DX時代のリスキリングとは-DX人材の役割や何を学ぶべきかを徹底解説

#SDGs目標8#ビジネス#働きがい 2023.12.20

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DX分野でリスキリングしたいと考えている人は年々増えているのではないでしょうか。

現代の急速なデジタル化によって、デジタルスキルを身に付けることが求められています。そして、それらの技術は日々進歩しており、労働者も学び続けることが必要です。

今回は、DX人材の役割やDX時代のリスキリングに必要な資格、具体事例も紹介します。

【この記事でわかること】

リスキリングとDXとの関連性

リスキリングとDXの関係性について解説します。

リスキリングとは-リカレントとの違いも解説

リスキリングとリカレントはどちらも学び直しを指す言葉ですが、その目的や対象は異なります。

リスキリングは、時代の変化や技術の進歩によって既存のスキルが通用しなくなった場合に、新たなスキルを習得することを指します。例えば、製造業で働く人がAIやIoTの導入によって従来の仕事内容が大きく変わった場合、新たなスキルを身につけて新しい仕事に就く必要があります。

一方、リカレントは既存の知識やスキルを現在の状況に適応させるために更新することを意味します。例えば、営業の人にとって、顧客のニーズやトレンドが変化した場合には、新たな営業スキルを身につける必要があります。

リスキリング リカレント
対象スキル 新規取得するスキル 既有スキル
目的 技術進歩に対応する 既有の知識を更新、深化

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DX時代でのリスキリングの役割とは

DX時代では、企業の競争力を保つためにITスキルが不可欠となっています。そのため、従業員自身が「リスキリング」を行い、新たなデジタルスキルを身につけることが求められるようになりました。

リスキリングの役割は個々の従業員が新しい技術や知識を学び、それを活用して企業の成長に寄与することです。特に、DX分野でのリスキリングは、以下の2つが重要となります。

  1. デジタル技術の理解と活用: デジタル技術を使いこなすことで、業務効率化や新たなビジネスの創出に貢献する
  2. データ分析のスキル: ビッグデータを解析してビジネスインサイトを引き出すことで、企業の競争力を高める

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リスキリングによってDX人材になるメリット

DX人材とは、DXを推進するために必要なスキルやマインドを持ち、実行できる人材のことです。リスキリングによってDX人材になるメリットを3つ紹介します。

デジタル変革に立ち向かってスキルをアップデートできる

デジタル変革(DX)とは、従来のビジネスや業務をデジタル技術を活用して変革し、新たな価値を創出することです。そのためには、既存のスキルだけではなく新たなデジタルスキルの習得が必要となります。

具体的には、以下のようなスキルが求められます。

スキル名 内容
データ分析 データを収集、整理し、それを基に戦略を立てる能力
プログラミング ソフトウェア開発やウェブサイト作成などに必要なスキル
デジタルマーケティング オンラインでの広告や販売戦略の構築能力

これらのスキルを身につけることでDXに立ち向かい、自身の価値を高めることが可能です。

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キャリアの可能性を広げ、転職を有利に進められる

DX時代に求められるリスキリングを積極的に行うことで、キャリアの可能性を広げることができます。

特に、現代ではITスキルが必須となっており、DXに関連した知識やスキルを持つことで多岐にわたる業種・職種で活躍できるチャンスが広がります。例えば、以下のような職種でDX関連のスキルが求められています。

職種 DXスキルの活用例
営業 デジタルマーケティングの利用
事務/経理 クラウド会計ソフトの導入
人事 AIを使った効率的な人材採用

また、リスキリングによってDX分野の専門知識を身につけることで、転職市場で市場価値を高めることができます。DX人材への需要は年々高まっており、これらのスキルを磨くことで転職を有利に進めることができるのです。

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自分の価値を高め、自信を持って仕事ができるようになる

DX時代におけるリスキリングは自身の価値を高めるだけでなく、自信をつけるための最適な手段でもあります。

変化前 変化後
技術的な知識が乏しい デジタル知識が豊富になる
新しい仕事に自信がない 自分のスキルに自信が持てる
キャリアチェンジに不安がある キャリアチェンジへの道が開ける

また、自信を持って仕事ができるようになるとモチベーションも上がり、チャレンジ精神も向上するのです。これによって、より一層リスキリングを進めることができます。

DX分野でリスキリングに必要な資格4選

DX分野でリスキリングに必要な資格を4つ紹介します。

DX検定

DX検定は、デジタルトランスフォーメーション(DX)に関する知識や技能を証明するための資格試験です。試験範囲はデジタル技術の基礎知識、DXの戦略立案や実行に必要な能力、さらにはデータ分析やAIの活用方法など、幅広い範囲となっています。

DX検定を取得するメリットは、大きく分けて以下の3つが挙げられます。

  • デジタルトランスフォーメーションに関する知識や技能を身につけることができる
  • DX人材としてのスキルを証明することができる
  • キャリアアップにつながる可能性がある

DX検定を取得することで、デジタルトランスフォーメーションに関する基礎的な知識やスキルを身につけることができます。また、DX人材としてのスキルを証明することができ、就職や転職で有利に働く可能性があります。さらに、企業のDX推進に貢献できる人材として評価され、キャリアアップにつながる可能性もあります。

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ITストラテジスト試験

ITストラテジスト試験は情報技術を戦略的に活用し、ビジネスの価値創造を推進するための知識とスキルを認定する国家資格試験です。この試験は、情報処理技術者試験の一環として行われ、IT分野における高度な専門知識と実践的な能力が求められます。

