【更新日:2023年4月22日 by 大竹礼二】
「SDGs検定」というものをご存じでしょうか。
SDGsへの関心や取り組みが広がるにつれて、認知度も高まりSDGsの重要性が増しています。しかし、正しい知識を持っている人は少なく、取り組みも日本全体では広がっていません。
そんな中、SDGs検定を取得しようとSDGsの勉強を始める人もいます。
今回はSDGs検定について紹介、受験のメリットや、過去問、SDGsの関連検定を紹介します。
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【この記事でわかること】 |
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SDGs検定とは
「SDGs検定」とは、「一般社団法人SDGs推進士業協会」が主催している検定です。SDGs推進士業協会は理念として「士業の力を集結し、持続可能な世界を実現」を掲げ、『士業の力を結集し、持続可能な世界を実現する』という使命のもと、SDGsが掲げる目標に貢献しています。
「SDGs検定」はSDGsの普及促進を目的に、SDGsの基本的な理解から世界で起こっている課題やその取り組みに関する幅広い知識の習得を目指しています。
2019年に創設されたSDGs検定ですが、合格率は年々上昇傾向にあります。
2021年6月に実施された検定の合格率26%に対して、2020年の合格率は35%とのことです。
過去問が出回っており、SDGsの認知度も上がっていることからこのような結果になっていることが推測されます。
また、SDGs検定を受験している人は会社員が一番多いという調査もあります。
【2023年版】第11回SDGs検定の概要
試験日時 | 2023年3月5日(日)一斉開催 |
試験時間 | 10:30~12:00 |
受験会場 | WEB上での検定試験になります |
登録期間 | 2023年3月3日(金)PM12:00 まで |
受験費用 | 5,500円(税込) |
申込定数 | 人数制限無し |
受験資格 | 学歴・年齢・性別・国籍による制限は一切ありません |
問題数 | マークシート50問 |
合格水準 | 100点満点中70点 |
合格通知 | 後日登録メールに合格証とともに配信します。採点後については、合格・不合格の結果のみ通知し、不合格だった受検者には、AからDの区分を通知いたします |
現時点で第12回の開催は未定です。
年3回開催されているので今後の情報をチェックしましょう。
SDGs検定を受ける5つのメリット
SDGsに取り組むことによるメリットを理解されている方は多くいることかと思います。
では、SDGs検定を受けるメリットとはいったい何でしょうか。
ここでは4つのメリットについて紹介します。
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メリット1-現代社会に詳しくなれる
SDGs検定の出題範囲は、SDGsに関する問題だけでなく、SDGsにまつわる世界の課題など多岐にわたるため、現代社会に詳しくなれるというメリットがあります。
この検定を受験することで、SDGsそのものの理解が深まることはもちろんのこと、現在の世界情勢の理解は必須なので、ESG投資、パリ協定などを背景とした企業の環境や社会への責任など横断的な知識を身につけることができます。
メリット2-仕事の幅が広がる
SDGs検定を所有していることで新しいプロジェクトの中心になれる可能性があるのはもちろんのこと、サスティナブル部署のような部署に異動できる可能性も出てきます。
企業の中では今後の活動やサービスの展開のためにSDGsの推進を進める部署を新たに立ち上げる動きを見せているところも多く、まだ実務家の有識者が少ない分野なので、先行者優位を掴める可能性は大いにあります。
メリット3-社外での活動の幅が広がる
SDGs経営の浸透率はまだ日本で高くないため、企業の枠を超えたセミナーやワークショップなどでの交流が多く行われています。
SDGsという共通の話題を持つことで、普段なら関わることない社外の方々、特に異業種との交流のチャンスをもてます。
しかし、SDGsに取り組んでいてもその実態が伴っていないという企業事例が散見されるようになっています。これが「SDGsウォッシュ」といわれ問題視されています。
社外で活動した際にSDGsウォッシュと見なされないためにも、SDGs検定を保持することは非常に重視されるポイントになるでしょう。
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メリット4-就職活動で有利になる
今後SDGsに取り組みたいと考える企業が多い日本では、就職活動または転職活動の際にSDGsについての詳しさをアピールできるSDGs検定は非常に強力な武器になります。
また近年では資格の欄に記入できるだけでなく、エントリーシートの設問としてSDGsに関する知識が問われるものがあったり、面接でSDGsに関する考え方を問われることも少なくないため、SDGsに関する知識を付けることは大きなアドバンテージに繋がります。
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メリット5-新しいアイデアが生まれる
