【更新日:2023年9月27日 by 田所莉沙】
SDGs目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」は、目標7は、全世界の人々が安全かつ持続可能なエネルギーにアクセスできる環境の実現を目指しています。
私たちの生活の大部分はエネルギーによって支えられていますが、現在では化石燃料依存やエネルギーによる環境負荷といった課題が深刻化しています。
この記事では、このSDGsの目標7が目指す「全ての人々に持続可能で現代的なエネルギーサービスを手頃なコストで確保する」ことが、なぜ必要なのか、そして世界や日本で行われている取り組みについて、説明していきます。さらに私たち一人ひとりにできる、具体的な行動についても解説していきます。
【この記事で分かること】 |
見出し
SDGs7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」とは
まずはSDGs目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」の目標や、必要な理由などについて、説明していきます。
簡単に解説-目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」
SDGs目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」は、2030年に向けてすべての人々が簡単にエネルギーを利用でき、安定した持続可能なエネルギーを確保することを目指しています。
私たちは日々使用しているエネルギーを使うことで、大量の二酸化炭素を排出しています。そのため地球温暖化を促進させてしまう原因となります。そこでこの目標がとくに重要視しているものが、持続可能なエネルギーの使用を促すこと、エネルギー効率を高めること、そして再生可能エネルギーを全世界のエネルギー供給の中心にすることです。
この3つの要素は、地球環境を守りながら持続可能な社会を実現するために、私たちが直面している環境問題や気候変動を解決する手段として重要な役割を果たします。
なぜ目標7の達成が必要なのか
エネルギーは私たちの生活や経済発展に必要不可欠なものです。しかし、とくにアフリカなどの途上国では、多くの人々が生活に必要なエネルギーを、まだ十分に利用できていません。実際、アフリカでは57%の人々が電力が利用できず苦しんでおり、南アジアと東アジアでもそれぞれ20%、3%の人々が同様の問題を抱えています。このようなエネルギーの未普及は、これらの地域の経済発展を停滞させ、人々の生活が困難になります。
さらに、現在主流となっている化石燃料によるエネルギー供給は、環境への負荷が大きく、地球温暖化の一因となっています。化石燃料は二酸化炭素を大量に排出し、これが地球の気温を上昇させる原因となっています。
したがって、私たちはSDGs目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」を達成することで、すべての人々に安定したエネルギーを提供するとともに、環境を守るための取り組みを実施する必要があります。
化石燃料 …長い年月をかけて化石化した植物や動物からなる燃料のこと。天然ガス、石炭、原油などが該当する。 |
SDGs目標7のターゲット
SDGs目標7は、すべての人々に安全でかつ、手頃な価格の持続可能なエネルギーを提供するという目標を掲げています。この目標を達成するために、すべての人々がエネルギーを利用できる環境を整えることを目指しています。
またエネルギー効率を改善し、再生可能なエネルギーの使用を大幅に増加させることで、持続可能なエネルギーシステムを構築することも目標としています。
これらの目標達成のためには、各国における政策の策定や技術開発が必要不可欠です。また私たちも生活の中で使用するエネルギーの見直しや、持続可能なエネルギーを活用する生活を送ることも求められています。
SDGs目標7のターゲットについて、詳しくは下記の表をご覧ください。
7.1 | ・2030年までに電気やガスなどのエネルギーが、すべての人々に普及することを目指す。 |
7.2 | ・2030年までに太陽光や風力などの再生可能エネルギーを多く利用する。 ・再生可能エネルギーの割合を増加させることで、環境問題を解決する。 |
