《必見》小学校で行うSDGs取り組むべき理由とは|取り組み事例や低学年向けの取り組みも紹介

#SDGs目標4#子ども#持続可能#教育 2022.02.03

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【更新日:2022年3月17日 by user

2030年の目標達成に向けて、ますます注目を集めているSDGs。

今や小学生もが、社会問題に興味を持つきっかけとしてSDGsを学んでいることをご存知ですか?

小学生がどのようにしてSDGsを学ぶのか、実際に小学校で行っている取り組みを紹介していきます!

小学校でSDGsを学ぶことで得られる3つの力

世界へ目を向け、問題を発見する力

SDGsの各目標のテーマは、世界で起こっている問題が元になっているものばかりです。

これらについて授業の中で学び、話し合うことは普段の生活では考えることのない問題について考える、良い機会になります。

例えば、「世界には教育を受けられない子供がいる」「貧困問題が深刻な国がある」ということについて学ぶことを通して自分の生活と比較し、子供たちの視野を広げることにつながります。小学校でSDGsについて学ぶことは社会について考えるきっかけとなり、社会と自分が繋がっていることを実感できます。

必要な情報を自ら調べ、選択する力

子供たちにとってインターネットが身近なものになっている現代では、小学生でも知りたいと思ったことをすぐに調べることができます。

しかし、インターネット上には正しい情報だけでなく誤った情報も溢れているのが現実です。早くからメディアリテラシーやネットリテラシーを身に付けることが求められている現代の小学生たちにとって、SDGsについて調べることはインターネットに触れ情報を取捨選択する良い機会になります。

正解のない問題に立ち向かう力

普段子供たちが学校で触れている問題は、正解が用意されているものが大半です。

しかし、社会に出ると、そこには多くの正解のない問題が存在しています。

そこで大切なのは自分にできることを探す力です。

まさにSDGsは項目が多く、様々な問題が複雑に関わっているため、一つの正解を定義することができません。幼い頃から自分目線で考え、自分なりの答えを見つけることで正解のない問題に勇敢に立ち向かう姿勢が身につくでしょう。

(参考):https://miraii.jp/sdgs-2

小学校教育でSDGsを取り入れる方法

必修科目と関連づける

小学校ではSDGsという名前はついていませんが、授業の中にSDGsに関連するトピックが含まれています。例えば、社会科の授業で学ぶ戦争の授業では「平和」や「世界で起きている戦争・紛争」に紐付けて学ぶことができます。

このように、既存のSDGsと関連する科目と結びつけることで、簡単にSDGsを取り入れることができます。

総合的な学習の時間を使う

明確なカリキュラムが定められていない総合的な時間では、他の教科と結びつけづらい

「ジェンダー」や「健康・福祉」といったテーマについて取り組むことができます。

また、授業計画をフレキシブルに組み立てることができるため子どもたちがより確実に成果を得るようなプログラム設計が可能です。

学校全体で取り組む

大人数で1つの課題に取り組み、学べるのは大規模な小学校という組織ならではです。

これは、SDGs学習にも有効的な方法です。学年を超えてSDGsに関する課題に取り組むだけでなく、地域の方や保護者を巻き込んでSDGsに対する行動目標を立ててみるのはいかがでしょうか。

子供達が、SDGsで定められている成果目標の一歩手前にある、「行動」を起こすきっかけになるでしょう。

(参考):https://miraii.jp/sdgs-2

小学校低学年向けのSDGsの取り組み3選

自然を体験する

まだまだ遊び盛りの小学生たちにとって、キャンプやハイキングの体験は自然に触れることができる最高の学び場です。

それらの体験を通して、自然を大切にすることやゴミを持ち帰って環境を守ることを学ぶことができるでしょう。

図鑑を使う

子どもと生物に関する図鑑を見ながら、絶滅危惧種について考えることもSDGsに触れることにつながります。

実は自分にとって身近な動物が絶滅危惧種であることに驚いたり、絶滅危惧種に登録されるようになった背景にある自然破壊や地球温暖化といった環境問題について考えるきっかけになります

教材を使う

近頃は、小学校低学年でも使えるSDGsをテーマにした教材が多くあります。

これらは使い方があらかじめ示されているため、比較的取り組みやすいのが嬉しいポイントです。

小学生低学年が使いやすい教材として、SDGsさいころがあります。SDGsさいころの使い方はいたってシンプルで、サイコロを振ってでた面に書いてあるSDGsの目標について話し合うというものです。

他のゲームでも使う機会が多いさいころであれば、子供達がSDGsに興味を持つきっかけを作りやすいでしょう。ぜひ、ご家庭で話し合いの場を設ける際に利用してみてください!

