【更新日:2022年8月2日 by さわちゃん】
最近、特に問題となっている海のプラスチックゴミはSDGsと深い関係性があることをご存じですか。
プラスチックゴミ問題はSDGs目標14「海の豊かさを守ろう」と関係しており、プラスチックゴミ問題を解決することは海洋汚染を改善することに繋がります。
そこで今回は、SDGsとゴミ問題、関係性からゴミを減らすための4つの解決策を紹介します。
▼SDGsについて詳しくはこちら
見出し
SDGsとゴミ問題の関係性
ゴミ問題とは
ゴミ問題とは、日常生活や経済活動、災害などに伴い発生したゴミ、廃棄物に関する問題のことを指します。
不法投棄などによる環境汚染や健康被害だけでなく、適切な処理をする場合でも、ごみの発生に焼却や最終処分場での埋め立てが追い付かなかったり、ごみの搬入や収集・処理施設の新増設に地元側が反対したりする場合もあり、ゴミ問題は深刻化しています。
では、その中でも世界で特に問題視されているゴミ問題を見ていきます。
参考:【ゴミ問題とは】日本・世界の現状から取り組みまでわかりやすく解説
ゴミ問題と関係のあるSDGsの目標
ゴミ問題とSDGsの目標ではどの番号がかかわりが深いのでしょうか。一番深く関係するのは、SDGs ゴール12の「つくる責任・つかう責任」です。ゴミ問題とどこが関係するかというと、廃棄物処理です。
わたしたちが生活していくうえで、ものは消費され、いずれは廃棄物になってしまいます。
しかし、むやみやらと資源を消費すれば、それだけたくさんの廃棄物が生まれて、有限である資源はいつか枯渇してしまう事になります。
将来的に持続可能な社会を維持していくためには、資源消費や廃棄物の発生を抑制し、環境を考えた適切な廃棄物処理が必要不可欠です。わたしたちにできることをしていきましょう。
SDGsとゴミ問題の現状とは
海洋を汚染するプラスチックゴミ問題
まずはプラスチックゴミの問題です。
代表的な弊害では、海に漂流していたプラスチックゴミを海洋生物たちが餌と勘違いして食べてしまい、死んでしまうというものがあります。
ウミガメの鼻にプラスチックのストローが刺さってしまっている写真が大規模にニュースに取り上げられるなど、この問題は世界全体が注目しているものです。
この問題は、海や川の付近でペットボトルやビニール袋などのプラスチック製品をポイ捨てしまうことで発生します。
ペットボトルを代表とするプラスチック製品は、ほかの物質よりも分解されにくいという性質を持っています。
下の図からも分かるように、ペットボトルが完全に分解されるまでには400年もの月日が必要なことが分かっています。
そのため、1度のポイ捨てが海の生態系を長い間にわたり、壊し続ける原因になるのです。
また、プラスチックにはマイクロプラスチックという種類のものがあり、これが海洋を汚染している直接的な原因とも言われています。
マイクロプラスチックとは、5㎜以下の微細なプラスチック粒子のことを指します。とても小さい粒なので、海洋生物が食べてしまうプラスチックのほとんどがこれにあたります。
このようにわたしたちの生活になくてはならないプラスチックにはここまで自然に影響してるのです。
▼海のゴミ問題について詳しくはこちら
SDGs目標14「海の豊さを守ろう」とは?現状や日本と世界の取り組み・個人でできることを紹介
ゴミ処理場の不足問題
現在、最も深刻とされているのは、ゴミを埋める場所が不足しているということです。
ゴミにもさまざまな種類がありますが、まず家庭から排出される粗大ゴミや不燃ゴミは粉々にしたあとに、鉄やアルミなどが回収されます。
回収したあと、残ったものを「不燃破砕残渣(ふねんはさいざんさ)」と呼びます。また、ゴミが燃えた後に燃え残った灰(焼却灰)と発生した排ガスが冷えたときに発生する灰(飛灰)を「焼却残渣」と呼んでいます。
これを最終処分場に埋めるのですが、その最終処分場にも限りがあります。
2020年に発表された最終処分場の残余年数は、約22年といわれています。
このままいくと22年後には、ゴミを埋める場所がなくなってしまい、街中にゴミがあふれかえってしまうかもしれません。
このままゴミが増えることで起きる2つの問題
地球温暖化の加速
皆さんの家庭や職場で出たゴミはゴミ回収業者に集められ、ゴミ集積場に行きます。
ゴミ集積場でおこなわれるゴミの処理は、焼却処分が一般的となっており多くのエネルギーや二酸化炭素が発生します。
二酸化炭素が多く排出されることによって、地球温暖化の原因となります。
▼関連記事
《徹底解説》SDGsと地球温暖化 現状から取り組みまでを網羅
