SDGs14の取り組み事例4選|私たちにできる身近な取り組みも紹介

#SDGs目標14#環境 2022.02.04

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ウミガメがゴミを食べてしまう、プラスチックが海岸に流れ着く、そんなニュースを見たことある人は多いのではないでしょうか?

そんな海を守るために世界中で様々な取り組みをしています。

今回は海を守るためにあるSDGs目標14「海の豊かさを守ろう」で日本で問題になっていることと、実際に行われている取り組みを4つ紹介させていただきます!

SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」とは

SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」の概要

SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」は言葉の通り、海の豊かさを守るために10個のターゲットが設けられたSDGsの目標です。

私たち人間が暮らす地球は水の惑星とも呼ばれ、表面の約7割が海に囲まれています。

海は、世界に水の循環をもたらすだけでなく、二酸化炭素を吸収したり、私たちの食料を供給するなど、かけがえのない存在です。しかし今、そんな地球の海の存在が脅かされる事態になっています。

そこでSDGsでも14番目の目標として、「海の豊かさを守ろう」が掲げられ、「持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」というテーマのもと、10個のターゲットが掲げられています。

SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」のターゲット

14.1 2025年までに、海洋ごみや富栄養化など、特に陸上の人間の活動によるものをふくめ、あらゆる海の汚染をふせぎ、大きく減らす。
14.2 2020年までに、海と沿岸の生態系に重大な悪い影響がでないように、回復力を高めることなどによって、持続的な管理や保護をおこなう。健全で生産的な海を実現できるように、海と沿岸の生態系を回復させるための取り組みをおこなう。
14.3 あらゆるレベルでの科学的な協力をすすめるなどして、海洋酸性化の影響が最小限になるようにし、対策をとる。
14.4 魚介類など水産資源を、種ごとの特ちょうを考えながら、少なくともその種の全体の数を減らさずに漁ができる最大のレベルにまで、できるだけ早く回復できるようにする。そのために、2020年までに、魚をとる量を効果的に制限し、魚のとりすぎ、法に反した漁業や破壊的な漁業などをなくし、科学的な管理計画を実施する。
14.5 国内法や国際法を守りながら、手に入るもっともよい科学的な情報に基づいて、2020年までに、少なくとも世界中の沿岸域(海岸線をはさんだ陸と海からなる区域)や海域の10%を保全する。
14.6 2020年までに、必要以上の量の魚をとる能力や、魚のとりすぎを助長するような漁業への補助金を禁止し、法に反した、または報告や規制のない漁業につながるような漁業補助金をなくし、そのような補助金を新たに作らないようにする。その際、開発途上国やもっとも開発が遅れている国ぐにに対する適切で効果的な、特別な先進国と異なる扱いが、世界貿易機関(WTO)の漁業補助金についての交渉の重要な点であることを認識する。
14.7 漁業や水産物の養殖、観光を持続的に管理できるようにし、2030年までに、開発途上の小さい島国や、もっとも開発が遅れている国ぐにが、海洋資源を持続的に利用することで、より大きな経済的利益を得られるようにする。
14.a より健全な海をつくり、開発途上国、特に開発途上の小さい島国や、もっとも開発が遅れている国ぐにおいて、海洋生物の多様性がその国の開発により貢献できるように、ユネスコ政府間海洋学委員会の基準・ガイドラインを考えに入れながら、科学的知識を増やしたり、研究能力を向上させたり、海洋技術が開発途上国で使えるようにしたりする。
14.b 小規模で漁業をおこなう漁師たちが、海洋資源や市場を利用できるようにする。
14.c 「私たちが望む未来」で言及されたように、海と海洋資源の保全と持続可能な利用のための法的な枠組みを定めた国際法(国連海洋法条約)を実施して、海と海洋資源の保護、持続可能な利用を強化する。

引用:ユニセフ協会

SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」の問題

海洋汚染

今、海洋汚染はとても深刻な問題になっています。

ゴミの不法投棄、船舶の油、工場排水や生活排水などさまざまな要因が挙げられます。

ポイ捨てされたゴミ、工場・生活排水などは海に直接ではなくとも川から流れてしまいます。また、漁業や輸送などで使われる船からの重油も事故で海に流れてしまうこともあります。

