【イベントレポート】「Inspiration: 自らの愛する仕事で輝くための女性エンパワーメント」(THEORY Be heard project)が開催。

#SDGs目標12#SDGs目標17#SDGs目標4#SDGs目標5#SDGs目標6 2021.04.01

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【更新日:2021年6月2日 by 鈴木 智絵

3月21日(日)に「Inspiration: 自らの愛する仕事で輝く耐えの女性エンパワーメント」(THEORY Be heard project)が開催された。これは株式会社ファーストリテイリングとグループブランドのユニクロ、ジーユー、セオリーが3月8日の国際女性デーに合わせて展開しているさまざまな女性応援施策の一環として開催されたオンラインイベント。

今イベントには子供たちの心・体・思考力を健やかに育む「JOY Kids’ Theater」代表 夏海清加氏と、日本国内初の紙パックナチュラルウォーター「HAVARY’S」の代表取締役社長 矢野玲美氏が登壇。それぞれが切り拓いてきたキャリアに関するエピソードを通して女性自ら仕事で輝くためのヒントを発信した。

登壇者紹介

夏海清加

2008年株式会社JOY Kids’ Theater設立。2012年非営利活動法人化。延べ2500名を超える幼児〜大学生までの児童・生徒を指導。総合芸術ミュージカルを通した学びの場を教育現場や企業内で創造している。

矢野玲美

1993年生まれ。技術系商社の中東プロジェクトメンバーとして働きながら、家業のミネラルウォーター製造メーカーの役員として業務を行う。2018年から家業を継承し代表に就任。今年2020年6月に環境対応の新事業として、株式会社ハバリーズを立ち上げた。

モデレーター

渡部かおり

編集プロダクションFW主催・編集者・ライター。雑誌やweb媒体の企画や執筆を行っている。

 

テーマ①キャリアについて

Q. お2人のキャリアのきっかけとは?

夏海さん

ミュージカルと教育のキャリアのきっかけは舞台芸術の勉強のために留学したニューヨークだったそうだ。

体型、年齢、肌の色関係なく輝く子供達を目にして、点数評価ではなく、子供達の「自分らしさ」を評価する教育に感銘を受け、日本でも広めたいと思ったことが今のキャリアに繋がっていると言う。

実は、幼少期に見た目への偏見や差別を受けた経験がある夏海さん。「自分が小さい頃にミュージカル教育を受けていたらどんな人生だったんだろう?」という思いからプレイヤーではなく、ミュージカル教育を日本の子供達に届けるために勉学に励んだ。

このニューヨークの経験を元に、日本に帰国後、JOY Kids’ Theaterという団体を立ち上げ、総合芸術ミュージカルを通した学びの場を教育現場や企業内で創造している。

矢野さん

日本国内初の紙パックナチュラルウォーターを作り上げた矢野さん。そのきっかけはお母様がペットボトルナチュラルウォーターのメーカーをやっていたことと、前職の技術系商社で世界中を飛び回る仕事をしていた時に、紙パックの水を各国の空港やお店で見つけたことだそう。

「どんなシチュエーションでも誰しもが必ず飲むものである水という身近なところから、一人ひとりが環境問題に対してアクションを起こしていけないかと考えた時に、海外で目にした紙パックの水と繋がった。」と矢野さん。

SDGsや環境問題と聞くと難しく捉えられがちだが、小さなところからアクションを起こしていく大切さを広めるためにもこの紙パックナチュラルウォーターの推進は有効であると考えているそうだ。

テーマ②ビジネスの先にあるもの、使命

Q. 紙パックのナチュラルウォーターを通してSDGsに取り組まれている矢野さんですが、世界でもさまざまな形で取り組まれているSDGsに対する考え方や、矢野さんの事業、またはその他の活動が果たすSDGs達成への役割などがあれば教えてください。

「そもそもSDGsの概念を具体化していくようなアイテムがないという課題感があって、そこで形にしたのが水なんです。」と矢野さん。

日常的に飲む水のパッケージをプラスチックから紙パックに変えるという日常の小さなアクションで、気候変動や環境問題の解決に貢献することができるHAVARY’Sの紙パックナチュラルウォーター。それだけでなく、紙パックナチュラルウォーターを手に取ってくれた人たちに女性起業家としての矢野さんの生き方を知ってもらうことで、女性のエンパワーメントにも紐付けるなど幅広い視点が組み込まれている。『1本の水から世界は変わる』というキャッチコピーで幅広く、かつ具体的にSDGsに取り組むロールモデルとしての一翼をになっていきたいと矢野さんは語る。