温室効果ガスのメタンによる地球温暖化への影響-発生源から削減方法を徹底解説 | SDGs CONNECT
マイクロプラスチックによる海洋汚染
プラスチックゴミの不法投棄によって、マイクロプラスチックによる海洋汚染の問題が深刻になっています。
マイクロプラスチックとは海や川に流れ込んだプラスチックが小さく砕かれ小さなかけらになります。
この小さなかけらが魚の体内から発見されることが問題視されており、最終的に私たち人体に影響を及ぼすのではないかといわれています。
▼関連記事
SDGs目標14「海の豊さを守ろう」とは?現状や日本と世界の取り組み・個人でできることを紹介
《必見》プラスチック問題とは?|現状や事例、SDGsとの関係まで解説
SDGsのゴミ問題の3つの原因
食品ロスから発生するゴミ
食品ロスが大きな問題になっています。現在は、24時間で利用できるコンビニや夜遅くまで営業している飲食店などが増えてきており、常に食品を揃えていないといけません。
しかし、食品には期限があるため廃棄をする商品が出てきます。
日本には現在、多くのコンビニがあることからその廃棄食品が問題視されています。
コンビニではその対策として期限が近い商品には割引をするといった「エコ割」という取り組みがおこなわれています。ぜひ商品をコンビニを利用する際は、「エコ割」されている商品を購入することを検討してみてください。
▼関連記事
食品ロスが問題である3つの理由-原因から食品ロスを減らすための対策を紹介 | SDGs CONNECT
過剰包装
日本は昔から他人への贈答品に綺麗な包装をする文化があります。
これは送り主に対しての尊敬や日頃の感謝などが込められているので、一概にダメとは言えませんが、この包装が非常に資源の無駄ではないかということがいわれています。
もちろん文化を大切にすることも重要ですが、今一度他人への贈り物をする際の包装について考えてみてください。
使い捨て商品の増加
近年、安価で便利な商品がたくさん売られています。しかし、そういったものは安価であるがゆえに耐久性に不安があります。壊れたとしても安価であるため購入が容易であるので、すぐに買い替えることができてしまいます。
ひとつのものを大事に扱うということを今一度実践してみてください。
SDGsゴミ問題の解決策6選
日本の取り組みリサイクル
日本政府がゴミの削減のためにリサイクルに取り組んでいます。
日本で推進されるリサイクルについて紹介します。
3R「Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)」
3Rとは「Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)」の頭文字を取った言葉で、限りある資源の採取を抑えて環境負荷を減らした循環型社会を実現するための標語です。
プラスチックなどは捨ててしまえばただのごみとなり、環境に甚大な影響を及ぼします。しかし、分別し再利用すれば資源にもなります。この3Rはどれもプラスチックごみを出さないための工夫であり、これを意識することで海洋プラスチックごみ削減にもつながります。
この3つの行動はどれもちょっとしたことでできるものもあるので試してみてください。
具体例は以下の通りです。
「Reduce(リデュース)」
マイバックを持って買い物に行くことにする
詰め替え用製品や簡易包装の製品を選択する
使用頻度の少ないものは、レンタルやシェアリングシステムを利用する
「Reuse(リユース)」
リターナブル容器に入った製品を選択し、容器をリユース回収に出す
フリーマーケットアプリなどを活用し不用品の再利用に努める
「Recycle(リサイクル)」
リサイクル製品を積極的に利用する
資源ごみの効率的な分別回収を積極的に行う
個別リサイクル法
各家庭、個人がリサイクルに取り組んでいくことを定めた法律です。
それぞれ、
家電・食品・建設・自動車・小型家電と種類ごとにそれぞれの決まりが設けられています。
家電リサイクル法
家庭などで不要になったテレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機などを廃棄する際には、消費者・小売業者・製造業者の役割分担を明確にし、廃棄物の減量化やリサイクルを促進するものです。
消費者は処分する際に費用がかかります。
食品リサイクル法
廃棄される食品の発生抑制と減量化をすることで最終処分量を減少させるとともに、肥料などとしてリサイクルを図ることを目的としたものです。
事業者は食品を廃棄する際に注意しなければならない法令です。
建設リサイクル法
建築物などの解体に伴い、排出される特定建設資材の分別およびリサイクルを促進することを目的としたものです。
