2035年までに気温上昇を1.5度未満に!|気候・エネルギー・環境相会合にて目標明記

2023.04.17

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4月15,16日に北海道札幌市で開催された先進7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合にて、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が3月に公表した第6次統合報告書で、地球温暖化について、急速な温室効果ガス削減を各国に促しました。 G7気候・エネルギー・環境大臣会合は G7サミット(首脳会合)に関連して開催される閣僚会合の一つで、サミットにおける議論の基礎ともなる重要な会合です。

IPCCは各国に対して、10年間に急速で大幅な温室ガス削減を要請しています。19年と比べた排出量を30年に43%、35年に60%減らすことを促しているのです。国連のグテーレス事務総長も、削減目標の前倒しを各国に呼びかけ、排出が実質ゼロとなる時期について、先進国は40年、新興国は50年に可能な限り近くするよう訴えています。

温暖化対策で今後肝になるのは、先進国と利害が対立しやすい新興国や途上国をいかに巻き込んでいくかです。経済発展が著しく排出量も多い中国やインドなどに、さらなる削減を促すことが必要となってきます。

そのため今回の共同声明には、世界の温室効果ガス排出量を「2035年までに(19年比で)60%削減することの緊急性が高まっていることを強調する」と明記され、ロシアのウクライナ侵攻を背景とするエネルギー危機下でも、産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑える国際枠組み「パリ協定」の目標達成を確実に進める予定です。

「パリ協定」では気温上昇を2度未満とし、さらに1.5度に抑えるために努力することが明記されており、2021年の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の成果文書にも、1.5度抑制への「努力の追求」が盛り込まれています。しかし、気温上昇幅は既に1.1度に達しています。1.5度にとどめることで猛暑や豪雨といったリスクを抑えることが可能なため、今後も努力が必須です。

一方で車から排出される二酸化炭素を35年までに(00年比)で「50%削減する可能性」については、声明に盛り込んだものの、米欧が求めていた走行中に温室効果ガスを排出しない「ゼロエミッション車」の導入目標は設定しませんでした。

 

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