【更新日:2021年8月5日 by 鈴木 智絵】
全国清涼飲料連合会(全清飲)は8月2日、「自動販売機リサイクルボックス異物低減プロジェクト2021」をスタートすると発表した。
新リサイクルボックスを用いた実証実験を三重県津市から順次実施。2022年秋に業界統一仕様のリサイクルボックスとすることを目指す。
異業種連携の取り組みとして、日本たばこ産業が啓発、ラベルメーカーのフジシールインターナショナル、キャップメーカーの日本クロージャー、リサイクルボックスメーカーのアートファクトリー玄が参画し、実証実験は日本自動販売協会の協力のもと実施する。
このリサイクルボックスの特徴は、投入口が下向きになっていること。遠くから投入口が見えず、飲み残しのカップは投入できない。また、投入口がペットボトルが入るサイズに最小化されているほか、ボックスの上部と下部が結束バンドで固定されているため、ペットボトル以外のゴミの投入を防ぐことができる。
ボックスの素材は2020年11月に東京都渋谷区で行われた実証実験で用いたスチール製からプラスチック製に、色はSDGs目標11「住み続けられるまちづくりを」をイメージしたオレンジ色に切り替えられた。
◎新リサイクルボックスのイメージ
清涼飲料水の中でペットボトル飲料が占めるシェアは76%(生産量ベース)。清涼飲料業界は、2030年までに「ペットボトルの100%有効利用」「ボトルtoボトル比率50%」を宣言しており、綺麗な状態の使用済みペットボトルの確実な回収を重要視している。
使用済みペットボトルを何度もペットボトルとして再生させるリサイクルは、「ボトルtoボトル水平リサイクル」と呼ばれ、同じ材料を何度も資源循環させるリサイクルの理想形。全清飲によると、2019年の「ボトルtoボトル」比率は12.5%だった。
▼「ボトルtoボトル比率50%」宣言の記事はこちら
全清飲が2018年12月に都内で行った調査では、リサイクルボックスの中身は、約3割が清涼飲料空容器以外のゴミだった。この異物を低減することで、リサイクル現場での分別作業の効率化が図られ、ペットボトルの品質や量の改善を見込むことができる。
SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」では、「2030年までに、予防、削減、リサイクル、および再利用(リユース)により廃棄物の排出量を大幅に削減する」ことがターゲット12.5として掲げられている。
ペットボトルは最もリサイクルにつなげやすいプラスチックの1種。このような取り組みが持続可能な生産のモデルケースになることに期待したい。
【参照ページ】https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M102108/202107318386/_prw_PR1fl_59Be5YW9.pdf
SDGs CONNECT ニュース/イベントライター。立教大学でジャーナリズム論を主に研究。記事執筆の傍ら、陶芸制作にも取り組んでいる。好きな食べ物はメロン。