【事例紹介】SDGs目標9の世界の取り組み|世界の取り組み9選を徹底解説

#SDGs目標9#技術#持続可能 2022.01.05

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【更新日:2022年1月5日 by 鈴木 智絵

産業・技術の発達は、私たちの生活をより便利で豊かなものにしてきました。ITやAIといった最新技術は、私たちの生活に大きな影響を与えています。

しかし、世界にはインフラ整備の遅れや技術力不足が原因で、生活に必要不可欠なものにアクセスできない人がいたり、産業化が遅れている地域があったりと、いまだに問題は山積しています。

これらの問題を解決することは私たちの生活水準向上に直結しますが、具体的にどのような取り組みが行われているのかみなさんは知っていますか?

国連が採択した持続可能な社会を実現するための目標であるSDGsにも、目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」という目標が設定されています。

ここではこのSDGs目標9に焦点を当て、世界と日本の取り組み事例を紹介します。

SDGs目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」

SDGs目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」とは

SDGs目標9は「強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る」がテーマとなっており、8個のターゲットが設定されています。
SDGs目標9では、インフラ開発の促進や持続的な産業化が主なターゲットとして設定されており、私たちの生活の基盤を作り、豊かにしていくことが目的だといえます。

SDGs CONNECTではSDGs目標9について詳しく解説した記事を公開しています。

SDGs目標9の達成に向けた世界の取り組み

まずは、世界の具体的な取り組み事例を紹介します。

アフリカの人々の暮らしを救う「Watly」

「Watly」とは、イタリアとスペインの合併企業であるスタートアップが開発した、太陽光発電を利用して、電気や水、そしてインターネットまでもを提供できる機械です。
世界では、未だに約6億6,300万人もの人が、安心して飲める水を確保できていない状態で暮らしていますが、その半数近くがサハラ以南のアフリカに集中しています。また、同地域では約6億人もの人が電気のない暮らしをしています。

この「Watly」は、太陽エネルギーを電力に変換し蓄電することができ、その電力で水を濾過・沸騰・濾過・沸騰・蒸留することで年間300万リットルの水を提供することができるため、アフリカの人々を救う技術革新として注目を集めています。

引用:Watly

グローバル・インフラストラクチャー・ファシリティー(GIF)

世界のインフラサービスを拡大するためには年間1兆ドル以上の追加投資が必要です。しかし、開発途上国や新興国ではインフラ整備にかけられる資金が限られています。
そこで民間金融機関及び機関投資家は、国際開発金融機関とともにグローバル・インフラストラクチャー・ファシリティー(GIF)を設立しました。

GIFは、一企業では実行不可能で複雑な事業を達成するための協調を促進するプラットフォームで、民間セクターパートナーだけで12兆ドルの運用資産を保有しています。

GIFの投資活動やインフラ整備事業は発展途上国のインフラ整備に大きく貢献しています。

東南アジアで展開している「Grab」

Grab は、2012年にマレーシアで設立された、元々は配車を専門としていたアプリサービスです。
現在では、デリバリーやショッピング、電子決済の「GrabPay」まで幅広いジャンルのサービスを提供しており、ITを活用することで東南アジアの生活水準向上に貢献しています。

2018年にUberが東南アジア事業をGrabに売却したり、マイクロソフトやトヨタからの投資を受けたりと、Grabが東南アジア最大の配車サービスとなっています。

フィンランドの「Whim」

「Whim(ウィム)」とは、フィンランドの運輸通信省の支援のもと、MaaS Global社が立ち上げたMaaSアプリです。

CHECK!!
MaaSとは、Mobility as a Serviceの略で、あらゆる公共交通機関をITと結びつけ、単なる移動手段ではなくサービスとして捉えることで、全ての人々が効率よく、便利に使えるようにするシステムのこと。

利用者がWhimに目的地を入力すると、公共交通機関を利用した目的地までのいくつかの経路と料金が提案されます。利用者は希望のものを選択し、その場で決済します。

Whimには4種類の決済プランがあり、定額制の「Whim Unlimited」を使用すると電車やバス、タクシーさらにはレンタカーからレンタルサイクルまであらゆる交通機関が乗り放題になります。

