買い物の際の必需品だったレジ袋。
振り返れば、2020年の7月1日からスタートした有料化から、1年以上が過ぎました。私たちがそれまで気にしていなかったエコバッグの良い点と悪い点の両面が、はっきりと認識されてきたのではないでしょうか。
今回は「なぜレジ袋が有料化されたのか」というところから、用途別の様々なエコバッグまでを紹介します。この記事を通して、「レジ袋の代わり」としてのエコバッグから、使うことで「晴れやかな気持ちになるアイテム」としてのエコバッグが存在することを知っていただけたら嬉しいです。
見出し
レジ袋が有料化された背景
日本のプラスチック廃棄問題
日本の使い捨て包装容器の使用率は世界でトップクラスに多いと言われていますが、そのうちレジ袋が占めるのは2%程度です。
食品の保存期限の延長など、プラスチック容器は私たちのライフスタイルの変化から生産拡大を続けており、レジ袋のみを削減したからといって効果は無いのでは、という考えもあるかもしれません。
しかし、もっとも重要な点として日本政府が掲げているのは国民の意識改革です。
以下の文章は、総務省ホームページより抜粋したものです。
「レジ袋は、我々の生活の中に深く浸透し、我々の生活の中にある使い捨てプラスチックを象徴するものと言える。今般のレジ袋有料化の真の目的は、レジ袋を有料化することではなく、そのレジ袋の有料化をきっかけに(レジ袋以外のものも含めて)使い捨てプラスチックに頼った国民のライフスタイル変革を促していくことである。」(以上抜粋)
レジ袋の有料化はすぐに資源問題を解決するものとは言い難いですが、長期的な視野を持って私たちの意識変革というSDGsアクションであると言えます。
レジ袋対策をとっている国の政策|3選
フランスやイタリアを始め、プラスチックバッグの撤廃を目的とする法整備は、OECD諸国で活発に行われています。ここでは、フランス・イタリア・台湾を例にご紹介します。
フランス
101の県からなるフランスは、2016年3月31日、全土における使い捨てレジ袋の使用禁止を政令によって定めました。
袋の提供方法が有償か無償かに関わらず、使い捨てのレジ袋の使用は罰金又は禁固刑に処せられることとなります。
この動きはレジ袋のみならず生鮮食品包装用のプラスチックバッグにも適用され、堆肥などに使用することができるバイオマスを一定割合以上含むプラスチックによって作られたプラスチクバッグ以外は、使用禁止措置の対象となります。
イタリア
イタリアでは1989年、今から30年以上前にレジ袋が有料化されていました。
これは他のEU諸国と比べても時期・内容ともに非常に先進的なことです。
その後も、環境負荷の少ない生分解性プラスチック製以外のレジ袋を新たに禁止するなど、独自の環境政策を実行しています。
台湾
台湾のレジ袋対策は段階的に厳格化されていく予定です。
台湾でも、現状小売店において無料のプラスチック製ショッピングバッグ・使い捨て容器などの提供は禁止されており、日本と同じく有料での提供になっています。台湾の行政院環境保護署によれば、2030年にはレジ袋の提供を完全に使用禁止することを目標に、2020年から10年をかけた国家政策が予定されています。
レジ袋の代替方法としての「エコバッグ」
エコバッグの現状
環境意識の「国民レベルにおける改革」を目指して開始されたレジ袋有料化ですが、コンビニやスーパーなどで手づかみで商品を持ち帰る人を目にすることも少なくありません。
以下は、エコバッグ使われない理由を大阪市がアンケート調査した結果の一部です。
問:エコバッグを携帯していない理由は何ですか?(自由記述)
・洗うのが面倒 ・カバンの中でかさばる ・持っていくのを忘れる ・衛生面が心配 (参考:大阪市) |
従来のレジ袋では感じていなかったさまざまな不便が出てきていることがわかります。
しかし、必要は発明の母ともいうように、このデメリットを颯爽と解決する製品が日夜生み出されています。
エコバッグの選び方
上記の意見を踏まえ、不満を解決する・不満を打ち消すようなエコバッグを厳選してご紹介します。
衛生面が気になる
レジ袋と違い、使い回すことの多いエコバッグに衛生的な不安を持つ方も少なくないと思います。そんな方には、紙袋をエコバッグにすることがおすすめします。
使い捨てが全て悪いというわけではなく、プラスチックに比べ環境負荷の少ない紙を使うことは1つの手です。実際、現在日本において小売店でも紙製バッグは有料化されていません。ライフスタイルに合わせて、続けられるレジ袋削減に向けたアクションが大切です。
家を出るときに忘れてしまう
今まで持ち運ぶ習慣がなかった分、エコバッグを忘れてしまう人も多くいるのかもしれません。
そんな忘れ物には、持ち歩きたくなる特別なエコバッグで対処するのがおすすめです。
例えば、バレンシアガでは、大切な人にプレゼントしたくなるようなエコバッグが発売されています。
折り畳んでも広げてもキャッチーなデザインで、1日を晴れやかな気持ちにしてくれます。
また、自分だけのエコバッグが欲しいという方にはエコバッグを自分で作ってみるのも良いでしょう。
布から自分で縫うのでなく、素材を選んでデザインをこだわりたい方はこちらのサイトがおすすめです。キャンバス地やジュートなど、こだわりを詰め込んだエコバッグはとても愛着が湧きます。
エコバッグ独自の優秀なところ
最後は、エコバッグ独自の魅力です。
エコバッグを「レジ袋の代替品」と思っている人も多いかと思いますが、エコバッグ独自の魅力もあります。それは「保冷に優れていることが多い」「中身が見られる心配が少ない」という2つです。
冷凍食品も、あまり人に見られたくない買い物も、エコバッグが守ってくれます。
DEAN&DELUCAでは保冷付きのエコバッグをはじめ、カート付きのバッグや、画像のようにミニマルなものなど多様なエコバッグが揃っています。ふとしたときに新製品が出ていることもあるので、この記事でピン!ときた方はチェックして見ましょう。
まとめ
これまで見えていなかったエコバッグの背景や優秀さに気づかれた方も多いのではないでしょうか?
日本でのレジ袋有料化制度が開始した直後は、「無料の方が良かった」と思った方が大半だったと思います。
しかし、目先の安さに惑わされず、自分や将来世代が罹患するかもしれない病気や環境破壊のことを考えると、その危険性を「持ち歩くだけ」「洗うだけ」で解決できるエコバッグほど自分ができるSDGs活動はありません。
このコラムをきっかけに、エコバッグを選ぶこと、使うことをもっと好きになっていただけたら嬉しいです!
SDGsとは
SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称です。日本語では「持続可能な開発目標」と表されます。
2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、2016年から2030年までの15年で達成すべき17のゴールと169のターゲットで構成されています。
SDGsでは経済や環境、社会の課題が幅広く取り上げられ、持続可能な社会を築き上げるために、国連が主導してさまざまな取り組みが広がっています。
SDGs CONNECTでは、SDGsの目標ごとに解説記事を公開しています。
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