【更新日:2021年6月17日 by 佐野 太一】
Zホールディングス(ZHD)は6月15日、環境問題の解決に貢献する事業に対する資金調達手段として、グループ初となるグリーンボンドを2021年度中に発行することを決定した。
グリーンボンドの発行により調達した資金は、ZHDグル―プで定める一定の基準を満たす、エネルギー効率の高いデータセンターの建設や改修などへの投資、データセンター運営に必要な再生可能エネルギーの調達資金に充てられる。
グリーンボンドとは、企業や地方自治体などが、国内外のグリーンプロジェクトに要する資金を調達するために発行する債券のこと。2014年に日本政策投資銀行が国内初のグリーンボンドを発行したことをきっかけに、発行額が増加している。
▼グリーンボンドをはじめとするグリーンファイナンスについて解説した記事はこちら。
◎調達資金の使途
ZHDグループの中核企業の1つであるヤフーは、2021年1月に事業運営で利用する電力の100%再生可能エネルギー化の目標を掲げている。
ヤフーが事業活動で利用する電力はその95%がデータセンターで利用されており、グリーンボンドの発行により調達した資金の一部が、データセンター運営に必要な再生可能エネルギーの調達に充当される予定だ。
2021年4月には日本政府が2030年の国内CO2削減目標を2013年比46%減とする新目標を発表するなど、世界的に脱炭素化の流れが加速。環境省によると、国内企業のグリーンボンドなど環境に配慮した債券の2020年の発行実績は、過去最高だった2019年の8238億円を上回り、1兆170億円となるなど、ESG投資の拡大を背景に国内のグリーンボンドの発行額は増加を続けている。
SDGsゴール7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」では、2030年までにエネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進することが重視されている。長期的な資産運用を検討している方は、ESG経営を推進する企業の取り組みに注目してみてはいかがだろうか。
SDGs CONNECT ニュース/イベントライター。立教大学でジャーナリズム論を主に研究。記事執筆の傍ら、陶芸制作にも取り組んでいる。好きな食べ物はメロン。