【更新日:2021年9月11日 by 森あゆみ】
「吉本興業」と聞いてどのようなイメージを浮かべますか?恐らく多くの人は「お笑い芸人の事務所」という認識ではないでしょうか。
吉本興業は1912年4月1日に吉本吉兵衛・せい夫婦によって創設された芸能事務所です。元々は寄席を行う劇場の運営がメインで始まった吉本興業ですが、現在はお笑い芸人の芸能事務所としての面だけでなく、プロゲーミングチームのマネジメント・育成や映画やバラエティーなどの映像制作を行うなど裾野を広げています。
そんな吉本興業ですが、積極的にSDGsに取り組んでいる企業だということをご存知でしょうか?
この記事では、芸能事務所とSDGs、お笑いとSDGs、なかなか想像しにくい部分も多い吉本興業とSDGsの関係についてご紹介します。
見出し
吉本興業×SDGs
吉本興業がSDGsに取り組む理由
吉本興業は現在SDGsの取り組みに力を入れていますが、その背景には国連の存在があります。
元々、吉本興業がSDGsの取り組みを行い始めたのは、国連広報センターから「SDGsを広める活動のサポートをしてほしい」と依頼を受けたことがきっかけです。
元々「あなたの街に住みますプロジェクト」などを行い、地域や社会に貢献することを目指していた吉本興業はその依頼を受けてSDGsに取り組みはじめました。
参考:「笑い」を通じて、未来のために!吉本興業が取り組む、SDGsとエンターテイメント。
吉本興業のSDGsの歴史
吉本興業のSDGsの取り組みは2017年から始まりました。イベントやワークショップ、講演会、動画制作など、さまざまな形でSDGsのPRをしており、「お笑い」というコンテンツを使って、ただ「学ぼう」ではなく、「楽しみながら大切なことを知る」という、きっかけづくりを提供することをモットーに置いています。
早くからSDGsに取り組んできたため、協力体制にある企業や団体は多く、東京大学といった教育機関とのコラボや市と提携してのイベントも開催しています。
出典:「笑い」を通じて、未来のために!吉本興業が取り組む、SDGsとエンターテイメント。
吉本興業が取り組むSDGs
「あなたの街に住みますプロジェクト」
「あなたの街に住みますプロジェクト」は国連とタッグを組んでSDGsに取り組む前から吉本興業が着手していたプロジェクトで、吉本興行が100周年を記念して2011年4月から行われているプロジェクトです。(吉本興業100周年記念は2012年)
内容としては、全国47都道府県に「住みます芸人」という無名の若手芸人を居住させ、同じく各県に住むエリア担当社員とともに、笑いの力による地域活性化のお手伝いするというものです。
実際にその土地の名産をPRする動画を制作したり、地元のテレビ番組で地域を盛り上げたり、とその土地を盛り上げるためにさまざまな活動を行っています。
元々はSDGsとは関係ないところで発足したプロジェクトですが、国連からSDGs促進の依頼を受けるきっかけにもなったSDGsと関わりが深いプロジェクトです。
参考:地域
参考:よしもと住みます芸人47web 全国版
「SDGsについて考えはじめた人々」
「SDGsについて考えはじめた人々」は、SDGsの活動内容の認知促進を目的に、国連広報センターと吉本興業との連携のもと制作された、よしもと芸人によるPRムービーです。
「SDGsについて考えはじめた人々」は2017年10月21日から国連広報センターと吉本興業のYouTubeチャンネルで同時公開されており、一部の動画は、映画館や吉本の劇場などで放映されました。
登場する芸人は、オリエンタルラジオ藤森、FUJIWARA藤本、トレンディエンジェル斎藤、ジミー大西、ケンドーコバヤシ、おかずクラブ、横澤夏子、千鳥などで、レトロな喫茶店を舞台に、コンビの枠を越えてSDGsを語る全27本が公開されています。
▼公開されている動画はこちらから▼ よしもと芸人によるPRムービー「SDGsについて考えはじめた人々」 |
参考:“吉本興業と国連”が地球を守るためのコンビ結成! 「SDGsについて考えはじめた人々」よしもと芸人によるSDGs推進動画全27本 10月21日(土)公開
よしもと新喜劇NEXT/SDGsソング
「SDGsソング」は、よしもと新喜劇NEXT内に設けられたコーナーを番組化したもので、吉本新喜劇の座員がSDGsについて学びオリジナルソングにして1~2分程度の動画として投稿しているものです。
毎週木曜日に更新されており、さまざまな方の歌を通してSDGsを学べるコンテンツになっています。
▼動画の視聴はこちらから▼ よしもと新喜劇NEXT/SDGsソング |
吉本芸人のSDGsの取り組み
横澤夏子×SDGs
横澤夏子さんは、2021年4月10日にTBSラジオから放送された「横澤夏子のやってる!?SDGs」のパーソナリティを務めました。
横澤夏子さんは、二児の母としての顔も持つ芸人さんで、女性の働き方改革や男女平等などを訴えている場面も多く見られます。
吉本興業が運営している劇場の1つの「大宮ラクーンよしもと劇場」に託児所を設置するように働きかけるなど、女性の社会進出や育児と趣味の両立に大きな影響を与えた芸人さんです。
石巻市のSDGs広報大使に鉄腕アトムが就任した際には、吉本代表としてお披露目会に参加するなど、事務所からも認められるほどの活動をしています。
参考:横澤夏子が取り組んでいるSDGs(持続可能な開発目標)は?