このようにMaaSが広まると、より多くの人々が公共交通機関に手軽にアクセスできるようになり、さらに公共交通機関の利用が増えるため、温室効果ガスの削減や渋滞の緩和などのメリットがあります。

SDGs目標9の達成に向けた日本の取り組み事例

では次に、日本の取り組み事例を紹介します。

「e-F@ctory」:三菱電機株式会社

三菱電機株式会社は、IoT化によるビッグデータの活用でスマート工場を実現する「e-F@ctory」をグローバルに提供しています。
「e-F@ctory」は工場内で現場の情報とICTを結ぶ仕組みで、製造現場の情報を取得し、その情報を元に生産性やコストの改善につなげます。

スマート工場化は東南アジアを中心に関心が高まっており、日本の技術が東南アジアの産業化に貢献しています。

「SHIP」:ビジネスでSDGs達成を目指す

「SHIP」とは、SDGsの達成をイノベーションの機会と捉え、企業のSDGsへの取り組みを促進することを目的に、一般社団法人Japan Innovation Network(JIN)と国連開発計画(UNDP)が、その他多くのパートナーと協働して運営しているオープンイノベーション・プラットフォームです。
「SHIP」では、企業がSDGsをビジネスに取り入れるために様々なプログラムを提供しています。

引用: SHIP

このグローバルなプラットフォームは、新たなイノベーション機会を提供しており技術革新が生まれるチャンスにもなります。

「見える電話」:NTTドコモ

「見える電話」とは、電話の内容を文字として可視化するサービスです。
主に、環境音の影響で電話の声が聞き取りづらいと感じる人や聴覚障害の人に向けたサービスで、電話を通じた便利さをより多くの人に提供しています。

引用:NTTドコモ

また、NTTドコモは全国にスマートフォンに必要な電波を送受信する基地局を20万局以上設置しており、常に安定した電波を供給しています。

この基地局には蓄電池が設置されており、災害時に利用することもできます。

通院が困難な方への支援:長野県伊那市

長野県伊那市は、長野県で3番目の面積を持つことや、医師不足が原因で人々の通院の負担が課題でした。
そこで、長野県伊那市はMONET Technologies株式会社・フィリップジャパンと協業し、オンライン診療で通院が困難な方への支援をしています。

診察が必要な患者の家まで看護師が乗って診察車が赴き、その車内でオンラインで医師から診療を受けられるという仕組みです。オンラインなので医者が広い市内を移動する時間が削減され、より多くの人が診察を受けられるようになりました。

このようなMaaSの活用も、日本では徐々に進んでいます。

大学やその他への研究支援:文部科学省

文部科学省は、大学やその他の研究機関へ支援を行なっています。特に地域開発や科学技術の開発に注力しており研究機関と研究機関と一体となって課題解決に取り組んでいます。
例えば、LEDに使用されている「窒化ガリウム(GaN)」という半導体を応用して照明以外の部分でも省エネを実現できるよう、高品質なGaNを安定して作る技術を大学や企業と協力して開発しています。

まとめ

今回は、SDGs目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」についての取り組みをご紹介しました。

SDGsの達成・進捗状況を報告した「Sustainable Development Report 2021」によると、SDGs目標9は現在最も優先して取り組まなければならない達成項目の1つとなっています。

地域格差がなく、生活基盤が整った社会の実現に向けた取り組みが、今後更に広まっていくことに期待したいですね。

SDGsとは

SDGsは「Sustainable Development Goals」の略称です。日本語では「持続可能な開発目標」と表されます。

2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、2016年から2030年までの15年で達成すべき17のゴールと169のターゲットで構成されています。

SDGsでは経済や環境、社会の課題が幅広く取り上げられ、持続可能な社会を築き上げるために、国連が主導してさまざまな取り組みが広がっています。

SDGs CONNECTでは、SDGsの各目標ごとに解説記事を公開しています。

▼各目標の詳細は以下の画像をクリック

▼SDGsについて詳しくはこちら

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