カーボンニュートラルとプラスチックの関係性-問題点から改善策・おすすめ製品まで紹介

#SDGs#環境#脱炭素(カーボンニュートラル) 2023.01.16

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最近、カーボンニュートラルのためにプラスチックを削減するという言葉を耳にすることが増えています。

実際にプラスチック製品の代替品として紙でできたストローが使用されている例もあります。カーボンニュートラルとプラスチックはどのような関連性があるのでしょうか。プラスチックが与える影響とは何なのでしょうか。

今回は、カーボンニュートラルとプラスチックの関係性や、問題点、改善策などを説明していきます。

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【この記事でわかること】

カーボンニュートラルとは

カーボンニュートラルとは、排出される温室効果ガス量と吸収される温室効果ガス量の差し引きをゼロにすることを言います。排出量と吸収量を同じにすることで温室効果ガスの排出量はゼロになります。

現在、2050年までにカーボンニュートラルを実現する目標を達成するために世界中で取り組みが行われています。

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プラスチックとカーボンニュートラルの関係性-プラスチックが環境に悪い理由3選

プラスチックは環境に悪いとされています。その主な理由の1つとして製造や廃棄過程で二酸化炭素が排出されるからです。二酸化炭素は地球温暖化を促進させる温室効果ガスの一つです。

ここではプラスチックとカーボンニュートラルの関係性について詳しく紹介します。

プラスチックの原料は化石燃料

プラスチックは、化石燃料である石油から作られています。原料である石油を熱することで、石油ガス、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油、重油、アスファルトに分けられます。プラスチックはこの中の、「ナフサ」から作られます。

しかし、化石燃料の量は限られています。化石燃料は、長い年月をかけて植物や動物の死骸がバクテリアに分解され、圧力や熱で変化したものです。すぐに手に入れられる燃料ではありません。

化石燃料は石油、ガソリンなどの原料になっています。これらは2070年までになくなると言われています。化石燃料の使用量を減らさなければ、私たちの暮らしは困難になっていきます。

プラスチックの製造過程でCO2が排出される

もう一つの問題点は、プラスチックを作る際に発生する二酸化炭素です。プラスチックは世界中で年間920億トン使用され、今後も増えていくと予想されます。

しかし、プラスチックの製造過程では二酸化炭素が大量に発生します。なぜならプラスチックの原料は化石燃料であり、化石燃料を燃やすと二酸化炭素が発生するからです。
私たちの生活に欠かせないプラスチックをつくることで、地球温暖化が促進されます。化石燃料に頼りすぎず、プラスチックの使い方を考えていかなければいけません。

プラスチックゴミのリサイクル

プラスチックは軽くて錆びないという特徴があります。そのため、私たちの生活に欠かせません。しかし、リサイクルされずに廃棄されるプラスチックが多く存在します。

家庭から出た廃プラスチックは、70%が燃やされています。燃焼したエネルギーを使って発電ができますが、同時に二酸化炭素も排出されています。

さらに、ポイ捨てや不法投棄で捨てられたプラスチックは川を流れ、海にたどり着きます。海にたどり着く間に細かくなり、5ミリ以下の大きさになった「マイクロプラスチック」も問題になっています。

マイクロプラスチックを飲み込んだ魚や鳥の目撃情報も多数あります。プラスチックは微生物に分解されないために、生物体内に蓄積されるのです。その結果、プラスチックを飲み込んだ魚を私達も食べる可能性があります。

プラスチックをただ捨てたり、燃やすことは環境に悪影響を及ぼします。プラスチック消費量を減らしていくことが環境改善の一歩です。

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プラスチック問題を解決する方法4選

プラスチック問題として重要視されているのは「地球温暖化への影響」「地球資源への影響」「海洋汚染への影響」です。この問題を解決する方法を説明します。

製造過程を改善する

プラスチックを製造、廃棄する過程で発生する二酸化炭素は「地球温暖化への影響」を与えています。問題改善のために二酸化炭素削減は欠かせません。

上図は、2019年日本の二酸化炭素排出を部門別に分けたグラフです。このグラフの中で「産業」と「工業プロセス」がプラスチックを生産するときに発生する二酸化炭素です。

そのため、製造方法を改善する働きがあります。発生した二酸化炭素を回収し、利用する「CUS」という方法があります。「CUS」とは「Carbon dioxide Capture and Storage」の略称で、発生した二酸化炭素を利用することです。

アメリカでは、二酸化炭素を集め、古い油田に注入することで油田に残った原油を押し出す方法があります。これは原油を得られるだけでなく、二酸化炭素を地中に貯留することで二酸化炭素削減につながっています。

そのほか、石油からではなく廃プラスチックからプラスチックをつくるという方法も進められています。日本は、使用している石油の99% を輸入に頼っているため、石油からプラスチックをつくる割合を減らすことで、二酸化炭素を削減でき、コストを抑えることができます。

