LGBTの人が抱えている悩みとは?-お悩み例や相談先も網羅

#LGBTQ#ジェンダー#環境 2023.01.19

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社会には、「男性は女性を、女性は男性を愛するのが普通で、それ以外はおかしい」「男性は男性らしく、女性は女性らしく」といった固定観念や先入観をもち、LGBTの人に対して、偏見や差別を持つ人が少なくありません。

LGBTの人はそうした偏見や差別的言動によって傷つき悩んでいます。誰にも悩みを打ち明けられずに苦しんでいる人も少なくありません。

LGBTの人は、どのような悩みや不安を抱えているのでしょうか。また、自分や身近な人がLGBTかもしれないと思ったときには、どうすれば良いのでしょうか。

この記事では、LGBTの人が抱えやすい悩みや困っていること、LGBTに関する悩みの相談先について解説します。

【この記事で分かること】※クリックするとジャンプします。

LGBTとは? |意味を分かりやすく解説

皆さんは「LGBT」についてご存知でしょうか。まずは「LGBT」の意味について、説明していきます。

LGBT」とはレズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーという4つの言葉の頭文字をとって組合せたものです。それぞれ「女性の同性愛者」・「男性の同性愛者」・「両性愛者」・「身体の性に違和感を持ち、心の性に従って行きたいと望む人」という意味を持ちます。LGBTの人々は、人口に占める割合が少ないことから、セクシュアル・マイノリティと言われることがあります。

近年では性的マイノリティの中で一部の人に限定した言葉の表現ではなく、「SOGI」や「LGBTQ+」という言葉を使用する活動も広がってきています。

SOGI
…Sexual Orientational and Gender Identityの頭文字であり、相手のことを好きになる性や自分のこころの性のこと。性的指向や性自認のこと。
LGBTQ+
…LGBTに加え、「クィア/クエスチョニング」と「プラス(+)」が組み合わされたもの。「クィア/クエスチョニング」とは自分の性について分からなかったり、決めたくない人のことを意味する。「プラス(+)」とは、性の在り方の多様性を表すもの。

関連記事:LGBT+に配慮した表現のガイドブックが公開|LGBT+のポジティブな描写を推進

関連記事:《徹底解説》LGBTとは|SDGsとの関係から、現状や課題まで徹底網羅

LGBTの人が抱えやすい悩みや困っていること

ここまでLGBTの概要について、まとめていきました。

続いて、LGBTの人々が直面する可能性のある悩みや困りごとについて説明していきます。

自分の性がわからない/LGBTかもしれない

多くの人々は「性」と言われると、男性もしくは女性という2つに分けて考える傾向があります。そのため自分が異性ではなく同性のことを好きになることに、違和感を覚えてしまう可能性があります。また自身の性に違和感を感じるだけではなく、自身の性がわからなくなってしまうこともあります。

このように違和感を感じた際、自分がLGBTなのではないかと考えを巡らすこととなり、悩まされてしまいます。自身の性が分からず、不安に陥ってしまうこともあります。

LGBTであることを相談できない

日本に限らず世界各国でジェンダーレスの思想が広がっているものの、いまだに知識がある人が多くない現状です。そのためLGBTの人々は他人に自分の「性」について、相談しづらくなっています。

さらに誰かに相談をした結果、差別されたり勝手にアウティングされたりする可能性を恐れている人々もいます。

そのほかにも普段私たちが何気なく使用している言葉が、LGBTの人々を傷つけてしまい、周りの人にカミングアウトしづらくなっています。

アウティング
…ある人のセクシュアリティについて、本人の許可なく第三者に言いふらしたり、SNSに書き込んだりすること。
カミングアウト
…誰にも言わなかった自身の秘密について、自分から打ち明けること。LGBTに関する言葉として、「自分がセクシュアルマイノリティであることを打ち明ける」という意味で用いられる。

