【更新日:2021年7月26日 by 佐野 太一】
提供:ローレウス・スポーツ・フォー・グッド財団
ローレウス・スポーツ・フォー・グッド財団は7月16日、世界各地に住む人々のスポーツへの参加状況について調査した『ローレウス・スポーツ・フォー・グッド2020年次報告書』を発表した。
ローレウスは、世界40か国以上でスポーツを通じた社会貢献活動を行う団体。スポーツ界のアカデミー賞と称される「ローレウス世界スポーツ賞」を毎年発表している。2021年の年間最優秀女子選手賞には、大坂なおみ選手が選ばれた。
今回の報告書では、ローレウスの1年間の活動と、スポーツ参加におけるジェンダー平等の実現に関するデータが紹介されている。
調査によると、グラスルーツスポーツ(年齢や性別、障がいの有無に関わらず、誰もが気軽に参加できるスポーツ)に「積極的に参加している」または「男性と同程度参加している」と答えた女性の数は昨年と比べ、増加傾向にあった。種目別にみると、水泳は200%以上、ダンスは112%、バレーボールは11%、陸上では41%も上昇した。
一方で、サッカーは17%、バスケットボールは6%、ラグビーは18%減少し、主に男性のものとみなされることの多いスポーツへの女性の参加率は減少傾向にあった。この傾向は、他の種目でも顕著に見られるという。
また、日本の女子は男子に比べ、思春期にスポーツをやめてしまう割合が非常に高く、それに伴って心の健康や幸福度に問題が起きることもあるという。
ローレウス・スポーツ・フォー・グッド財団 チェアマンのエドウィン・モーゼス氏は、「『女の子が好きなスポーツ』ではなく、その子たちにふさわしい、ニーズに対応した方法でスポーツを提供することが重要なのです」とコメントしている。
「グローバル・ジェンダー・ギャップ・レポート2021」によると、日本の「ジェンダーギャップ指数」は156の国・地域で120位。ローレウスは、日本を「特に変革が求められる国の1つ」と警鐘を鳴らしている。
▼「ジェンダーギャップ指数」のニュース記事はこちら。
なお、SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」では、「あらゆる場所におけるすべての女性および女子に対するあらゆる形態の差別を撤廃する」ことがターゲット5.1として掲げられている。「男性らしいスポーツ」といった我々の根底にある意識を積極的に取り払っていく必要がある。
SDGs CONNECT ニュース/イベントライター。立教大学でジャーナリズム論を主に研究。記事執筆の傍ら、陶芸制作にも取り組んでいる。好きな食べ物はメロン。