海洋汚染は、海洋ごみや船舶から流出した油、工場排水、生活排水などが原因となっており、日々の生活が海洋汚染に繋がっています。

例えば、排水などが海に流れてしまうと赤潮といった現象が起こります。これにより、プランクトンが大量発生し海水中の酸素を消費してしまうことで、水中の酸素が無くなり魚の大量死を引き起こすことがあります。

海洋汚染は私たちの生活に直結しており、私たちが海洋ゴミになるものを減らすことを意識しなければ海洋汚染の問題は解決しません。

Check!
赤潮とは:生活排水の中に含まれる窒素やリンが、プランクトンの栄養素になるので大量発生してしまい、海の水が変色してしまう現象。
水が赤くなることが多いので「赤潮」と呼ばれるが、プランクトンの色素によって海の色が変わるので、オレンジ色や茶色などになることもある。

プラスチックごみ

海洋汚染の原因でもある、ゴミの不法投棄の中で問題となっているのがプラスチックゴミです。

これは「海洋プラスチック」と呼ばれ、海の環境だけではなく生態系にも影響を及ぼしています。

プラスチックは自然に分解されないので、道端などに捨てられた物は風や雨など様々な要因により海まで飛ばされてしまいます。毎年プラスチックのごみは増えており、2050年には海にいる魚よりもプラゴミの方が増えてしまうという予想もされています。

参照:The New Plastics Economy Rethinking the future of plastics

ゴミとして海に流れ着いたプラスチックは、海の生物が餌と間違い食べてしまうことで、体の中で消化ができず溜まってしまうことで死亡するケースが多いです。

また、プラスチックの破片などを小さい魚が食べてしまい、消化されずそのまま私たちの食卓に並んでしまう場合もあります。

私たちが普段何気なく使っているプラスチックも、海の生物からすると毒になります。体に残り、ほかの食べ物が食べられなくなり餓死してしまうことや、体に詰まってしまい窒息死してしまうこともあります。

プラスチックのごみを減らすことで、救える命があるということを気にしてみてください。

▼プラスチック問題について詳しくはこちら

過剰漁業

魚の乱獲は、海の資源を守る上で重大な問題です。

日本は、科学的に算出されたデータを参照して漁業を行うことで安定的に海洋資源を守ろうとしています。

しかし、過剰に漁獲する人が世界中で絶えず、水産資源のバランスが崩れてしまっているのが現状です。

以下のグラフは2013年までの海洋水産資源の状況をまとめたものです。

 

引用:水産庁

漁獲量が少ない
もう限界量まで漁獲している
オレンジ 漁獲されすぎているか、枯渇している

グラフを見ると、オレンジ色が増えているのが分かります。オレンジ色の範囲が増えるとその分、漁獲できる魚が減ってしまいます。

青色の範囲も年々狭まっており、漁獲量に余裕のある魚も減っています。
これらがこのまま続いてしまうと、魚が食べられなくなるだけではなく、まっとうにルールを守っている漁師や海産物を取り扱っている職業の人が職を失ってしまう可能性もあるのです。

SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」の取り組み事例

海のエコラベル MSC認証

SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」の取り組みとして「海のエコラベル」というものがあります。

MSCは、1997年にイギリス・ロンドンで発足した、持続可能な漁業のための水産エコラベル認証制度を管理・促進する国際非営利団体です。

MSC認証は水産資源や環境に配慮しているとして、独立した審査機関による審査によって認証された漁業で獲られたものの証になります。

引用:MSC

MSCラベルの付いた商品は漁獲量が管理されています。これによって長期的にみると生産性が増し、海と私たち消費する側両方にメリットがあります。

このMSCラベルの付いたものを買う様にすることで漁業支援になります。また、管理されたものを買うことになるので水産資源が守られることになります。

その結果が「海の豊かさを守ろう」につながるのです。海産物を購入する際ははぜひ気にかけてみてください。

海のエコラベル ASC認証

「海のエコラベル」の養殖バージョンとしてASCラベルもあります。
ASCは、WWFとIDH の支援のもと2010年に設立された、独立した国際的な非営利団体です。

引用:ASC

こちらは養殖場で7つの審査項目をもとに審査が入るものです。有効期限も3年間となっており、厳しい条件を潜り抜けた養殖場の証になります。

ASCラベルが付いている商品はこうした養殖場の問題を解決しており、しっかりと管理されている証になります。養殖場は、今後私たちが魚を食べていく上で必要な施設です。天然漁業は過剰漁業などの影響で既に枯渇しかけています。その結果、養殖の需要が高まりましたが、同時に様々な問題が発生しました。水質汚染や生態系のかく乱、労働環境など周囲に悪影響を及ぼしてしまいます。