リサイクルを意識する

日々、排出されるごみをどれくらい意識してリサイクルに分別していますか。環境省によると2018年の日本のゴミのリサイクル率は19.9%です。

この数字は、他の国と比べるとかなり低いです。ごみのリサイクルは、1人1人が意識していなければできません。

現在日本では、リサイクル率を上げる取り組みが自治体で行われています。神奈川県横浜市では、ごみの分別を積極的に呼びかけ、廃プラスチックの削減に貢献しています。さらに川崎市では、街のゴミ拾いや美化活動に参加し、Twitterで地域の活動をツイートすることで市民へ活動の推進をしています。

このような活動に参加するだけでなく、自宅から出るごみを分別するだけでリサイクル率をあげることに繋がります。ごみを出す前に、今一度分別をしてみませんか。

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バイオマスプラスチック

バイオマスプラスチックとは、植物などのバイオマスを原料とした「バイオマスプラスチック」とバクテリアや菌類に分解される「生分解性プラスチック」の総称です。

「バイオマスプラスチック」は非生分解性といわれ、耐熱性、耐衝撃性に優れているため様々な製品に使用されています。原料はサトウキビやトウモロコシなどを発酵させて抽出したエタノールからつくる方法と、植物の糖や油脂からつくる方法があります。
バイオマスプラスチックは化石資源から作られた従来のプラスチックに比べて、再生可能資源を利用しています。バイオマスプラスチックは燃焼した場合でも、二酸化炭素の排出が従来のプラスチックより抑えられているため、レジ袋やプラスチック容器に用いられます。

「生分解性プラスチック」は、微生物によって分解される性質を持ちます。製造方法はバイオマスプラスチックと同様に、原料を発酵する方法と糖や油脂からつくる方法があります。しかしバイオマスプラスチックと違う点は、バクテリアによって分解され水と二酸化炭素に分解されることです。

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プラスチック代替品

プラスチック代替品の登場がプラスチック削減を後押ししています。

特にストローや食品容器など紙製のものが活躍しています。これらの課題である耐熱性や耐久性は改善されつつあり、プラスチックへの代替がさらに進むことは間違いありません。

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環境に優しいプラスチック製品・プラスチック代替品3選

次に、環境に優しいプラスチック製品・代替品を紹介します。

寒天の緩衝材

プラスチック緩衝材の代わりに寒天が使われています。

緩衝材は荷物を守るのに欠かせません。しかし、そのほとんどがプラスチックでできています。使われたあとはそのまま捨てられてしまうことが多く、プラスチックごみとなってしまいます。そこで開発されたものが寒天の緩衝材です。

海藻を原料にした寒天を使用しているので、海に流れても自然に分解されます。さらに、使い終わった緩衝材の寒天を土に混ぜることで、土の保水力を高める素材として再利用することができます。そして、ボリュームのわりに軽いため使いやすいのも特徴です。

このようなカーボンニュートラル実現のためにプラスチックを減らす働きはさらに広がっています。

バンブーファイバー素材

バンブーファイバー素材とは、その名の通り竹を使用した素材です。竹は、すべての組織が並行に並んでいるため繊維の密度が高く、強度が高い植物です。さらに一日で数十センチ伸びるため素材の供給が安定しています。

バンブーファイバー素材はこの素材は竹の繊維をパウダー状にして、樹脂で固めた素材です。その特徴がプラスチックの一種である合成樹脂と似ているため、代替品として使用されています。

このように、植物を使用したプラスチックを積極的に使うことでカーボンニュートラルに繋がります。

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紙でできた製品

近年、木を原料とする紙製品が石油由来の製品にかわる素材として注目を集めています。

代表的な例が、ストローです。プラスチックの特徴である耐久性と、耐水性の高い紙ストローが開発されています。プラスチックよりも環境への負担が少ないため、紙ストローに切り替えている企業も多くあります。

紙でできたストローだけでなく、フォークやスプーンなども紙素材に切り替えているお店が多くみられます。

個人でできること-プラスチックと向き合いカーボンニュートラルを目指す

つぎに、個人でできるカーボンニュートラルの取り組みを紹介します。

エコバッグを使う

エコバッグの使用はプラスチックごみを出しません。また、使い続けることで二酸化炭素の削減や原油の使用量削減につながります。さらに、レジ袋より耐久性があるため繰り返し使うことができます。

日本では年間940万トンの廃プラスチックが出ています。プラスチックごみが環境に与える影響は大きく、2020年にはレジ袋が有料化されました。

日常的に多く使っているプラスチック製品を削減することができれば、プラスチックごみも減ります。

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ごみの排出を減らす

ごみの排出削減を意識することで、カーボンニュートラルの実現に貢献することができます。

紙やプラスチックなどの資源ごみはリサイクルされますが、そうでない廃棄されるごみは全て焼却されます。そして、それらの焼却時に大量の二酸化炭素が発生します。

ごみを減らす方法として、出来るかぎり物を大切に使い、頻繁に捨てないことを意識することが大切です。日々生活をしていてゴミは発生してしまいますが、購入から消費するまでの廃棄サイクルを緩やかにすることが大事です。

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まとめ

カーボンニュートラルの個人でできる取り組みを紹介しました。

プラスチック製品の代替品を使用したり、プラスチックごみの捨て方に気を付けるだけで意識は変わっていきます。カーボンニュートラルの取り組みはすぐに改善する問題ではありません。持続可能な社会のために、今からできることに取り組んでみませんか。

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