グリーフサポートで感動葬儀を|命に向き合うティアの想い

2023.10.27

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この世に生まれ生きていく限り、必ず死に直面します。身近な人の死を経験しながら人は成長していき、自らの死に向き合っていくのです。

今回は「互いに尊重しあい、命あるものすべてが幸せに暮らすことのできる社会」を目指し、人の「命」や「死」に真摯に向き合い、ご遺族のサポートをしている株式会社ティアの加藤さんと和田さんに、ティアが大切にしている「グリーフサポート」について、また、現状の課題と今後の展望などについて伺いました。

「発信力の高さ」は企業のDNA

ーー自己紹介をお願いします

加藤:ESG戦略本部の加藤と申します。ティアに入社したのは3年前で、当初は企画の仕事をしていましたが、1年経った際に会社としてSDGsを推進していこうということでSDGs推進室という部署の立ち上げから関わり、今は今年10月に新設されたESG戦略本部で活動しています。具体的にはサステナビリティサイトの構築やSDGs関連イベントに出させていただくなどの発信と、各部署へのサステナビリティの取り組み提案やサポートなどを主に取り組んでいます。

ESG戦略本部の加藤様

和田:人財開発本部 教育部の和田と申します。ティアに入社したのは6年前になりますが、入社して以来、新入社員などの研修の講師を担当しています。

ーー貴社はHPのデザイン性やYouTubeもやられているなど、「発信すること」にこだわりがあるのかなと思うのですが、実際のところいかがでしょうか

加藤:代表の冨安が発信力やメッセージを伝えるというスタンスを大事にしていることもあり、「発信力の高さ」は企業のDNAになっていると感じています。

冨安が創業した当時の葬儀業界は「門構えや肩書きを見て価格を決める」といった価格の不透明さがあった時代で、弊社は透明性のある価格を打ち出して成長した企業なんです。また、故人様との最期のお別れに想いを込める「感動葬儀」にもこだわってきたので、「透明性」と「感動を提供する」という二軸を重要視する当社において、発信に力を入れるのは共通認識として社員は捉えています。

ケアやセラピーではなく「サポート」

ーー貴社は「グリーフサポート」に力を入れられていますが、グリーフサポートについて解説いただいてもよろしいでしょうか

和田:近年、グリーフケアやグリーフセラピー、グリーフカウンセラーといった言葉で認知されるようになってきましたが、当社ではあえて「グリーフサポート」としています。その意義としては、どこまでもご遺族の方を尊重して、横に寄り添い、サポートしたいというあり方を大事大切にしているからです。セラピーやカウンセラーというと、治療や指導管理のように、少し相手の方との立ち位置が上下関係になり、対等ではなくなるようなイメージがあります。前から無理やり引っ張ることもなく、後ろから無理に押すこともなく、私たちは隣に寄り添いご遺族をサポートする役割におりますので「グリーフサポート」という言葉を使っています。

ーーグリーフサポートに力を入れられている貴社ならではのこだわりなどはありますか

和田:当社では入社された方に対して、グリーフサポートに関する知識やグリーフサポートをする上で必要なセルフケアについての研修をしています。

その研修の際に気を付けていることとして、グリーフサポートの知識についてはしっかりとお伝えしますが、そこにご遺族の方を当てはめるのではなく、あくまでご遺族に寄り添ったグリーフサポートのあり方をお伝えしています。

グリーフサポートは、死別による喪失機会から来るマイナスな影響をサポートしていくことですが、人生では死別に限らずさまざまな喪失を経験しながら、そこに折り合いをつけて生きていますよね。

特に新卒の方には身近な方との死別体験がない方もいらっしゃるので、そういう方にはご自身のこれまでの喪失経験を振り返り、その経験にどう折り合いをつけてきたのかを重ね合わせるようなワークを研修に盛り込んでいます。そうすることによって、ご遺族の状態を把握、ニーズの予測や配慮などの気遣いにつなげられるようにしています。

ーーグリーフサポートをするうえで、具体的にはどのようなことを行っているのでしょうか

和田:具体的な取り組みで言いますと、ティアのスタッフはとにかくご遺族のお話を傾聴します。式の前後に故人様が映っているお写真や動画をスライドショー形式で流したり、想い出コーナーとして会館内に掲示したりするスタッフは多いですし、ご遺族の方にも喜ばれます。思い出の共有は悲しみに折り合いをつける段階でも重要なので、効果的と言えます。

私共は大切な方の最期の場面に故人様への感謝を伝えていただいたり、悲しいだけで終わらずに感動を提供することを目標としていますが、マニュアル通りの演出をすれば感動していただけるというわけではありません。ご遺族の方を尊重し、同じ目線で寄り添える真摯なスタッフの関わり方がそのままご遺族の感動につながると考えています。

