《必見》SDGs 目標4「質の高い教育をみんなに」の9個の問題点 |問題点に向き合う企業の取り組みも解説

#SDGs目標4#子供#学習#教育 2022.01.18

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世界にはさまざまな環境に身を置く子どもたちが存在しています。UNESCOによると、世界の未就学児童数の数は約6700万人とされています。

教育を受けられない子どもたちはどのような問題を抱えているのか、どのような環境に身を置いているのか。9つの問題点に絞って紹介します。

SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」とは

SDGs目標4は、「すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する」のテーマのもと、10個のターゲットから構成されています。

目標4では、識字率の向上だけでなく、教育におけるジェンダー格差をなくしたり、教育が受けられない子どもを0にするなどの取り組みが掲げられています。

SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」の詳しい内容に関してはこちら

SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」の9つの問題点

SDGs目標4では国内外に関わらずさまざまな問題点があります。

①学校不足により子どもの安全が確保されない

こちらの写真はインドのザンスカールに住む子どもたちが登校している様子です。ザンスカールは周辺を山脈に囲まれている地域であり、この写真は子どもたちがヒマラヤ山脈を越えて寄宿学校を目指している姿を撮影したものです。

このように世界各地には学校が少ないことが原因で、毎日危険と隣り合わせで登校する子どもたちもいます中には壊れた吊り橋を渡って登校する子どもや道幅数十cmの道などを通り、片道5時間かけて登校する子どももいます。

子どもの安全面を考えても、学校不足は深刻な問題です。

②教員不足による教育の質の低下

開発途上国では一般的に教員の社会的地位が低いとされています。そのため教員のやる気が低かったり、研修や給与などの費用が行き届いていない現状があります。教師の質に伴い教育の質も悪くなり、職業としての人気も出ず、負のサイクルを繰り返しています。

また教員不足の問題は、実は日本に関わる問題でもあります。

2021年4月の段階で担任教員が不足している小・中学校があり、中には教頭と担任を兼務せざるを得ない教員がいる事例が文部科学省から発表されました。

小学校教員の採用倍率が過去最低になるなど、教員不足は国内においても深刻な問題となっています。

国内外における教員の在り方を再度検討し、教育の質を上げていくことが重要です。

③児童労働や教材が買えないことによる教育の機会損失

世界銀行は2017年段階で、世界の中で約6億9600万人もの人々が1日1.9ドル未満(日本円で約210円未満)で生活していると公表しました。

貧困状態にあることで、授業料や教科書代が支払えず、教育を充分に受けられない子どもがいます。また、子どもが家計を助けるために出稼ぎに行ったり、プランテーションでの労働者として仕事に就いたりという児童労働の問題も生じます。その結果、学校に行けない子どもが出てきてしまいます。

幼少期に教育を受けられなかったがために、大人になってから収入の低い仕事しか選べず、さらなる貧困を生み出してしまう場合もあります。貧困と教育の相互関係は大きく、負の連鎖を発生させてしまうのです。

④いじめによる不登校児童の増加

文部科学省が全国の小中高校などを対象に実施した2020年度の問題行動・不登校調査によると、小中学校の不登校児童生徒数は19万6127人と公表されました。

いじめの認知件数は2014年度以降増加を続けており、言葉や暴力など直接的なものに留まらず、ネットやSNSを通じたいじめも増加しています。

いじめが原因で不登校になってしまい、その結果満足に授業を受けられないのも「質の高い教育みんなに」の目標に関わってくる問題です。

⑤家族の世話のために学校に通う時間が確保できない

「ヤングケアラー」という言葉を聞いたことがありますか?

