DXを強みに、サステナビリティ推進に挑む|jinjerが「MOVE ON PROJECT」で目指す未来とは

2023.11.03

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【更新日:2023年11月6日 by 中安淳平

人事労務・勤怠管理・給与計算・ワークフロー・経費精算など、人事労務の効率化を支援するクラウドサービスを提供する、jinjer(ジンジャー)株式会社。同社は、サステナブル活動の一環として、2022年5月より「MOVE ON PROJECT(ムーブオンプロジェクト)」というプロジェクトを推進しています。

今回は、同社の広報室の中村景一さんと赤繁遥さんに、「MOVE ON PROJECT」や、jinjer株式会社がSDGs(サステナビリティ)推進活動を始めるに至った経緯や概要について、お話を伺いました。

人事労務のDXを実現するクラウドサービス「ジンジャー」

ーーまずは自己紹介をお願いします。

jinjerの中村景一と申します。jinjerの広報室でPR担当のマネージャーをしています。

また、「MOVE ON PROJECT」を推進していくオーナーも務めており、DXに課題を抱えるパートナーさんの支援を行っています。

加えて、当社はDX推進のためのクラウドサービスを比較できるサイト「DXログ」を運営しており、同サイトの編集部と共同して、パートナー様の「DX Action」宣言のサポートもしています。

「DX Action」宣言とは、企業のDX推進の第一歩となる行動宣言です。自社で今後どのようにDXを推進していくかといった宣言コメントを集めて、DXログ内の特設サイトに掲載しています。

ーーjinjerの事業内容を詳しく教えてください。

jinjerは、株式会社ネオキャリアの新規事業としてスタートし、2021年10月にスピンアウトして設立された会社です。人事労務業務改善のためのシステムである、クラウド型人事労務システム「ジンジャー(jinjer)」を展開しています。

「ジンジャー人事労務」「ジンジャー勤怠」「ジンジャー給与」など、HR領域の業務効率化におけるサービスを展開しています。

サービス間で、共通の人事データベースを使用しているため、人事情報を更新するだけで勤怠管理・給与管理・人事管理・経費管理などがすべて自動連携・更新されます。

2023年9月時点で、累計1万8000社の企業様に導入いただいています。導入業種も自動車や飲食、不動産、アパレルなど、幅広い企業様にご導入いただいています。

ーーSDGs(サステナビリティ)推進に関しては、SDGsのどの目標に向けて活動されていますか?

広報の赤繫遥さん

サステナビリティ推進に関しては、広報室が主体で動いています。当社では、SDGsの17の目標のうち、下記6つを目標として掲げています。

8:働きがいも経済成長も

9:産業と技術革新の基盤を作ろう

12:つくる責任、つかう責任

13:気候変動に具体的な対策を

15:陸の豊かさも守ろう

17:パートナーシップで目標を達成しよう

ーーどのようなきっかけで、SDGs(サステナビリティ)に注力するようになったのでしょうか。背景を教えてください。

当社の「『テクノロジー』のチカラで持続可能な社会を実現する」というパーパスを体現するには、SDGs(サステナビリティ)活動は避けては通れないと考えています。

そのためには、「ジンジャー」自体の世の中への浸透はもちろんですが、企業として本質的に社会課題を解決していくやり方もやり方次第で色々あるのでは?と考え、探求し続けることが重要だと思ってます。

DXの1.5歩手前をサポートする「MOVE ON PROJECT」とは?

ーー「MOVE ON PROJECT」の概要について詳しく教えてください。

「MOVE ON PROJECT」は、「DXの1.5歩手前をサポートしていく」という理念のもと、2022年5月に始動したプロジェクトです。基本的に無償でパートナー様の支援を行っています。

DXは、「システムを導入すること」そのものが目的になってしまうケースが多いです。しかし、そもそも、なんでDXを進めていくのかを明確にしないことには、スムーズにDXを進めることはできません。なので、まずはパートナーさんの課題に寄り添って、柔軟に解決策を見つけていく、といった姿勢を大切にしています。

「MOVE ON PROJECT」の具体的な取り組みとしては、さまざまな課題を抱えているパートナー様に対して、DX研修の実施や、あらゆる業務変革の提案、時には「ジンジャー」以外のツールを紹介するなどして、幅広い角度で課題解決のサポートをしています。

「MOVE ON PROJECT」の事例はこちらから↓
茨城県常総市の事例
富山県黒部市の事例

ーーパートナーはどのように探すのでしょうか?