また、企業の在り方として、「綺麗事ではないSDGs」を挙げ、SDGsへの取り組みをしながらも、ファッション性や利便性を妥協しないことが、環境的にも社会的にも本当に持続可能な企業のあり方だと考えているという。「持続可能ってシンプルなんだけど難しい。だからこそ鍵になるのが具体性。」と矢野さん。株式会社ハバリーズでも、経済性も環境配慮も社会貢献も妥協しない、あらゆる企業のロールモデルとしての新しい企業のあり方を発信していきたいという。

Q. ミュージカル教育の果たす役割と、次の世代に伝えていきたいことや達成したいことについて教えてください。

夏海さんはミュージカル教育は「自分にしかない魂を表現することで他者に受け入れてもらえる」経験を得ることができ、子供達の自己愛・自己肯定感を育むことができ、教育の点で大きな役割を果たすと語る。

学生の自殺率の高さや、定時制・通信制高校に学生が流れるなどの学校のあり方が問われている現代において、教育の中に自己肯定感を高め、自信を育むような取り組みを組み込んでいくことは喫緊の課題と言える。夏海さんは、その有効な手段としてミュージカル教育を広めていきたいという。

また、「舞台芸術を通して、教育、ジェンダー、パートナーシップなどSDGsに関して自分なりに表現する機会を得ることで、子供たちに社会問題を身近に感じてもらえるようになる。」と夏海さん。役になりきるのではなく、役を通して自分をどう表現するか、また、その中からどう社会問題に向き合っていくか考える力を子供たちに身につけてもらえるような活動をしていきたいのだそう。

テーマ③苦労や喜び、やりがい

Q. 欧米諸国と日本における格差や日本教育現場の追いついていないところとは?

この質問に対して、夏海さんは「偏差値や点数ではなく、自分が何をしていきたいのか、自分はなんのために世の中に生まれてきたのかなど、子供たち自身がどうしてきたいかを考える教育がまだまだ足りていないのではないか」という。自分が何をしたいのか、自分が社会の中で何ができるかを自らの手で見つけ出すことの基盤にあるものは「自己愛」であると夏海さんは語る。

その点欧米では、点数で評価されるような数学や言語などの教科の他に、演劇が科目として教育カリキュラムに組み込まれているのだそう。どこに行っても、どんな職業についても「自己表現」は大切なスキルである。夏海さんは、日本の教育現場でも演劇やミュージカルといった子供たちが自ら表現するような場を作っていきたいそうだ。

Q. 夏海さんが特にやりがいを感じるエピソードなどがあれば教えてください

夏海さんが活動を続けている中で、1番印象に残っているのは、不登校の子達が、ミュージカルを通して自己概念が高まり、学校に行けたという報告を聞いた時だという。「ミュージカルを通して自分を表現することを学び、「本当に自分が何をしたいのか」に真摯に向き合い、自分の将来像を自らの力で描くことができた子供たちを見ることができたのは本当に心に残っている」と夏海さんはコメントした。

Q. 矢野さんが注目している日本における格差の問題はありますか?

HAVARY’Sを通した活動の中で特に女性のエンパワーメントに注目しているという矢野さん。もともとペットボトルの製造メーカーの社長であったお母様が経験したことが強く印象に残っていることがこのエンパワーメント活動に影響しているのだそう。「昔の女性が現場でい一人でビジネスを展開すると今じゃあり得ないようなエピソードを聞いたりしていた。私自身がそういう目にあったことはないが、今でも日本のジェンダーギャップ指数は諸外国と比べると圧倒的に低い。」と矢野さん。

その原因として矢野さんが考えているのが、「女性自身が構えてしまっている」こと。女性自身が、「女性であるから」男性から不当な扱いを受けるのではないかとバイアスを持ってしまっていることも、ジェンダーギャップを広げる要素としてあるのではないか、と語る。

そんな中で矢野さんが実践しているのは「ニュートラルでいること」。女性だから、男性だからなど性別でカテゴライズするのではなく、1人の人間として真摯に仕事をしていくことで、スムーズにごとができると矢野さんは話す。ニュートラルな姿勢で仕事に向き合うことを、当たり前にしていくような働き方のシステムや企業のあり方を作っていきたいと矢野さんは話す。

また、「今はいろいろなことが行動にうつしやすくなっている時代」と矢野さんは語る。リモートワークや副業解禁など、多様的な働き方が受け入れられるようになってきた現代において、「個人」がどんなことをしていきたいか、世の中のためにできるかを考えることが求められている。どこかに所属しているから評価を得られる時代はもう終わっていて、今は個人の実力が試される時代だと矢野さんは思っているそうだ。

Q. 個人としてどんなことができるか、何をしたいか、社会に即した自分のあり方、行動できることを見つけるには何が必要でしょうか?

矢野さんが社会に即した自分ができることしたいことを探していくためにしていることは「常にアンテナをはって、世の中の情報に敏感であること」だという。いろいろなことがスピーディーにできるようになってきた世の中だからこそ、世の中のニーズをしっかりと把握し、自分に何ができるか具体的にに考えて行動にうつしていくことが、自分のため、社会のためにとても大切だと矢野さんは語った。