故人様がコーヒーがお好きだったと伺ったらコーヒーをお供えするだけでなく、生前よく通われていた喫茶店まで行きマスターに話を聞いて、ご遺族の方が知らない故人様の一面や思い出を持ち帰って提供するなど、ご遺族のためにできることをスタッフ一人一人が考えて行動しています。

ーーグリーフサポートを通じてあった印象的なエピソードを教えてください

和田:お客様からお手紙やアンケートでコメントをいただくことがありますが、スタッフに向けて「あなたのおかげで元気になれたわ」、「あなたのおかげで納得のいくお別れができた」、「葬儀の時にしっかり泣けたから葬儀の後はもう泣いてないんです」というような、前向きなメッセージをいただけることは多いと思います。

最初はスタッフとご遺族という関係でありながら、葬儀後もプライベートで関わりが生まれたり、中には畑を一緒に手伝ったりといったスタッフもいます。ご遺族の方と葬儀後もつながりが続いているというのは、当社のグリーフサポートの賜物だと捉えています。

葬儀社からトータル・ライフ・デザイン企業へ

ーー貴社はグリーフサポート以外にも「命の授業」という取り組みも行っていますが、これはどのような取り組みなんですか

加藤:「命の授業」は代表の冨安が2014年から継続的に取り組んでいるもので、ご依頼をいただいた全国の小中学校や高校で行っている講演活動です。

自身もサラリーマン時代にセレモニーディレクターとして多くのお別れの場面に立ち会ってきた冨安が、命の尊さであるとか、命のつながりに感謝することなど、生きていくことについて子どもたちに分かりやすく伝えています。死に向き合うことは、生に向き合うことだという考えが冨安にはあるので、今まで命をつないできてくれた先祖への感謝や今ある命の大切さを熱く語っています。

ーー葬儀業界として、現状どのような課題がありますか

加藤:2040年までずっと死亡者数は増え続けると言われている中で、火葬場の数が足りないという問題があります。都心の方ですと、安置期間という火葬に至るまでの期間が一週間かかることがざらにあり、安置期間が長くなるほど、ご遺体の状態も悪くなってしまいます。

この問題を解決するための手段の1つが「エンバーミング」というもので、ご遺体の腐敗を防ぎ長期保存を可能にするために行う処置を指します。ご遺体の腐敗を防ぐだけでなく、痩せ細ってしまったおじいちゃんやおばあちゃんが元気だった頃のようにふっくらした感じにできたり、大きな事故で損傷が激しいご遺体であってもエンバーミングをすることでお顔を見てお別れができるようになるので、グリーフケアの観点でも重要です。このエンバーミングを望まれる多くのご遺族にご提供する体制を当社では整えています。

和田:また、課題としては人材が足りていないということも挙げられます。どうしても死に直面し、重さや暗さといったイメージを持たれてしまう業界ではあると思うので、そのイメージを少しずつ変えていかなければならないなと感じています。実際にティアの葬儀に参列した方が志望してくださることもあり、接点さえあればやりがいや魅力の伝わる仕事ですので、就活生や転職を希望する人との接点をどう作っていくかが今後の課題です。

ーー最後に今後の展望や戦略についてお聞かせください

加藤:死と向き合い、命の尊さなどを変わらず伝えていきながら自社の長期的発展も見据え、葬儀社からトータル・ライフ・デザイン企業へシフトしようとしているところです。亡くなる前段階での人生をいかにサポートできるかもすごく重要で、これからはその部分も取り組んでいきたいと考えています。

例えば、高齢化社会でお一人様だったりとか、夫婦二人だけという世帯も多い中で、エアコンが壊れたとか、掃除がしたいけど満足にできないとか、そういう方たちの手助けができるような生活支援サービスを展開していきたいと思っています。その足がかりとして、子会社ティアサービスにおいて株式会社ベンリーコーポレーションが展開している、地域の困りごとを解決するベンリーにフランチャイズ加盟をする形で「ベンリー ティアサービス黒川店」をオープンしました。今後も当社らしい形でさらなる社会課題に対応していきたいと考えています。

さいごに

今回は株式会社ティアの加藤さんと和田さんにお話を伺いましたが、「グリーフサポートを通じて、葬儀後も繋がりが続いているスタッフもいる」というのは正直とても驚きでした。和田さんもおっしゃっていたように、私も葬儀業界に対してどちらかというと暗いイメージを持っていましたが、お話を伺っていくとやっていることはウェディングプランナーに近いのではと感じました。

今後ますます高齢化社会となる中で、葬儀社の価値や重要さも増していくと思うので、トータル・ライフ・デザイン企業としての今後の動向に目が離せません。

ティアのサステナビリティへの取り組みについてはこちら→ティア サステナビリティ

 

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