現在、SDGsに取り組んでいる企業やSDGsを取り入れたいと思っている企業は多くあります。日本でSDGsの取り組み事業もあり、SDGsに関連したアイデアや取り組みを提案することができます。
SDGs検定を持っていることで知識が増え、企業内でも環境に配慮したアイデアを提案することができます。
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SDGs検定の受験対策3選
では実際にSDGs検定を受ける際の対策方法を3つ紹介していきます。
SDGs検定の試験範囲を把握する
SDGs検定の問題の構成としては、基礎問題60%、応用40%程度となっています。
SDGs検定の出題範囲は予め掲載されています。
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全問マークシート問題ですが、5択の問題が多く、ボリュームが多いのが特徴です。
またマークシートの回答数は50個ですが、問題数は50個ではなく、1問に対して回答が2個以上のものも複数あるため、しっかりとした理解が必要です。
SDGs検定の出題例を解いてみる
こちらのサイトではSDGs検定の過去問が掲載されています。
実際の試験を受ける前に、試しに過去問を解いてみてみると、感覚を掴め、対策がしやすくなるでしょう。
以下に例題を1問掲載しているので、興味のある方はぜひ解いてみてください。
以下の文章は、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の一節です。【 】にあてはまる最も適切な語句を選んでください。
今日我々が発表する17の持続可能な開発のための目標(SDGs)と、169 のターゲットは、この新しく普遍的なアジェンダの規模と野心を示している。これらの目標とターゲットは、ミレニアム開発目標(MDGs)を基にして、ミレニアム開発目標が達成できなかったものを全うすることを目指すものである。これらは、すべての人々の人権を実現し、【 】を達成することを目指す。これらの目標及びターゲットは、統合され不可分のものであり、持続可能な開発の三側面、すなわち経済、社会及び環境の三側面を調和させるものである。これらの目標及びターゲットは、人類及び地球にとり極めて重要な分野で、向こう15年間にわたり、行動を促進するものになろう。 |
解答は以下の選択肢から
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正解:3.ジェンダー平等とすべての女性と女児の能力強化
SDGs検定の過去問の紹介
SDGs検定の過去問を紹介します。
SDGs検定は比較的新しい検定のため、過去問は少なくしっかり対策をするのは難しいです。
しかし、出題方法と傾向を知ることはできます。検定ではSDGsに関する幅広い知識が必要です。試験前にどのような問題が出るのか知っておくことも大事です。
▼SDGs検定の過去問はこちら
SDGs検定過去問
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SDGs検定合格のために参考書(テキスト)を読む
SDGs検定では、SDGsに関するさまざまな問題が出題されます。
知識をつけるためにも、SDGsの参考書やテキストを読むことは非常に有効です。
以下3つの本はSDGs推進士業協会が公式に推奨している参考書になります。
タイトル | 著者 | 出版社 | 購入リンク |
『SDGsビジネス戦略 企業と社会が共発展を遂げるための指南書』 | ピーターD.ピーダーセン、竹林征雄 | 日刊工業新聞社 | SDGsビジネス戦略-企業と社会が共発展を遂げるための指南書- 単行本 – 2019/3/1 |
『SDGs(持続可能な開発目標)』 | 蟹江宣史 | 中公新書 | SDGs(持続可能な開発目標) (中公新書) | 蟹江 憲史 |本 | 通販 | Amazon |
『未来を変える目標SDGsアイデアブック』 | 一般社団法人Think the Earth | 一般社団法人Think the Earth | 未来を変える目標 SDGsアイデアブック 単行本 – 2018/5/8 |
このほかにもSDGsに関連する書籍というのは多数存在します。
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SDGsマイスター検定
SDGsマイスター検定はSDGsの基礎から応用、SDGs経営や世界の動きまでを3級から1級まで段階的に網羅して学べる検定です。
特徴は、日本で初めてSDGsの問題集を採用した検定である点です。
SDGsマイスター検定では、問題集に沿って問題が出題されます。
検定名 | SDGsマイスター検定1~3級 |
監修 | 一般社団法人全国専門能力検定協会 |
料金 | 1級:100,000円(税込) 2級:15,000円(税込) 3級:10,000円(税込) |
内容 | 1級:SDGs17のゴール、169のターゲットから様々なSDGsの取組事例を学び、経済等にいかす。
2級:SDGsの17ゴール、169の具体的なターゲットについて学び、更にSDGsの基礎的な理解を深める。 3級:SDGs誕生の時代背景からSDGsの17のゴールより基本的な知識が得られる。 |