テーマ④ファッション、プライベートについて

Q. お2人のファッションのこだわりについて教えてください

矢野さん

矢野さんはファッションに関して気をつけている点が3点あるという。まずは、TPOにあった服装をすること。どんなに好きな服装であっても相手を不快にするような服装では意味がないとの思いから、まず最初に考えることがTPOなのだという。そして、2点目が自分の好みのスタイルをすること。実は矢野さんは中学生の頃から、好みの色である白黒ネイビーを貴重としたものしか着ないのだそう。TPOを踏まえた上で、自分の好みはとことん追求するのが矢野さんのスタイルのようだ。そして、気をつけている3点目は、サステナビリティについて。気に入ったものをメンテナンス品がら長年愛用することで、廃棄も出さず、サステナビリティにつながるのではないか、と矢野さんは語った。

夏海さん

「私はビビッドカラーが好きなんです。」と話す夏海さん。ミュージカル教育でも大切にしている自分らしさを大切にすることをファッションでもこだわっているようだ。ちなみに今回はビビッドな黄色のジャケットとパンツで夏海さんらしさを表しているそう。

Q. 仕事とプライベートの切り替え方はどうされていますか?

矢野さん

昨年会社を起こしたばかりの矢野さんは、生活のほとんどの時間を仕事に費やしているのだそう。旅行やゴルフなどの趣味はあるが、趣味を楽しんでいる最中でも何か仕事に行かせることはないかと常に仕事のアンテナが立っているそうだ。

夏海さん

夏海さんが実践している切り替え方法は、エッセンシャルオイルの匂いをかいだり、いつもよりゆっくりとバスタイムを取ったり、日々の中から少しずつリラックスできるようなタイミングを持つことなのだそう。仕事や仕事において関わる人たちとの時間を大切にするためにも、小さなところから自分の気持ちのメンテナンスをすることが夏海さん流の切り替えの方法のようだ。

また、プライベートでは舞台鑑賞にいくことが趣味の夏海さん。仕事もプライベートも舞台芸術に溢れた生活が夏海さんにとっては活力となり、創造性のある仕事ぶりにも繋がっているようだ。

質疑応答

Q. お2人はどのようにして自分の好きなことをどのようにして見つけましたか?

矢野さん

「まずはトライすること。」と語る矢野さん。矢野さん自身、興味を持ったことに対してはすぐに調べて自分からアクションを起こすことをし続けているのだそう。自分の興味に対して敏感に、そして具体性を持って何か実行していくことで好きなことを見つけるきっかけになるのだそうだ。まずは果敢に挑戦してみること、まずは一歩踏み出してみること、これが矢野さんの好きなことを見つけるための秘訣なのだそう。

夏海さん

偏見や差別の中にいた幼少期の「違い」に対する疑問と、純粋に舞台芸術が好きだった興味がミュージカル教育を通して繋がったことが、自分にとって好きなことに気がついた瞬間だったという夏海さん。自分の経験と興味があることを繋げ、「自分でも何かできるのではないか」と思えるようになることが好きなことを見つける第一歩ではないか、と夏海さんは語った。

また、夏海さん自身、海外に行ってミュージカル教育に出会ったことから、ミュージカル教育を受ける子供達にも、海外に行くことを勧めているという。海外に行ったりすることで、自分をアイデンティティを外から見てみること、異文化の中から自分を見つめ直すという経験も自分好きなことを再確認するための有効な手段として夏海さんは考えているようだ。

Q. ピンチの時にはどのように乗り越えていますか?

矢野さん

コロナ禍での起業だったのでたくさんのトラブルがあったという矢野さん。そんな中でピンチを乗り越えてきた術は「全てのリスクを把握し、それに対する対処策をいくつも考えておくこと」だという。冷静にファクトだけを受け入れて、どういう対処ができるかを淡々とこなしていくことで、ピンチがいつの間にか過ぎ去っていることが多いのだそうだ。

夏海さん

夏海さんが大切にしていることは「ピンチはチャンス」と考えること。ピンチだからこそ、強くなれると信じて、いつもと違うスキルを身につけたり、ピンチが訪れたからこそ出会えた人を大切にするなど、ピンチをポジティブに捉えることを大切にしているのだそうだ。

まとめ

国際女性デーを記念して行われた今回のイベント。夏海さんと矢野さんお仕事に対する熱意と、ビジネスの先にある「社会を良くしていきたい」という使命感が力強く伝わってくるイベントであった。また、ファッションを通して伝わってくるお2人の「自分らしさ」に関するトークも大変興味深いものだった。自分らしさを持ち、いつもポジティブなマインドを忘れない夏海さんと矢野さんはこれから日本の女性のロールモデルとなっていくに違いない。

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