個人でできるカーボンニュートラルの取り組み-今からできる取組3選紹介

#エネルギー#持続可能#環境#脱炭素(カーボンニュートラル) 2023.01.17

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近年、カーボンニュートラルへの取り組みが盛んになり、個人でも取り組んでいる人が増えています。

実際にカーボンニュートラルの取り組みはどのような事を行っているのでしょうか。個人でできる取り組みは何なのでしょうか。

今回は、個人でできるカーボンニュートラルの取り組み、カーボンニュートラルの世界・日本の取り組み事例、カーボンニュートラルの目標について説明していきます。

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【この記事でわかること】

カーボンニュートラルとは

カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする取り組みのことをいいます。

「実質ゼロにする」というのは、二酸化炭素などの温室効果ガスの「排出する量」から、植物や森林が温室効果ガスを「吸収する量」を引くことで、合計して温室効果ガスの排出をゼロにすることです。

2050年までにカーボンニュートラルを達成するために、個人での取り組みも増えています。

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カーボンニュートラルとは?脱炭素との違いや取り組み内容をわかりやすく解説

カーボンニュートラルの必要性|求められる背景

次に、カーボンニュートラルの必要性、求められる背景について説明します。

なぜ取り組むのか

カーボンニュートラルは、2015年に開催された「パリ協定」で制定された目標達成のために必要なことです。

パリ協定では、世界共通の目標として以下が定められました。

  • 世界的な平均気温上昇を工業化以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求すること(2℃目標)
  • 今世紀後半に温室効果ガスの人為的な発生源による排出量と吸収源による除去量との間の均衡を達成すること

つまり、気温上昇を抑えるために、温室効果ガスの排出量と吸収量を実質ゼロにする「2050年カーボンニュートラル」という取り組みが始まりました。

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2050年カーボンニュートラルとは-2050年に設定された理由から取組事例まで解説

カーボンニュートラルに取り組むとどんな良いことがあるのか

カーボンニュートラルに取り組むことでどのようなメリットが得られるでしょうか。

地球温暖化を抑制することができる

「カーボンニュートラル」は、温室効果ガスの排出を実質ゼロにする取り組みです。カーボンニュートラルに取り組むことで温暖化抑制に貢献することができます。

私たちが生活をしている中で、二酸化炭素の排出は常に行われています。省エネや、再生可能エネルギーの活用により、二酸化炭素の排出を抑えることができます。

資源の枯渇を抑えることができる

温室効果ガスの排出量のうち6割を占めているのが二酸化炭素であり、二酸化炭素は石油や石炭を消費することで発生します。

さらに、石油や石炭は長い年月をかけて作られた化石燃料であるため、すぐに作り出すことができず量に限りがあります。このまま石油、石炭を使い続けると残り50年でなくなると言われています。

現在、石油や石炭に代わるエネルギーとして、再生可能エネルギーが注目されています。再生可能エネルギーは、太陽光発電や風力発電、地熱発電などが挙げられます。これらは温室効果ガスを排出しない、国内で生産できるエネルギーです。カーボンニュートラルの取り組みの一環として、再生可能エネルギーを利用する事例も増えています。

以上のことよりカーボンニュートラルに取り組むことで、石油や石炭の消費を抑えることができます。

カーボンニュートラルの目標

つぎに、世界と日本のカーボンニュートラルの目標について説明します。

世界のカーボンニュートラル目標

パリ協定で決定された温室効果ガス削減目標を達成するため、各国で「温室効果ガス削減のための戦略」を閣議決定し、国連に提出しました。

アメリカでは、2030年までの温室効果ガスの排出量を2005年と比べて50%削減することを目標にしています。さらに2050年までに排出量を実質ゼロにすることを掲げています。

同じく、フランス・ドイツ・イタリア・EUが2050年までに実質ゼロを目標にしています。

また、中国やロシアは2060年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロ、インドでは2070年までに実質ゼロを目標にしています。

国・地域 2030年目標 2050ネットゼロ
日本 -46%(2013年度比)(さらに、50%の高みに向け、挑戦を続けていく) 表明済み
オーストラリア -43%(2005年比) 表明済み
フランス・ドイツ・イタリア・EU -55%以上(1990年比) 表明済み
アメリカ -50~-52%(2005年比) 表明済み
イギリス -68%以上 表明済み
中国 (1)CO2排出量のピークを2030年より前にすることを目指す
(2)GDP当たりCO2排出量を-65%以上(2005年比)
CO2排出を2060年までにネットゼロ
ロシア 1990年排出量の70%(-30%) 2060年ネットゼロ
サウジアラビア 2.78億t削減(2019年比) 2060年ネットゼロ
インド GDP当たり排出量を-45%(2005年比) 2070年ネットゼロ

引用:外務省-日本の排出削減目標

日本のカーボンニュートラル目標

2050年にパリ協定で決定された目標を達成するために、日本では2030年には温室効果ガスの排出量を2013年から46%減らす目標を定めています。

この目標は、2021年10月に新しく閣議決定されました。そして、46%削減にとどまらず50%も目指していくことが表明されています。

目標に対して日本は、2014年から温室効果ガスを削減できており、2013年に比べると2019年は温室効果ガスの排出量が14%減少しています。温室効果ガスを削減できた要因は、省エネルギーによるエネルギー消費量の減少や、再生可能エネルギーの導入が増えたことが挙げられます。

