【更新日:2021年3月22日 by 佐野 太一】
国際労働機関(ILO)は3月17日、「50 for Freedom(自由のための50カ国)」キャンペーンが当初目標を達成したことを発表した。
このキャンペーンは、強制労働や人身取引の防止、被害者保護などを求める「1930年の強制労働条約の2014年の議定書」を少なくとも50カ国に批准してもらうために、2015年から実施されてきた。17日にスーダンが批准した時点で、この目標が達成された。
キャンペーン開始以降、これまで世界中から7万人近くが議定書の批准・実施の呼びかけに対する支持を表明。日本は政労使ともに議定書の採択には賛成したものの、2021年3月現在、批准には至っていない。
引用:国際労働機関YouTubeチャンネル
ガイ・ライダーILO事務局長は、「強制労働、人身取引、児童労働、現代の奴隷制から自由な未来を、私たちはともに形作らなくてはいけません。なぜなら、私たちが望むより良い日常において、強制労働は存在し得ないからです」とコメントした。
最新の世界推計によれば、2500万人もの人々が人身取引の被害にあったり、債務奴隷( 親の借金を返済するため、子どもが貸し手の家に住み込んで働くこと)として拘束され、労働を強いられている。
SDGsゴール8「働きがいも経済成長も」では、ターゲット8.7として「強制労働を根絶し、現代の奴隷制、人身売買を終らせるための緊急かつ効果的な措置の実施、最悪な形態の児童労働の禁止及び撲滅を確保する」ことが掲げられている。
当然、どの国が、あるいは何ヵ国が議定書を批准したか否かの議論に終始するのでは、まるで意味がない。2500万人を救うためには、一刻も早く具体的なアクションを計画し、実行する必要がある。
ゴール8について詳しく解説した記事はこちら。
SDGs CONNECT ニュース/イベントライター。立教大学でジャーナリズム論を主に研究。記事執筆の傍ら、陶芸制作にも取り組んでいる。好きな食べ物はメロン。