個人を尊重しない施設や制度|学校での悩み

LGBTの人々が学校で直面する悩みとして、男女を明確に分けた施設や制度があります。

たとえば学校の多くの施設において、トイレが男女で分かれていたり、授業内容を男女で分けたりなどの問題があります。

そのほかにも制服を男女で区別することも、LGBTの人々や個人の意志を尊重できていない制度の一つです。

理解不足な企業や上司・同僚|職場での悩み

LGBTの人々が働く環境において、企業やそこで働く人の理解が不十分であることも、悩みの原因となります。

たとえば就職をするために企業を選ぶ際に、どの程度LGBTに配慮している企業であるか、わからないことがあります。またLGBTフレンドリーと公表しているものの、十分ではない場合もあります。

さらに上司や同僚など、同じ環境で働く人の理解が不足していることも、LGBTの人々にとって抱えやすい悩みです。「男っぽい・女っぽい」などの言葉により傷ついたり、差別を受けたりと、不当な扱いを受けてしまいます。

関連記事:性別、年齢、人種を超えて、誰もが受け入れられる環境を|日本コカ・コーラ

保険証や問診票における戸惑い|病院での悩み

LGBTの人々にとって病院で診察を受けることもストレスとなる場合があります。それが保険証の提示や問診表の記載です。とくにトランスジェンダーの人にとって悩みとなります。

たとえば初めての病院にて診察を受ける際、見た目と保険証に記載されている性別が異なることで、看護師の人に本人かどうか疑われる可能性があります。

そのほかにも問診表には性別を記載する欄がありますが、男女と明確に区分されています。このような区別はトランスジェンダーの人々にとって、見た目の性と自認する性と、どちらを記載すればいいのか悩んでしまいます。

関連記事:企業によるLGBT支援の取り組み7選-日本と海外の企業事例も紹介

周囲の視線や選択の不自由さ|服の悩み

服における悩みにおいても、とくにトランスジェンダーの人々が直面するものです。トランスジェンダーの人々にとって、周囲の目によって自分が着たい服を着られないことがあります。

とくに自認する性が女性であるにもかかわらず、見た目が男性であることが原因でスカートやワンピースなどの服が着れないなど悩みが現れます。

そのほかにもメンズの服はサイズが合わなかったり、レディースの服はシルエットが好みではなかったりなど、販売されている服の種類にも問題があります。

壁となる法律や制度|結婚の悩み

結婚をするときにおいても、LGBTの人々は問題が生じます。それは日本において、同性の結婚が法的に認められていないことです。

法律に基づいて結婚しているカップルと、そうでないカップルとでは、得られる福利厚生などが変わってきます。

また法的に認められたカップルは、遺産や資産の相続ができるものの、認められていないカップルは相続できません。そのためパートナーが亡くなってしまった場合にも、さまざまな問題に直面します。

関連記事:ダイバーシティのある働き方とは?|LGBT+の「声」を聞くイベントが開催

自分や身近な人がLGBTかもしれないと思ったら

ここまでLGBTの人々が生活や仕事において直面する悩みごとや問題についてまとめていきました。

つぎに自身や知人がLGBTに該当するかもしれないときの行動の仕方について、説明していきます。

自分の性に疑問を持ったときは?

大人になってからだけではなく、小学生などの幼少期から、自身の「性」に対し違和感を持つことがあります。

とくに幼少期は、周囲のLGBTに関する理解が深まっていないことから、意図していなくても傷つけられてしまう場合も現れます。

「性」は男女と明確に区分されているのではなく、人によって異なります。誰かに「男みたい・女みたい」などと言われた際に、自分が周りと違うと思うのではなく、自身の気持ちを尊重することが大切です。

悩みを相談できないときは?

自分がLGBTかもしれないと感じたとき、誰かに相談したくても人には相談しづらい場合もあります。人によっては相談しても理解されない・嫌悪感を抱かれるかもしれないという、不安を抱いているかもしれません。

しかし誰かに相談をすることで自分の考え方を改めることができ、他の人の考え方も得られるため、視野が広がります。「相談しても解決しないため、意味がない」と考えるのではなく、「他の人の意見が知れる」という、前向きな姿勢を持つようにしましょう

家族や友人など身近な人に相談できない場合は、LGBTに関する相談室に行ってみたり、電話相談をしたりすることで悩みを打ち明けることができます。

身近な人の性が気になったときは?