現在、2050年までに目標を達成するために、温室効果ガスの排出を抑える政策が増えています。

カーボンニュートラルに取り組んでいる企業3選

つぎは企業が実際に取り組んでいるカーボンニュートラルについて説明します。

三菱重工エンジニアリング株式会社

三菱重工エンジニアリング株式会社では、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、二酸化炭素を回収する「CCUS」の取り組みが行われています。

「CCUS」とは、CO2回収(Carbon dioxide Capture)、転換利用(Utilization)、貯留(Storage)の略称です。CCUSは、発生した二酸化炭素を回収し利用することで二酸化炭素を効率的に削減する方法です。

三菱重工エンジニアリング株式会社は、CCUSの取り組みを行い、二酸化炭素の回収、利用、貯留のシステムの開発にも力を入れています。

阪急電鉄株式会社

阪急電鉄株式会社は、国内で初めてカーボンニュートラルを導入した、「カーボンニュートラル・ステーション」を実現しました。

「カーボンニュートラル・ステーション」は、大阪府摂津市が実施する街づくりに合わせて、新たにつくられた「摂津市駅」に導入されました。

「カーボンニュートラル・ステーション」の取り組みは、7つあります。

①駅の屋根部分に太陽光発電が取り付けられ、駅構内で利用することができる。クリーンな電気を使用して排出される二酸化炭素を削減する。

②駅の照明にLEDを使用することで、消費電力を抑える。

➂ホームや駅の屋根に降る雨水を貯蓄し、駅構内で利用できるトイレの洗浄水に利用する。

④エレベーターのブレーキがかかる時に生み出されるエネルギーを貯め、緊急時に電気を使えるようにしている。

⑤男性トイレに、洗浄時に水を使用しない無水式小便器を導入し、節水をすることで二酸化炭素排出を抑える。

⑥駅務室で使用する給湯器を省エネ型に変更。電気の消費を抑え、二酸化炭素排出を削減。

⑦駅の壁面に植物を植え、発生した二酸化炭素を吸収する。

セコム株式会社

セコム株式会社は、2021年に「温室効果ガス削減目標」を見直し、独自に新たな目標を設定しました。それが「セコムグループ カーボンゼロ2045」です。

この目標は、パリ協定で決定した気温上昇を抑える長期的な目標に対して、2045年に「温室効果ガス排出」を実質ゼロにする目標です。

具体的な取り組みとしては、再生可能エネルギーの導入と、電気自動車を導入することで温室効果ガスの排出を削減します。そして、2030年に2018年に比べて45%の温室効果ガス削減を目標にしています。

セコム株式会社のこうした取り組みは「SBTイニシアチブ」に認定されています。「SBTイニシアチブ」とは、パリ協定における気温上昇を抑える目標に、科学的根拠に基づいたものです。

個人でできるカーボンニュートラルの取り組み3選

続いて、個人でできるカーボンニュートラルの取り組みを紹介します。

節電・節水を意識する

日々の生活の中で、電気やガス、水道の使い方を変えることで節電や節水をすることができます。節電、節水は二酸化炭素排出を削減できます。

節電をするために、エアコンの温度目安を変更しましょう。冷房は28℃、暖房は20℃に設定します。すぐに温度を変更することが難しい場合でも、設定温度から1℃変えるだけでもカーボンニュートラルの取り組みに貢献できます。

そして、冷蔵庫に物をたくさん入れすぎないことでも節電効果があります。食材をたくさん入れることで冷蔵庫内を冷やすためにさらに電力が必要になります。

さらに、カーボンニュートラルの取り組みが広がってきた現在では、環境に優しい電気が使える電気料金プランもあります。太陽光発電や風力発電など、再生可能エネルギーを利用した発電方法はカーボンニュートラルの取り組みになります。

マイバッグを持参

最近レジ袋が有料化したことはたくさんの方が知っていると思います。たかがレジ袋で、と思いがちですがレジ袋の原料は石油なので、製造の段階で二酸化炭素が排出されます。

レジ袋一枚当たりに必要な原油は18.3mlです。これは一枚で0.01322㎏の二酸化炭素が排出されていることになります。

数字で見るとそこまで多くない量ですが、1日1枚レジ袋を利用すると年間で4㎏の二酸化炭素が排出されています。つまり、レジ袋の代わりにエコバッグを使うことで、年間4㎏の二酸化炭素排出を抑えることができます。

レジ袋1枚で少ししか変わりませんが、小さな買い物で積み重なっていく二酸化炭素の量は膨大です。エコバッグに変えるという行動が二酸化炭素の排出削減につながります。

FSCマークの商品を選ぶ

FSCとは、森林管理協議会(Forest Stewardship Council)の略称であり、FSCマークは森林保護を目的としたマークです。

FSCマークを得るには、10の原則と70の基準を守らなければいけません。「適切に管理された森林の木々を利用して、基準を満たした企業が加工・流通をしている」と認められたマークです。

大量に森林を伐採すると、二酸化炭素は増え続けてしまいます。中には違法で伐採された森林もあります。このような問題を解決するためにFSCマークはつくられました。

実際にFSCマークの商品は紙袋や紙パック、商品ラベルに利用されています。FSCマークの付いた紙袋は、百貨店やスターバックス、ユニクロなど多くの企業で取り入れられています。

FSCマークの商品を選ぶということは、自然に配慮し、カーボンニュートラルに貢献することに繋がります。

まとめ

カーボンニュートラルの個人でできる取り組みを紹介しました。

目標達成のために世界中で様々な取り組みが行われ、温室効果ガスの排出が減ってきています。温室効果ガスをすぐにゼロにすることはできません。今から、個人でできることに取り組んでみましょう。

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