《日本一SDGs名称認知率が高い県》岡山県のSDGsの取り組み|自治体の推進体制や学校・企業の取り組みまで徹底網羅

#SDGs目標11#SDGs目標13#SDGs目標2#SDGs目標3#SDGs目標4#SDGs目標7#エネルギー問題#住み続けられるまちづくり#健康#教育#環境問題 2022.01.10

この記事をSNSでシェア!

 

岡山県は、都道府県別のSDGs実態を探る | ウェブ電通報の調査によるとSDGsの名称認知率が都道府県の中で1番高くなっています。

岡山県は「市」や「大学」が中心となって活動をしており、さまざまな賞を受賞しています。

今回は岡山県のSDGsの取り組みを岡山県内の「市」「大学」「企業」に分けて解説していきます。

岡山県とSDGsの関係性

岡山県とSDGsの関係性について岡山県が過去に受賞した賞を紹介しながら説明します。

岡山大学がジャパンSDGsアワードで受賞

岡山大学は、第1回「ジャパンSDGsアワード」の特別賞「SDGsパートナーシップ賞」を受賞しました。国立大学では唯一となる受賞です。

岡山大学は、大学の役割である、研究教育と社会貢献というものとSDGsの地球環境と人類社会の持続可能性を追求し、「誰一人取り残さない」未来のあるべき姿を世界共通の目標として、各々の地域や組織が協働して、取り組むという活動という目的に共通点を見出し、SDGsの活動に尽力しています。

今後は、SDGsを共通言語に世界や地域の方とパートナーシップを強化することで、SustainabilityとWellbeingを追求する大学として、大学内だけでなく世界や地域に新たな価値を創造し続けるという目標を掲げています。

https://sdgs.okayama-u.ac.jp/sdgs/detail.php?seq=8

今回はそんなSDGsの活動内容が高く評価されて受賞に至りました。

岡山市と真庭市がSDGs未来都市に選定

岡山市と真庭市は平成30年度にSDGs未来都市に選定されました。

SDGs未来都市とは、「SDGs達成のため積極的に取り組む都市」として内閣地方創生推進室に選定された都市のことです。世界でSDGsの関心が高まるなか、日本で注目される取り組みのひとつであり、2018年度から募集が開始されました。

https://eleminist.com/article/1073

岡山市が提案したタイトルは「誰もが健康で学びあい、生涯活躍するまちおかやまの推進」です。

事業概要

岡山市の特徴である豊富な医療資源や健康ポイント、介護総合特区などの実績を背景都市と、健康寿命の延伸をはじめとする市民の健康づくりに取り組むとともに、社会で活躍するための閑居を整備するなど、「住みやすさ」を実感できるまちの実現をはかっています。

引用元:岡山市SDGs未来都市について

真庭市が提案したタイトルは「地域エネルギー自給率100% 2030“SDGs”未来社市真庭の実現〜永続的に発展する農山村のモデルを目指して(私がわたしらしく生きるまち)〜」です。

事業概要

真庭市はSDGsの活動を市民運動として盛り上げていくための推進組織である真庭 SDGs 円卓会議や現在、180団体が登録している真庭 SDGsパートナーが気軽に情報交換、連携を行う場所として行う、真庭 SDGsミーティング等を定期的に開催し、中山間地域の地方分散型モデル地域を目指しています。

これらの事業が評価され内閣地方創生推進室からSDGs未来都市に選定されました。

SDGs未来都市について詳しくはこちら▼

岡山市がユネスコ学習都市2017を受賞

岡山市は、ユネスコ学習研究所が実施する、ユネスコ学習都市賞2017に選ばれました。

ユネスコ学習都市賞は、学習都市として顕著な進展のあった都市を表彰するため、ユネスコ学習研究所が2015年に創設した賞です。2年に1度表彰されており、2017年は2回目となります。

