが目標達成のために取り組みやすい課題の1つでもあります。そのごみ問題に気軽に取り組めるのがこのアプリです。
どこで拾ったごみなのか、何のために自分がごみ拾いをしているのか、といったことを発信することができ、毎日の日課としてごみ拾いを続けやすくなるアプリです。
ダウンロードはこちら(参考:ごみ拾いSNS ピリカ|いつでもどこでも気軽にボランティア (pirika.org))
楽しく学べる SDGsカードゲーム 5選
今回紹介するカードゲームはこちらです。
名称 | 対象 | 価格 | プレイ人数 | 所要時間 | 関連リンク |
2030SDGs | 企業学校向け | 販売なし | 5~50人程度 | 2~4時間 | 株式会社プロジェクトデザイン |
SDGs de 地方創生 | 企業学校向け | 販売なし | 6~48人程度 | 1時間程度 | SDGs de 地方創生 |
SDGs ババ抜き | 小学生〜大人 | 5000円(税込) | 5~6名 | 10~15分 | 笑下村塾オンラインストア |
SDGsアウトサイドインカードゲーム | 企業向け | 販売なし | 5~10名 | 1時間程度 | SDGsアウトサイドインカードゲーム |
Get The Point | 小学3年生〜大人 | 5000円(税込) | 4名~ | 90~120分 | Get The Point |
「2030SDGs」|海外にも広まっているSDGs理解のための代表的ゲーム
「2030 SDGs」はSDGsの17の目標を達成するために、2030年までの道のりを体験するゲームです。2016年に一般社団法人イマココラボと株式会社プロジェクトデザインによって作成されました。
このゲームは国内のみならず海外にも広まっている、SDGsを体験的に理解する代表的なゲームで、用いるカードに表現されている内容は、主に世界を題材にしています。また、ゲームで用いるカードの一つひとつの抽象度を高めに作成されています。
ルールとしては、「与えられたお金と時間を使って、プロジェクト活動を行うことで、最終的にゴールを達成する」というシンプルなものです。ゴールには、「大いなる富」というお金が一番大事という価値観を持った人や、「悠々自適」という時間がゆったりたっぷりあるのが幸せだという人、貧困をこの世からなくしたいという人や環境を守りたいという人などの複数の目標がが設定されており、さまざまに異なる価値観を持った人たちが存在します。
プロジェクトは「交通インフラの整備」など、世界で起きている課題を解決するための取り組みを行うことです。このプロジェクトを実行するために、「使うモノ」としてお金と時間が必要で、それらを使うことでプロジェクト活動を行います。「もらえるモノ」としてそのプロジェクトの成果報酬としてふさわしいだけのお金と時間がもらえます。それと同時に次のプロジェクトカードと意思カードがもらえます。ここでいう意思とは、やりがいや情熱など無形のものを表します。プロジェクトを実行し、世界の状況を変化させていき、より良い2030年の世界を目指すゲームです。
非売品で、「ファシリテーター講座を受講した方向けにカードキットをレンタルする」という形で提供されており、ビジネス研修への使用としても有効で、環境省、ユニリーバ、日立製作所、味の素などで導入されています。
(参考:カードゲーム「2030 SDGs」の紹介 | 一般社団法人イマココラボ (imacocollabo.or.jp))
(参考:カードゲーム「SDGs de 地方創生」 | SDGs de 地方創生 (sdgslocal.jp))
「SDGs de 地方創生」|SDGsの考え方を地方創生に活かそう
「SDGs de 地方創生」とは、SDGsの考え方を地域の活性化に活かし、地方創生を実現する方法について参加者全員で対話し、考えるためのゲームです。
SDGs de 地方創生ゲームの参加者は6〜16名で各地域で活躍するプレイヤーにわかれて役割を演じます。行政担当として4つの役割があり、町で活動する市民として12の役割があります。行政担当者には毎ターン予算が配られ、町を良くすることをゴールとして提示されます。町で活動する市民には、一次産業従事者や、町工場の経営者、一市民などさまざまな役が与えられます。使える予算は限られていますが、代わりに普段の活動を通じて得られる人脈があります。
またSDGs de 地方創生ゲームでは町の状態は「人口」「経済」「環境」「暮らし」という4つの指標で表されます。何も具体的な対策をしないでいると人口は徐々に減少をはじめたり、暮らしやすい町でなければさまざまな施策をしても十分な効果を発揮しないなど、それぞれの項目に条件がついています。そのため、施策を実践して状態を良くしていかなくてはいけないのですが、具体的にそれらの施策を実践したときにどのような効果が生じるのか、プレイヤーには明かされていません。自分の行動が町に与える影響を考えながらプレイしていく必要があるゲームです。