7.3 | ・2030年までに 電力消費量を減らす。 ・エネルギー効率を2倍に改善し、エネルギーを提供する。 |
7.a | ・クリーンエネルギー技術の開発と普及を加速させる。 ・世界各国で地球環境の保全に貢献する。 |
7.b | ・2030年までに発展途上国への支援プログラムを行う。 ・エネルギーサービスがいまだ十分に普及していない地域でも、持続可能なエネルギーサービスが利用できるようにする。 |
参照:外務省公式サイト
世界のエネルギー問題の3つの現状と問題点
続いてSDGs目標7における、世界の問題点や現状について、説明していきます。
関連記事:SDGs7の日本と世界の現状-達成に向けた取り組みも紹介
世界で電気を使えない人は約7億3,300万人(世界の約10人に1人)
SDGs目標7に関して、まず問題となっているのが、世界の人口の中で、毎日エネルギーを利用できていない人が7億3,300万人もいるという現状です。この数字は、世界中の人口のうち、全体の約10%を占めています。
とくにアフリカや南アジアの発展途上国に住んでいる人々は、毎日電気を使えないという深刻な状況です。その背景には、電気供給設備の整っていない地域が多いことや、貧困のために電気を利用できない家庭が多いことなどがあります。
電気が使えないことで、情報を収集できず、学習の機会を得ることもできません。さらに仕事の効率が改善されないなど、生活全体に影響を与えます。また、健康や安全にも直結する問題であり、一人ひとりの生活を大きく左右します。
化石燃料を大量に使い、地球温暖化を引き起こしている
現在、私たちの生活は、天然ガスや石炭などの化石燃料に大きく依存しています。たとえば電気、車、家庭用の暖房や冷房など、生活のあらゆる面で利用されています。しかし、この化石燃料の大量使用が、地球温暖化の大きな原因となっています。化石燃料の燃焼により大量の二酸化炭素(CO2)が排出され、大気中に留まり続けることで温室効果が引き起こされ、結果的に地球全体の気温を上昇させ、気候変動などの問題を加速させています。
とくに、石炭、天然ガス、石油といった主要な化石燃料は、それぞれ1kWhあたり820g、490g、650gの二酸化炭素を排出します。一方で、再生可能エネルギーとして注目されている太陽光発電や風力発電は、それぞれ1kWhあたりわずか41g、12gのCO2しか排出しないことから、化石燃料と比較した場合、その二酸化炭素排出量は圧倒的に少ないことが分かります。
このように、化石燃料の大量使用とそれに伴う二酸化炭素の大量排出が、地球温暖化の原因となっています。それを解消するためにSDGs目標7が作られました。
関連記事:再生可能エネルギー一覧-それぞれの特徴や課題、導入事例を紹介!
多くの発展途上国がエネルギー供給を化石燃料に依存している
現在、多くの発展途上国がエネルギー供給において、石油や石炭などの化石燃料に大きく依存しています。これは、化石燃料の採取技術が確立され、かつ少ない費用で大量のエネルギーを生み出すことができるためです。しかし、この化石燃料の利用は、二酸化炭素の排出量を大量に増やしてしまい、それが地球温暖化を加速させる原因となっています。
とくに、発展途上国である中国では、エネルギー供給の約88%を化石燃料が占めています。また、インドでは91%、インドネシアでは96%ものエネルギー供給が化石燃料によっているとされています。
また実際に世界に埋蔵されている石油や天然ガスなどの資源は、残り約50年分のみであることがわかりました。しかし世界各国では人口増加や、経済成長に伴って消費されるエネルギー量が増加していくと予測されています。今後安定したエネルギーを供給するためには、持続可能な資源を活用していく必要があります。
したがってSDGs目標7の達成のためには、これら発展途上国における化石燃料からクリーンエネルギーへの大幅な転換が必要となります。この転換が実現することで、地球温暖化への対策だけでなく、持続可能な社会を築く上での重要なステップとなります。
日本のエネルギー問題の3つの現状と問題点
つぎにSDGs目標7の、日本における問題や現状について、説明していきます。
関連記事:SDGs目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」日本の現状は?