テスト形態 | 1級:レポート(記述)形式 2級:選択形式 3級:選択形式 |
テスト合格後付与されるもの | SDGsマイスター検定各級電子認定証 SDGsバッジ |
SDGs@ビジネス検定講座
SDGs@ビジネス検定は、環境・社会・経済の観点から今の地球の状況を広く知ってもらい、「SDGsの基礎的な知識を持っている」ことを示す知力検定です。
特徴としては、開講されているSDGsの講座を受講し、その内容に即した問題が検定で出題される点です。
検定名 | SDGs@ビジネス検定講座 |
監修 | 一般社団法人SDGs活動支援センター(SACS) |
料金 | 3,300円(税込) |
問題集 料金 | 3,300円(税込) |
内容 | この講座では、SDGsの総論としての基本的なコンセプトに加えて、17のゴール一つひとつについてファクトデータを示すとともに、 要点を解説し、SDGsについての基礎知識を学びます。SDGsの経済・社会・環境の3側面をバランスよく学び、全体的視野にたった方向性を見出せるビジネスセンスを養うことにも役立ちます。 |
学習期間 | 6ヶ月 |
テスト合格後付与されるもの | 合格証 |
SDGs大学カタリスト認定講座
SDGs大学カタリスト認定講座とは 、SDGsを初めて学ぶ方向けの講座です。
この講座の特徴は、3時間の講座で終わるだけでなく長期的にSDGsを学習できる点です。
例えば、SDGs大学プラットフォームでカタリストの活動報告を通じた継続学習や、カタリスト資格の上位資格の「一般社団法人SDGs大学認定アドバイザー資格講座」の設置など、さまざまなプログラムが用意されています。
検定名 | SDGs大学カタリスト認定講座 |
監修 | 一般社団法人SDGs大学 |
料金 | 8,800円(税込) |
問題集 料金 | 3,850円(税込) ※検定は問題集の内容に沿って行いますが、問題集の購入は必須ではありません。 |
内容 | ・SDGsって何ですか?17の目標
・SDGsにいたる歴史背景 ・MDGsからSDGsへ ・5つのP ・「社会」「経済」「環境」 ・サステナブルな社会 ・エシカル消費 |
講座時間 | 約3時間 |
テスト合格後付与されるもの | カタリスト認定証 |
おすすめのSDGs関連検定3選
近年CSRなどをはじめとした、SDGsに似た分野の検定も増加しています。
ここではSDGsに関連した内容の検定を3つ紹介します。
CSR検定
現在日本では、社会やビジネスにおいてグローバル化が起こっています。
CSR検定は、そのような激動する国際社会の中で、多くの企業や組織が持続可能になるための検定となっています。
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eco検定
環境社会検定試験(eco検定)®では、「多様化・複雑化する環境問題を幅広く体系的に学べる」「SDGsを理解するための環境基本知識が学べる」「環境教育の入門編として、多様な業種・職種の方々が受験している」というような特徴があります。
現在では株式会社セブン&アイ・ホールディングスなどをはじめ、多くの企業で推進されています。
環境再生医資格認定
環境再生医とは、自然環境保全や再生活動において、自身の専門性と自然環境に関する知識を基礎に、地域住民や行政・教育機関・企業・専門家などとの協働を推進できる人材です。
この資格には、初級・中級・上級があり、「書類審査」「公式テキスト試験」「講習試験」「プレゼンテーション試験」「レポート試験」が課されています。
これまでの認定者の中には、大学や専門学校にて環境系授業や講義の講師として活躍している人や、NPOや市民団体の代表やスタッフとして活躍している人もいることから、非常に実践的な認定資格であると言えます。
SDGs検定合格に必要な勉強時間
SDGs検定合格に必要な時間はどれくらいなのでしょうか。
検定に合格した人はおよそ40時間ほど勉強しています。少なくとも30時間、多めに50時間は確保しておくと良いです。
勉強時間の理由としてSDGs検定では、大きく分けて以下の項目から出題されます。
①SDGsとは
②SDGs採択までの歴史や現在の動向 ➂SDGsの内容(17のゴールや169のターゲット) ④世界の課題を知る ⑤世界の貧困・福祉などの課題と17のゴール ⑥誰がSDGsに取り組むのか ⑦SDGsの応用力を試す問題 ⑧SDGsに関する時事問題 |
さらに、合格率は30%と低めです。その理由として、試験時間が90分に対して問題量が多いことがあります。
SDGs検定は比較的新しい検定のため、過去問も少なく時事問題も含まれるため、試験範囲は膨大です。
SDGs検定の過去問は、公式サイトが一部公開している問題以外ありません。時事問題も含め、参考書を使って勉強していくのが良いでしょう。
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まとめ
今回はSDGs検定について紹介しました。
SDGsの知識をつけることは今後の社会において必ずみなさんの強みになってくることだと思います。
これを期にSDGsについて深く勉強し、SDGs検定を取得してみるのもいいかもしれません。