カーボンニュートラル達成に向けた政府の取り組み-目標や宣言も紹介

##エネルギー#脱炭素 2022.08.16

この記事をSNSでシェア!

 

政府はカーボンニュートラルに向けてさまざまな取り組みを行なっています。

しかし、みなさんはそもそもカーボンニュートラルとはどのようなことなのか、政府の掲げる目標や方針を理解しているでしょうか。

そこで今回は、カーボンニュートラルの実現に向けた日本の現状と政府の取り組みを徹底解説します。

カーボンニュートラルの現状

そもそもカーボンニュートラルとは

カーボンニュートラルとは二酸化炭素排出量が実質ゼロのことを指します。

実質ゼロとは人間が動物の呼吸や電気の供給先である火力発電所で化石燃料を燃やした時などに発生する二酸化炭素量と、植物が光合成するときに吸収する二酸化炭素量がプラスマイナスゼロの状態です。

この状態を目指すために世界各国で二酸化炭素排出量の減少と森林保全や植林が進められています。

▼脱炭素社会について詳しくはこちら

カーボンニュートラルを目指す日本の現状

日本でも取り組みは行われており、2019年10月26日に行われた国会で菅元総理大臣所信表明において「2050年にカーボンニュートラル・脱炭素社会の実現を目指す」と宣言されました。

2018年における世界の温室効果ガス排出量合計約335億のうち3.2%が日本で排出されており、これは世界5位の排出量になります。

日本の温室効果ガスは約9割がCO2とされており、このうち約4割が電力、残り6割が産業や運送などから排出されているといわれています。

カーボンニュートラルを目指すためには電力の元である火力発電のCO2排出量削減や燃料の脱炭素化、植林などで対応していかなければなりません。

引用:https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2021/html/1-2-3.html

▼カーボンニュートラルの問題点について詳しくはこちら
https://sdgs-connect.com/archives/49193

政府が掲げいている目標・宣言

政府はカーボンニュートラルに向けてさまざまな目標や宣言を掲げています。どのようなものがあるのか紹介します。

2050年カーボンニュートラル宣言

日本の政府は前述の通り2019年の10月26日に「2050年にカーボンニュートラル・脱炭素社会の実現を目指す」と宣言しています。

また2021年4月には地球温暖化対策推進本部及び米国主催の気候サミットにおいて、「2050年目標と整合的で、野心的な目標として、2030年度に、温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指す。さらに、50%の高みに向けて、挑戦を続けていく」ことも表明しました。

日本の排出削減目標

世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して、2℃以下にし、1.5℃に抑える努力を追求することを目標とした「パリ協定」に日本は参加しています。

「パリ協定」は2015年12月にフランス・パリで開催された国連気候変動枠組条約第21回締約国会議で、世界約200か国が合意して成立しました。ここではすべての国が5年ごとに温室効果ガスの排出削減目標を「国が決定する貢献」として提出する義務があります。

日本では中期目標として2030年までの排出削減目標を26%(2013年度比)に設定しています。また長期目標として2050年排出実質ゼロを目指しています。

地域脱炭素ロードマップ

地域脱炭素ロードマップとは、地域課題を解決し、地域の魅力と質を向上させる地域創生を国全体で進めるため、2030年までに集中して行う取り組みを中心に地域脱炭素の行程と具体策を示したものです。

地域脱炭素とは地域課題の解決、地域の魅力と質の向上につながる地域創世に貢献できるものになります。

カーボンニュートラル実現に向けた政府の取り組み 5選

さまざまな取り組みが行われているなか、実際に政府が取り組んでいる内容はどんなものがあるでしょうか。

実際に政府が支援している取り組みを5つ紹介します。

改正地球温暖化対策推進法の策定

改正地球温暖化対策推進法とはその名の通り地球温暖化対策を国・地方自治体・事業者・国民が一体となって取り組んでいくために制定された日本初の法制度です。温室効果ガスの排出量の報告や抑制などについて規定されています。

令和3年5月26日には一部改正法が成立されており、
1.2050年までの脱炭素社会の実現を基本理念に

2.地方創生につながる再エネ導入を促進

3.企業の温室効果ガス排出量情報のオープンデータ化
といった3つのポイントがあります。

引用:https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/topics/20210604-topic-03.html