試験では、IT戦略の立案、情報システムの企画や管理、プロジェクトマネジメント、リスク管理、法規制など、幅広い範囲の知識が求められます。特に、ビジネスとITの融合に関する深い理解が必要とされ、企業が直面する課題をITを駆使して解決する能力が問われます。

ITストラテジスト試験を取得するメリットは、大きく分けて以下の3つが挙げられます。

  • ITとビジネスの両方における深い理解を獲得できる
  • 企業のIT戦略立案や情報システムの最適化に貢献できる
  • 個人のキャリアアップや組織全体のIT活用能力の向上につながる

ITパスポート

ITパスポートは、ITの基本的な知識を有することを証明する資格です。情報マネジメント能力を中心に、コンピュータ、ネットワーク、データベース、システム開発、プロジェクトマネジメントなど、幅広いIT知識が問われます。試験は年4回行われており、試験内容は全て択一式で、ITリテラシー全般を対象としています。

分野 内容
IT技術 コンピュータ、ネットワーク、データベースなど
プロジェクトマネジメント プロジェクトの計画・実行・管理
システム開発 システム開発の流れと方法

ITパスポートを取得することで一定のITスキルがあることが証明され、転職活動やスキルアップの際に有利となります。これからIT分野に転職を考えている方やITスキルを身につけたい方には、特におすすめの資格です。

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プロジェクトマネージャー検定

プロジェクトマネージャー検定は、プロジェクト管理の専門知識とスキルを認定する国家資格です。

この資格は、プロジェクトの成功を導くために必要な計画立案、実行、監視、コントロール、終結の各フェーズにわたる管理技術に重点を置いています。また、チームビルディングやリーダーシップなど、人材管理に関するスキルも重要な要素として評価されます。

プロジェクトマネージャー検定を取得することで、以下のメリットがあります。

  • プロジェクトを効率的かつ効果的に管理し、目標達成に導くための能力を証明できる
  • プロジェクトマネジメントのプロフェッショナルとしての自身のスキルと知識を広く認知してもらえる
  • キャリアアップの道が開かれる

DX分野のリスキリング事例4選-日本企業の事例を紹介

国内企業で導入されたDX分野のリスキリング事例を4つ紹介します。

日立製作所

画像引用:日立製作所

日立製作所は、DX推進のために従業員全員を対象にしたリスキリングを積極的に行っています。その一環として、自社開発のデジタルトランスフォーメーション教育システムを導入し、全社員が同等のDX知識を習得することを目指しています。

また、日立製作所はデータサイエンティストの育成にも力を入れており、実践的なスキルを身につけるための専門的なトレーニングプログラムを提供しています。これらの取り組みにより、日立製作所は新たなビジネスチャンスをつかむための人材育成を目指しています。

リスキリング内容 目的
DX教育システムの導入 全社員が同等のDX知識を習得
データサイエンティスト育成プログラム 実践的なスキルの習得

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アサヒグループジャパン株式会社

アサヒグループジャパン株式会社では、従業員全員がDXを理解できるよう一人ひとりのスキルアップを推進しています。例えば、データを用いてビジネス課題の解決に取り組む「ビジネスアナリスト」社員の育成に力を入れています。

このように、アサヒグループジャパン株式会社はリスキリングを通じてDX人材を増やすことで、組織全体のデジタルトランスフォーメーションを実現しました。これにより、同社は新たな価値創造や業績向上につなげることが可能となりました。

キヤノン株式会社

キヤノン株式会社では、非デジタル人材を対象としたリスキリングを推進しています。その一環として、2018年にソフトウェア技術者育成機関である「Canon Institute of Software Technology(CIST)」を設立しました。

CISTでは、職種転換を希望する従業員に教育を実施しています。例えば、販売推進の担当者がエンジニアとして部署転換し、新規事業の開発に携わっています。

また、CISTでの人材育成のほかに、工場の従業員を含む1,500人にクラウド研修やAI研修を実施しました。デジタル知識を習得できる講座を提供することで、デジタル技術の普及を図っています。

三菱UFJ銀行

画像引用:三菱UFJ銀行

三菱UFJ銀行はDXを推進し、業務効率化と課題解決を図るために社員のスキル向上に注力しています。

例えば、中堅の従業員を対象に特別な中核人材育成プログラムを設けています。このプログラムでは、従業員がデジタルスキルを習得し、DX企画やシステム設計などの実践的なトレーニングを受けることができます。研修を終えた従業員はDXプロジェクトに参加する機会を得られ、スタートアップ企業への出向することもできます。

さらに、将来の中核人材となる可能性のある若手従業員を見つけ出すための候補育成プログラムも実施しています。このプログラムでは、データ分析の実践スキルを身につける研修が提供されています。これにより、銀行のDX推進に必要な人材を内部から育成しているのです。

まとめ

今回は、DX時代のリスキリングの役割や資格について解説しました。DXが重視される今日、技術が急速に進化する中でリスキリングの重要性が高まっています。

特にDX分野では、ITスキルやそれをマネジメントする能力が求められます。それを証明するための資格として、DX検定やITストラテジスト試験、ITパスポート、プロジェクトマネージャー検定などを紹介しました。

リスキリングによって、自分自身のキャリアの可能性を広げることができ、DX時代でも自信を持って活躍できるようになるでしょう。まずは、自分の将来を考え、勇気をもって一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

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