自分が該当しなくても、学校の友人や職場の同僚・上司など、自身の身近な人がLGBT当事者である場合もあります。相手の些細な言動で、気になってしまうこともあるかもしれません。

相手から自身のセクシュアリティに関する話を持ち出されない限り、気になっても無理やり聞いてはいけません。相手が自分のセクシュアリティについて相談をしてくれるまで、待つことが大切です

またLGBTの人々にとって、私たちが普段用いる言葉の表現に傷ついてしまう場合があります。身近な人にLGBTに該当する人がいる可能性があるときは、「男らしい・女らしい」という男女を明確に分ける言葉は用いないようにしましょう

カミングアウトされたときは?

人によっては、自分が仲良くしている人から突然セクシュアリティに対して、カミングアウトされる場合もあります。相手からカミングアウトされた際、驚くかもしれませんが、否定的になるのではなく、受け入れることが大切です

カミングアウトされたときには、まず伝えてくれたことへの感謝を伝えましょう。不安を抱えながらも伝えてくれたことに対し感謝を言うことで、LGBTの人にとっても安心できます。

またカミングアウトされたときには、相手が困っていることについて聞いてみたり、他に知っている人がいるか確認をしたりすることで、アウティングを避けるようにしましょう。

LGBTに関する悩みの相談先2選

ここまで自身や知人がLGBTかもしれないときの行動について、まとめていきました。

最後にLGBTのために設けられた、悩みの相談先を2つ紹介します。

よりそいホットライン

よりそいホットライン」とは、国が寄り添い型相談支援事業による補助金を受けて、事業者が行う電話相談事業のことです。

よりそいホットライン」では自殺に関する内容やセクシュアルマイノリティに関する内容など、7つの分野に電話回線を分類し、電話相談を行っています。

電話対応だけではなく、「Moyatter」やチャットルームである「もやもやルーム」などのSNSを通じて、若者も相談しやすい環境を設けています。

よりそいホットラインの電話番号はこちら▼
0120-279-338

よりそいホットライン 7つの電話回線
① 一般ライン
② 自殺予防ライン
③ DV性被害者など女性のための専門ライン
④ セクシュアルマイノリティライン
⑤ 外国語ライン
⑥ 広域避難所ライン
⑦ 被災地の10代・20代の女性のための専門ライン

セクシュアル・マイノリティ電話法律相談

セクシュアル・マイノリティ電話法律相談」とは、LGBTの人々が抱える法的な問題を解決するため、弁護士とのコンタクトを簡単にする電話相談です。

電話法律相談は、さまざまな都道府県における弁護士会が行っているため、簡単に連絡ができます。

また地域によっては電話相談だけではなく、対面での相談を行っている電話相談もあるため、自分の希望に沿って悩みを相談できます。LGBTに関する悩みを抱いたときには、自分が最も話しやすい方法で相談するようにしましょう。

東京三弁護士会本部 電話番号はこちら▼
03-3581-2201

東京三弁護士会多摩支部 電話番号はこちら▼
042-548-3800

まとめ

LGBT」とはレズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーという4つの言葉の頭文字をとって組合せたものです。人口に占める割合が少ないことから、LGBTの人々はセクシュアル・マイノリティと言われる場合もあります。

LGBTの人々は、学校や職場だけではなく病院などの公共施設においても、規則や制度や周囲の人の理解不足によって悩みを抱えています。それだけではなく販売されている服においても、LGBTの人々にとっては自分が着たい服が切れないなどの問題が生じています。

もしかしたら自分だけではなく自身の身近にも、LGBTに該当する人がいるかもしれません。まず自分の性に疑問を抱いたときは、自分が変わっていると思うのではなく、自分自身を尊重しましょう。また誰かに相談したくてもできないときは、LGBTに関する悩みを相談できる電話相談を頼るなどの手段があります。

相談しても意味がないと思うのではなく、「周りの人に知ってもらう・悩みを少しでも軽減する」という前向きな考えを持ち、誰かに頼ってみましょう。

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