当社から直接コンタクトをとることもあれば、jinjerのユーザーさんだったり、お付き合いのある自治体さんからご紹介をいただくケースもあります。あと、各自治体さんが運営している官民連携プラットフォームにjinjerとして参画するパターンもあります。

最近は、さまざまなシーンで「『MOVE ON PROJECT』を通してサポートを行うので、気軽にお声がけください!」と発信しているため、紹介経由でご相談をいただく機会が多くなりましたね。前のめりになって「何でもできます」と示す姿勢は大事だと痛感しています。

ーーこのプロジェクトは、広報室がメインで推進しているのですか?

広報室がメインではなく、jinjer版プロボノ制度として、プロジェクト単位で推進しています。プロジェクトメンバーは、セールス、カスタマーサクセス、エンジニア、経営企画、マーケティングなど複数部署のメンバーで構成されています。

複数部署で構成されているので、さまざまなスキルセットを用いて各々が解決できるであろう社外とのプロジェクトに関われるのも「MOVE ON PROJECT」の良さだと考えてます。「MOVE ON PROJECT」でメンバーは自らの専門知識や能力を生かしながら、日頃の日常業務では触れることのない新たな経験を体験できるので、新たな発見を本来業務に反映させたり、自身の成長により、今後のキャリア進展にも通じるかなと考えております。

プロボノモデルで、「福祉領域」のDX支援に注力していきたい

ーー主に、どのようなパートナー様を対象にしていますか?またプロジェクトを進めるにあたっての課題はありますか?

「MOVE ON PROJECT」開始当初は、特に絞っていませんでした。プロジェクトを一つ一つ進める中で、特に課題が多かったのが福祉領域でした。人手やコストなどリソースが逼迫しているだけでなく、そもそも「どうDXを進めたら良いかわからない」というパートナーさんが多かったんです。そもそもの進め方、DXの1.5歩手前から福祉領域に関係するパートナーさんをサポートすることこそが、本質的な課題解決につながると考え、今年から福祉領域に限定してプロジェクトを推進することにしました。

 その中でのプロジェクトの課題としては、メンバーの工数確保ですね。ただ、「MOVE ON PROJECT」にかける工数が膨れ上がって、本来業務に支障が出るのは避けたいので、プロジェクトの進行管理にはめちゃくちゃ気を遣ってます。

ーー「MOVE ON PROJECT」を遂行するにあたり、どのような点を大切にされていますか?

「MOVE ON PROJECT」として大切にしていることは、さまざまなパートナー様の課題と向き合い、解決までのゴールを設定し、伴走していくことです。

あくまでパートナーさんの課題が主語なので、関わるメンバーも柔軟に課題解決の選択肢を提案していかないとプロジェクトは解決しません。関わったからにはどれだけ主体的に取り組めるかがとても重要なポイントになってきます。

ーーこれからの戦略、展望について教えてください。

「MOVE ON PROJECT」メンバーで、ゲームで身近に寄付を感じられる「from Me」を体験したときの集合写真

直近の展望としては、まず「MOVE ON PROJECT」の環境整備をすることですね。

プロボノモデルで、パートナーさんに価値を提供し、かつ自社内でもイノベーションにつながるという「MOVE ON PROJECT」のあり方は業界でも珍しいと思います。プロジェクトの型化やパートナーさんとの連携方法、目標設定の方法など、より体制を整えて進化させていきたいです。

さらに、この取り組みや成果が認知されることで、「jinjerって面白そうな会社だな」と興味をもって入社する人が増えると良いなと思います。

中長期的な展望は、「MOVE ON PROJECT」をきっかけに、今まで通常業務ではアクセスできなかった自治体や福祉支援団体、企業とつながることですね。

今後は、当社だけでは対応しきれない課題も出てくるでしょう。 他社と連携して、福祉領域の課題を解決していければと思いますね。

さいごに

DXをした方がいいということは理解しているものの、中々踏み出せないような企業や福祉支援団体、自治体などに寄り添って共に課題を見つけていくという姿勢が、DX推進を加速させ、ひいてはサステナブルにつながっていくという考え方は「なるほどな」と思いました。

DXとSDGsは区別して考えられがちですが、実は密接に関係しているということが実感できるインタビューでした。

 

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