日本では化石燃料によるエネルギー供給量が約72%を占める現状
日本で普及しているエネルギーの多くは、石炭や天然ガス由来のエネルギーとなっています。そのため太陽光などの再生可能エネルギーによって生み出されたエネルギーは、とてもわずかである状況です。「再生可能エネルギー」とは、風力、太陽光、水力、地熱、バイオマスなど、環境由来の持続可能なエネルギーを指します。再生可能エネルギーは、二酸化炭素排出量を減らし、環境への負荷を軽減するために、とても重要な役割を果たします。
2022年における日本のエネルギー供給状況を見てみると、再生可能エネルギーの割合は、全体の約22.7%に留まっています。一方で石油や天然ガスなどの化石燃料によるエネルギー供給量は約72%と、ほとんどのエネルギーが化石燃料によって生み出されたエネルギーであることがわかります。
日本において、再生可能エネルギーによるエネルギーを普及していくためには、石油や天然ガスに依存せずに、エネルギーを生み出すことが必要です。また日々エネルギーを利用している私たちも、生活の中で省エネにつながる取り組みを心がけていくことが求められます。
関連記事:日本の再生可能エネルギーの現状とは?-課題や導入メリットも解説
関連記事:再生可能エネルギーを普及させるには?-普及しない理由や課題を解説
原子力発電は事故の危険性があり、核のごみ問題も解決していない
原子力発電は、火力発電など他のエネルギー発電方法と比較しても、大量の電力を効率よく供給することが可能です。一方で、原子力発電による危険性もまた大きな問題となっています。とくに、福島第一原子力発電所の事故は、原子力の危険性を世界中に示す悲劇的な事件となりました。
また、原子力による発電には「核のごみ」が生じます。「核のごみ」とは、使用済み燃料棒などの放射性廃棄物のことです。核のごみは、長期間にわたり放射能を発し続けるため、その処理・管理には特別な対策が必要です。しかし、その最終処分場所や処理方法については、まだ明確な解決策が見つかっていません。
この問題から、SDGs目標7に定められているクリーンで持続可能なエネルギーへの転換がとても重要であることがわかります。この目標達成を目指し、これからどのようにエネルギー問題を解決していくかは、私たちにとって重要な課題です。
大量の化石燃料を使ってエネルギーを供給している
日本のエネルギー供給において、主要となっている発電方法が3つあります。それが化石燃料、原子力エネルギー、そして再生可能エネルギーです。とくに、化石燃料は日本のエネルギー供給の大部分を占めています。
日本において、再生可能エネルギー由来のエネルギーは年々増加傾向にあり、2022年度と2016年度を比較してみても、約8%以上増加しています。一方化石燃料を用いた発電方法は、年々減少しつつありますが、いまだに多くの化石燃料を用いている状態です。
化石燃料を活用したエネルギーの発電方法には、さまざまな問題があります。たとえば化石燃料の大量使用による、地球温暖化の促進です。化石燃料を燃やすことで二酸化炭素が排出され、これが地球の温度上昇を引き起こします。そのため、化石燃料の使用を減らし、再生可能エネルギーの普及や拡大が求められています。
SDGs7の解決につながる世界の国や団体の取り組み事例を紹介
続いてSDGs目標7の達成に向けて、世界各国が実施している政策や、国際機関が取り組んでいる事例を紹介していきます。
関連記事:SDGs目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」の取り組み事例10選
デンマーク-食品ラベルにカーボンフットプリントに関する情報を記載
デンマークでは、SDGs目標7の達成に向けて、食品のカーボンフットプリントについて消費者が理解できるような取り組みを実施しています。具体的には、食品のラベルにその製品が生産される過程で、どれだけの量の二酸化炭素が排出されたかを表示するというものです。
この取り組みを通じて、一般の消費者が日々の食生活において、自分の行動が地球環境にどれだけ影響を与えているかを知ることができます。また、それにより、自分自身の生活スタイルを見直すきっかけを与え、より環境に優しい選択を促す役割を果たしています。
スウェーデン-インフラやサービスのシェアで環境負荷を減らす取り組み
スウェーデンでは、エネルギー消費を抑える目的で、インフラやサービスのシェアリングを推進しています。具体的には、「サステイナブル・シェアリングシティ」を設立し、家具、衣料品、自動車などの共有を奨励しています。街全体で家具や自動車を共有することで、一人ひとりが消費するエネルギー量を削減し、持続可能な社会づくりを目指します。
また、スウェーデンの首都ストックホルムでは、エネルギー効率の高い公共交通システムの整備も進めています。電気バスやエコカーの導入、自転車レーンの拡大など、環境への負荷が低い交通手段を増やすことで、市民一人ひとりのエネルギー消費の削減につなげています。
これらの取り組みを通じて、スウェーデンはSDGs目標7の達成に向けた具体的な行動を示しており、他国へのモデルケースとなっています。
IEA(国際エネルギー機関)による電力の安全保障の取り組み