授賞理由は、ESDの推進や公民館の活用、それらの活動の成果を測るための指標開発などが評価されたためです。

SDGsネットワーク岡山の取り組み

岡山県は「SDGsネットワークおかやま」というプラットフォームを立ち上げ運営しています。

活動内容は、

  • 協働での学習等の開催

行政や経済団体、全国組織などと協働し、先進事例に関する勉強会などを開催しています。

  • 若者部会

大学生や高校生などの若い世代を中心に、学校の枠を超えてSDGsの達成に向けた独自の取り組みを展開しています。

  • 定例会の開催

SDGsに関する民間の取り組みを共有し、目標についての理解を深めます。

  • 楽衆会の開催

SDGsについてさらに理解を深めたい方に向けた講座です。17の目標、169のターゲットを解説後、SDGsカードゲームを体験し、楽しく遊びながら理解を深めていきます。

  • 協働での社会提言

山陽新聞社と協働しながら、140周年シンポジウムの事前ワークショップを定例会と併催するとともに、「宣言」を策定しました。

  • SDGsの啓発

SDGsに関する研修会や学習会への講師派遣をおこなったり、SDGsに関するイベントへの共催や協力などを行っています。

https://sdgs-okayama.jp/

上記からご覧ください。

岡山市のSDGsの取り組み|5選

岡山市では、これまでの健康寿命の延命を目指すまちづくり、地域に根差しているESD活動の広がりといったまちのポテンシャルを生かし、生活していくうえで基本となる要素の「健康」に重点を置いた取り組みを進めています。
誰もが学びあって、生涯現役で活躍できるまちを目指し、行政・保険医療関係者・企業が一体となった健康なまちづくりの取り組みとして、インターネットテクノロジー等の新たな技術を活用し、健康関連事業を推進しています。

ここでは、岡山市のSDGsの取り組みを詳しく紹介していきます。

 ① 岡山ESD推進条例の制定・施行

岡山市では、議員提案により、平成26年9月30日にESD推進のための条例が制定・施行されました。

ESDとは、Education for Sustainable Developmentの略で「持続可能な開発のための教育」と訳されています。気候変動、生物多様性の喪失、資源の枯渇、貧困の拡大等人類の開発活動に起因するさまざまな現代社会の問題を自らの問題として捉え、問題の解決につながる新たな価値観や行動等の変容をもたらし、持続可能な社会を実現していくことを目指して行う学習・教育活動です。

この条例の制定された理由は、以下の通りです。

「岡山は長い年月をかけて、先人たちにより築かれ、維持されてきた里山・里地が広く残されています。他の都市では見られない貴重な種類も含め、多様な野生生物が暮らす環境が維持されています。古代吉備文化時代から積み重ねられてきた豊かな歴史や文化遺産が地域の中で大切に保存されているなど、持続可能な暮らしや活動が息づいています。こうした中で、ユネスコや日本政府から2014年の「ESDに関するユネスコ世界会議」の

「各種ステークホルダー会合」の開催地として岡山市が決定。また、2015年以降のESDを実践するグローバル・アクション・プログラムにおいて、持続可能な開発のための教育に地方自治体の役割が含まれるなどより地域の中での取り組みが重要になってきます。そのため、地域全体でESDに対する取組をさらに強化し、平和で持続可能な社会の実現に貢献するまちづくりを推進するためにこの条例が制定されました。」

引用:持続可能な開発のための教育の推進に関する条例

 ② ESD岡山アワードの開催

ESD岡山アワードとは、国内外で取り組まれているESD活動の中からすぐれた取り組みを表彰し、多くの人に認知してもらうことで、ESDやその活動を普及することが目的で2015年度から実施されているものです。

過去のアワードの結果等は下記のサイトから閲覧することができます。

http://www.okayamatbox.jp/esd/pages/award

③ おかやまケンコー大作戦の実施

おかやまケンコー大作戦とは、岡山市内の様々なお店や施設で健康につながるサービスを受けると、ポイントがたまっていくというプログラムです。

例えばお弁当を買う、ランチを食べる、イベントに参加する、フィットネスを使用する、歩いくなどの方法でポイントを貯めることができます。

このプログラムに参加し、ポイントをためて健康な身体と魅力的なプレゼントを獲得できるとというコンセプトで行われています。

おかやまケンコー大作戦の専用HPはこちら▼

https://kenkooo.jp/

④ 岡山市AIを活用した健康見える化事業

岡山市は、2019年11月15日から健康見える化事業を行っています。この事業は、特定保健指導対象者の健康診査データをもとにAI(人工知能)を活用し、将来起こりえる生活習慣病の発症リスクを予測します。その予測をもとに生活習慣の改善などの行動変容を促し、市民の健康増進を図るものです。

