食品ロス削減のおすすめアプリ5選-アプリ活用のメリットから特徴を徹底比較

#環境#食品#食品ロス 2022.08.18

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近年では、食品ロス(フードロス)を減らすためにアプリを利用する人が増えています。

世界では年間13億トンの食品ロスが発生しており、飢餓や地球温暖化にも繋がっています。

しかし食品ロス削減アプリを利用すると、食品ロスを減らせるだけではなく、お店の利益が増えたり、安く食品が買えたりするなどのメリットがたくさんあります。

今回は、食品ロス削減アプリの概要から、世界と日本の食品ロスの現状や、食品ロスアプリを利用するメリット、おすすめアプリについて詳しく解説します。

▼SDGsについて詳しくはこちら

食品ロス(フードロス)アプリとは

食品ロスを削減していくためには、ご飯を残さず食べるといった個人としての意識・活動はもちろんのこと、お店や自治体との協力も必要です。

食品ロス(フードロス)アプリとは、もうすぐ破棄される予定の食品をアプリユーザーに通知するなどしてお店と個人を繋ぎ、購入を促進するアプリです。

個人としては安く商品を購入することができ、お店としては売り上げの助けになります。また双方ともに食品ロスに貢献できることから、食品ロス(フードロス)アプリの利用には多くのメリットがあります。

SDGs12「つくる責任つかう責任」と食品ロスの関係

まだ食べられるのに捨てられてしまう食品、「食品ロス」が年間で約13億トンに上る一方、世界では9人に1人が食糧不足のため栄養不良に陥っています。
一部地域では需要を上回る生産により数多くの食品が破棄されていますが、必要とするところでは食品が行き渡らず飢餓を生んでいます。廃棄された食品は勿体ないだけでなく、その焼却時には多くの二酸化炭素が排出され環境面にも経済面にも大きな負担となります。

持続可能な社会を実現させるためには、賞味期限・消費期限が近いものから食べていくなど、責任を持って生産された食料を消費する意識が必要です。


関連記事:《SDGs基礎》目標12「つくる責任 つかう責任」を徹底解説

食品ロスの現状

世界では年間13億トンの食料が捨てられている

世界では年間13億トンの食料が食べられることなく、廃棄されています。

先進国では、凶作に備えるために需要を越える生産(過剰生産)が行われています。また生鮮食品に対し、食品の見た目や加工の段階に設ける外観品質基準が原因で破棄されるケースがあります。これらの理由に加え、豊富な食料を確保している余裕からくる、食料を簡単に破棄してしまう意識も先進国の食品ロスを助長する要因といえます。

対し途上国では、せっかく収穫しても交通整備が整っていないため運搬中に食料が傷んでしまう、市場での衛生管理が十分でないため食料が腐ってしてしまう、など収穫技術や過去施設が不足していることが食品ロスの原因となるケースが多いです。


参考:食品ロスの現状を知る:農林水産省
参考:世界の食料ロス | 中学生・高校生・市民のための環境リサイクル学習ホームページ

 

日本では年間約570万トンの食料が捨てられている

日本では年間570万トン(2019年度推定値)もの食品ロスが発生しています。飲食店やスーパーといったお店から出る食品ロスのほかに、家庭から出る食品ロスも多いです。
家庭から食品ロスが起こる理由としては、作りすぎによる料理の食べ残しや皮の剥きすぎによる過剰除去、賞味期限切れによる直接破棄が挙げられます。

年間570万トンと家庭・お店ともに多くの食品ロスが発生しているものの、日本では食料のうち約62%を輸入に頼っています。


参考:もったいない!食べられるのに捨てられる「食品ロス」を減らそう | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン
参考:食品ロス量が前年度より30万トン減少しました:農林水産省
関連記事:《SDGs基礎》目標12「つくる責任 つかう責任」を徹底解説
関連記事:フードロスを徹底解説|現状からSDGsとの関係、取り組みまで網羅

食品ロスが発生する5つの原因

畑に散らばる玉ねぎ

規格外品の廃棄

大きさの揃ったもの、傷が少ないもの、スーパーで見かける野菜はどこも形が整っているように見えます。

それは、食品を販売する店舗では上記のようなサイズが不揃いのもの・傷がついている「規格外品」を排除し、商品の見た目を均一にしているからです。

お客さんはなるべくよいものを選ぶため、商品の見た目に優劣を付けず、均一に保つ必要があります。農作物などはその種類によってさまざまな規格があり、基準に満たないものは規格外品としてジュースや肥料として加工、または破棄されます。