このゲームは「2030SDGs」を制作した株式会社プロジェクトデザインと特定非営利活動法人イシュープラスデザインが共同で運営しています。「2030SDGs」がきっかけになって作られたゲームなので、似たところもあり、混同されることも多いのでここでは違いをご紹介します。
上記の通り、2030SDGsは比較的抽象的であり、世界目線で見たSDGsについて学ぶことができますが、SDGs de 地方創生では、より具体的な内容が日本目線でまとめられています。
SDGs de 地方創生では日本国内の地方自治体のアクションを元にした具体的な内容のモデルがカードにまとめられており、自分の住んでいる地域のSDGsの取り組みについて学び、身近なところからSDGsを実践するには最適のカードゲームと言えます。
このカードゲームの体験会は随時開催されているので、ぜひ参加してみてください。
(参考:カードゲーム「SDGs de 地方創生」 | SDGs de 地方創生 (sdgslocal.jp)
「SDGsババ抜き」|アクションを交えて楽しく学べる
「SDGsババ抜き」は、お笑い芸人の「たかまつなな」さんが創業した笑下村塾から発売されているもので、SDGsの17の目標を、さまざまなアクションを交えながら楽しく学べるカードゲームです。
基本のルールはババ抜きと同じなため初心者でもプレイしやすく、プレイ人数も2~6人とシチュエーションにあわせて遊ぶことができます。指示に従いながら各ゴールごとの課題を知ることができるのはもちろん、身振り手振りを使ったアクションをすることで楽しく、記憶にも残る学びとなります。
笑下村塾さんは以前インタビューさせていただいているので、そちらの記事もあわせてご覧ください。
購入はこちら▼インタビュー記事はこちら▼
「SDGsアウトサイドインカードゲーム」|企業に特化した本格カードゲーム
「SDGsアウトサイドインカードゲーム」は、より『企業』に焦点をあて、企業が直面している課題をSDGsの視点を活用しながらどう解決していくか、世界が直面している課題に企業がどのように寄与できるかを学ぶことができるカードゲームとして開発されました。
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という3つの目標が達成できるのがこのゲームです。
ルールとしては、場に配布されたさまざまな社会課題のカードを読み解き、解決策を考え、見事、事業を通じた解決ができた場合、事業を立ち上げた証として、「新事業」カードがもらえます。そして得た新事業をどのように広めていくと効果的か考え、新事業カードとプロモーションカードをセットにして提出します。その事業が生み出した価値や広まり具合によって対価が得られます。
このカードゲームの大切なポイントは、プレイして終わりではなく、プレイ中に得た「気づき」を言語化し共有することまでをワンセットとしているところです。ゲームを通して学び、振り返りの時間でその学びを共有することができます。
(参考:カードゲーム紹介 | SDGsアウトサイドインカードゲーム (outside-in.jp))
「Get The Point」|資源をうまく活用し、ポイントを競い合う
Get The Point「ゲット・ザ・ポイント」とは、「小学生から学べる」設計になっているゲームでその名の通り、資源カードを使ってアイテムを作成し、アイテムごとに設定されているポイント数を競うシンプルなゲームです。
4人で1グループを作り、プレイを進めていきます。一人ひとつずつ好きなアイテムを作っていき、1周するたびに「資源回復ルール」が発動します。6種類の資源があり、それぞれ「再生できる資源」と「再生できない資源」に分かれています。
このゲームでは、プレイヤーは「2つの物語」を体験していく設計になっています。1ゲーム目と2ゲーム目で「奪い合い競争する世界」から「持続させるために協力する世界」を経験し、自分自身の経験を比較することで、「持続可能な社会とはどういうことか」「なぜ持続可能な社会を作る必要があるのか」「持続可能な社会を作っていくために必要な姿勢やマインド」について、小学生から大人まで、理解を深められます。
購入はこちらみんなでできる SDGsすごろく 4選
今回紹介するすごろくはこちらです。
名称 | 対象 | 価格 | プレイ人数 | 所要時間 | 関連リンク |
ゴー・ゴールズ | 8~10歳 | 無料ダウンロード | 4~6人 | 30~40分 | 国際連合広報センター |
SDGs すごろく | 小学生 | 無料ダウンロード | 最大4人 | ー | なごやSDGs街 |
環境戦隊サスティナー | 小〜中学生 | 無料ダウンロード | 2~5人(それ以上も可) | ー | PRIPRESS CENTER |
オリジナルすごろく | 小学生〜大人 | 無料ダウンロード | 3~4人 | ー | NAGANO SDGsPROJECT |
「ゴー・ゴールズ」|国連期間が作成したSDGs学習用すごろく
「ゴー・ゴールズ」は、ブリュッセルの国連地域広報センター(UNRIC)が作成したGo Goalsを国連広報センターが日本語化したものです。