自動車リサイクル法
廃車となる自動車のリサイクル・適正処理をおこなうための新しいリサイクルシステムの構築を図るものです。
たいていは業者に処理を依頼することのほうが多く、その処分の費用や税金に関しては販売の際に徴収されていることが多くなっています。
小型家電リサイクル法
携帯電話、スマホ、ゲーム機などの小型電子機器の再資源化を促進する法律です。
これらも一般のごみと一緒に廃棄することはできません。
企業のゴミ問題への取り組み3選
①スターバックス
スターバックスはアメリカのシアトルに本拠を置くコーヒーチェーンです。スターバックスが取り組んでいるのは、プラスチックゴミの削減です。2018年7月にスターバックスはプラスチック製ストローの使用について、2020年までに世界中の店舗で廃止することを発表しました。これは、微細なプラスチックごみによる環境汚染が問題となっていることを受けた対策になっています。
紙のストローはコストが高かったり、結局プラスチックのフタをつかっているという批判の声はありますが、、スターバックスのようなグローバル企業がプラスチックを廃止したり、再生可能素材に代替する動きが広まっていることは、より多くの人が取り組みに注目し、自然とゴミ問題に取り組む良いきっかけとなります。
②ウォルト・ディズニー・カンパニー
テーマパークやテレビ放送など、さまざまな分野で事業を展開する、ウォルトディズニーカンパニーもプラスチックゴミの削減に積極的な企業の1つです。
2018年の7月には、同社の施設で使用している使い捨てプラスチック製ストローとマドラーについて、2019年までに全世界で廃止することを発表しました。これによって、ディズニーは年間でプラスチック製ストローを1億7500万本、プラスチック製マドラー1300万本削減できるとしています。
③H&M
「H&M(エイチ・アンド・エム)」はスウェーデンに本拠地を置く、アパレルメーカー「エイチ・アンド・エムへネス・アンド・マウリッツ」が展開するファッションブランドです。
世界中に店舗を持っている、いわゆる「ファストファッション」の代表格として知られています。日本での事業展開は、「エイチ・アンド・エム ヘネス・アンド・マウリッツ・ジャパン株式会社(H&Mジャパン)」が担っています。
H&Mもプラスチックゴミの削減に積極的な企業の一つです。2018年12月からプラスチック製のショッピングバッグを紙製に変更するとともに、有料化する取り組みを始めました。ショッピングの売上から生産コストを除いた余剰金は、NGOの「WWFジャパン」へ寄附され、日本周辺の海洋プラスチックゴミ汚染に対する取り組みに充てられています。
子供向けの取り組み
ひとつのものを長く大切に使う
子どもたちは小さいころ多くのおもちゃで遊ぶ機会やたくさんの文房具で勉強をする機会が多いと思います。
それらを大事に扱い、長く使うことが子どもたちにできる取り組みの一つです。
子どもたちが新しくきれいなものを使いたくなる気持ちはとても分かりますが、ひとつのものを大事に扱うことの大事さを教えるのも大事だと思うので、ぜひ試してみてください。
ボランティアへの参加
子どもたちは座学で教えるよりも身体をつかって動きながら教えたほうが関心を持つことが多いです。
そこで環境問題やゴミ問題に関してはボランティアに参加することをおすすめします。
現在、各地でゴミのポイ捨てや不法投棄が問題視されています。それらの放棄をそのままにせず環境への負荷を軽減するため、ゴミ拾いのボランティアが開催されています。ぜひ、積極的に参加してみてください。
▼関連記事
SDGs達成のために私たちにできることとは?|誰でも簡単にできるSDGs活動をご紹介
私たちにできる取り組み
私たちにできる取り組みは、ゴミを出さないことです。
そのためにできるのは、買い物時にマイバックを持参することです。
買い物をするときにプラスチックの袋を購入して使用するのではなく、マイバックを持参することで、少しでもプラスチックの使用量を削減できます。
小さな取り組みですが、積み重ねることで大きな効果をもたらします。ぜひ、試してみてください。
▼関連記事
《必見》SDGsとエコバッグの関係性|レジ袋有料化の背景とおすすめのエコバッグ
最後に
今回はゴミ問題について紹介させていただきました。
ゴミ問題として注目を集めるのはやはり海洋プラスチックの問題ですが、そのほかにも近い将来絶対に向き合わなければならない問題も出てきています。
ゴミの分別を一人ひとりが心掛けるのは当たり前ですが、それ以上に環境に優しい素材などの普及していってほしいです。