7つの要点で理解するSDGsの歴史|SDGsの今までとこれから

#SDGs目標17 2021.07.26

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近頃、メディアで見かけることが多くなったSDGsですが、何を目的に、いつ生まれたのか、その歴史を知る人は多くありません。

SDGsのルーツを知ることによってよりSDGsを身近な存在になること間違いなし!SDGsが生まれた背景や、その歴史について徹底的に解説します。

SDGsの歴史 要点① 1972年: 「成長の限界」への気づき

1972年、世界中の有識者を集めて設立された「ローマクラブ」は「成長の限界」という研究報告書を発表しました。この論文の中で彼らは世界に向けて、「このまま人口増加や環境汚染などの傾向が続けば、資源の枯渇や環境の悪化により、100年以内に地球上の成長が限界に達する。」と警告しています。

警鐘が鳴らされていたのは、成長の限界が発表された1970年代、第二次世界大戦後の世界では各国が金銭的・物理的な「豊かさ」を求めて自国の繁栄や成長を第一に考えていタコとが大きく関係しています。

その結果、公害問題の発生や当然のように利用してきた資源の有限性が明らかになり、「成長の限界」をきっかけにそれらが世界中でより意識されるようになりました。

SDGsの歴史 要点② 1980年代: 「持続可能性」の概念が登場

1980年に国際自然保護連合(IUCN)が国連環境計画(UNEP)の委託により、世界自然基金(WWF)などの協力を得て作成した地球環境保全と自然保護の指針を示した「世界自然資源保全戦略」の中で、初めて公式に「持続可能性」という概念が登場しました。

また、1984年国連に設置された「環境と開発に関する世界委員会」において定められた「ブルントラント・レポート:我ら共有の未来」の中でSDGsのルーツといえる「持続可能な開発」の概念が打ち出されました。

当時の「持続可能性」という概念において、環境保全と経済成長は対立するものではなく、両立し互いに助け合うものとされていました。なぜなら、経済成長によって新しい技術が生まれれば省エネルギーの商品や環境保全に向けた投資を増やせるからです。

ここで問題になっていたのが、対象となる社会ごとに重要な要素が異なっていたことです。
例えば、世界全体を対象とする場合には主に開発途上国の貧困や世界中で起きている環境問題が重要なテーマになります。一方で、先進国をターゲットにした場合にはさらなる発展よりも今までに達成された豊かな現状を維持することの方が重要になってきます。

このように、1980年代のSDGsの前身であった概念にはSDGsのように徹底的に網羅されたターゲットがなかったことが分かります。また、同時にターゲットを詳しく定める大切さが浮き彫りになったといっても過言ではありません。

SDGsの歴史 要点③ 1989年: 経済のグローバル化が地球環境問題への危機感に

1989年11月に起きたベルリンの壁の崩壊による冷戦の終結をきっかけに、大きくグローバル化が進み、世界全体が大きく平和へと歩みだしました。これにより、指導者層の中では環境問題の解決が注目されるようになりました。

冷戦によりソ連が解体され、社会主義圏は敗退。世界では民主化や市場経済に向かいました。同時に、資本主義経済も急激に発展を続けることになります。

現在まで経済の発展を支えてきた資本主義ですが、先進国のコストを開発途上国に転嫁したり、環境問題を後回しにして、経済の発展ばかりを優先するなど、「経済発展」があり気になっていました。

この頃からの資本主義経済の急激な発展は、現在に続く多くの社会問題の火種となっているとも言えるでしょう。

SDGsの歴史 要点④ 1992年: 歴史的転換点に

1992年の「地球サミット」において持続可能な成長という概念は転機を迎えます。

そもそも、「地球サミット」とは人類共通の課題である地球環境の保全と持続可能な開発の実現のための具体的な方策を得ることを目的としてブラジルのリオ・デ・ジャネイロで1992年に開催された世界規模の環境問題と開発に関する会議です。

この会議には、国際連合に加入している約180の国が参加し歴史に残る会議となりました。
この会議においては、持続可能な開発に関する国際的な取り組み計画である「アジェンダ21」が採決されました。アジェンダ21は第1部「社会的/経済的側面」、第2部「開発資源の保全と管理」、第3部「NGO、地方政府など主たるグループの役割の強化」、第4部「財源/技術などの実施手段」といった4部で構成されており環境問題から人権問題まで幅広い分野をカバーしています。