IEA(国際エネルギー機関)では、クリーンエネルギーの普及と安全保障に向けたさまざまな取り組みが行われています。その一つが「クリーンエネルギー技術ソリューション」です。「クリーンエネルギー技術ソリューション」は、化石燃料に依存する現状を見直し、クリーンエネルギーへの転換を促進するための具体的な政策や技術を提供するものです。
また、「エネルギーデータセンター」では、各国のエネルギー事情やエネルギー政策の影響など、幅広いデータと分析結果を公開しています。これにより、各国が自身のエネルギー政策を策定する際の資料として利用できます。
さらに、IEAは「エネルギープロジェクトの安全保障」にも取り組んでいます。これは、プロジェクトの設計から運用、廃棄など、さまざまな過程において、安全性を確保するためのガイドラインなどを提供するものです。これらの取り組みにより、IEAはSDGs目標 7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」の実現に向けた重要な役割を果たしています。
EU(欧州連合)-電化製品などへ環境配慮設計を義務化
欧州連合(EU)は、SDGs目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」を実現するための一環として、電化製品への環境配慮設計を義務化しています。 EUでは、「エコデザイン指令」という法律により、製品の生産から販売までの過程で排出される温室効果ガスの排出量を削減することが求められています。
具体的に求められていることとして、製品におけるエネルギー効率を高めた設計にしたり、修理やリサイクルが容易となる製品の設計をしたりなどがあります。そのほかにも製品の耐久性を高めることも、法律で定められており、製品がEU市場で販売される前に確認されています。
この制度により、消費者は安心して環境に優しい製品を選ぶことが可能となり、製造業者も自社製品の競争力を高めることができます。
SDGs7の解決につながる日本の政府や企業の取り組み事例を紹介
つぎにSDGs目標7の達成のため、日本政府が実施している政策や、企業が行っている取り組みについて、紹介していきます。
関連記事:SDGs目標7の企業の取り組み11選|業種別に紹介
日本政府-固定価格買取制度(FIT制度)
日本政府がSDGs目標7の達成に向けて実施しているのが、再生可能エネルギーの導入拡大です。再生可能エネルギーを普及させるために日本政府は、2012年から「固定価格買取制度(FIT制度)」を開始しています。
「固定価格買取制度(FIT制度)」とは、電力事業者が一定期間、国が定めた価格で再生可能エネルギーを買い取ることを義務付ける制度です。これにより、太陽光や風力、地熱などの再生可能エネルギーの導入が進んでいます。
また新しいエネルギー資源として、「ハイドロジェン(水素)」の活用にも力を入れています。「ハイドロジェン」は、焼却時に二酸化炭素を排出しないため、環境に負担のかからない資源です。2017年には「水素基本戦略」が策定され、積極的に生産や供給、利用が推進されています。
関連記事:再生可能エネルギー普及への日本の取り組み-政府・自治体・企業の取り組み
関連記事:脱炭素に向けた2兆円基金、水素関連に最大3700億円振り分け
アスクル株式会社-再生可能エネルギー由来の電力への切り替え
アスクル株式会社は、SDGs目標7の達成に向けて、再生可能エネルギー由来の電力の使用を推進しています。2021年より、全物流拠点(物流センター・配送センター)の電力を100%再生可能エネルギー由来のものに切り替える活動を行なっています。
具体的な取り組みとしては、自社が運営する物流拠点約80カ所での電力供給を、再生可能エネルギー由来の電力に変更することにより、年間約1000万kWhの再生可能エネルギーの利用を実現しています。この電力量は、一般家庭約2800世帯分の年間消費電力量に相当し、年間約5000トンのCO2排出削減に貢献しています。
富士通グループ-国内外の拠点で再生可能エネルギーによる電力調達を拡大
富士通グループは、世界的なエネルギー問題の解決に向けた取り組みとして、再生可能エネルギーを利用した電力調達の拡大に注力しています。具体的には、国内外の拠点で太陽光や風力などの環境負荷の低いエネルギー源を優先的に使用し、その規模を年々増やしていく計画です。
また、2030年を目指してCO2排出量ゼロを実現しようというビジョンを掲げ、具体的なアクションプランも公開している点も注目されています。富士通のこの取り組みは、企業がエネルギー消費を抑えるだけでなく、自ら再生可能エネルギーの供給にも貢献することで、SDGs7の実現に向けて取り組んでいます。
旭化成ホームズ-住宅への太陽光発電設備の設置を積極的に推進
旭化成ホームズは、SDGs7の推進に向けて、自社製品に太陽光発電設備を積極的に取り入れています。具体的な取り組みとしては、新築住宅「ヘーベルハウス」において、すべての物件に太陽光発電設備を設置しています。これにより、新築住宅における二酸化炭素排出量を削減することを目標としています。