一人一人に適した継続性のある生活習慣改善の健康プログラムをアプリで提示することで、生活習慣の改善を促します。

⑤ SDGs啓発イベント 未来わくわくフェスタの実施

SDGs啓発イベント未来わくわくフェスタは、親子で楽しくわかりやすくSDGsを学んでもらうという目的のもと令和3年8月20日にショッピングモールの一角で行われました。

イベントは、ステージイベントとワークショップの2つが行われました。

ステージイベントの内容は以下の通りです。

  • 岡山県下の市町のマスコットキャラクターが大集合し、SDGsの宣言
  • 高校生によるSDGsの取組発表
  • おかやまのSDGsの取組を紹介
  • みんなが知っているようで知らない「SDGs教室」
  • 街中のオアシス~西川緑道公園の生きもの達~
  • OHK環境バラエティー Re:SETO(リセット)スペシャルステージ

ワークショップの内容は、以下の通りです。

  • 未来の科学者ラボ
  • いっしょにつくろう!せかいにやさしいバック
  • だれでもカンタンにできるプログラミング
  • ヒノキの間伐材を利用したストラップづくり

未来ワクワクフェスタのステージイベントとワークショップでは、子どもたちが興味を持ってSDGsに取り組める内容が多く盛り込まれました。

岡山大学のSDGsの取り組み|3選

大学内で誰もがSDGsを身近に体験できる!学生×生協のコラボでTFTメニューが誕生!

岡山大学は、2019年4月8日から大学内にある学食の一つで途上国の子どもの給食を支援するTFT(TABLE FOR TWO International)メニューの提供を開始しています。
この取り組みは、岡山大学の学生のアイディアが岡山大学生活協同組合の協力により実現しました。

TFTとは
先進国のメタボリックと発展途上国の飢餓という社会的背景をもとにその課題の同時解決を目指す日本発祥の社会貢献運動です。活動の目的は、TFT対象の健康増進に寄与するメニューを食べれば、その代金の20円が寄付金となります。寄付金は、TFT事務局を通してアフリカ・アジアの子供達へ給食が届けられ、飢餓撲滅に貢献することです。

190ヵ国以上から次世代リーダーが集う世界最大級のユースサミットに参画

岡山大学では、グローバル社会で実践的に活躍できる人材の育成を目指しています。SDGsの枠組みを理解し、さらに世界に伍するレベルでグローバルシップを育成する機会を提供するため、2015年より、「世界ユースサミットOne Young World(OYW)」に国立大学初のパートナーとして参画しています。

「世界ユースサミットOne Young World(OYW)」とは2009年の世界経済フォーラムで(ダボス会議)で宣言されたもので、世界190ヶ国以上から各国を代表する次世代の若いリーダ達(18歳から30歳)約1300名が一堂に会する世界最大級のサミットです。

アフターコロナを見据えた外来診療への取り組み

近年、感染が急激に拡大した新型コロナウイルスの影響により、後遺症に悩まされている方が多く存在しています。

その症状は、全身倦怠感や頭痛、睡眠障害、味覚・嗅覚障害などがあげられます。これらの症状を発症した患者のケアに目を向けたのが岡山大学です。

岡山大学は2021年2月に、コロナの後遺症に悩む患者を診察する専門外来「コロナ・アフターケア外来」を全国的にも先駆けて岡山大学病院に設置しました。これは大学病院として全国で2番目の早さです。

総合内科・総合診療科の特性を活かして、身体的な検査だけでなく心理・社会的な部分を考慮した治療を行い、SDGs目標3「全ての人に健康と福祉を」に貢献しています。

岡山の企業のSDGsの取り組み|3選

株式会社山陽新聞社|新聞とデジタルで「信頼の情報」を発信し安全・安心で持続可能な社会づくりに貢献

山陽新聞社は、さまざまな媒体で岡山エリアを中心とするニュースを発信しています。

山陽新聞では、「地域とともに」の精神のもと、140年以上にわたって情報発信活動を行ってきました。

よりよい地域づくりを目的とする山陽新聞社は、日々の業務自体がSDGsの推進に繋がると考えています。

山陽新聞社では、「未来への貢献 地元企業とSDGs」「SDGs先進県へ広がる活動」といったSDGsに関する企画記事を掲載しています。

また、連続シンポジウム「SDGs地域課題を探る」も開催しています。ほかにも子ども新聞「さん太タイムズ」の発行、教育・研修施設「さん太しんぶん館」(早島町)、NIE(教育に新聞を)活動を通じ、社会性豊かな青少年を育成することにも取り組んでいます。