これにより、持続可能な成長実現への道のりが可視化され、多くの国がその概念を理解し実行することにつながりました。

SDGsの歴史 要点⑤ 1997年「京都議定書」地球温暖化への世界的な協調の取組

1997年には地球温暖化をメインテーマとした国連気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)が京都で開催され、参加国に対して温室効果ガスの排出量削減が義務付けられました。この提言は、開催された京都にちなんで「京都議定書」と呼ばれています。

京都議定書では具体的に「温室効果ガスを2008年から2012年の間に、1990年比で約5%削減すること」が各国に要求され、これに加えて国ごとにも削減目標が定められました。
その結果、2008年から2012年の間に日本は6%、アメリカ合衆国は7%の温室効果ガス排出量削減に成功しました。

このように京都議定書で約束された条約により、先進国は定められた2008年から2012年の期間に一定量の温室効果ガス削減に成功しました。

しかし、京都議定書には発展途上国に対する削減義務は示されていません。なぜなら、気候変動枠組条約の「歴史的に排出してきた責任のある先進国が、最初に削減対策を行うべきである」という合意に基づいており、あくまでも主に温暖化を深刻化させた先進国が率先して解決に協力するべきであるというスタンスであるためです。

これが原因で、日本は第2約束期間にあたる2013年から2020年には不参加でした。
先進国が地球温暖化を深刻化させたのは事実ですが、国によって削減すべき量が違うのは物議をかます点になりかねません。国同士が寛容になることが求められています。

(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議の様子)

SDGsの歴史 要点⑥ 2000年「MDGs」開発途上国の課題解決を目指す

まず、MDGsとは「Millennium Development Goals」の略で、2000年にニューヨークで開催された国連ミレニアム・サミットで採択された「国連ミレニアム宣言」を基にまとめられたSDGsの前身となった目標です。

(画像)https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/doukou/mdgs.html (ロゴは「特定非営利活動法人 ほっとけない 世界のまずしさ」が作成したもの)

MDGsは、合計8つのゴールと21のターゲットから構成されており、2015年までの達成目標でした。文言は異なりますが、SDGs17 の目標の中にはこれら全てが含まれています。

主に、人間開発と貧困撲滅をテーマとして平和と安全、開発と貧困、環境、人権、弱者の保護などの課題に対しての国連がとるべき姿勢について明記されています。

MDGsの誕生によって、それまでバラバラだった社会課題や方策が1つの目標としてまとまったと同時に世界中が1つの目標に対して団結する基盤ができました。

一方で、MDGsは開発途上国に対する(先進国の目線での)目標であり、世界的なムーブメントまでには至らず、ほとんどの目標が達成されないまま、2015年を迎える結果になりました。

SDGsの歴史 要点⑦ 2015年「誰ひとり取り残さない」世界の実現を目指して

2015年国連サミットで「2030アジェンダ」とともに決議されたのがSDGs(持続可能な開発目標)です。このサミットで、SDGsは国際連合加盟国の全会一致の元、決議されました。

とはいってもSDGsは、この国連サミットのみで議論されたものではありません。実はSDGsが「SDGs」として現在の形になるまでには2年の月日がかかっています。その間に国際機関だけではなく、世界中の企業やNGOといった数多くの人々が議論を重ねて「やっと17の目標に収まった」という状況なのです。

特に「誰ひとり取り残さない」というSDGsのコンセプトは英語でいうと「leave no one behind」となり、一人も残さない、発展途上国のみではなく先進国自体も取り組むべきユニバーサルなものであるということが強く表されています。

この定義に乗っ取り、話し合いが進んだため長い年月が必要であったと言われています。

おわりに

ここまで1972年から始まったSDGsの歴史について追ってきました。個人的には、自分が生まれる前から世界中の人々が環境問題や社会問題に大きく注目を集めていたことを誇りに思います。SDGsをこれまでにないくらい、世界中の人々が共通認識するべき目標として広く伝えるためには私たち一人ひとりが「自分ごと」として捉え、尽力することが求められます。

この記事で得た知識を少しでも誰かに教えたり、皆さんがSDGsを身近に感じることが持続可能な社会への近道ではないでしょうか。

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