【更新日:2021年4月5日 by 佐野 太一】
国土交通省は3月26日、3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化事業「Project PLATEAU(プラトー)」で全国56都市の3D都市モデルの整備を完了したことを発表した。
同日、公式ウェブサイト ”PLATEAU ver1.0” をリリースするとともに、東京都23区の3D都市モデルのオープンデータを公開している。
PLATEAU ver1.0での公開情報は以下の通り。
|
国交省によるとProjectPLAEAUは、3D都市モデルを活用することで「全体最適・持続可能なまちづくり」「人間中心・市民参加型のまちづくり」「機動的で機敏なまちづくり」の実現を目指すプロジェクト。持続可能な都市開発は、SDGsにおいても目標11「住み続けられるまちづくりを」として達成が重視されている。
3D都市モデルとは、都市空間に存在する建物や街路に名称や用途、建設年といった情報を付与し、実世界(フィジカル空間)の都市を仮想的な世界(サイバー空間)に再現した3次元の都市空間情報プラットフォームのこと。
これまで多くの人が目にしてきた「3D地図」は都市を形として再現しただけで、これは文字通りの地図でしかない。それに対して3D都市モデルは、都市に存在するオブジェクトの見た目だけでなく、その機能も再現できる。50階建ての高層ビルは50階建ての高層ビルとして、スクランブル交差点はスクランブル交差点としてデータを再現し、サイバー空間にまさに”もう1つの都市”を構築するわけだ。
引用:国土交通省 都市局 Project PLATEAU PR TIMES STORY
このプロジェクトが進むほど、これまで各省庁や地方自治体に分散していた建物の情報や人口流動、環境やエネルギーのデータなどを三次元化した地形データが統合され、都市計画立案の高度化や、都市活動のシミュレーション、分析などの幅が広がる。
人口減少にインフラの老朽化、東京一極集中と、おそらく世界中のどの国よりも都市開発の持続可能性に大きな課題を抱えている日本。サイバー空間で都市計画を具体的にシミュレーションできるようになれば、より実験的で革新的な都市開発を早期に実現できるようになるかもしれない。
SDGs CONNECT ニュース/イベントライター。立教大学でジャーナリズム論を主に研究。記事執筆の傍ら、陶芸制作にも取り組んでいる。好きな食べ物はメロン。