日本女子大学とミツカングループによる「にっぽん食プロジェクト」

2023.03.31

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【更新日:2023年4月9日 by 中安淳平

2023年3月7日に日本女子大学内百二十年館にて「にっぽん食プロジェクト」記者発表会が行われ、日本女子大学学長篠原聡子氏、Mizukan Holdings代表取締役社長中埜裕子氏をはじめ、家政学部食物学科教授飯田文子氏、同学部学科である学生である加藤奈々瀬氏と富沢千翔氏が登壇し、にっぽん食の概念や具体的な成果、学生考案のにっぽん食メニューについて語った。

今回の記事では、記者会見に加えにっぽん食試食会に関してレポートしていく。

産学連携授業の背景

にっぽん食プロジェクトは、急速に多様化する食文化や価値観を若者視点で捉え直し、新たな食の未来を提供するために、日本女子大学とミツカングループ共同で立ち上げられたプロジェクトだ。

日本女子大学は家政学部食物学科を中心に、食を科学にし、社会の健康を増進する力を育てる教育を通じ、日本の食文化の担い手を育成し続けている。ミツカンは2018年に10年先の未来への約束「ミツカン未来宣言」を掲げ、人と社会の健康、新しいおいしさでかえていく社会の実現に向けて、おいしさと健康の限りない一致を目指し、食の可能性の追及を通じて、食の新しい価値観や在り方を磨き尖らせている。以上のような目標を掲げている日本女子大学とミツカングループは、価値観やビジョンが近かったため、今回の共同プロジェクトが開始された。

プロジェクトの中では主に、日本女子大学学生への調査、産学連携ワークショップ「にっぽん食を考える」とロゴ作成が行われた。産学連携ワークショップ「にっぽん食を考える」は飯田氏によって土曜日2限目に開校され、第7回と第10回の授業では、ミツカングループ社員が実際に行い、持続可能な食に関する紹介や、味ぽんの58年の歴史を振り返りながら事例を紹介し、何を大事にするべきなのかにフォーカスしたワークショップを行った。

和食でも日本食でもない「にっぽん食」とは

にっぽん食とは、これからの食の概念を表した言葉だ。日本で古くから受け継がれてきた和食が、様々な文化の参入により日本食に変化したように、多様化する食の価値観や食の課題に対して、多角的に食を捉え、食の規定を変えていく。その先に生まれるのが未来の食であるにっぽん食なのである。

また今回のプロジェクトで考案されたにっぽん食の概念は以下の5つでそれぞれ意味が込められている。特に重要なことは、おいしさ、簡便性、そして楽しさである。

持続可能な食 自給率向上、食品ロス削減を視野に入れた食材、調理法を使用すること。簡便に調理でき、作り続けられるレシピであること。

日本独自の課題に自給率の低さが挙げられる。さらに学生からは、時間効率化のために食の簡便さが大切であるという声が多く上がった。以上2つの観点からみても持続可能な食事であることは未来を考えるうえで重要である。

おいしくて健康的な食事 現在の日本人の栄養上の問題を加味し、栄養バランスに配慮した食事であること。食べ続けられるおいしさであり、食べ続けることで健康に繋がること。

アンケート調査からみえた、若い女性の食に関するライフスタイルは、簡便さが求められるがあまり、食の根本として大切なおいしさと健康が損なわれてしまっている。またこうした食事スタイルは日本人女性特有の「やせ」を誘発しているとも考えられる。

共食を通じてコミュニケーションを生む食 食を通した喜びや楽しさ、そしてコミュニケーションなどの共食が精神的に及ぼす影響を加味し、食を通じて心身ともに健康を目指した食であること。

若者の食意識として「共食」が挙げられる。コロナウィルスなどによって強いられた孤食は多くの学生を苦しめた。そのため人とコミュニケーションを取り、共に食事を摂る必要がある。

日本らしさを活かした食 日本の旬の素材を活かし、四季を感じられる食であること。

多くの学生が今回のプロジェクトを通して食を捉えなおしたときに重要視したことが「日本らしさ」であった。

味覚をはぐくむ食 日本の調味料(みそ、しょうゆ、酢、みりん、酒など)の良さを活かし、味覚をはぐくむおいしさであること。

和食が日本食になった時と同じように、日本らしい味を守り、受け継ぐことも必要である。

質疑応答にて

--これから持続可能な食事をするために一人ひとりが意識することとして

富沢:まず続けることが大切だと思うので、環境ではなく人間にとって簡便である必要があると思います。そのため文明の利器をどんどん利用していくべきだと思います。

加藤:SDGs を身近に感じることは難しいと思いますが、まずはできることからやっていくことが大切です。例えば、食材を買う際にはエコバックを持っていくなど、こうした小さなことでも学生同士で広めていくことでSDGsを身近に感じ、持続可能な食につながると思います。

飯田:簡単にできる食事であることだと考えます。「体にいいから、1からちゃんと作りなさい」といっても簡単でないと続けることは困難です。簡単に作れ、なおかつおいしければまた作りたいと思ってもらえるのではないでしょうか。

とそれぞれ答えた。

日本女子大学生が考案したにっぽん食メニュー

さらに授業内では4グループに分かれてそれぞれメニューを考案し、にっぽん食の概念について考察した。

当日は記者会見後に学生が今回のプロジェクトのために考案したメニューの試食会が行われた。簡便とおいしさが追及されているだけでなく、グループごとに異なったコンセプトが設定されており、グループごとの特色が現れたメニューが振舞われた。

さいごに

学生が考案したメニューは、これまでの和食や日本食の概念にはなかった簡便さが追及されていた。どれだけ簡単に作れるかが悪とされないにっぽん食は学生の一人暮らしであっても作り続けることが可能である。にっぽん食プロジェクトが広がり、持続可能な食を一人ひとりが意識すれば、にっぽん食は未来の食文化になっていくと思う。

 

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