 株式会社トンボ|人と自然を大切にした価値ある製品作りを

株式会社トンボは、スクールウェア、スポーツウェア、介護/メディカルウェアなどの企画/製造/販売をおこなうユニフォームの総合メーカーです。

SDGsの取り組みを行うきっかけは、トンボのCSR(企業の社会的責任)の考えをもとに、活動してきた社会貢献活動にとどまらず、さらに1歩踏み出してSDGsに取り組むことで、トンボの企業活動が世間に与える影響を洗い出し、社会の諸課題を解決できると考えたためです。

具体的な取り組み内容は、東日本大震災復興支援トンボスマイルキャンペーン・福祉施設へのボランティア活動・奨学育英事業(「公益財団法人八正会」「日本スコットランド交流協会」)・文化支援活動(「WE LOVEトンボ絵画コンクール」「トンボ1129デザインコンクール」「ビクトリースポーツ教室」)・女性活躍推進活動・カーボンオフセットへの取組み・残布提供・エコ製品の開発及び販売促進・水質環境に配力した染色生地の調達・真庭トンボの森づくり活動など、さまざまな分野での活動を幅広く行っています。

中国電力株式会社|ENERGIAーあなたとともに、地球とともにー

中国電力は、中国地域を事業基盤とする電力会社です。

時代が変わるにつれ多様化した顧客のニーズを満たすため、グループ内で、総合エネルギー供給事業、情報通信事業、ビジネス・生活支援事業などを展開し、地域の発展に貢献しています。

中国電力株式会社はこれまで電気事業を中心としたグループ事業を通じて地域の継続的な発展に貢献していくことを使命として取り組みを行なっていました。

その中で、企業に対する社会からの要請が複雑化・多様化しており、これらに的確にこたえていく姿勢をあらためて明確化するため、SDGsを踏まえた重点課題を経営ビジョン「エネルギアチェンジ2030」に反映し、SDGsの取り組みを行います。

具体的な取り組み内容は、再生可能エネルギーの導入や火力発電の高効率化など「エネルギーの安定供給確保」と「気候変動の緩和」の両立に向けた電源構成の構築、「中国地域の活性化」をキーワードとした新たなビジネスへの参画やシンプルスポーツ部によるスポーツ教室の開催、フレックスタイムや在宅勤務の導入などの多様な働き方ができる職場環境の形成にも取り組んでいます。

最後に

今回は、SDGsの名称認知率が最も高い岡山県について紹介させていただきました。

岡山県の取り組みを調べてみると、県全体だけでなく、市・自治体でもイベントの開催、などのさまざまな取り組みを行っていることが、認知率が高い要因なのだと感じました。

現在、各都道府県が少なからずSDGsについての取り組みを行っている中で、岡山県の取り組みを参考に日本全体にSDGsの認知率が広がってほしいです。

SDGsとは

SDGsは「<strong>Sustainable Development Goals」の略称</strong>です。日本語では「持続可能な開発目標」と表されます。

2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、<strong>2016年から2030年までの15年で達成すべき17のゴールと169のターゲットで構成</strong>されています。

SDGsでは経済や環境、社会の課題が幅広く取り上げられ、持続可能な社会を築き上げるために、国連が主導してさまざまな取り組みが広がっています。

SDGs CONNECTでは、SDGsの各目標ごとに解説記事を公開しています。

▼各目標の詳細は以下の画像をクリック

▼SDGsについて詳しくはこちら

この記事をSNSでシェア!

  • ランキング

    新着記事

    アシックスの新しいランニングシューズNIMBUS MIRAI(ニンバスミライ)

    SDGsの基礎知識

    食品ロスとは?原因や日本と世界の現状、家庭でできる対策を紹介

    もっとみる

    おすすめ

    《必見》SDGs目標9の日本の課題と取り組み|日本の取り組み事例3選

    《学生向けSDGs教材》おすすめのSDGsワークシート9選