業界を巻き込みR&Rの推進へ|アクタスが目指す家具を廃棄しない世界

2023.06.30

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【更新日:2023年6月30日 by 中安淳平

株式会社アクタスは、日本の暮らしの質的向上を目指し「美しく丁寧な暮らし」を広めるため、衣食住のすべてにまつわる優れた商品とサービスを幅広く提供している企業です。特に家具業界においては、廃棄家具をなくす循環システムを構築し、サステナブルな取り組みを長く実践してきました。

今回はアクタスが推進している家具のR(リサイクル)&R(リニュー)*の取り組みと今後の家具業界のリサイクルの在り方について環境担当相談役の西弘信さんにお話を伺いました。
*家具を再資源化(リサイクル)する一方で修理して再利用(リユース)しようという考え。

↓アクタスも参画企業の一つである、リサイクル&リニュー協議会の詳細はこちらから↓

家具業界におけるSDGs先進企業アクタス

ーー簡単に自己紹介をお願いします。

アクタス 環境担当相談役の西弘信です。

小売、営業部門、商品企画、調達、品質、ロジスティックスと幅広い業務に就いた後、2020年3月に顧問となり、環境経営プロジェクトのほか、SDGsを社内に浸透させるために活動してきました。

ーーアクタスではいつ頃からSDGsを意識し始めましたか?

いつ頃という明確な基準はないのですが、20年ほど前から環境に対する取り組みは先進的に行ってきました。

「心を満たしてくれるものをゆっくりと選び、大切に使い続けよう」というアクタスの企業理念は自然とSDGsの思想と繋がります。しかし、SDGsの17のゴール全てにアプローチできているわけではなく、逆に全てを追いかけているわけでもないんです。会社としてお客様、社員、世の中、さらに地球にまでも優しい事業を行ってきただけなんです。

20年前からやってきたことが、後から「SDGs」という言葉で表現されるようになったということです。

ーーSDGsを全社で推進するような部署や部門はありますか?

2010年に「エココチ推進委員会」という組織が立ち上がりました。

「エココチ」とは、”エコ”と”心地よさ”をあわせた造語です。このエココチのマークは社証にもなっています。背景には住宅の構造が原因で人体に悪影響を及ぼすシックハウス症候群が挙げられます。90年代に問題視され、これに対応する形で2003年に建築基準法が改正され、身体に悪影響を与える物質やシロアリ駆除剤などの使用が規制されました。

家具は規制対象ではなかったのですが、住宅が規制されている以上、家具も当然人体に配慮した製品であるべきという捉え方からこのエココチ推進委員会が発足しました。

また、エココチ推進委員会ができる前の2005年から家具のリサイクルを始めました。それまで商習慣としてお客様の家具を引き取って、廃棄してしまうことも多かった家具を何とか再資源化しようと試みていました。今までを振り返ると、やはり結果としてSDGsに繋がる事業が多かったなと感じています。

社証にもなっているエココチのマーク

出典:https://www.actus-interior.com/company/csr02/

R&Rの活動でものづくり業界を牽引

ーーどのような背景があり、R&Rを業界全体に広めようという考えに至ったのですか

家具のリサイクルに関する回収から再資源化については様々な許認可に対する法制度との擦り合わせをしながら進める必要があります。

現状、新しい家具の納品時に各家庭から出る不用家具は同量、同アイテムを無償で引き取り、そしてその後正しい廃棄処理をしなければなりません。私達は近年、新しい家具の納品時に各家庭から出る不用家具が増えて来ていることや引取り、処理する様々な費用が上がってきていることを課題にしています。そして何よりも家具を循環させる事に対して生活者が困る事がないよう努力すべきだと考えています。

この対応のため広域認定という手法からの不用家具(現在はマットレス類)の有償引取の合法化そして、マニュフェストが獲得出来るリサイクルの仕組みを業界で垂直連携協業で開始しようと考えました。

家電や車はリサイクルの仕組みを確立するまでに多くの年月がかかりました。家具業界におけるリサイクルの仕組みが整うのは先のことかもしれませんが、声を上げなければ何も始まりません。時間がかかってもR&Rを業界全体に広めていきたいと考えています。

アクタス本社でインタビューを受ける様子

ーー今の家具業界におけるリサイクルの課題はどのようなものがありますか?

今、私たちの業界で最も課題となっているのはマットレスの廃棄です。

マットレスは非常に解体が困難な鋼鉄部分や化学繊維を多く含んでいるので再資源化が課題になっています。廃棄するにしても、埋め立てや海洋廃棄、焼却は環境に悪影響を与えてしまいます。マットレスだけではなく、マッサージチェアや電動ソファー、電動ベッドなどの燃やすことのできない鉄を含んだ分解されにくくリサイクルが比較的困難な製品たちがさらに問題になりそうです。

また、大型家具の回収も大きな社会問題となっています。新しい家具を納品した際、もともと置いてあった家具を私たち事業者は有料でビジネスとして引き取ることはできません。それに加え、現在、不要な大型家具が出た際は生活者が指定場所まで出さなければならず、高齢者世帯や1人暮らしの人たちが大型家具を廃棄に出すことが難しくなっています。

業界初の家具リサイクルとリニューを可能にするデジタルプラットフォーム実現へ

ーーマットレスなどの化学製品が使用される製品はリサイクルが難しいとのことですが、リサイクルしやすい製品とはどんなものなのでしょうか

木の家具ですね。化学繊維が使われていないため、分解もしやすく、削って加工することもできる。まだ全国にリサイクルルートはありませんが、今私どもが試行錯誤を重ねながら、家具のリサイクルがしやすくなるようなプラットフォームづくりに励んでいるところです。

ーープラットフォームについて詳しくお聞かせください。

まだ未完成ではあるのですが、家具の再資源化のデジタルプラットフォームとなるアプリ開発を進めています。

このプラットフォームづくりにおいては、垂直連携という言葉がキーワードになります。小売店やメーカーは単独で家具の再資源化はできません。マテリアルメーカー、小売店、物流会社、中間処理事業者、修理事業者などさまざまなプレイヤーが連携することで家具の再資源化を実現させることができます。

まずはマットレスから再資源化を始めるのですが、最終物流である家具を引き取ったトラックドライバーさんが家具の写真を撮り、それを引き取りたい業者さんに引き渡す。メルカリのようなシステムで家具の再資源化をしていきたいと考えています。

ーー最後に今後のアクタスの展望を教えてください

家具の再資源化はこれからの家具業界において必要不可欠なものです。リサイクルを前提とした、修理がしやすく、お客様に長く使っていただける商品づくりを推進していきたいと考えています。

また、マッサージチェアやマットレスのような再資源化が難しい家具を、「再資源化まで考えた構造にしていく」ということも考えています。将来的には、業界を超えて、結果として修理しやすい、循環しやすいものづくりを引っ張っていけるような活動をしていくつもりです。

さいごに

今回の取材では、家具の再資源化に向けて、業界全体を引っ張っていこうというアクタスの先駆的な姿勢がとても印象に残りました。

昔から結果としてSDGsにつながるような事業を行っていたアクタスが家具業界のリサイクルを引っ張っていくのは当たり前のことなのかもしれません。

家具の再資源化によって「こころを満たしてくれるものを選び、大切に使い続けよう」というアクタスの理念がより実現される社会になればいいなと感じました。

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