(参考):https://manabi-with.shopro.co.jp/manabico/1707/

     https://www.jica.go.jp/hiroba/teacher/material/sdgs.html

関連記事:

小学校のSDGs取り組み事例3選

東京都江東区立八名川小学校

江東区立八名川小学校は、ユネスコの理念を実現するべく、平和や国際的な連携に関する取り組みをおこなっている学校が登録されているユネスコスクールに認定されています。

江東区立八名川小学校では、主に以下の6つの取り組みを実行しています。

①「だれ一人取り残さない教育」の実現

SDGsの重要なポイントである「だれ一人取り残さない」を学びの中で実現するために八名川小学校では、職員の間で「到達目標型」だけでなく「方向目標型」の指導観を取り入れています。このシステムは従来の均一な評価基準がある授業とは異なり、単元の目標自体を実現させることを目的としています。そのため、実現までの道のりで児童が自分なりに問題に対する意見を持つだけでなく、異なる意見を受け止め学び合い、一人ひとりの成長を評価することを可能にします。

② ESDカレンダーを中心としたカリキュラム・マネジメントの推進

八名川小学校では環境・人権・文化理解という3つの視点から、各科目に散在している学習内容を、総合的な学習の時間を中心につなぎ合わせ、それに関連する体験や外部の人との交流を取り入れた授業を行なっています。

また、科目を縦断した学びを明記したESDカレンダーと年間指導計画を作成しています。

ESDとは、Education for Sutainable Development の略で持続可能な社会の実現に向けて推進されている新しい教育の形を指します。

主にSDGsの目標の中に含まれている、気候変動や貧困問題といった環境・社会問題を自分ごととして主体的に捉え身近な行動変容を目指しています。

(参考)https://www.mext.go.jp/unesco/004/1339970.htm

「ESDカレンダー」

「年間指導計画」

③「学びに火をつける」問題解決的な学習過程の工夫

八名川小学校では、「学びに火をつける、調べる、まとめる・実行する、伝え合う」といった問題解決的な学習過程を取り入れた指導法の開発に取り組んでいます。

この指導法は主体的で対話的な学習指導を目的としており、これからの世の中で求められている、他者と協力して問題を解決する力を育むことが期待されています。

④ SDGs実践計画表

より効果的なSDGs学習の実現のために取組の中心となる単元名や、実施学年が明記されたSDGs実践計画書が作成されています。

この実践計画書は、「環境・人権・文化理解」というESDカレンダーの視点から、16の課題を3つのグループにまとめ、全体としてSDGs目標4「質の高い教育をみんなに」を踏まえた構造になっています。

SDGs実践計画表

⑤八名川まつりへの参加

1年間のSDGs学習の集大成として、全校児童が1~2月に行われる「八名川まつり」にて振り返り・学んだことや実践したことの発表を行なっています。

結果として、学年の壁を超えて学び合うだけでなく児童や教師がより良いものをつくろうと意気込むことにつながり、年々学びの質が向上しています。

⑥社会に開かれた学校

日常的に地域や保護者にオープンな学校であることはもちろん、毎月行なっている校内研究や八名川まつりの成果を広く公開しています。また、全国の教員をはじめNGOや政府機関の関係者を集め、ESDに関する学びの場も設けています。

ESDに率先して取り組む教育機関として、SDGs教育に関する研究に積極的に参加しています。

(参考):https://www.mext.go.jp/unesco/sdgs_koujireisyu_education/detail/1418171.htm

宮城県気仙沼市立大谷小学校

大谷小学校では、大谷中学校や地域と連携して「大谷ハチドリ計画」という取り組みを行なっています。

大谷ハチドリ計画の主な目的は、地域の豊かな自然と暮らしを守ることです。

大谷小学校が位置する地域では近年、松くい虫が原因で発生する松枯れや、海藻が著しく衰退する磯焼けが起きており、これが原因で地元の産業を支えている自然が大きく損なわれています。

こんな現状を少しでも改善するため大谷ハチドリ計画は始まりました。

自然衰退の原因や仕組みを学び、対策をすることからはじまり、現在ではこの活動は総合的な学習の一環として扱われています。

(参考):http://5actions.jp/conserve/kesennuma/

北海道石狩市立生振小学校

北海道の小学校として最初のユネスコスクールである生振小学校では、ESDの推進拠点として特色ある教育活動を展開しています。

主に、

  • 学校田活動:もみまき・田植え・観察・稲刈り・わらぞうり作り・餅つき
  • 学校農園活動:学年に応じて栽培・収穫活動
  • 防風林探検:草花・昆虫・小鳥・森林の観察
  • 地域との交流:クリーン作戦・生振の里との交流・歩くスキー・一輪車・竹馬

といった取り組みを通して、「ESDの基本的な考え方」を子供たちに学ばせています。

(参考):https://www.fureai-cloud.jp/oyafuru/home/index/esd/esd

最後に

全体を通して、総合的な学習の時間がSDGs教育において重要な役割を担っていることが印象的でした。

お家で簡単にできる取り組みから、学校規模のものまで多様な取り組みを通して子供達がSDGsについて考える機会を多く得られるような教育システムを作っていきたいですね。

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