こちらもMSC認証と同様にSDGs目標14「海の豊かさを守ろう」に貢献することになります。

プラスチックを使わない

プラスチックを使う量を減らすことも大切です。

ここからは日常で意識できる取り組みをご紹介します!

マイバック、エコバッグを持参する

レジ袋は汎用性が高くさまざまなことに使われ、ゴミにもなりやすいことから海洋ゴミとしても問題になっています。

風に飛ばされて、引っ掛かって破れたりしたら小さい魚も吞み込めてしまいます。その結果死んでしまう魚もいます。

自分のバックを持つことで、無駄なレジ袋などのプラスチック消費を抑えられます。

詰め替え用品を使用する

洗剤や石鹼、最近では消毒用のアルコールなどは日常生活の中でよく使用されますが、これらを入れる容器もプラスチックで出来ており、無くなるたびに新しい商品を購入すると、毎回プラスチックゴミとなってしまいます。

詰め替え用などを買い、同じ容器を使い続けることで節約できるうえに、問題になっている無駄なプラスチックの削減に繋がります。

マイ箸、マイボトルを使用する

2022年4月からプラスチックのカトラリー類が有料化されます。

ビニール袋と同じようにプラスチックのスプーンやフォークなどにお金がかかるようになるので、マイ箸を持つのはエコだけではなく節約にもなります。

マイボトルもプラスチックの代名詞ともいえるペットボトルを買わなくなるのでペットボトル消費の削減になります。

どんなものでも繰り返し使えるモノを持ち歩くだけでプラスチックゴミは格段に減らせます。

バイオマス原料製品

ただ、無くそうとしても生活から無くせないのがプラスチックです。

そんな時は石油由来のモノではなく、再生可能資源であるバイオマス原料のプラスチックを探してみてください。

バイオマス原料は海などに流れ着いても、自然に溶けていくので環境破壊になりません。

代表的なものには紙コップや紙ストロー、紙容器などがあります!

海岸清掃

よく耳にする言葉だと「ボランティア」がこの枠組みに入ります。

海岸や河川などには捨てられたごみが散乱していて。こうしたゴミを拾い、捨てるのも海を綺麗にする活動です。

河川などは海につながっているので、ゴミが流されると海にそのまま放出されてしまいます。都心部から流されたごみが綺麗な海岸などに流されることで、汚い場所に変わってしまいます。

ポイ捨てをしないことが一番ですが川辺や海辺などではゴミは持ち帰って適切に処理するようにしましょう。

また、かながわ海岸美化財団では一年中ボランティアを募集しています。申し込みをすればゴミ袋など必要なものが郵送されるので、自分の好きなタイミングでボランティア活動に参加することが出来ます。

この様にゴミを拾う活動は全国各地で行われています。

自分の住んでいる県でどんなボランティア活動が行われているか是非一度調べてみてください

引用:かながわ海岸美化団体

 

おわりに

今回はSDGs14「海の豊かさを守ろう」の取り組みを紹介させて頂きました。

私たちが思っている以上に海からの恩恵は大きく、海の恵みによって生かされているのを忘れてはいけません。

普段食べている魚も私たちが出すゴミによって死んでしまいます。ポイ捨て1つが1つの命を奪うことになることもあります。その結果私たちの食卓から魚が無くなることもあります。

そうならないためにも、1人1人がプラスチックに対して意識を変える必要があります。

普段何気なく使っているものも、意識すれば変えられる部分はあるはずです。

1つ1つの行動は効果が感じられなく、なんでやっているんだろうと疑問に思うこともあるかもしれません。でも、その意識で救える命や人がいます。

まずは1つ、友人や子供などに共有して一緒に意識してやってみてください。

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