ヤングケアラーとは一般的に、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子どもとされています。

ヤングケアラーは国内外で問題となっており、家族の世話に時間を費やすことで学校を休みがちになったり、学校に行けない子どもたちへの対策が急がれます。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングが行った調査によると「世話をしている家族がいる」と答えた子どもが、クラスに1人から2人の割合でいることが明らかになりました。

開発途上国のみならず先進国でも起きてしまっているヤングケアラーの問題に対して、周りの大人たちがどのようにサポートしていくかが非常に重要です。

⑥両親の女子教育への理解不足

世界の中には自らが教育を受けてこなかったなどの理由で、教育の必要性を充分に認知していない親も存在しています。

特に「女の子に教育は必要ない」と考え、娘に対して教育よりも家事労働を優先させる親もいます。

しかし女の子が教育を受けることで経済開発の水準が上昇するという実例もあります。実際にユニセフ協会によると、女子教育に力をいれて取り組んでいた東南アジアでは国内総生産の上昇が見られたと報告されてます。

教育の重要性を認知していない親に対して教育の必要性を説いていくこと、また将来親になる今の子どもたちに対して教育を受けさせることで、教育の重要性を肌で感じてもらうことが必要です。

⑦ジェンダー差別による女子児童の不遇

親が娘に教育を受けさせたいと考えていても、社会の風潮や環境によって女の子が教育を満足に受けられない例もあります。

ユニセフによると世界の女性の5人に1人が18歳までに結婚する、いわゆる児童婚を経験していると報告されています。結婚や出産により学校に通えない女の子もいます。

実際にエチオピアでは、児童婚した女の子の多くが20歳までに出産しています。その結果、結婚していない女の子に比べて約3倍の女の子が学校に通えない可能性があるのです。

また学校にトイレがなかったり、生理用品がないために学校に行けない女の子も多くいます。男性優位の社会である南スーダンでは、このようなケースが多く見られています。

この生理用品をめぐっての問題は遠い国の問題だけでなく、日本においても大きな問題として存在しており、実際にコロナ禍の困窮により学生の約2割が生理用品買うのに苦労と回答しているというアンケート結果が出ています。

このアンケートは、大学生が中心となって作られたグループ「#みんなの生理」が、コロナ禍で経済的に困窮する学生が増える中、生理用品が買えなくなるなど、日常生活に支障の出ている人がどのくらいいるかという内容のアンケートを、高校生以上の生徒、学生を対象に行ったものです。

アンケートの結果としては、2020年から2021年の1年間に経済的な理由で生理用品を「買うのに苦労したことがある」と回答したのは20%、「買えなかったことがある」と回答した人も6%存在しました。

また、「生理用品を交換する頻度を減らしたことがある」が37%、「トイレットペーパーなどで代用したことがある」も27%と高い数字を記録しました。

このようにコロナ禍での経済的困窮により生理用品を満足に手に入れることができず、代用品を使ったり、節約したりしたことがあるという問題は日本内で波紋を呼びました。学校内で生理用品を無料で配布してほしいと願う声が高まりました。

生理の貧困問題は、公明党の佐々木さやか参院議員が参議院予算委員会で取り上げ、「学校での無償配布など、必要な対策を検討して頂きたい」と発言するほどの大きな問題として取り上げられています。

⑧病気による登校の困難化

開発途上国などを初めとする貧しい国や地域では衛生環境が劣悪である場合が多く、ユニセフによると約6億6,300万人もの人々が、安心して飲める水が身近になく、整備されていない井戸などから水を汲んでいると報告されています。

泥や細菌、動物のふん尿などが混じった水を飲むことで抵抗力の弱い子どもたちは肺炎など

さまざまな病気に感染してしまいます。

衛生環境が悪異様な環境にある国では病院が少なく、自宅の近くに病院がないことも多くあります。病気にかかっても病院で適切な治療を受けることが難しく、結果的に重病化してしまい学校に行くことが難しい子どもたちも多く存在しているのです。

⑨戦争により教育が後回しにされてしまう

国連によると、地域的緊張状態の未解決や国家機構の不在・私物化により、近年紛争や暴力が増加傾向にあると報告されています。戦争において人が集まる学校は標的となりやすく、学校が破壊されてしまうこともあります。また戦争が激化し、難民として避難しなければならないケースも数多く見られます。