脱炭素ライフスタイルへの転換

脱炭素社会に貢献する製品への買い替えやサービスの利用、ライフスタイルの選択などといった、温暖化対策にもつながるような「賢い選択」ができる社会の実現を目指した取り組みを支援しています。

具体的な取り組みとしては省エネ家電への切り替えや太陽光パネル、3Rや食ロスの減少などさまざま内容があります。

ゼロカーボンシティの表明から実現へ

2050年に二酸化炭素実質排出量ゼロに取り組むと公表している地方公共団体が増えています。

2021年6月の時点で400以上の地方公共団体、人口総数1億1千万人を超える人数が参加表明を出しており、日々その人数は増え続けています。

ロードマップなど地域での取り組みにより脱炭素社会実現へむけて進んでいるのです。

引用:https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/road-to-carbon-neutral/img/img-zero-city@2x.png?202202

ゼロカーボン・ドライブ

環境省が移動手段の脱炭素化に関して、再生可能エネルギー電力(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池自動車(FCV)などを活用したドライブを「ゼロカーボン・ドライブ」と呼び職場や家庭、地域での使用を応援しています。

再生可能エネルギーなどは動く蓄電池としてco2排出量をゼロにすることができ、カーボンニュートラル実現にむけて重要視されています。

サステナブルファッション

サステイナブルファッションとは衣服の生産から販売、着用、廃棄に至るまでのプロセスにおいて持続可能であることを目指した取り組みのことを指します。

生産過程から生まれる二酸化炭素や水の消費、使用後の廃棄などを分析し企業や消費者に何ができるかを考え、無駄を省いていくのがサステイナブルファッションの根本的な考え方になります。

引用:https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/topics/20210621-topic-05.html

▼カーボンニュートラル日本について詳しくはこちら
​​https://sdgs-connect.com/archives/49414

カーボンニュートラル実現に向けて

カーボンニュートラル実現に向けてできることはどんなことがあるでしょうか。

個人や企業で実施できることにはなにがあるのか紹介します。

企業ができること

企業はまず自社を調べることが大事になります。

自社のco2排出量の把握やエネルギー使用状況などを把握することで、どうカーボンニュートラル実現に向けて動いていけばいいかの指針を立てることが出来ます。

発電や運輸、産業や加熱など化石燃料をエネルギー源として使用する際に発生する二酸化炭素を減らすこと、使用するエネルギーを太陽光や風力、水力やバイオマスなどの再生可能エネルギーにすることが脱炭素に繋がっていきます。

個人ができること

個人でカーボンニュートラル実現に向けて動く場合は身近なところから気を付けていきましょう。

すぐに始められることとしては節電や節水があります。コンセントを抜いたり、電子機器の効率のいい使い方をすることで無駄な消費を抑えることができます。

その他にも公共交通機関や自転車、徒歩で移動することやゴミのリサイクル、再生可能エネルギーの使用など意識するだけで変えていける部分がたくさんあります。

まとめ

今回はカーボンニュートラルについて紹介させていただきました。

カーボンニュートラルは2050年という明確な目標のもと世界で実施されていて今後さまざまな所で見ることがあると思います。

情報がたくさんある中で何が大事なのかを見極めれるようにすることが大事なのではないでしょうか。

この記事をSNSでシェア!

  • ランキング

    「SDGsは胡散臭い」と言われる5つの理由【解説】|原因から解決法まで徹底解説

    《あなたは正解できる?》SDGsを目標別のクイズで学ぼう!SDGsクイズ

    日本のLGBTの割合は人口の約10%-高校生での割合や海外との比較も紹介

    新着記事

    省エネからSDGsへ|ブロンコビリーが取り組むサステナブルな取り組み

    SDGsの基礎知識

    食品ロスとは?原因や日本と世界の現状、家庭でできる対策を紹介

    もっとみる

    おすすめ

    SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」で解決するべき問題点を紹介

    SDGs目標1「貧困をなくそう」への取り組みを紹介-貧困問題解決のためにできることとは