【更新日:2021年3月4日 by 佐野 太一】
引用:GPIF公式サイト
年金積立管理運用独立行政法人(GPIF)は2月7日、「優れた統合報告書」と「改善度の高い統合報告書」を発行した企業を発表した。
統合報告書とは、企業が自社の財務情報に加え、企業統治や社会的責任(CSR)といった非財務情報をまとめた報告書のこと。
今回発表された企業は、GPIFが国内株式の運用を委託している運用機関が選定した。「優れた統合報告書」については延べ71社 (前回67社)、「改善度の高い統合報告書」については延べ91社(前回87社)が選ばれている。
選ばれた報告書は以下の通り。
引用:GPIFの国内株式運用機関が選ぶ「優れた統合報告書」と「改善度の高い統合報告書」
最多となる7つの運用機関から選ばれた日立製作所の統合報告書には、「財務・非財務の目標と取組み、持続的成長を支える仕組み、キャピタルアロケーション戦略、イノベーションなどの説明が丁寧で分かりやすく、全体の完成度が高い」などのコメントが寄せられた。
引用:GPIFの国内株式運用機関が選ぶ「優れた統合報告書」と「改善度の高い統合報告書」
6つの運用機関から評価されたミネベアミツミの統合報告書には、「価値創造にマテリアリティが追加され、持続成長に向けた記載が充実した。また、事業ごとに「社会課題を解決するソリューション」を記載することで、SDGsと長期業績成長の関連がより具体化している」などのコメントが寄せられた。
GPIFによると、統合報告書を発行する企業の数は年々増加しており、2018年に400社を超え、2019年には500社に達した。事業を拡大することがSDGsで掲げられている17の目標達成に繋がるアピールにもなるため、ESG評価の向上を目指す企業は今後、完成度の高い統合報告書を作成すべく尽力することが予想される。
SDGs CONNECT ニュース/イベントライター。立教大学でジャーナリズム論を主に研究。記事執筆の傍ら、陶芸制作にも取り組んでいる。好きな食べ物はメロン。