売れ残りの発生で廃棄

スーパーやコンビニで取り扱っている豊富な種類の食品ですが、そのどれもが全て売れているわけではありません。

食品の見栄えや消費・賞味期限が理由で消費者の手に届かずに破棄されているケースがあります。生産者がかけた時間とコストを無駄にしてしまうだけでなく、店舗の利益にも負担をかけてしまいます。

食べ残しで約117万トン廃棄

「食べ残し」は家庭から出る食品ロスのなかで最も多く、家庭系食品ロスの45%に当たります。

ご飯を作りすぎてしまったために食べきれず、残してしまう場面が最も想像しやすいですが、その他にも好き嫌いや飽きも理由として挙げられます。

賞味・消費期限切れで約107万トン廃棄

賞味・消費期限切れなど、手つかずのまま破棄されるものを「直接破棄」と言います。
この直接破棄は家庭系食品ロスのうち41%を占め、食べ残しに次いで多いです。

期限切れ以外の理由としては買い過ぎてしまった、冷蔵庫に入れたまま忘れてしまった、何かしらの理由により傷んでしまったというものも考えられます。

過剰除去で約38万トン廃棄

皮の剥き過ぎによる「過剰除去」も同じく家庭系食品ロスの1つですが、その割合は15%と上記2つと比べるとやや少ないです。

過剰除去が起こる場面は主に調理中で、皮の剥き過ぎや茎やヘタを大きく切り取ってしまうといった可食部分の破棄が理由となっています。


参考:規格外野菜を救おう!生産された3割の野菜は規格外で捨てられる!? | U25世代もSDGsを1から学べるメディア【なるほどSDGs】
参考:食品ロス削減推進法施行から2年、取組は進んだのか? | 三菱UFJリサーチ&コンサルティング
関連記事:食品ロスが問題である3つの理由-原因から食品ロスを減らすための対策を紹介

食品ロスアプリを利用するメリット

スマートフォンを触る手

事業者のメリット|食品ロスを減らして売り上げに

お店から見て売れ残った商品とは、利益の足かせになってしまうだけでなく「もったいない」という精神的負担を従業員に与えてしまう要因ともなります。

このような問題に対し、食品ロスアプリを利用すると商品と消費者を繋げることができます。

アプリの導入は店舗の食品ロスを減らすとともに、売り上げの貢献に繋がります。このような経済的なメリット以外にも、「ロスに取り組むエコなお店」というクリーンな印象を示すことで、新規顧客の獲得に期待が持てます。

消費者のメリット|割引・無料でお財布にも優しい取り組み

食品ロスアプリを利用することで、余った食品をお得に購入することができます。

利用するアプリと店舗によっては対象食品の価格が割り引かれることもあり、利用者のお財布に優しい特典が付いてきます。

環境保護のメリット|環境負荷・資源の無駄を減らせる

規格外であるから・売れ残ってしまった、という理由により破棄されてしまう食品ロスですが、生ごみなど食品の多くは水分を含んでいます。そのため焼却時には水分が蒸発してしまい燃えにくく、燃焼には多くのコストがかかります。

また、燃焼の際に排出される二酸化炭素が温暖化を加速させる要因ともなるため、食品ロスの削減に向けた取り組みは二酸化炭素の排出量を抑え、環境保護に繋がります。

このように食品ロスアプリを通して消費者と食品ロス、需要と共有のバランスをとることは環境面においても大きなメリットがあります。


関連記事:「もったいない」だけで食品ロスは減らない?|食材を経営資源と捉えるロイヤルホールディングス

食品ロスアプリおすすめ5選

TABETE|パン・スイーツ・お料理を美味しくレスキュー

TABETE
運営主体 株式会社コークッキング
割引率 20%~40%
支払い方法 都度決済
利用方法 テイクアウト
利用エリア 東京23区付近を中心とした首都圏など、27都道府県
加盟店舗数 2000店舗(2022年3月)
ユーザー数 50万人(2022年3月)
メインターゲット 中食
サイトはこちら サイトはこちら

No Food Loss|購入額の一部が子ども達の給食費に!