また、「子ども兵士」として戦争に駆り出される子どももいます。ユニセフによると世界には推定25万人の子ども兵士がいるとされています。誘拐され強制的に戦争に駆り出されてしまう子どもや、最低限の衣食住を見返りに自ら志願して兵士になる子どももいます。

教育は知識を得るだけでなく、子どもたちにとって心理的・社会的・身体的福祉を向上させる効果があります。戦争に巻き込まないことはもちろん、巻き込まれてしまった後のアフターケアとしても教育は非常に重要です。

SDGs目標4の日本の企業の取り組み事例 3選

ここまでSDGs目標4の問題点を挙げてきましたが、その問題点をクリアするための取り組みを行なっている企業や自治体、団体も多く存在します。

ここでは日本の企業の取り組みを3つご紹介します。

取り組み事例①|株式会社ベネッセホールディングス

厚生労働省によると、日本における発達障害を抱える未成年は、2018年時点において約7.8万人といわれています。

株式会社ベネッセホールディングスが提供している通信講座「進研ゼミ」にも、発達障害の子どもを持つ保護者からの相談や悩みなどの問い合わせが増えていることから、発達障害の子どもをサポートするための「進研ゼミ 小学講座 発達障害支援サイト」を開設しました。

「進研ゼミ 小学講座 発達障害支援サイトでは、発達障害の子どもを持つ保護者から寄せられる学習上の悩みや相談に対して、教材の活用法の提案や専門家からのアドバイスなどを掲載しています。

その他にも、株式会社ベネッセホールディングスではさまざまな活動に取り組んでいます。詳しくはこちらからご覧ください。

サステナビリティビジョン | サステナビリティ | 株式会社ベネッセホールディングス

取り組み事例②|パナソニック株式会社

パナソニック株式会社では無電化地域にパナソニックの製品を寄贈する「LIGHT UP THE FUTURE」を実施しています。

無電化地域の夜は非常に暗く、仕事や作業はもちろん、勉強することも出来ません。電気がある事で子どもたちの夜間学習が可能になり、学力向上を図れます。

寄贈される製品はソーラーランタンや太陽光発電・蓄電システムなど、再生可能エネルギーを使用した電気であるため環境にも優しく、無電化地域にも取り入れやすいものとなっています。

寄贈された電化製品は設置から使用方法まで支援するので現地の人でも安心して使えます。

詳しくはこちらをご覧ください。

LIGHT UP THE FUTURE – CSR・環境 – 企業情報

取り組み事例③|株式会社東京個別指導学院

近年、科学・技術・工学・数学の分野を統合的に学び、将来、科学技術の発展に寄与できる人材を育てることを目的とした教育プランである「STEM教育」が注目されています。

東京個別指導学院ではプログラミングで身近な社会問題を解決することにチャレンジする

「ベネッセサイエンス教室 STEMプログラミングコース」が開講しています。

STEM教育を通して課題解決力や協働する力、プログラミング的思考力を身に付け、まさに「質の高い教育」を提供しています。

詳しくはこちらをご覧ください。

Initiatives for the SDGs|株式会社東京個別指導学院(TKG)

東京個別指導学院のその他の取り組みについてはこちら。

SDGs CONNECTでは東京個別指導学院へのインタビューも行っています。ぜひご覧ください。

まとめ

今回はSDGs目標4「質の高い教育をみんなに」における問題点について紹介しました。

開発途上国における国外の教育・子どもの問題は注目されやすく、認知している人も多いかと思います。しかし教育整備が整っている日本などの先進国でも、教育・子どもに関する問題があり、課題解決に至っていないものも多くあることが分かったと思います。

周りの大人が子どもたちに目を向け、手を差し伸べることは今後も必要不可欠です。まずはこのような今ある問題点を認識していくことから始めてみてください。

▼SDGsについて詳しくはこちら

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