【更新日:2021年6月8日 by 佐野 太一】
引用:トヨタ公式サイト
福島県とトヨタ自動車は6月4日、水素・技術を活用した未来のまちづくりに向けた社会実装の検討を開始したと発表した。
3月にカーボンニュートラルを目指した協業を発表した日野自動車、いすゞ自動車に加え、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートの大手コンビニ3社なども参画する。
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生活インフラであるスーパーマーケット・コンビニエンスストアが持つ配送網を活用し、日本に数多く存在する人口30万人規模の都市における「水素社会」の実装モデルを模索する。
具体的には、トヨタが複数台の燃料電池(FC)トラックを導入し、コネクティッド技術による運行管理や水素充填タイミングの最適化など、各地域の実情に応じた運用を実践する。福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)で造られた水素も活用するという。
コネクティッド技術とは、さまざまな機器や部品を常時コンピューターネットワークで接続して利用する技術の総称。都市のインフラ整備に必要な人手が抑えられるので、SDGsゴール11「住み続けられるまちづくりを」への貢献が期待できる。
このほかFH2Rが立地する浪江町をはじめ県内各地域のニーズや困りごとへの対応として、FCのキッチンカーやドクターカーの運用、福島県内の店舗や工場などで水素を活用することによるサプライチェーン全体での低炭素化にも取り組む。
◎プロジェクトの全体イメージ図
東日本大震災からの復興を推進する福島県は、新たなまちづくりの方針として水素エネルギーの利活用を掲げている。5月28日には、燃料電池自動車(FCV)を県内に導入する個人や法人に対して補助金を支払うことを発表した。
福島県水素エネルギー普及拡大事業(燃料電池自動車導入促進事業)補助金の詳細はこちらSDGsゴール7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」では、安価で信頼できる再生可能エネルギーへのアクセスの確保が重視されている。燃焼しても水しか生成されない水素は、日本政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」の達成に大きく貢献する可能性がある。水素の安全性と効率性を高める実証実験の広がりに期待したい。
SDGs CONNECT ニュース/イベントライター。立教大学でジャーナリズム論を主に研究。記事執筆の傍ら、陶芸制作にも取り組んでいる。好きな食べ物はメロン。