No Food Loss
運営主体 みなとく株式会社
割引率 50%
支払い方法 都度決済
利用方法 テイクアウト
利用エリア 首都圏を中心とした14都道府県
加盟店舗数 約300店舗(2020年11月)
ユーザー数
メインターゲット コンビニ
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フリフル|抽選で無料食材が当たる!

フリフル
運営主体 株式会社Day1
割引率 100%
支払い方法 代金引換
利用方法 抽選
利用エリア 全国
加盟店舗数
ユーザー数 7万人(2020年7月)
メインターゲット 生産者
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食べチョク|生産者から直送される新鮮野菜

食べチョク
運営主体 株式会社ビビッドガーデン
割引率 各種クーポンにより異なる
支払い方法 クレジットカード決済
利用方法 都度決済
利用エリア 全国
加盟店舗数 4300軒(2021年4月)
ユーザー数 50万人(2021年4月)
メインターゲット 生産者
サイトはこちら アプリはこちら

tabekifu|注文した金額の一部が途上国の寄付に!

tabekifu
運営主体 株式会社tabekifu
割引率
支払い方法 都度決済
利用方法 テイクアウト/イートイン
利用エリア 東京を中心とした3都道府県
加盟店舗数 16店舗(2020年3月)
ユーザー数
メインターゲット 外食・中食
2022年6月より一時、活動休止中

参考:TABETE – 農林水産省
参考:【使わないと大損】食品ロス削減アプリ・サービス11コを徹底比較! | Bon-appetit
参考:「No-Food-Loss」の加盟店舗を全て一覧形式(店名、業態、エリア)でまとめてみた。
参考:食べチョクのユーザー数が50万人を突破!国内の産直通販サイトの中で利用率No.1などを獲得。6つのNo.1とともに生産者の月間最高売上も更新。|(株)ビビッドガーデン/食べチョクのプレスリリース
参考:食品ロス解消・社会貢献型グルメアプリ〈tabekifu -タベキフ-〉は一時、活動を休止します。 – NPO法人もったいないジャパン

食品ロスアプリだけじゃない?通販サイトでも食品ロスに貢献できる

KURADASHI|食品ロス削減も社会貢献も

KURADASHIとは、フードロス削減と社会貢献活動を同時に行う社会貢献ショッピングサイトです。

フードロスの危機にある商品を通常よりも安く販売し、また売上の一部を環境保護、災害支援、動物保護、医療支援などを行う社会貢献活動団体に寄付しています。
累計フードロス削減量は9889トン(2022年3月)に上り、これまでに8000万円の寄付を行ってきました。

サイトはこちら

豊洲市場|豊洲から届く新鮮食材

豊洲市場ドットコムでは、新型コロナウィルスの煽りを受けて中止となったイベント、自粛店舗、買い手がつかず相場下落した食材など、様々な理由により豊洲市場でフードロスに直面している食品を販売するサイトです。

サイトはこちら

タダヤサイ|大量の野菜がタダでもらえる!

タダヤサイでは、通常であれば破棄されてしまう規格外の野菜をタダで販売するサイトです。

数量限定の野菜の中から抽選に当選した方を対象にタダで野菜を購入することができます。が、送料の負担があるため0円で野菜が届くわけではありません。

サイトはこちら

ロスゼロ|商品は届いてからのお楽しみ

ロスゼロは、規格外品や過剰在庫などの食品をネットで販売するほか、不定期に発生する食品ロスを不定期にお届けする「ロスゼロ不定期便」の運営などを行うサイトです。

また未利用の原材料を使ったアップサイクル食品の製造や食品ロスに関する情報発信も積極的に行っています。

サイトはこちら

 

まとめ

本記事では、食品ロス(フードロス)に関するアプリケーションを食品ロスの背景と合わせて紹介しました。

食品ロスは飢餓だけでなく地球温暖化の加速にも関わる世界共通の課題です。

残さず食べる、最後まで使い切るといった一人ひとり取り組みだけでなく、アプリを通して店舗や自治体と連携していくことが食品ロス問題を解決に導く1つの新しい手法となっています。

本記事との出会いを期に、食品ロス削減アプリについて調べてみると新たな発見に出会えるかもしれません。

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