【更新日:2021年3月16日 by 佐野 太一】
新型コロナウイルスの感染拡大が始まって以降、国内では初となる国連主催の国際会議「第14回国連犯罪防止刑事司法会議(通称:京都コングレス)」が12日、閉幕した。
3月7日から6日間、国立京都国際会館で開催された京都コングレスには、152の加盟国や37の政府間組織などの代表者が参加。来場参加とオンライン参加を組み合わせた「ハイブリッド方式」で犯罪対策について議論が進められ、成果文書として「京都宣言」が採択された。
京都宣言は、SDGsの達成に向けて法の支配を推進することを明確に掲げた。犯罪防止におけるジェンダーの視点の主流化や、刑事司法制度と接点をもった子ども及び若者の脆弱性への対処などにも取り組むとしている。
出席した菅義偉首相は、「京都宣言の実施にリーダーシップを発揮し、世界各国による取組を力強く支援してまいります。誰一人取り残さない、包摂的で安全安心な社会の実現に向けて、しっかり取り組んでまいります」とコメント。
議長を務めた上川陽子法務大臣は閉会式で、「京都宣言は、犯罪の防止、犯罪との戦いにおいて、マルチステークホルダー・パートナーシップに取り組むことを示唆しています。この点は、SDGsのゴール17と一致するものです」と述べた。
今回の京都コングレスでは、国際的な刑事司法会議の場においても、SDGs達成を意識して取り組みを進めていく方針が改めて示された。特にSDGsゴール16で掲げられている「平和と公正をすべての人に」を達成するべく、効果的な司法制度を構築することが重視されている。
帰するところ分野や規模を問わず、中長期的な目標を打ち立てる場面において、SDGsの観点が欠かせないものとなっていることが今回の会議を受けて明白となった。
ゴール16、17について詳しく解説した記事は以下の通り。
SDGs CONNECT ニュース/イベントライター。立教大学でジャーナリズム論を主に研究。記事執筆の傍ら、陶芸制作にも取り組んでいる。好きな食べ物はメロン。