EXIT×SDGs
EXITは「SDGs-1グランプリ2019」のチャンピオンで、2019年から1年間SDGsアンバサダーとしてさまざまな活動をしていました。
中でも上の写真は、LeSportsacとコラボした「イグレスポット」と名付けられた、SGDsをテーマに商品開発されたバッグです。
このプロジェクトは「LOVE&EARTH イグレスポット~控えめにいってSDGs意識したサステナバッグブッカマ~」とEXITの芸風に寄せて若者言葉を多く使用してタイトル付けされ、若い世代がSDGsについて知り、SDGsバッグを購入することで、 楽しみながら社会貢献に参加してもらおうという狙いで企画されました。
参考:EXITとレスポがSDGsバッグでコラボ! 「EXIT、この度、地球に優しくなりました!」
吉本興業のSDGsイベント
SDGsー1 グランプリとは
SDGsー1グランプリとは、2017年から京都国際映画祭で開催されている吉本興業主催のお笑いコンテストです。
内容としては、出場する吉本所属のお笑い芸人がSDGsの17の開発目標から1つ以上を選び、その項目をテーマにネタを披露するというものになっています。
2020年大会は、新型コロナウィルスの影響からオンラインで開催され、出場者は東京会場と大阪会場に分かれ、東京会場からはすゑひろがりず・3時のヒロイン・佐久間一行、大阪会場からはコウテイ・見取り図・小泉夫妻・アインシュタイン・ミルクボーイの8組が出場しました。
またこのSDGs1‐グランプリでは、優勝者に優勝トロフィーと副賞としてSDGsアンバサダーに任命されます。
このSDGsアンバサダーは、1年間吉本興業内のSDGsの取り組みの顔として活動できるというもので、現在は2020年優勝者の佐久間一行さんがアンバサダーを務めています。
▼大阪会場
▼東京会場
Warai-Mirai-Fes2021とは
Warai-Mirai-Fes2021は、2021年9月23日~9月26日に開催される、「未来の開会式を、はじめます。」をテーマに置いたフェスです。
吉本興業主催のイベントですが、お笑いだけでなく、音楽やアートといったさまざまなジャンルが集まり、未来のことを考えるイベントになっています。
メインのステージで毎日違う豪華なライブが行われるだけでなく、フードの出店やSDGsの17の目標を「自分たちの身近なこと」に置き換え、吉本所属タレントのスタンプを集めながらゲーム感覚でSDGsに触れる機会を楽しんでもらう「S(そうだ!)、D(どんどん)、G(がんばろう!)、S(スタンプラリー)」などさまざまなSDGsに関するイベントが開催されます。
またイベント中のルールとして、「My食器持参」というものがあります。
これはSDGsに配慮したルールになっており、食器を忘れた人はFESオリジナルの食器も販売されており、使い捨てのものを使わないようになっています。
日程としては
1日目 9月23日 |
2日目 9月24日 |
3日目 9月25日
|
4日目 9月26日 |
(出典:https://warai-mirai.jp/program/m-stage/)
上の表のようになっています。
チケットは1日ごとに販売されており、現在以下のサイトから購入することができます。
▼チケット購入はこちらから▼ チケット一覧 |
SDGsとは
SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称です。日本語では「持続可能な開発目標」と表されます。
2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、2016年から2030年までの15年で達成すべき17のゴールと169のターゲットで構成されています。
SDGsでは経済や環境、社会の課題が幅広く取り上げられ、持続可能な社会を築き上げるために、国連が主導してさまざまな取り組みが広がっています。
SDGs CONNECTでは、SDGsの各目標ごとに解説記事を公開しています。
▼各目標の詳細は以下の画像をクリック
▼SDGsについて詳しくはこちら
まとめ
今回は吉本興業のSDGsの取り組みについて説明しました。
お笑いとSDGsと聞くとあまり接点がないように感じていた方も多いと思います。しかし、「みんなが笑顔で暮らせるようになってほしい」という根底の想いは同じなのかもしれません。
今回はまとめの言葉として2021年9月23日~9月26日に開催されるWarai-Mirai-Fes2021の口上を抜粋してお借りしたいと思います。
”みんなで笑って、文化や技術にワクワクして、はじめて同じゴールが見える。めざせる。
地球規模の大きな目標、SDGs。
そんなことしてる場合じゃない? いやいや、今生きてる人間を笑わせられなくて、次の時代の人間を笑わせられるはずがない。”