また、旭化成ホームズでは、自家発電した電力を蓄電・利用する「HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)」も提供しています。これにより、エネルギーの効率を高め、住宅の省エネ・省CO2化に貢献しています。
これらの取り組みを通じて、旭化成ホームズはSDGs7の目標達成に貢献しています。
エネルギー問題を解決するために私たちにできること-個人でできる取り組み4選
最後にSDGs目標7の達成のために、私たちが身近でできることを、説明していきます。
関連記事:SDGs7達成への個人の取り組み8選-日本と世界の取り組み事例も解説
エネルギー効率の良い家電製品を購入し使用する
エネルギー効率のよい家電製品を購入し、使用することは、一人ひとりがSDGs目標7の達成に貢献する方法の一つです。エネルギー効率がよい家電製品と、エネルギー効率の悪い家電製品では、同じ家電製品であっても、必要なエネルギーを大幅に削減することができます。これにより、エネルギーの消費量を減らし、二酸化炭素の排出量を抑えることが可能になります。
たとえば、エアコンや冷蔵庫などは日常生活で必要不可欠な家電製品ですが、使用することで大量の電力を消費します。しかし、エネルギー効率のよい製品を選ぶことで、電力消費を大幅に削減することができます。
また、エネルギー効率のよい家電製品の選び方の一つとして、「エネルギー消費効率ラベル(エコラベル)」をチェックする方法があります。エコラベルは、製品がエネルギーをどれだけ効率的に使用するかを示すものです。これを参考に製品を選ぶことで、エネルギーの節約に貢献できます。
通勤通学に自転車や公共交通機関を使う
SDGs目標7に関わる取り組みの一つとして、自身のライフスタイルの改善があります。中でも、通勤・通学に自転車や公共交通機関を使うことは、目標達成に大きく貢献します。
たとえば、自動車の利用は二酸化炭素の排出削減につながります。実際に、車で10km走行すると約2.3kgの二酸化炭素が排出され、これは約10本分の缶ジュースの重さに相当します。一方で、自転車を利用すれば排出される二酸化炭素はありません。自転車の利用は、短距離移動において最もエコな移動手段となります。
自転車の利用だけではなく、電車などの公共交通機関を活用することも、二酸化炭素の排出量を減らす取り組みです。したがって通勤・通学の移動手段を、自転車や公共交通機関に切り替えることだけでも、地球温暖化防止への貢献と、SDGs目標7の達成に向けた一歩となります。
生活の中でエネルギー消費を節約する(省エネの実践)
日々の生活の中で、エネルギーの節約(省エネ)を心掛けることは、地球環境の保護を実現するうえで重要な対策です。エネルギーを節約する方法として、電子機器の電源をこまめに切ることや、使っていない部屋の明かりを消すことなどがあります。
また夏場に使用するエアコンの設定温度を低く設定しすぎないことも、エネルギーの節約に貢献します。電子機器の利用以外にも、植物を植えて緑のカーテンを設置すると、部屋が直接暖まりにくくなり、快適に過ごせます。
地域の再生可能エネルギープロジェクトへの参加し・支援する
私たちが生活している地域で行われている再生可能エネルギーのプロジェクトがあれば、それに積極的に参加したり、支援することも重要です。たとえば、地元の農業で生じたバイオマスを利用した発電プロジェクトや、地域共同で設置する太陽光パネルなどが挙げられます。
一部の自治体では、再生可能エネルギーを用いたエネルギー供給システムを導入し、その運営に住民が参加する取り組みも行われています。こうしたプロジェクトに参加することで、私たち一人ひとりがSDGs目標7の達成に貢献することができます。
また、自身が直接参加することが難しい場合でも、クラウドファンディングなどを通じて資金提供をすることで、再生可能エネルギーの普及に寄与することが可能です。ぜひ実際に自身でクラウドファンディングについて調べ、資金援助をしてみてください。
まとめ
SDGs目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」は、すべての人々が手頃な価格で、容易にエネルギーを利用できる環境づくりを目指しています。世界各国で普及しつつあるエネルギーですが、化石燃料に依存していたり、そもそもエネルギーが普及していない地域があったりと、さまざまな問題が生じています。
これらの問題を解決するためにそれぞれの国が独自に政策を実施しています。たとえばデンマークの食品ラベルへの「カーボンフットプリント表記」や、スウェーデンの「サステイナブル・シェアリングシティ」、IEAの電力安全保障、EUの環境配慮設計の義務化などです。また日本においても、多くの企業が再生可能エネルギーの導入に大きく力を入れています。
私たちも生活の中でできることがたくさんあります。とくにエネルギーの節約や、自転車・公共交通機関の利用は、簡単に行える取り組みの一つです。SDGs目標7の達成に貢献するためにも、身近でできることから始めてみましょう。
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