遊戯盤にはSDGsの17の目標が書かれており、サイコロを振ってそのマス目に止まると、クイズが書かれたカードが引けます。そのクイズに正解すると、もう一度サイコロを振ることができ、2030と書かれたゴールに一番早く到達した人が勝ちです。クイズは各ゴールに沿った質問で選択肢から答えを選ぶようになっています。
対象年齢は8~10歳ですが、子どもと一緒に親子で楽しめるゲームになっています。
ダウンロードはこちら(参考:SDGsのカードゲームを紹介!|すぐに取り入れられるゲームの紹介も (ethicame.com))
(参考:すごろくでSDGsを学ぼう | 国連広報センター (unic.or.jp))
「SDGsすごろく」|ゲームを通してSDGsに貢献することの喜びを体感する
こちらのすごろくは、なごや環境大学SDGs未来創造クラブが作成したすごろくで、実物は名古屋市役所にて借りることができます。すごろくをダウンロードすることもできるので、名古屋市にいけない人でも遊ぶことができます。
ルールは、コマを進めていく中でSDGsチップなるものを集め、最終的にSDGsチップを一番多く集めた人が勝ちとなります。1つ注意したいことが、このすごろくではSDGs17の目標のうち9つしか扱っていないということです。しかし、その分誰でもかんたんに遊べるようなデザインになっています。
SDGs入門としてはとてもいいすごろくだと思います。
ダウンロードはこちら「環境戦隊サスティナー」|一見変わった戦隊モノSDGsすごろく
環境戦隊サスティナーは、株式会社プレプリスセンターが作成したSDGs環境すごろくで、SDGsと合わせて環境問題についても考えることができます。
内容は、小学生などに向けたボードゲーム・すごろくです。5人の勇気ある戦隊が、地球防衛のために温暖化と戦うストーリーになっており、コマを進めていきながら「手洗い、うがい、マスク」の予防に加え、SDGsの17の目標を学びます。ルールも誰でも知っているすごろくと同じなので簡単に遊ぶことができます。
すごろくは、家庭用A4インクジェットプリンタで分割して印刷できるようになっているのでプリンタさえあれば、だれでも利用可能です。
ダウンロードはこちら「オリジナルすごろく」
SDGs未来都市にも選定されている長野県の茅野市立永明中学校の先生方が提供するこのすごろくは、ゴー・ゴールズをさらに発展させた内容で、子供から大人まで取り組めます。
始める前に「難民」「企業」「地方創生」などのテーマを設定し、その達成に向けた具体的なビジョンを話し合います。そして、目標のマス目に記入する大きなテーマが決定した後は、17の目標のマスに関連する内容を書いていきます。取扱説明書に掲載されている例で見ると、目標9のマスには「エコカーが支給された。サイコロをふって出た数を進む」目標11のマスには「CO2を排出しない工場が作られ、 空調問題が解決される。うれしい気持ちを表現しよう」といった内容などがあります。
このようにオリジナルですごろくを制作することができ、作る過程でもSDGsを深く学び、プレイ中も新たな気付きを得ることができます。
ダウンロードはこちら(参考:SDGsのカードゲームを紹介!|すぐに取り入れられるゲームの紹介も (ethicame.com))
(参考:自分たちで作る、楽しめるオリジナルのSDGsすごろくゲームを作ってみよう! NAGANO SDGs PROJECT)
【番外編】SDGsを学べるおすすめの書籍
SDGsを学びたいと思っている方に向けて、SDGsを学べる書籍をまとめた記事をSDGsCONNECTで公開しています。
《知らなきゃ損》SDGsのおすすめ書籍12選|大人向け・学生向け・児童向けを年代別に紹介>>
ゲームは一緒にプレイする人も必要ですし、遊び要素が大きくなってしまいそうと思っている人は書籍で学習するのもおすすめです。
まとめ
今回は、「携帯アプリ」「カードゲーム」「すごろく」の3種類で、特におすすめの12選を紹介しました。
SDGsを詳しく学びたいけど難しそうでなかなか手が出せないという人は、まずこのようなゲームから徐々に学んでいくと良いと思います。
ゲームによって企業向けや子ども向け、などが決まっているので自分にあったゲームを探してみてください。
SDGsとは
SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称です。日本語では「持続可能な開発目標」と表されます。
2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、2016年から2030年までの15年で達成すべき17のゴールと169のターゲットで構成されています。
SDGsでは経済や環境、社会の課題が幅広く取り上げられ、持続可能な社会を築き上げるために、国連が主導してさまざまな取り組みが広がっています。
SDGs CONNECTでは、SDGsの各目標ごとに解説記事を公開しています。
▼各目標の詳細は以下の画像をクリック
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